勤め先で、最近書籍の整理が行われていまして。
それで不要になったのが、『シーバ』という柴犬の専門誌数十冊でした。
欲しい人は持っていっていい、ということでしたので、縄文犬の記事があった一冊だけをもらっていきました。
それで、他のページもパラパラ見ていましたら、“あなたの犬は、あなたの手が好きですか?”という記事があったのでした。
犬の嫌がることを手で行ったり(たとえばしっぽをつかむとか)叩いて叱ったりすると、犬はあなたの手を怖れるようになる、というような内容でした。
それで思い出したのは、やはり去年逝った老猫あやのことです。
いぜん少し書きましたが、膝に座るとき、私の右手に自分の右前あしでそっと触れたりしたあやは、他にも色々なことをしました。
手に顔をすりつけたり、手のひらに顔をうずめたり、というのはよくありましたし、こちらがぼんやりとしてテレビなど見ていると、親指の付け根に猫キスしてくることもしばしば。
こちらの気をひきたかったのでしょうが、その優しいしぐさにはキュンとしました。
こちらの手をほんとうに愛しんでくれたのだと思うと、いじらしくて切なくなるのです。
それに、こんなこともありました。あやの右目の上、まぶたのあたりが腫れてしまい、自分のアレルギー用眼軟膏をつけてみたのです。(注:ホントはいけません!猫には猫用の薬をつかいましょう)
目に入ってもしみない薬だったので。で、綿棒で透明なゲル状のそれを塗りつけていたのですが、なにしろ猫の顔には毛が生えていますから、皮膚にうまく塗れません。
難しいな、こうかなあ、などと悪戦苦闘していて、ふと気付きました。
あやは、きちんとおとなしく前脚をそろえて、優しい目でこちらを見上げていたのです。目という大切なものの上に、なんかよくわからないべたべたしたものを塗りつけているのに、まったく嫌がる様子もなくむしろ嬉しそうにこちらを見ているのでした。
私はハッとして、この100パーセントの信頼はどこからくるのだろう、と思いました。
人間相手では、なかなか100パーセントの信頼というわけにはいきません。だから、犬や猫などの愛玩動物は、よけいに愛しいのでしょう。
ちなみに、翌日腫れもひいていてホッとした思い出でした。
(偶然。猫には猫用の薬を使いましょう)
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