福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

ドイツ・レクイエム強化練習

2016-10-23 18:39:40 | コーラス、オーケストラ


昨日から本日にかけて、富士ベートーヴェンコーラスと東京ジングフェラインによるドイツ・レクイエム強化練習が行われた。ところは富士と東京の間をとって小田原である。

はじめて、本番と同じ杉山倍美さん、小沢さちさんお二人によるピアノ4手版でのレッスンとなったが、この版にしてブラームスの重厚な音世界が明らかとなり、幸せな時となった。

本番は、来年1月22日(日)14時 富士ロゼシアター小ホールにて。
今回は東京での演奏会はなく、富士のみ1回限りの本番となる。悔いのないパフォーマンスとしたい。とともに、将来はオーケストラ版での機会も持ちたいものだ。

なお、小田原のスタジオは、恵比寿のテッドアートスタジオ同様、壁に沢山の絵が飾られていて、気持ちのよいものであった。どうやら地元の方の作品のようである。









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マヒューラ&ローター/ベルリン響のドヴォルザーク

2016-10-22 08:10:03 | レコード、オーディオ

ティボール・デ・マヒューラ(vc)、アルトゥール・ローター(指揮)/ベルリン響

 

実は、昨夜の夜更かしの原因はアンダ&フリッチャイだけではなかった。

その直前、ティボール・デ・マヒューラの独奏によるドヴォルザーク:チェロ協奏曲をYouTubeで見つけて、まったく魅了されてしまったのだ。オーケストラはアルトゥール・ローター指揮によるベルリン響。

この演奏。調べてみるとレコードでは、独OPERAレーベルで出ていたようで録音年などは今のところ不詳。ステレオよりはモノーラル・プレスが多いようだが、コンディションの良いステレオ盤を見つけるのは困難かもしれない。

アップしてくださったYouTubeは、板起こし、つまり再生したレコード音を録音したものだ。若干のハム・ノイズや針音なども入っているが、おおむね良好な音でこの名演を愉しむことが出来る。HSさんのご苦労を労うとともに、このような感動を与えてくださったことに感謝したい(なお、マヒューラによるドヴォルザークには、モラルト指揮によるフィリップス録音もある模様。このレコードも探したい)。

マヒューラは、フルトヴェングラー時代のベルリン・フィルの首席、のちにコンセルトヘボウ管の首席を務めたハンガリー生まれの名手。

フルトヴェングラーとのシューマンの協奏曲が有名だが、わたしは、下記のライヴ・レコーディングを集めた2枚組レコードを愛聴している。

もともとは、一緒に収められているナップ・デ・クリーンのヴァイオリン目当てで入手したのだが、マヒューラの音を一聴して魅せられてしまったことをよく憶えている。

Side 1
・Johannes Brahms, Cello sonata No.2 in F, Op.99. Tibor de Machula,vc. Accompanist: Tan Crone, pf (NCRV; stereo 1970)
・Fritz Kreisler, Zigeuner Capricchio. Nap de Klijn,vn accompanied by Rudolf Jansen, pf (AVRO; stereo 1978)
・Daniel van Goens (1858-1904), Scherzo brillant. Nap de Klijn & Rudolf Jansen (NCRV; stereo 1979)

Side 2
・Johann Sebastian Bach, Suite for unaccompanied Cello No.1 in G, BWV 1007. Tibor de Machula (VPRO; stereo 1976; live recorded at the Amsterdam Concertgebouw)
・Ernest Bloch, Baal Shem - three Pictures of chassidic life. Nap de Klijn & Rudolf Jansen (KRO; stereo 1973)

Side 3
・Serge Prokofiev, Cello sonata in C, Op.119. Tibor de Machula accompanied by Cor de Groot, pf (Stockholm mono 1959 *)
・Francois Couperin/ Fritz Kreisler, La Precieuse. Nap de Klijn & Rudolf Jansen (AVRO; stereo 1978)
・Maria Theresia von Paradies/ Samuel Dushkin, Sicilienne. Nap de Klijn & Rudolf Jansen (AVRO; stereo 1978)
・Christoph W. von Gluck/ Fritz Kreisler, Melodie from Orphee et Eurydice. Nap de Klijn & Rudolf Jansen (AVRO stereo 1978)

Side 4
・Johannes Brahms, Violin sonata No.2 in A, Op.100. Nap de Klijn accompanied by Liesbeth Rumke-Hoppe, pf (NCRV; mono 1962)
・Claude Debussy, from Images Book I: Reflets dans l'eau - Homage to Rameau - Mouvement. Cor de Groot, pf (Stockholm mono 1959*)

*) by courtesy of Hans Goddijn (Cor de Groot Foundation)

 

 

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ゲザ・アンダ&フリッチャイによるブラームス第2協奏曲に感動

2016-10-22 01:01:23 | レコード、オーディオ

ヨハネス・ブラームス: ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83

ゲザ・アンダ(ピアノ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
【録音】1960年5月 ベルリン

レコード番号:DG SLPM 138 683

夜も更けたので手短に・・・。

この録音の存在は知っていたが、これまで何故かご縁がないままに過ごしてきた。

なんと勿体ないことだろう。しかも、これをたまたま見掛けたのがニコニコ動画なんて・・・。

我が貧しいPC環境で聴いても、破格に素晴らしい演奏であることは分かる。

これまでの同曲のマイベストは、天下の名盤バックハウス&ベームをおさえての、カーゾン&クナッパーツブッシュ盤であったが、アンダ&フリッチャイ盤は同率、あるいは僅差で上に置かなければならない。

「クラシックCDの名盤」に加筆できるものならしたい気持ちだ。

カーゾン&クナ盤がモノーラルでしか残されていない(年代的にはステレオがあってもおかしくないのだが・・・)という恨みを、晴らしてくれる名演であると。

アンダの明晰なタッチとフリッチャイの情熱が見事なバランスをみせている。そして1960年のベルリン・フィルの何とも剛毅で陰影深いパフォーマンス。

上にレコード番号を記したが、もちろん未入手。なんとしてもDGオリジナル(赤ステレオ)を探さなくては。

週末のドイツ・レクイエム合宿(富士ベートーヴェン・コーラス&東京ジングフェライン合同)に備えて早く休まなくてはいけないというのに、感動に打ち震えて眠れないでいる。

 

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御礼ならびに業務連絡

2016-10-20 13:23:40 | レコード、オーディオ

このたびは、福島章恭&愛知祝祭管ブルックナー8番CDに多数のお申し込み有り難うございます。

本日午前11時までにご入金済みの分までは、発送を完了致しました。お届けまで今暫くお待ちください。

それ以降にお申し込み、ご入金の分も、順次発送準備に入ります。

 

なお、当ブログのコメント欄に、「メール・アドレスを入力するとはじかれて投稿できない」との声が届いております。

はじめてのケースで戸惑っておりますが、当方では原因を特定しかねますので、その場合には、ご面倒様ですが下記のいずれかをお試しください。

1.FacebookまたはTwitterのメッセージ欄からのお申し込み

2.上記を利用されていない方は、期間限定にて、下記のアドレスを開設致しますので、こちらよりお申し込みください。

今月いっぱい期間限定アドレス akiyasu_f@yahoo.co.jp

いずれの場合も、お届け先のご住所をお書き添えください。

では、引きつづきのご声援、よろしくお願いします。

 

 

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ブル8本番1週間前 コンマスの手記

2016-10-19 22:34:44 | レコード、オーディオ

Bruckner: Symphony No.8 (Haas) AKIYASU FUKUSHIMA cond. Orchester der Aichi Festspiele

「福島先生のブルックナー演奏、もともと素晴らしいとは思っていましたが、この二日間の最終練習にて、さらに次元の違う境地に達しました。

兎に角呼吸が深く雄大にして深遠。実演でこれだけ悠然たるスケールのブルックナーが鳴り響いたことは、晩年のチェリの演奏においてだけだと思います。しかも、チェリビダーケは非常に独特、唯一無二のブルックナーへのアプローチであって、僕は尊敬もしまた愛聴もしていますが、所謂通常のブルックナー様式とは異なるタイプの演奏です。

そういう意味では、ブルックナー様式に基づく最大最深のスケールとなる福島先生のブルックナー演奏に、奏者として(それもコンマスとして)参加出来るのは本当に本当に幸せなことです。たとえば第三楽章125小節目においては、まさに「弾く」、「聴く」という感覚を超えてブルックナーに「浸る」という形容がしっくりくる、至高の体験を味わい、寝落ちとは全く違った意味で気が遠くなりそうになった程でした。

通常80分前後で演奏されるブル8が、今日の通し練では93分にまで到達したのですが、何より嬉しいのが「長くするために長くなった演奏」ではまったくないということです。ブル8演奏としては度外れな93分という時間が、深い意味で満たされ、福島先生のブルックナー宇宙を提示するためには、どうしてもこの長さでなければならない必然的なスケールの大きさだったことがしみじみと、そして強く伝わってくるのです。実際、帰宅後、勉強にと思ってさる大家のブル8(演奏時間は82分)を聴いてみたのですが、想いの「濃さ」と「雄弁さ」において、今日の演奏に比べあまりにも薄く淡泊だったのでガッカリしてしまいました。

僕が強い印象を受けたバーンスタインの言葉に「ウィーンフィルは、ナチス時代に長らくマーラー演奏が禁止され、マーラーの音楽は自分たちのものではないという感覚を戦後もずっと持っていた。しかし自分がウィーンフィルの演奏会で繰り返しマーラーを取り上げることによって、次第に『マーラーの音楽は、自分たちウィーンフィルという最上の盃で満たすにふさわしい美酒である』という感覚を持つに至ったのだ」というものがあります。うろ覚えなので細部は結構違っているかもしれませんが、大意はこんなものだったと思います。

バーンスタインの形容を借りるならば、福島先生は今週末の練習において「愛知祝祭管は、自分が演奏したい極大スケールのブルックナー宇宙を受け止め得る器である」という感覚に到達されたのではないかと思います。非力な我々は、福島先生の提示するブルックナー宇宙を受け止めきれるサイズであるとはまだまだ言えませんが、それでも先生がその可能性と手ごたえを感じて下さったということは確かだと思います。

先生の期待を、実際に至高のブルックナー演奏として結実させるべく、あと一週間さらに精進を重ねます!!」(愛知祝祭管コンサートマスター 高橋広)

以下、ご案内の再掲です。

間もなく、愛知祝祭管とのブルックナー8演奏会から2年が経ちます。

それを記念し、そのコンサートの全貌を録音した2枚組CDを期間限定で2,200円(通常定価3,000円・税込)にてお分け致します。
送料は定形外郵便に限り無料とさせて頂きます。

ご希望の方は、当blogのコメント欄にて、メールアドレスを添えて、お申込みください(もちろん、公開は致しません)。

締切は今月31日23時59分とさせて頂きます。

ワオンレコード小伏氏による驚愕のワンポイント録音。残念ながらYouTubeではその真価は伝わりません。より良い音質のCDにて、この演奏を受け止めて頂きたいと願います。

 

【収録曲目】
1. ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
中村 詩穂(オルガン)、愛知祝祭合唱団
2. バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV.1043
(第3楽章のカデンツァはJoseph Hellmesberger版を基にしたもの)
古井 麻美子(ヴァイオリン)Mamiko Furui
清水 里佳子(ヴァイオリン) Rikako Shimizu

 

3.ブルックナー 交響曲第8番ハ短調(ハース版)
第1楽章 Allegro moderato (アレグロ・モデラート)
第2楽章 Scherzo: Allegro moderato(スケルツォ :アレグロ・モデラート)
第3楽章 Feierlich langsam, doch nicht schleppend(荘重にゆっくりと、しかし引きずらないように)
第4楽章 Finale: Feierlich, nicht schnell (フィナーレ:荘厳に、速くなく)

 

指揮:福島章恭
愛知祝祭管弦楽団
(コンサートマスター:高橋広、団長:佐藤悦雄)

 

2014年10月26日(日) 愛知県芸術劇場コンサートホール

 

かもっくすレーベル
CD番号:OAF-1410(2枚組)

どうぞ、宜しくお願いします。

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2周年記念 ブルックナー8番CD 特別セールのお知らせ(期間限定・送料無料)

2016-10-18 22:50:02 | レコード、オーディオ

間もなく、愛知祝祭管とのブルックナー8演奏会から2年が経ちます。

それを記念し、そのコンサートの全貌を録音した2枚組CDを期間限定で2,200円(通常定価3,000円・税込)にてお分け致します。
送料は定形外郵便に限り無料とさせて頂きます。

ご希望の方は、当blogのコメント欄にて、メールアドレスを添えて、お申込みください(もちろん、公開は致しません)。

締切は今月31日23時59分とさせて頂きます。

ワオンレコード小伏氏による驚愕のワンポイント録音。残念ながらYouTubeではその真価は伝わりません。より良い音質のCDにて、この演奏を受け止めて頂きたいと願います。

【収録曲目】
1. ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
中村 詩穂(オルガン)、愛知祝祭合唱団
2. バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV.1043
(第3楽章のカデンツァはJoseph Hellmesberger版を基にしたもの)
古井 麻美子(ヴァイオリン)Mamiko Furui
清水 里佳子(ヴァイオリン) Rikako Shimizu

3.ブルックナー 交響曲第8番ハ短調(ハース版)
第1楽章 Allegro moderato (アレグロ・モデラート)
第2楽章 Scherzo: Allegro moderato(スケルツォ :アレグロ・モデラート)
第3楽章 Feierlich langsam, doch nicht schleppend(荘重にゆっくりと、しかし引きずらないように)
第4楽章 Finale: Feierlich, nicht schnell (フィナーレ:荘厳に、速くなく)

指揮:福島章恭
愛知祝祭管弦楽団
(コンサートマスター:高橋広、団長:佐藤悦雄)

2014年10月26日(日) 愛知県芸術劇場コンサートホール

かもっくすレーベル
CD番号:OAF-1410(2枚組)

『これは、とてつもないブルックナー演奏だ。21世紀に入ってすぐに朝比奈隆とヴァントが相次いで亡くなったとき、「巨匠の時代」は完全に終焉を迎えたと思っていた。その断絶を打ち破る動きがアマ・オケから出てきたのは大変興味深い。名古屋でワーグナーやマーラーの演奏会を開いて注目を集める愛知祝祭管弦楽団が、往年の名指揮者を愛し、指揮に、批評に活躍する福島章恭を招いて実現したブルックナーは、巨大なスケールと荘厳な深みを持ち、熱い生命力に満ちた演奏となった。オケの技術的な限界も感じられるが、細部を丹念に積み上げて仰ぎ見る様に構築された音による大伽藍は、巨匠の時代の再来を思わせる。
intoxicate (C)板倉重雄
タワーレコード (vol.114(2015年2月10日発行号)掲載)』

『実測値としては常識はずれの(深い呼吸に支えられたゆったりとした)テンポに、オーケストラは嬉々として従い、観衆も水を打ったかのように静まり返り、特に第三楽章などは観衆の呼吸が我々と同化していることさえ肌で感じられました。いつしか奏者・観衆は一体と成り、「愛」に溢れたブルックナー宇宙の本質が会場に満ち満ちていたものでした。』(愛知祝祭管弦楽団コンサート・マスター高橋 広)

提供 : 愛知祝祭管弦楽団
録音:ワオンレコード 小伏和宏
映像:KANON

♪ブルックナー:交響曲第8番の全曲演奏の模様は、下記にてご覧ください。

 

Bruckner: Symphony No.8 (Haas) AKIYASU FUKUSHIMA cond. Orchester der Aichi Festspiele

 

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必見は24分11秒頃 ~ ブルックナー「8番」演奏会から間もなく2年

2016-10-18 01:26:31 | レコード、オーディオ

Bruckner Sym. No.8 3rd mov. AKIYASU FUKUSHIMA cond. Orchester der Aichi Festspiele

間もなく、愛知祝祭管とのブルックナー8番コンサートから2年ということで、その第3楽章の映像はを貼っておきます。同じハース版を用いた朝比奈先生より遅いテンポということになりますが、その遅いテンポを支えてくれた愛知祝祭管のメンバーには賞賛と感謝の言葉しかありません。

実は、この第3楽章あってこそ、福島章恭という音楽家の今があります。この演奏の前と後では、自分の呼吸法がまったく変わってしまったからです。ブルックナーの音楽が思いも寄らない境地に導いてくれたのです。もちろん、いまのわたしは、このときよりも少しは進化(深化)しているので、さらに別の次元のブルックナーを振ることが出来るでしょう。その機会の与えられることはある、と信じているところです。

全編30分を超す長尺ですので、お時間のない方は、24分11秒ころより24分30秒くらいまでをご覧にください。

 

 

 

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広島カープの日本シリーズ進出を祝福する

2016-10-15 22:50:26 | 日記
広島カープの日本シリーズ進出を心より祝福したい。

今シーズンの広島カープの強さはダントツで、2位ジャイアンツとのゲーム差を考えるなら、もはやCS免除でよいのではないか? というのがわたしの持論であったし、勝率5割に満たないベイスターズなど出場を辞退すべきではないか? とすら思っていた。

しかし、ルールはルールであり、特にイカサマをしたわけでもない。試合が行われるからには、正々堂々と応援するほかなかったのである。

カープの日本シリーズ進出の決まった今、まさに順当な結果であると納得しているし、「ジャイアンツを破って第2ステージに臨めた」ということの歓びが、今年のベイスターズには分相応だったと思える。そして、その感動を味わえたことを有り難く思っている。

シーズン中より、ラミレス監督の選手起用や采配には、疑問や不満も少なくなかったのだが、少なくとも、昨年までの長い暗黒のトンネルから抜け出せたことは事実であり、評価しなくてはなるまい。

振り返れば1998年、日本シリーズを3試合観戦できたことは、人生に於ける美しい思い出だ。我が生のあるうちにベイスターズが優勝するなどと、夢にも思っていなかったのに、あれよあれよと言う間に優勝してしまった。横浜駅東口に特設された大魔神社にお詣りしたことも懐かしい。

3試合の内訳はハマスタの初戦と、ドームになる前の(つまり屋根のない)西武球場に2試合。いずれもナイターで、10月下旬の狭山丘陵の夜の冷え込みは半端なく、ガタガタ震えながらの応援だったことを憶えている。その分、応援は熱かった!

チケットはいずれもsold outだったのだが、試合開始にギリギリ間に合う時間に新宿の金券ショップに行けば、比較的安く手に入ることは分かっていたのである。もともとの価格も狂乱の現在に較べれば遥かに常識的なものであり、まだネットの転売ヤーの跳梁跋扈する前だったのは幸いであった。

いよいよ、日本一が決まるという日、ハマスタに出掛けようとするわたしを家内が強く引き留めた。行くなら離婚するとまで言うので、渋々引き下がったのだが、なぜあんなにまでして、わたしを行かせたくなかったのかは、未だに謎のままである。
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懐かしの演奏を聴く モーツァルト40番より第1楽章 福島章恭 & チェコ・プラハ管

2016-10-15 01:42:02 | コーラス、オーケストラ

モーツァルト:交響曲第40番ト短調 K.550~第1楽章 福島章恭 & チェコ・プラハ管

今日は久しぶりに自分のアップしたYouTubeを閲覧してみた。

この40番の第1楽章は、いまから10年も昔の録音いうから、ボクの指揮法も呼吸法もまだまだ未熟だった頃だが、思い出深いコンサートであることに変わりはない。

来年3月5日には、長岡リリックホールにて、モツレクの前プロとして41番「ジュピター」を振ることになっているが、「この40番を超えた!」という渾身の演奏にしたいと思う。

ブルーノ・ワルターに捧ぐ!
モーツァルト 交響曲第40番ト短調 K.550(第2稿)より 第1楽章 モルト・アレグロ

指揮:福島章恭  
チェコ・プラハ管弦楽団
写真撮影:相田憲克
(録音:2006年12月3日)

ヨーロッパ某所の由緒あるホールに於ける記念すべき演奏会。
当夜は、「ブルーノ・ワルターに捧ぐ」とのキャッチフレーズの下、K.550と「レクイエム」(レジェンド・オブ・モーツァルト合唱団)の2作品を演奏しました。ワルターに敬意を表し、クラリネット付きの第2稿を選びましたが、例のゲネラルパウゼはありません(笑)。
思い出深いコンサートですが、特にK.550の第1楽章はオーケストラともども尋常でなく燃え上がり、一期一会の名演となったと自負しております。

なお、前日のリハーサルから本番にかけてのすべての写真は、長岡市の舞台写真家、相田憲克さんによる撮影です。
演奏の息吹を伝える素晴らしい作品の数々に改めて感謝の意を表したいと思います。

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クリスティ&レザール・フロリサンを21年ぶりに聴く

2016-10-13 23:41:24 | コンサート

クリスティ&レザール・フロリサンの実演をはじめて聴いたのは、彼らの初来日、1995年11月、三鷹芸術劇場においてである。

パーセル:歌劇「妖精の女王」とM.シャルパンティエ:歌劇「病は気から」の2演目で、いずれもコンサート形式であった。もう細部は記憶していないけれども、その清新で生き生きとした音楽による心沸き立つ感動だけは未だに心に残っている。ついでにもうひとつ覚えているのは、ホールのレストランで食べたピラフにまったく味がなかったこと。塩を入れ忘れたのではないか? と同行した友人と語り合ったものである。

まあ、塩加減の話はどうでもよい。

その後、クリスティ&レザール・フロリサンは、2003年と2006年にも来日したようだが、それは聴いていないから、今宵は21年ぶりの再会ということになる。

客の入りはザッと見渡して、4割程度だったろうか? 

いかにも空席が目立ったのは、下記のようなプログラムが予告されていたため、ただ単に歌手たちがアリアを披露する音楽会と認識されたためではなかろうか? そうだとすれば、知名度の高いスター歌手がいるわけではないし、かといって、オラトリオや受難曲をじっくり聴けるわけでもない、ということで、チケットが売れなかったのもやむを得まい。かくいうわたしも、コンサートのコンセプトなどは何も知らないまま客席に着いたのだが、いざ始まってみると、実に知的で、愉快な音楽ショーだったのだ。

つまり、ストラデッラ、ヘンデル、ヴィヴァルディ、チマローザ、モーツァルト、ハイドンなどのアリアや重唱を繋ぎながら、二部構成のドラマとして再創造されていたのである。この辺り、宣伝の段階でもっと内容の面白さをアピールできれば、もう少し違っていたのではなかろうか?

レザール・フロリサンのアンサンブルは美しい。

弦五部は4-4-3-3-2、管はオーボエとトラヴェルソが各2、それにチェンバロというシンプルな編成なのだが、ピリオド楽器としては、しなやかでありながらも、重厚感のあるサウンドで、その低音がズシンと腸に響いてくる。

6人の歌手たちも、1人1人の技量が優れているだけでなく、アンサンブルのバランスが絶妙で、そのハーモニーの美しさは「まさにこれ、これです。こういうハーモニーが欲しいのです」と我がすべての合唱団員に伝えたい衝動に駆られるほど。

さらに、クリスティの指揮にも魅せられた。まったく、虚飾のない運動なのだが、その指、腕、全身から音楽の波が生み出され、それがオーケストラや歌手たちに伝播してゆく様は壮観。「まさにこれ、こういう指揮者にならなくては」と自分に言い聞かせたものである。

ひとつだけ難を言えば、サントリーホールという器は、彼らには些か大きすぎた。

「せめて、オペラシティだったら良かったのに・・・」とは、休憩時間に聞こえてきた女性たちの会話だが、思わず頷いてしまった。さらに紀尾井ホールくらいの規模であれば、彼らはもっと楽に歌い演じられたはずで、客席からもより細やかなニュアンスを受け取ることが出来たに違いない。

しかし、この演奏会が感動的であったことに間違いない。

彼らのアジア・ツアーはこのあと、ソウル~上海~マカオとつづくが、日本での公演は一夜のみ。この稀少な機会に立ち会えたことを幸運に思う。

ウィリアム・クリスティ&レザール・フロリサン 
<イタリアの庭で~愛のアカデミア>
日時
2016年10月13日(木) 19:00 開演
指揮
ウィリアム・クリスティ
出演
ソプラノ:ルシア・マルティン=カルトン
メゾソプラノ:レア・デザンドレ
カウンターテナー:カルロ・ヴィストリ
テノール:ニコラス・スコット
バリトン:レナート・ドルチーニ
バス:ジョン・テイラー・ウォード
オーケストラ:レザール・フロリサン
  • ストラデッラ: カンタータ『アマンティ・オーラ』から
  • ヘンデル: オペラ『オルランド』/オラトリオ『時と真理の勝利』から
  • ヴィヴァルディ: オペラ『オルランド・フリオーソ』/『離宮のオットー大帝』から
  • チマローザ: オペラ『みじめな劇場支配人』から
  • サッロ: オペラ『カナリー劇場支配人』から
  • モーツァルト: バスとオーケストラのためのアリエッタ『御手に口づけすれば』
  • ハイドン: オペラ『歌姫』/『騎士オルランド』から、他
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