アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

「冷たい音」を機械の目で見られるか?

2017年07月25日 | ピアノ
昨日の記事冒頭に書いたようにartomr先生が「もっと冷たい音」といっていたとき、説明のため「月の光」の一部分を弾いて「ほら、ここはやわらかい音でいいけど…(弾く)…ここは冷たい音がいいですよね」

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確かに、両方、音の大きさとしてはpだけどやわらかい音とかたい音に聞こえる。これはいったい何が違うのか??

そもそも、音色がどうだといっても人間の耳で感知できてナンボな話なので(演奏効果を求めるならば)、
本来なら実験というのは別に機械を使って測定するということに限らず、
むしろ耳で聞いてどう感じたかということをダブルブラインドテストすればいいわけだ。
(その実験の組み立ても実際問題難しいけれど)

ただ、人間の耳に「かたい」「やわらかい」さらには「遠鳴りする」なんて感じる場合に、物理的にはどんな特徴を持った音なのかやっぱり知りたいし、そういう音を出すにはどんな弾き方をすればいいのかということも知りたい(現実にそう弾けるかどうかは訓練の問題であるにしても)。

そのために「機械の目」はどういうものを使うかだけど、よく使われるのはスペクトル分析と呼ばれるもので、周波数成分のどれがどのくらいという「混ざり具合」を示すものだ。ピアノの音程を決めている周波数(いわゆる「ラ」が442Hzというような)を基本周波数とすると、その整数倍の周波数のもの(倍音)がいろいろ混ざっている。

その混ざり具合から私たちの耳は「(バイオリンでなくフルートでなく)ピアノの音だな」という判断ができたりするのだけれども、ある一瞬についてスペクトル分析をするだけだと、ピアノの音色の中でのバリエーションまでは捉えにくい。

そこで、
「ピアノの音色はタッチで変わるか 楽器の中の物理学」(吉川茂)
で紹介されていたのは、スペクトル分析に時間軸を加えたもので、縦軸に周波数を取り、横軸に時間を取る。ピアノという楽器は最初のアタックからあとは減衰していく一方なんだけど、その変化を一覧することができる。

この結果を見ると、まず音の立ち上がり付近では基音や倍音以外の、半端なところにもごちゃごちゃと音が乗っていることがわかる。こうしたもろもろの「雑音」はけっこう聴感的な音色を左右する。

そして昨日の記事に書いた「縦振動」成分も表れる。これはほかの「雑音」と違って、基準音でも倍音でもない周波数なのにかなり長く響いているから(とはいえ高い音なので基音や二倍音ほど長く響くわけではなく、近い周波数の倍音と似たような感じと思えばよい)、これまた聞いた感じに影響を与えるだろう。

また、各倍音は一斉に一様に減衰していくわけではなく、倍音ごとに特徴がある。おもしろいのは一瞬消えて(消えるほど弱くなって)また復活する周波数があったりすることだ。

さっき、「減衰していく一方」っていったじゃんって感じだけど、そりゃもちろん音全体としては膨らむわけないんだけど、たぶん周囲の倍音成分からエネルギーをもらって強くなったりすることがあるんだろう。

これら減衰の仕方はピアノによっても異なり、たとえばやわらかく深みのある音に感じられるプレイエルは基音が力強く、カンカンキンキンした音に感じられるヤマハアップライトは基音が早めに減衰してしまい二倍音が勝っている(shigさん調べ)。

少なくとも、これを使えば「ピアノによる音色の違い」をわかりやすく示すことができる。「タッチによる音色の違い」よりはずっと顕著で実験も簡単だ。

shigさんはこの、スペクトル分析に時間軸を加えたグラフを映像化する装置? を準備して壮大な実験を企画したことがあったらしいんだけど、時間が取れず頓挫している(^^;; shigさんが大きく宝くじを当てて悠々自適の暮らしをするようになって研究の続きができるといいなぁ(わくわく)

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そこはもっと冷たい音で。

2017年07月24日 | ピアノ
artomr先生にラフマを見てもらってるとき、「そこはもっと冷たい音で」と言われた。具体的方法としては、打鍵スピードをもっと速く…でもpで。

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もちろん、一般的にいって打鍵スピードが速い場合に音は強く、遅い場合に弱くなるわけで、電子ピアノならばまさにそのように作られているんだけど、ともかくartomr先生は「打鍵スピードは速いけど小さい音」というのが「ある」と考えている(あるいは感じている)んだよね。そして、それが「冷たい音」と聞こえる、とも。この感覚は、多くのピアニストの間でわりと共有されているのではないだろうか?

* * *

「ピアノの音色はタッチで変わるか」という論争が古くからあって、それが解決されたようなされていないような、あまり納得・共有されていないという状況について、かいつまんでよしぞうに話してみた。シャンクの「しなり」が衝突の瞬間の速度以外の「何か」である可能性が示唆されていることも含めて。

すると、よしぞうは「しなりもそうだけど、ピアノアクションのパーツは理想的な剛体じゃないんだから、それぞれ非線形な振動をするし、可動部分の摩擦はゼロにならないんだから、衝突時の速度以外に変わる要素がないなんて単純な状況であるわけがない」と即座に言った。

…ですよね? やっぱそう思います??

シャンクのしなりの「大-小」というシンプルな説明はどうもしっくりせず、もっと複雑微妙なものだとなんとなく思っていたのだ。よしぞうの説明なら感覚に合う。微細な振動の状況により摩擦というか回転の抵抗も増えたり減ったりとかいろんな影響があるだろうし、けっこうややこしい話なのだ、たぶん。

ところで、よしぞうがそんなことを言うのは別にピアノについて実験をしたからでもなんでもなく、ただオーディオマニアとして、あるいは会社員としての何か(私はよく知らないけど)ものづくり的な経験から「当然にそうだ」という感触があるから、らしい。

ピアノ業界の人はなぜそういうことを言い出さないのか?? というか今まで見かけないのか?? と思っていたらば、shigさんが「これ貸してあげるから持っていきなさい」と一冊の本を渡してくれた。

「ピアノの音色はタッチで変わるか 楽器の中の物理学」(吉川茂)

おぉっ!! これはまさに!! (そのまんまなタイトル)(*)
この本では、音色に影響する可能性がある物理的要因として次の3つを挙げている。

(1) ハンマー・シャンクの振動。低周波の揺れと高周波の振動の合成
(2) 弦の振動のうち、縦振動(もちろんメインは横振動)。縦振動は微弱だけど横振動より10倍速く伝わるので、音の立ち上がり部分の音色に関与している可能性がある。
(3) キーが棚板まで沈み、それに当たるときに生じるパルス的な音(いわゆる下部雑音?)

このうち(1)が、ほぼよしぞうの言ってたことで、(2)は初めて見た。縦振動を起こす経路は非常に複雑で、スタッカート的なタッチとレガート的なタッチでは違いが出る可能性がある。この縦振動による周波数は基音より10倍以上高いもので、音の立ち上がりでは聞こえてもそののちはあまり聞こえなくなる。

まぁなんとなくだけど、タッチによって変わる要因は音の立ち上がり部分に主に影響を及ぼしているような気がするので、だからダンパーペダルを踏んでいるときにより顕著に感じられるのかな、と思う。

それで、上記は「可能性」の話だけどそれを実験で確かめられるのか、って話は次回につづく


(*)キャッチーなタイトルがついているけれども実際は副題にあるように「楽器の中の物理学」の本であって、ピアノの話は一章だけで終わってしまうし、それからいうまでもないことですが上達のノウハウとかないんで、変な期待はしないように。

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あ! この曲弾きたい!! ってなるグループレッスン

2017年07月23日 | ピアノ
昨日はartomrレッスン会@めるちゃん でした。

   にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←無謀選曲でしたがなんとか目鼻がついてきた…か!?

一時間枠が3つ、一時間半枠が2つ並ぶというけっこうな長丁場で、ホントにartomr先生お疲れ様でした(^^;;
特に昨日は、あんまり聞かないマイナー曲のめっちゃややこしいやつが並んでたので…

まぁ気楽に聞いてる側としてはたいへんおもしろく、なんだかレッスン聞いてるとあれもこれも弾いてみたくなっちゃうんですよ。

だいたい、それぞれが「これ弾きたい!!」って選んだ渾身の一曲ですから、いい曲なのですが、
それをプロがさらりと素敵に弾くのをただ聞くっていうのとは違います。

レッスンでは、ここにはこんな仕掛けが隠れてて…ここをこうしたら…おぉこんなに素敵、という変化を次々聞いていくのですから、これがおもしろくないわけがありません。そうかーなるほど!! つくづくいい曲だなー私も弾いてみたい。ってなっちゃう。

そういう発見があるってことでは先生の側も同じみたいで、曲の仕掛けを取り出してみせて弾き方を工夫していく、要するに「教えるお仕事がんばる」中でどうにもこうにもその曲の魅力に掴まれてしまう。

私が見てもらったのはラフマニノフ前奏曲op32-2でしたが、artomr先生はわりとラフマってノーマークだったらしくて、ラフマニノフがこんなイイ曲書いてたとは~とか言ってました(笑) ぜひartomr先生の本気の演奏でこの曲を聞いてみたいとリクエストしたら「そのうち弾きます」と力強く答えてくれました。もっともほかにもいろいろリクエストもらってるみたいだからいつになるかわからんけど。

この曲は、のっけから出てくる「ターララ」っていうモチーフが、しつこくしつこく、それはもうしつこく全曲通して形を変えながら出てくるのですが、それ以外の音もややこしいので必死で譜読みして音を拾ってると自分を見失う(-_-;; というか、まぁ何やってんだかよくわかんなくなっちゃうんです。

それを、レッスンで改めて解説してもらいながら、その他の音がモチーフの変形をどうサポートしているかとか、それでようやく全曲を通してのストーリーみたいなものが見えてきます。

このストーリーというのは別に「田舎の居酒屋でおじいさんとおばあさんが…」みたいな具体的映像的妄想のことではなくて、スラーとかスタッカートとか、そういう楽譜に書いてあることからの必然でニュアンスがどう変わっていくかという話なのです。

落ち着いた、けだるい感じの「ターララ」
であったものが、ちょっとだけ盛り上がったり、また沈滞したり、
うつろな広がりの中で反響したり。

さらには緊迫していったあげく崩壊したり、
曲の頂点まで盛り上がったあとは転落。

暗黒の中からまたモチーフがカタチを変えて復活したあとは、
徐々にアクセルがかかっていって、
リズミカルなスケルツォへ。
でも楽しい感じじゃなくて不気味な感じで…
勢いがなくなったあとは「もっと死神みたいに弾いてください」のラスト。(あれ…最後は結局妄想出てきた)

特に音がややこしい場面で、もう音並べるので必死だからニュアンスどころじゃないわみたいに何度も弾いてたところについては、
むしろちゃんとどう弾くべきかを考えて、主役になる音の流れを整理して音量のバランスを変えて弾いてみたら…案外弾きやすかった。

そうやって、なるほどこの音がここへつながっているのか、ということに気付くと(これまで「見れども見えず」状態だったもの)
芋づる式に「あぁここもそうか」みたいな細かい発見があったり。

だんだん細かく「見えて」くるとつくづくきっちり書き込まれているなぁと…

発見があるたびに、弾き方も少し変わってくるので、慣れるまでは弾きにくい、難しいかもしれないけど、
しっくり落ち着いてくると、自分にとってクリアになった分、いつの間にか弾きやすくなってる。

という感じに、本番までにはもうちょっと落ち着いて弾けるようになる…といいな。
そして、聞いてる人にもちゃんと曲の魅力が伝わったらもっといいよね。

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今年の「ばんたの」始動!!

2017年07月21日 | ピアノ
略称「ばんたの」(正式名称: 「ピアノも、もっとアンサンブル!!」)、今年もやります!!

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なんで「ピアノも、もっとアンサンブル!!」の略称が「ばんたの」なのかといえば、元々の名称が「素人が伴奏を楽しむ会」だったからです。
ふつう、ソロの人(声楽なりバイオリンなり)の人が主導で曲を決めて、余裕で伴奏ができるピアニストに依頼するって場合が多いと思うんですが、そうじゃなくて、伴奏したい曲を選び、ソロはプロを指名して弾いてもらうという…

しかも、こっちが余裕ないわけでテンポもこっち主導で決めて合わせてもらう。
もし落っこちてもやっぱりこっちに合わせてもらうw

まぁそんな感じのスタートでした。

その後、参加者もそんな余裕のない人ばっかりでなくなったこともあり、
アンサンブルのバリエーションも増えてソロ+伴奏の形態だけじゃなくなり、

幅広くなったので「ピアノも、もっとアンサンブル!!」という名称に変えたのでした。

コンセプトは、原型からの発展で「アンサンブル、プロを混ぜときゃなんとかなる。」

プロがひとり混ざっているとなんだか実力以上にイイ感じのアンサンブルが楽しめる、という会です。

開催日決まりました:
2017年11月23日(祝) 13:00~@サロンエスプリ(渋谷)

私は、中川Vn先生に、バルトーク「ルーマニア舞曲集」をお願いしようと思っていて、
先日のレッスン(注: バイオリンレッスン)のときに、

「ちょーっとバイオリンの前にコレ!! 雰囲気だけお願いします」といって、

一曲目だけ合わせてもらいました。

いぃ!!(^-^)/ かっこいいよコレ

中川Vn先生の音色って、特に低音の深みがぐぐぐっと魅力的なんですけど、それが生きる曲です。

まだほとんど弾いてないから伴奏どのくらい行けそうかわかんないけど、
少なくとも去年のブラームスバイオリンソナタ第一番第一楽章よりはなんとかなると思う…

ちなみに去年の挑戦はあんまり無謀すぎてすべての関係者に呆れられましたが(-_-;;
でも楽しかった!!
人生弾きたい曲から弾かなきゃー

うまくいかなかった分はまた数年経って戻ってくればいいんです。

プロ側は中川Vn先生、中川P先生、海実さん(ソプラノ)がいます。
だいたいどんな曲でもご要望に応じてやってくれます。

直前にバーバーのコンチェルト持ち込まれたときもちゃんとやってたし(爆)
いや~まぁ直前じゃないほうがいいですけど。

・無謀な挑戦の例
ラフマニノフ 組曲第二番よりロマンス Pf1 アンダンテ Pf2 中川P先生

・無謀でない挑戦の例
ベートーベン 汝を愛す Sop 海実、Pf アンダンテ

無謀な挑戦でもなんとかサポートしてもらって楽しく弾けますし(汗)
無謀でない挑戦なら気持ちよく音楽に浸れます。
いずれでもお好みに合わせて。

費用は、合わせ練習(回数は自由)のレッスン代と、当日3000円(弾き参加一人当たり。複数曲でも同額)です。
(参加者同士でアンサンブルする場合は、当日参加費のみで参加もできます。)

初参加も歓迎です。お問合せください。



2016年ばんたの
アンサンブル、プロを混ぜときゃなんとかなる。

2015年ばんたの
進化する「ばんたの」


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ダンパー踏んでいれば指は離してOK?

2017年07月20日 | ピアノ
「タッチで音色は変わるのか?」論争から派生して
「ピアノの知識と演奏」(雁部 一浩)
を読んでいたら、こんな箇所があった。

   にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←謎が謎を呼んで決着がつかない

「ダンパーの構造を考えてみれば、ペダルを踏んだ状態で指を押さえ続けるのが無意味であることも容易に理解できるでしょう。ペダルを踏んでいる場合、既に打鍵した鍵盤に固執するのは非合理であり、むしろ速やかに次のポジションに手を準備すべきです。」

これはまたずいぶんきっぱりした言い切り方だけど、この件に関しては同意しないピアノの先生も多いのではないだろうか?

もちろん、物理的にどうやっても手が届かない場合、ペダルでつないどいて指を離して次に行くというのはよくあることで、それはやむをえないことだけれども
(ラフマなんてそんなのばっかり)
届くんならちゃんと音符のとおりに押さえておきなさいという先生が多いんじゃないかな…

もっとも、そのように指導している先生だからといって、ダンパーペダルを踏んでいるときにも、押し続けているかどうかで音が変わると思っているとは限らない。

「意識として」音を残しておくべきだからということかもしれないし、
あと、ペダルを細かく踏みかえてちょっと余計な濁りを取るようなときなんかは、残すべき音を指で押さえておかないと困るからということもあるかもしれない。

だから、実際、ダンパーペダルを踏んでいても指を残しておくかどうかで音が変わると思っている人が多いかどうかわからないんだけど。

「消音やまちゃん」では、この二つでかなり違う音がする。つまり、単音を鳴らすと同時にペダルを踏み、わりとすぐ手を離した場合と、指で鍵盤を押さえ続けていた場合とで明らかに違う響きになる。具体的にいうと、指で鍵盤を押さえ続けているときは、ペダルを踏んでいないかのような音がしていて、指を離すとペダルを踏んでいるような音(やや「ぽわん」とした音)がする。

これは、ただの電子音であるからアコースティックのピアノとは話が違うが、ともかくそのように設計されているということだ。

めるちゃんで同じ実験をすると、まぁそんなに違わない気がする…しっかり踏んでいれば。

しかし、これは弾いて一秒くらいしてからそっと指を離した場合の話。ペダルをしっかり踏んで、ふつうの打鍵をした場合と、スタッカートで弾いた場合は、どちらにせよ音は鳴り続けるけれど、音色はかなり違う。これはあからさまに違うので、誰でもわかるはずなんだけれど…

この著者の雁部さんは、「タッチで音色は変わらない」派(ただし上部雑音、下部雑音による違いはある)なので、この現象については触れていない。


あれ??

よく考えたら、ダンパーペダルを踏みっぱなしにして、ふつうにそっと弾いて押さえ続けた場合と、指の腹ですくうようにそっとスタッカートをした場合(*)で音色が明らかに変わる現象はそのまま、タッチで音色が変わることの証拠になるのでは??

だって、ハンマーが弦に当たる速度(→音量)以外の要因を認めないんだったら、これで音色が変わるわけないんだものね。


(*)エオリアンハープのときにおゆき先生に教わった弾き方。メロディーラインを浮き立たせるのに、指を立てて硬く弾くんじゃなくて、こうしたほうがキレイで、強く弾かなくてもちゃんと浮き立って響く。

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