あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

まさに、《男子のごはん》。

2010-11-16 00:53:42 | テレビ番組

ケンタロウの日替り定食 ケンタロウの日替り定食
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2008-01
先日、NHKのスタジオパークという番組で、料理家のケンタロウ氏が出演しているのを観ました。

氏の料理本はけっこう好きで、何冊か持っています。

最近こそ、家族のために料理することも多くなりましたが、独身の私は、以前は自分一人のための料理ばかり作っていました。休日のランチが主です。

そういうのって、いわゆる男の料理に近いんですよね。主婦の料理じゃない。そのうえ私はわりにガッツリ、こってりしたものが好きだったので、氏に限らず男性料理家の本をよく参考にしてました。

氏のレシピは、おおらかさがいい。スタジオパークの出演時にもチャーハン作りながら、

「まわりに具が飛び散っても気にしない。フライパンに戻してもいい。味見したスプーンもそのまま、また味見する。どうせ自分が、家族が食べるんですから」

と言ってましたが、そのアバウトさ、共感します!日常の料理ですものね。スペシャルなテクニックや繊細さは、プロに任せておけばいいよね、と思ってしまう。

《男子ごはん》という番組は、日曜日が休みでないのでなかなか観れませんが、ケンタロウ氏の料理にぴったりなネーミングではないかと思います。おおらかでのびのびして、ちょっと悪戯っぽい。

最近は年齢のせいか、若い男性料理家(ケンタロウ氏に限らずコウケンテツ氏とか)のレシピががっつりし過ぎてるように感じてしまうようになりました。けれど、上にあげた1冊は、“定食”って響きにひかれて、最近購入したものです。

献立考えるのが苦手なので、その参考にもなるかと思って。

そういえば、『きのう何食べた?』の4巻で、筧氏がナポリタンを作って、“ひとりのときはこんなものばかりだったな”と思うシーンが出てきます。

共感!自分ひとりのためだと、面倒だからひと皿メニューにしがち。パスタとかラーメンとか、丼とかせいぜいオムライスとか。

それでも筧氏は同棲中の今では立派に献立完成させてますが、私はまだまだ苦手。段取りがまず悪いですし。それに、栄養バランス、食感、味の相性など考えて、献立するのは難しいもの。

まだまだ試行錯誤です。

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《鳥の眼》とトラウマ。

2010-11-16 00:23:58 | アニメ・コミック・ゲーム

この話、以前にもしていたらすみません

私は、以前も、そして前回の記事でもちょっと書きましたが、BLが実は苦手。

(同性愛の描写や、ゲイの人が出てくる作品が苦手、というわけではありません。翻訳もののミステリや風俗小説、青春小説などに出てくるのは気にならない)

そうしてそれは、子どもの頃に読んだ、石森章太郎氏の作品によるものではないか、と自己分析しているのです。

小6か、中1の冬だったと思います。近所の奥さんが、息子が読んでいたものだけど良かったら、と雑誌を十数冊ウチに持ってきました。私は読み物が好きだったので、本をいただくことがたまにあったのです。(別の近所の奥さんに『ジェイン・エア』を、母の友人のまた別の奥さんに赤川次郎氏のミステリーをたくさんもらったことも)

雑誌の大半は『明星』でした。そのころは芸能人にあまり興味がなかったのでそれは1回目を通したら処分したと思います。嬉しかったのは『スクリーン』などの映画誌でした。(洋画に興味を持ちはじめた頃だった)そうして1冊だけ、その中に『プレイボーイ』誌が入っていたのです。

その中に載っていた漫画が、『鳥の眼』という石森章太郎(当時はまだ石ノ森、ではなかった)氏の作品でした。美人女性探偵(?ちょっと探偵にも謎がある)が主人公の『WHО』というシリーズの一編でした。ミステリーです。

野鳥を撮るのが専門のカメラマンが、ビルから転落死する。週刊誌は、彼が言い残した言葉を“鳥になった”と書き、ノイローゼによる自殺、と決めつけるが、それに納得できない婚約者が、探偵のところに依頼を持ち込む。

最後の言葉を実際に聞いた人は、“トリオめ”と言っていたように聞こえた、という。トリオ、3人組のアイドルグループと、死んだカメラマンはトラブルを抱えていたらしい、というのだ。

アイドルグループの3人のうち2人は、同性愛の関係で、それを写真を撮っていて偶然目撃したカメラマンが、潔癖な性格からそのことを公表するつもりだったのではないか、と当初探偵は推理する。

けれど、アイドルの1人は、“自分たちの関係はファンの間では公然の秘密であり、いまさら公表されても困らない。そんなことで殺人を犯すわけない”と一笑にふす。しかしやがて、ダイイング・メッセージが“鳥になった”でも“トリオめ”でもなく、“鳥の眼”だったのではないかと探偵が気づいたことから、事件は意外な結末に……。

というストーリーだったと記憶しています。今も忘れられない作品です。ミステリータッチの漫画に触れたことがあまりなく新鮮だったし、ストーリーも面白かったのです。

けれど、アイドル2人の、男性同士のキスシーンは、当時の私にはショックなものでした。

もっとも、アイドルの描き方は石森さんの年代のせいでしょうか、グループサウンズのメンバーに近かったのですが、それでも青年たちの容姿は平均以上です。絵柄的には少しも汚くない。むしろ、石森氏描くところの美少年、美青年というのはデリケートかつセクシーなので、なかなか美しいシーンだった、と思います。

でも、違和感というかひっかかりというか、不思議な感情が閃き、それがプチ・トラウマになったのかなぁ、と自己分析しております。

ちなみに、この作品マイナーだと見えて、検索しても私には探し出せませんでした。

でも短編ミステリーとしてはとても心に残る、好きな作品で、苦く切ない結末をもう一度読み返したい、とも思っています。

コメント (2)
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ほんのりとした不安。

2010-11-13 00:59:03 | アニメ・コミック・ゲーム

きのう何食べた?(4) (モーニングKC) きのう何食べた?(4) (モーニングKC)
価格:¥ 590(税込)
発売日:2010-10-22
これは既刊3冊と同様、友達が貸してくれました。

以前ちょっと書きましたが、最初読む前はストーリー部分より、料理の描写が興味の大半でした。

あんまり、BLに関心のない方なので。

けれど、読んでみるとこれが、思いのほか主人公に共感して自分でもびっくり。

ゲイの人と独身女って、意外に共通点多いのねぇ~、と感心してしまいました。

今回も、ちょっとドキッとする描写が。

仲良くしている主婦のお家の、娘さんの結婚問題に関する親子の擦れ違いをかいま見た主人公筧氏。

複雑な思いを抱えて、同棲中のパートナーケンジ君に「お前今まで子供欲しいと思った事ある?」と聞きます。

すると、「えー、そりゃあるよ」とあっさり答えられ、心の中で、『俺はいままでいっぺんも子供欲しいなんて思ったことねーや』と意外な思いをかみしめる……。

ちなみに、私はケンジ君側なんですけどね。子供を欲しいと思ったことは何度かある。

でも、同じ独身友達でも筧氏みたいにまったく子供に関心ないひともいるわけで、それをこちら側からみたようで少し不思議な気分でした。

それと、考え方も似てるけど、今回の巻を読んで、私の料理レベルはケンジ君くらいだな~と、そっちにも共感!

筧氏が風邪でダウンしたとき、料理を作ってあげるのですが、献立の立て方と段取りがイマイチ。まるで自分を見ているよう!

筧氏のような手際の良さは、まだまだ私には遠いです

(もっとも、オーガニック食材の高価なのに愕然とするシーンはすごく共感しました!「あ、今日は木曜日だから卵97円の日だ、買って帰らなくちゃ」と言って、職場の先輩に「主婦か!」と突っ込まれたことがある……)

お互いを大切にして、美味しい料理を日々味わってる筧氏とケンジ君の日常はほのぼのと楽しそう。

でもその底に、仄かな将来への不安も横たわっている気がして、そこにも共感してしまうのです。

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Exitを抜けて。

2010-11-03 23:51:01 | 本(ミステリ・社会派)

だいぶ日にちは経ちましたけれど、前回に引き続き、エド・マクベインの話を。

私は20代の頃、マクベインの『87分署シリーズ』にちょっとハマりました。

でも、彼の作品はもちろんそれだけじゃなくて、エヴァン・ハンター名義のものもあるし、それに、少し後に読んだ『ホープ弁護士シリーズ』のこの1冊はちょっとした衝撃がありました。

白雪と赤バラ (ハヤカワ ポケット ミステリ―ホープ弁護士シリーズ)
価格:¥ 866(税込)
発売日:1987-09

ストーリーもラストにどんでん返しがあって鮮烈な印象だったのですが、なにより、このシリーズはマクベインが60歳を過ぎてから書きだしたもので、その若々しさ、パワフルさに圧倒されたのでした。

いつだったか、マクベインがイギリスの権威あるミステリの賞“ダイヤモンドダガー賞”を受賞したことがありました。

その時のスピーチをミステリマガジンか何かで読んで、思わず頬がゆるんでしまいました。

だいたい、こんな内容だったかと思います。

“このダイヤモンドダガー(ダイヤモンドをちりばめた短剣?トロフィーがわりに受賞者に渡されるらしい)は、式の時だけ渡されて、後で返さなきゃならないものらしいですね。でも、私はぜひ持ち帰りたい……。おい、扉を固めろ。誰も出すんじゃないぞ。―みなさん、出入り口にいるのは私の友人たちです。ご婦人がたは、お静かに。抵抗しなければ手荒なまねはしません……”

もちろん冗談ですが、マクベイン氏はダイヤモンドダガーを強奪するという演出で、スピーチをしたのです。

一ファンとして、『アホな悪ふざけをするアメリカ人に権威ある賞をやるのではなかった、と、英国の紳士淑女に思われなかったかしら……』と心配になったものです。

そんなマクベイン氏も、亡くなってずいぶん(10年くらい?)になります。

“『87分署シリーズ』の最終巻は『Exit』というタイトルで、もう書いて金庫に入れてある。私の死後に発表されるだろう”と言っていたように記憶しているのですが、実際の最終作は、『最後の旋律』という作品みたい。

あれも、冗談だったのかな……。悪戯っぽい笑みを残して、さっと出口から姿を消してしまった印象のある作家でした。

遅きに失しましたが、ご冥福をお祈りいたします。

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