和田アキ子さんのコンサートにハーレムアポロシアターへ。
車を停めようとウロウロしていたら、
舞台裏に取材班が日本から来ていて、
弁当配ってる姿を垣間見てしった。
まるでハーレムじゃないみたいだ。
表に回れば日本人がズラリと列をなし、
ここも異次元空間。
これほどの数の日本人をNYで見たのは
初めて。しかもハーレムってところが、
和田さんのパワーを感じた。
こんなに多くの人をハーレムに集めたのだ。
和田さんでなければ、できないかもしれない。
日本からツアーで来ている人もいた。
私たちは3階席の最後列だったのだけど、
くっきり舞台は見える。
前座は太ったブラック女性3人組のブルース。
これまたある意味迫力だったが。
和田さんが出てくると、スターは違う!って感じた。
派手で、まるでナイアガラの滝に吸い込まれそうなほどの
迫力ある歌声。
マイクを通さなくても、3階席の最後列に座っていた私たちにも
彼女の歌声が聞こえてくるのだ。
40年のキャリアを経て
抜群の歌唱力と美貌を維持しながらハーレムアポロシアターで
単独コンサートを行ったパワーは凄い。
サム・アンド・デイブ?だったと思うけど、彼女が最初に影響を受けたという
ソウルシンガーと一緒にステージに立った。
「私と共演したこと覚えてる?」と彼女が聞けば、
「覚えてない」って言われて、
「日本人なら、覚えてなくても覚えてるって答えるけど、
ここがアメリカンだなぁ~」って笑っていた。
他には、レイ・チャールズと共演した映像が流れ、
我が心のジョージアを熱唱。
レイという映画を見ればわかるけど、
我が心のジョージアというのは、レイにとって故郷を思う
大切な歌である。
それを見事に歌いあげた。
麻薬中毒患者のリハビリのためにやっているゴスペル団体ARCも、
和田さんのバックでとびきりの歌声を披露。
和田さんも最後になると、
ご自身が「夢を実現できた」という彼女の感動が
見ている私たちにも伝わってきた。
胸が熱くなってきて
思わず泣いてしまった。
コンサートで泣くなんて、中学以来かもしれない。
「自分は、お金のために有名になるために歌ってるんじゃなくて、
こうして来てくれる皆さんのいる前で歌っていることが一番の幸せです」
(ちょっと完璧な記憶はしていないけど)みたいなことを
言っていて。
スケールは違っても、
私もいつも、そう思っている。
お金のために有名になるために書いてるんじゃなくて、
読んでくれる人がいてくれることが一番の幸せ。
(読者の皆さん、引いてしまいましたか・・・)
終わりごろに、
「デストロイヤーも来てくれたの?さすがNYだねぇ~」と和田さん。
思わず「デストロイヤー~!」と叫んでしまった私。
「デストロイヤーって誰だよ?」どこからか声が聞こえた。
てめぇ~らぁ~デストロイヤーを知らんのかぁ~と怒鳴り散らしたい
気持ちをおさえた。
きらめくステージから、妖精のように消えていった和田さん。
会場を後にしてからも、いつまでも感動が続いていた。
と、入口にデストロイヤー。
「ぎゃーっ!デストロイヤーだよぉ~」
と興奮する私。
日本のTV取材を受けてる彼は、
カメラに向かってズームイン!ってやらされていた。
「写真を撮らせてください」と近寄ると、
「ちょっとだけ」と言われ握手。
すでにお爺さんとなっていた彼だが、
やわらかくて大きな手だった。
白髪の女性とトボトボとパーキングへ歩いていった彼の後姿には、
レスラー時代の迫力はないものの。
デストロイヤーのマスクをつけた下に光る目は
同じ輝きだった。
和田さんとザ・デストロイヤーさんとの関係といえば、
「金曜10時うわさのチャンネル」という番組。
たいてい彼は大暴れしていた。
せんだみつおさんを痛めつけたり、今なら絶対に放送禁止になりそうな
激烈な番組だった。
これを見ていたのは、私の世代では少ないのだろう。
だから誰も知らないのだ。
小さい頃に小さい子に見せちゃダメな番組を見せてくれていた母に
感謝した。
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