正直書評。 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2008-10 |
看板に偽りなし、と思う。
その名の通り、正直極まりない書評の本。
表紙に斧の絵が箔押ししてあるが、評する本を金の斧(親を質に入れても買って読め!)銀の斧(図書館で借りられたら読めばー?)鉄の斧(ブックオフで100円で売っていても読むべからず?!)に明快に分けて語っている。
著者の方のことは『文学賞メッタ切り!』シリーズで知った。
“ちょっと言いすぎでは?!”と思うこともあったけど、批判能力に全く欠けている私としてはすごいなーと尊敬する部分も多々あって、図書館で見つけて即、読んでみた。
前書きはすこぶる愉快。(そしてちょっと過激)
でも後書きは、ちょっと反省させられたりして。〈一見低姿勢の断言しない評を書く人ほど、実は自分の意見の“正しさ”や“影響力”に自信を持っているんじゃないかと疑ってしまうんです〉との一文には、自分は批判能力なくったっていいやー、と思って、何事もあいまいな方の私ですが、批判すると、返す刀で“お前はどうなんだ”と切り返されるのが怖いだけなのかな、と思ってしまった。(ま、私のことはどうでもいいんですが(^^ゞ)
そして内容は、金も鉄も、同じくらい力をこめて書評を書いているのがイイ、と思った。
金を愛情込めて誉めあげているのと同等のエネルギーで、鉄を言葉を尽くして(鉄本の方が読み込んでいるのではと思うくらい)けなし倒している。
“ぶっちゃけ一文の得にもならない駄本”とか、“おとなしい批評家など犬に食わせてしまえ、なんてこと申しません。だって犬が可哀想ですもの。そんな腐ったもん食べたりしたら。”なんて記述には、ヘタレの私はひええぇ~、となったりしますが、鉄本だって決していい加減に読み飛ばしていないのが伝わってくる。
そして、斧って打ち下ろすものでもあるんだな、としみじみしてしまった故。
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