自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

狭山事件/脅迫状筆跡「時」の鑑定で浮かび上がった犯人像

2020-07-01 | 狭山事件

 左が真 中が偽 右が石川さんの時もどき 


わたしがブログで取り上げた事件はわたしが何らかの関わりをもった事件ばかりである。安保には教養部自治会役員として没頭したし、三池、水俣、三里塚には何度か足を運んだ。狭山も同様である。
狭山事件にかかわった経緯から始めよう。
私が少年サッカーの指導に有望な立地として選んだ学区がたまたま同和地区だった。同和教育指定校の校庭で職員室からもれる薄明かりに助けられて、塾の後に二組に分かれてボールを蹴った。おっちゃん、よせて、と地区の小中学生も加わった。わたしは教組青年部の教師たちの眼に「変な大人」がしょっちゅうボール遊びをしている、と映ったにちがいない。その中に3年後パートナーになる女性がいた。
当時、戦前からの水平社運動の流れをくむ部落解放運動がようやく政府と自治体を動かし、1969年に成立した同和立法を受けて、同和地区の生活環境改善と同和教育が燎原の火のように全国に広がっていった。それに油を注いだのが狭山事件の部落に対する集中見込み捜査と荒唐無稽の自白に基づいた死刑判決であった。
富田小学校は運動の渦中にあった。解放同盟大阪府連が呼びかけた「石川青年を返せ」の集会とデモがあり、同校の青年教師が地区の子供会と大人の識字学級を支援した。
大学時代部落研に関心がなかったわたしであったが、いつしか解放同盟発行の事件関連本と新聞で研究するようになり、三里塚に行ったのと同じ70,71年頃狭山に行った。案内者は情況社の三里塚の場合と同じ編集者だった。
地方紙『週刊埼玉』を営んでいた亀井トム氏と市職員の案内で、上赤坂の被害者宅と同じ並びに在る篤農家を訪ねて入植以来のムラの出来事、習わし等を訊いた。亀井トムさんは最初の本格的調査研究者で解放同盟による裁判批判の初期の筋書きに民俗学的影響を与えた。
『週刊埼玉』をとおして亀井トムさんとは10年間ほどコンタクトがあったが、すでに故人である。プライバシーの関係で彼が公表しなかった「証拠」話もふくめて、もっと詳しい話はおいおい織り込むつもりだ。
犯人追究の視点で思いつくまま献立を考えるが、アイテム間には時系列的あるいは論理的関連はない。

今回は、犯人の脅迫状と石川さんの上申書2通を比べて筆跡を鑑定する。

5月23日逮捕直後に書かされた上申書

出典   殿岡駿星『狭山事件50年目の心理分析』2012年

5月1日に届いた脅迫状 揺るぎない唯一の物証

wwwd.pikara.ne.jp/masah/symj009.htm 
上記、石川さんが逮捕された5月23日に筆跡を比べるために書かされた上申書と犯人が書いた脅迫状とをくらべると、検察がそれまで47年間開示しなかった理由が判然とする。
犯人の脅迫状は無知を装っているが筆者が事務で文書を書き慣れていることがバレている。
一方、石川さんは文章を書く知識がまるでなかったことがわかる。まちがいだらけ。普段必要とされる住所氏名は何とか書けたが番地二九08と名前一夫(正しくは一雄)は不正確。上申書の「書」、入間市の「間」、12時の「時」のように 画数が多いと見本をみて書いても奇怪な形になる。24才は書けたが、金20万円は、かね20まいん、きんに10まんいと2回とも間違った。日付5月23日は五月2  ❙3にちと書いた。上記の「に10」を引きずった「に13」の反映である。
7行の本文が句読点も段落もなくお経のように切れ目なくワン・センテンスになっている。行間はまちまちだが各行は直線並行でなく乱れて右下がりになっている。
本文で使用された漢字は五月二日12🈑と女の6文字のみ。🈑は時のつもりだが晴に似た時もどきである。これだけで石川さんは「時」を書けなかったとみてよい。

捜査本部が逮捕の根拠にした石川さんの時もどきは逮捕前のアリバイ書に綴られた三字である。

5月21日逮捕2日前のアリバイ上申書
wwwd.pikara.ne.jp/masah/symj009.htm 
捜査本部は、前々日5月21日に石川さん宅にてこの上申書を書かせて、すぐさま筆跡について科捜研の見解(鑑定が出たのは6月)を訊いた。そしてクロ説にもとづいて23日に逮捕した。決め手としたのが「時」の字である。左が脅迫状、右が上申書の時もどきである。

これを報じた東京新聞26日号は、違うともらしている科捜研の技官もいるというから、「よほどの特徴が無い限り絶対のキメ手とはいえず」とコメントしている。

これまで検察側、弁護側が比較鑑定して筆者の同一性を争った文字「時」は上記の二つのもどきタイプだけであったが、今では第三のタイプ(正しい字)が浮上している。

筆跡印影指紋柳田研究所の工学博士・柳田律夫鑑定人は、長年の日本刀銘鑑定でつちかった技に、最新のデジタル科学技術をプラスした鑑定法によって、脅迫状冒頭(左上)のカラスの巣状に抹消された箇所を解析し、消えていた「少時」の時の文字を鮮明に可視化した。

掻き消し痕跡調整写真  

第三次再審請求の為の柳田鑑定書から   www.kantei110.com/case.html

一目瞭然、この草書体の時こそ石川無罪を証明し真犯人の真の姿を映し出す物証である。[END]


上記の筆跡鑑定に関する一文に同意される方にお願いします。
前任者の退官を受けて着任した
大野裁判長に、脅迫状に浮上した偽りなき一字


に着眼していただくよう、一筆書いていただけたら嬉しいです。なお、当ブログ名、URLを付け加えても構いません。

ハガキの宛先
〒100-8933 東京都千代田区霞が関1-1-4

東京高等裁判所第4刑事部 裁判長 大野勝則様

 



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