あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

コメントについての、ちょっとしたお知らせ。

2010-10-24 18:01:16 | 日記・エッセイ・コラム
コメントの設定を変えて、キャプチャ画像と、公開の保留を新たに加えました。
ときたまスパムコメントが入るので。
そう頻繁ではないし、ただでさえ私のブログはコメントを寄せて下さる方が少ないしあんまり面倒くさくするとよけい書いてもらえないかなぁ、と思って、これまでスパムは削除するだけでした。
(もちろんIPアドレス拒否もしていたのですが、あんまり有効的対策でもないんですよね)
でも、自分も嫌だし、なによりスパムは目にしたほかの方も不快だろうと思ったので、そのようにさせていただきました。少し面倒で恐縮ですが、よろしくお願いします
コメント (4)
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チョコレートとダークワールド

2010-10-23 23:29:18 | 本(SF・ファンタジー)

The Best of Marion Zimmer Bradley (Daw science fiction) The Best of Marion Zimmer Bradley (Daw science fiction)
価格:¥ 358(税込)
発売日:1988-04-05
このあいだ、自分の部屋の樹海をさすがにちょっと片付けようと掘っていたら、思いがけないものを発掘しました

もう15年以上も前、自分が訳したたどたどしい訳文です。『The Best Of Marion Zimmer Bradley』というペーパーバックのイントロダクション部分でした。

なぜそんな文を書いたか、いきさつはこうです。高校の時の後輩で、マリオン・ジマー・ブラッドリーの作品が好きな人がいて、その人にこの本をプレゼントし、序文と、最も短くてタイトルの気に入った短編を訳した文を添えたのです。

今から思えば、迷惑だったと思います。誰もがお気に入り作家の未訳作品を、苦労して外国語を訳してまで、読みたいわけではないからです。

それに、私が素人訳した作品は、未訳でも無かった訳しているうちに気づきました。SFの短編集に入っていて、なおかつ読んだことのある作品だったことに。(たしか、『たんぽぽ娘』という短編集に入っている、『風の人々』という作品だったかと……)

でもその序文部分、読んでいて懐かしかったし、まさに物語を書くことになったきっかけというものに触れていて、興味深かったのです。

書き出しの文はまあまあの部分もあり、こっちも参考にできる訳文があったのかな、とも思いましたが、中ほどは失速してたどたどしくなるので、やっぱり自分で全部訳したのかしら、と思ったり。(もはや覚えていない……)

“ことのはじまりがどんなだったか、以前に話したことがあるかもしれない。あの日私はニューヨーク州のウォータータウンから、レンセルの田舎の家族の元へ帰る旅の途中で、乗り換え駅はウティカだった。そこで私は自分のために一箱のチョコレートと、そしてほとんど生まれてはじめて、自分自身で選んだ雑誌を買ったのだ。”

そうして、『スタートリング・ストーリーズ』という雑誌を買い、その中のカットナーの『ザ・ダーク・ワールド』という作品に魅せられ、それが作家になるきっかけとなったことが語られます。

(余談ですが、“それがヘンリー・カットナーの名義ではあったが、本当はキャサリン・ムーア・カットナーの作品であることは後に知った”とあり、それに、“『シャンブロウ』のC・L・ムーアか?”と私のメモがありました)

“振り返ってみて、私のそれまでの人生も決して波乱のないものではなかった。けれどあのとき、黄昏をゆく汽車の中で読んだ、カットナーのすばらしく神話的な世界を変えた人間の物語、正直言ってあれほどに輝くような喜びを与えてくれたものは、それまでになかった”

“その旅が終わる頃にはもうわかっていた。私は将来作家になって小説を書いていきたいけれど、でもそれはただの小説じゃない。私の書きたいのはサイエンス・フィクションなのだ”

こんな文章を再読(まったく覚えていませんでしたが)して、物語の種というものに興味のある私は嬉しくなり、また、その最初のきっかけとなった雑誌が、なにげなく一箱のチョコレートとともに買われたのも味わい深い気がして、掘り出してよかった、と思いました。

けれど。まだ二十代の頃、学生時代英語がかなり苦手だったにもかかわらず、お気に入り作家の未訳作品が読みたいばっかりにペーパーバックに手を出した私ではありましたが、最近はそんな情熱はほとんど無くなってしまった

遠いところにきたなぁ、とも思いました。

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イメージ崩壊!

2010-10-21 23:28:24 | 本(ミステリ・本格、パズラー)

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫) 春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2004-12-18
最近『インシテミル』という映画が公開されて、出演者の方が番宣番組に出演したりしていますね。

それをボーっと観ていて、「ああ、サスペンスかぁ……嫌いじゃないけど、映画は無理だな。怖すぎる感じだし……」と思っていたのですが、原作者を知ってちょっと驚きました。

米澤穂信氏だったんですね~こういうストーリーを書かれる方とは思わなかった!

なにしろ、私の唯一持ってる米澤作品が、上記のこのシリーズなので。

内容は、日常の謎、ってヤツですかね。たとえば、雑な性格の男の子が丁寧に作らなくてはならない“美味しいココア”を作れたのはなぜか?とか。

探偵役は高校生の男の子で、その相棒(?)は同級生の女の子。

2人の共通目標は小市民として生きること……と、生き残り心理サスペンス『インシテミル』とはだいぶイメージが違います。

それにタイトルからうかがえると思いますが、とにかくスイーツがよく出てくる!

とくに続編『夏期限定トロピカルパフェ事件』は、出現率の多さに、読んでいるとなんとなく口の中が甘くなってくるほど。

ただ、ちょっとビターな結末が待っているので、バランスとれてる気もしますが……。

(まだ買ってないけど、『秋期限定……』もあるのです。ということは冬季限定まで行く?)

他にも学園ミステリがあるらしいし、デリケートな青春ものを書くひとだと思ってた……。

でも、興味は湧きました。『インシテミル』映画は無理だけど(私はホラー小説は好きでけっこう読むのですが、映画はダメ。ダイレクトに恐怖が来るので怖すぎる)小説の方は読んでみたくなりました。

今たまっている積読本が減ったら、手に取ってみようかな……

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エレクトラたちの純粋。

2010-10-20 00:51:42 | 本(エッセイ・ノンフィクション他)

ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘 ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘
価格:¥ 1,500(税込)
発売日:2010-02
9月で終了しましたが、朝ドラの『ゲゲゲの女房』はちょっとした話題になりましたね。

わが家でも毎朝観ておりました。

そして、それにのっかったわけでもないのですが、結局購入してしまったのがこの本。

水木しげる氏の次女水木悦子さん、赤塚不二夫氏の長女赤塚りえ子さん、そして手塚治虫氏の長女手塚るみ子さんの3人の対談をまとめ、3氏の短編作品を挿入した1冊。

もともとは、2008年7月かな、朝日新聞に載った同タイトルの座談会の記事が忘れがたく、もう一度読みたいな、と思って検索したのがきっかけでした。

へえー、こういう本が出てるんだー、と思っていたのですが、結局ネットの古本屋で買ってしまった。

読んでみると、娘たちが父親を語る企画だけに、赤裸々なエピソードや、ちょっと手厳しい意見もあったりするのですが、なにより印象に残ったのは、彼女たちの父親に対する一途な愛情でした。

本当に、3人が3人とも、父親とその作品を心から愛していて、たくさんの人に読んでもらいたい、読み継がれてほしい、と一途に願っている。その思いの深さには、あまり父親との関係がよくない私としては、少したじろぐほどでした。

これはただ自分の父親に対する愛情なのかな、それともいずれ劣らぬ天才3氏への才能に対する尊敬なのかな……と思いつつ、でも、微笑ましいというか、ちょっとじーんとする部分も。

娘さんたちの選んだ短編漫画も、ちょっと変わったテイストで興味深いです。

余談ですが、父親を深く愛する娘のことを、エレクトラ・コンプレックスというのはマイナスの表現なのでしょうが、エレクトラ、という響きが好きなので記事のタイトルに使ってしまいました。

エレクトラという娘は、琥珀色の瞳を持っていたそうです。そうして古代の人も、琥珀をこすり合わせると電気が発生することを知っていた。だからエレクトロニクスという言葉に、彼女の名前が使われていると。

こういうちょっとロマンテックぽいエピソードに弱いんです。

さらに余談。『ゲゲゲの女房』を観ているとき、日本画を描く友人と、よく言っていたのです。

認められなくとも、かき続けるのが大事だねって。

自分の作品を信じて努力する水木氏と夫人に、頭が下がり、また力づけられた半年間でした。

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秋桜の香り。

2010-10-14 22:34:19 | 日記・エッセイ・コラム

今日は仕事が早番だったので、帰りにコスモス畑に寄って、トイカメラで写真を撮ってきました。

Photo010

去年は9月の末に寄りました。同じように満開に近かったのですが、そのときは恐ろしく風が強かったせいか、今回初めて感じたものがあります。

それは、コスモスの香り。花の間に立っていると、はっきりと花々が匂い立つのを感じました。

薔薇や百合、金木犀や沈丁花のような芳香ではありません。もっと密やかな、つつましい香り。でも、ああ、コスモスってこんな香りがするんだ、と感慨がありました。

満開の夜桜を見たとき、その清々しい香りに感動したことがありますが、たくさんの花が集まって初めて、感じる香りもあるのですね。

以前駐車場にかたまって咲いていたおしろい花が、思いがけず良い香りを漂わせていて驚いたことがあります。どなたかが“器量よしの田舎娘のような花”と書いていましたが、何となくうなずけました。

コスモスは、もう少し地味で、でも清潔感のある香り。

去年は心にわだかまりがあって花を見に来たのでしたが、今回は気持ちはそれほど荒れてはいませんでしたが、なんとなく疲れていました。

Photo003

そんな中、一面の花の中に立って、その香りに包まれたのは、少し心和む体験でした。

花の季節はあっという間に過ぎて行きます。季節の美しさを感じる時間を大切にしたい、と思った午後でした。

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