抱腹絶倒!NY育児日記

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デニス消防車を出動させるの巻

2006-01-24 00:15:37 | 子供はどうなってるって?

 


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ママ友美恵子さん宅に、お父様が日本からいらしてたので、お父様の手料理
なんぞをご馳走になり、ご主人ブラッドのマンハッタンのバーだと12ドルはしそうな
うま~~~いコスモポリタンをいただいた後、

ほろ酔い気分で、デニスと双子をつれて帰ろうとしたら
けたたましいビープ音がなりひびいた。

玄関を先に出ていたデニス。
気のよわい犬が、つよい犬に、からまれたみたいに、
ちょっと慌てたデニスが、尻尾をまいてドアへと、走ってもどってきたのだった。

「ちょっとぉ~~~、まさかデニスが鳴らしたの?」
「そう、デニスが押しちゃった」
お茶目な顔をしながらも、ちょっと不安げに答えるデニス。

「ブラッド、ごめんなさい。デニスが警報機を押しちゃったみたい」
と、ブラッドは「大丈夫ですよ」、いつもの落ち着きはらった顔。

ほろ酔い気分もぶっとんだ私は、デニスをしかる。
お向かいのインド人のじいちゃんが、
ナイトガウンを着たまま、「なんの騒ぎだ?」と顔をのぞかせ。

お隣の体格のいいブラックのゲイの兄ちゃんが、警報機を指差しながら
ブラッドと話をしている。

警報機は、激しさを増したように、けたたましくビーッビーッと鳴りつづける。

デニスは、さすがに、なにかヤバイことをしたらしいと気づいたのか、反省ザル
みたいにうなだれていた。

ほかにも近所の人たちが、どやどや玄関へ出てくる。
そのたびに「うちの子が警報機を押しただけで、火事ジャーありません。ごめんなさい」
と、あやまる私。

どうやら警報機は、ファイアーファイターが来るまでは、止めることができないらしい。
エレベーターも止まっているので、私は10分ほど待った。

「あ、消防車がマジできてるよ」と、美恵子さんが、窓からのぞいて言った。
「デニス、ほら、あんたがあの消防車を呼んだのよ。ダメよ、勝手になんでもかんでも
さわっちゃー」

デニスは、消防車を見て、ちょっと興奮しながらも、さらに反省の色をこくした。

エレベーターロビーへ行くと、
すぐに5人くらいのごっついファイアーファイターが、いかにも火災現場にとびこむって
状態の、ごっつい格好をしてやってきた。

「デニス、一緒にいってあやまろうね」と、私は、ちょっとビビってるデニスをつれて
ファイアーファイターのもとへ急いだ。
「ごめんなさい、この子が押しちゃったの」

「ここの住人ですか?」と聞かれる。
「友人のところへ遊びにきていて、この子は、背が高いんだけど、まだ2歳なんです。
だからわからなくて押しちゃって・・・。本当にごめんなさい」

「いいんですよ」と、明るくファイアーファイターの兄さんたちは、エレベーターで下って
いった。

エレベーターが動いてるようなので、美恵子さんたちにバイバイして、
私たちもエレベーターを待つ。
上りのエレベーターが開いたら、ものすごいパンパンに人がのっていた。

ってことは、もしやアパート全体の人たちが、ロビーへ集合してるってこと?
案の定、ロビーには、まだエレベーターに乗りきれなかった人たちが、
エレベーターに乗りこんでいた。

「ごめんなさい、うちの子のせいで」と、あやまると、
「大丈夫よ。よくこういうことは、あるから」と、アパートの人たちは
明るく答えてくれた。

ロビーにいたブラッドに、「本当にめいわくかけちゃって、ごめんなさいね」
と、平謝り。こういう時の母親の役割って、あやまることしかできないのだなぁ~・・・。
デニスのためにあやまったのは、はじめてだけど。

ブラッドは笑いながら、
「住人もエクササイズが必要だから、ちょうどよかったさ」
などと、罪悪感を感じさせない言葉をかけてくれた。

そういえば、私の母は、
私のクラスメートの母親に、私が彼女をイジメたからと、
どなりこまれてきたり、

私が近所の小さな子にケガをおわせたりして、
私のために、よくあやまっていたっけ。
これからは、私が子供のためにあやまる番なんだなぁ~。

などと、自分がしてきたことを反省しつつも、母になったことを妙なところで
実感していた。

パーキングに行く途中、消防車が出ていくところに出くわした。

デニスが、双子のストローラーの影にかくれようとする。

「ほら、デニスは、きちんとファイアーファイターの人と顔をあわせないとダメよ。
自分がやったことなんだから」と、デニスを制する。

デニスが悪いことをしたとしても
ちゃんと自分で責任をとるべきだ!コソコソするんじゃないっていうように、しつけるためだ。

すると、ファイアーファイターの兄さんたち全員が、デニスに手をふってくれた。
思わず私はデニスとともに、大きく手をふっていた。

アパートの住人もそうだけど、
ファイアーファイターの人たちって、本当に心が広いなぁ~。

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