福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

夜更けに心の調律 ~ フィッシャー=ディースカウ ヴォルフ「メーリケ歌曲集」を聴く

2015-12-11 23:59:58 | レコード、オーディオ


今宵の東京ジングフェラインの「マタイ受難曲」レッスンは、大阪組、厚木組からの参加者に加え、男声に3名の賛助出演者を迎え、たいへんに充実したものとなった。

本番のイメージがようやく見えてきた想いがする。その意味で今日はひとつの記念日と呼べるかもしれない。



そうした満ち足りた気持ちで帰宅し、早速、マイソニックラボのEminent Soloをヘッドシェルに装着。クナッパーツブッシュのブルックナー4番 英デッカ・オリジナル盤を再生したが、実にお見事。ウィーン・フィルの溶けるような金管群、鄙びた木管群、そして、艶やかな弦の歌に恍惚となった。間違いなく、我が家でクナッパーツブッシュのロマンティックが最も美しく鳴り響いた瞬間である。



夜も更けてきたので、ブルックナーは第1楽章のみに留め、いまは手に入れたばかりのフィッシャー=ディースカウの歌うヴォルフ「メーリケ歌曲集」を聴いている。ピアノはジェラルド・ムーア。同歌曲集53曲中の37曲が3枚組のレコードの5面にわたって納められている。6面中の1面はブランクだ。レコード番号は英EMI ALP1617-19でもちろんモノーラル・プレス。同じ歌唱のステレオ・プレスの有無は分からない。




いやあ、なんという歌唱芸術だろう。この完璧の前に言葉は不要。フィッシャー=ディースカウの歌声が忙しさに疲れ、ささくれ立った我が心を穏やかに調律してくれるようだ。

この凄みを孕んだ美しさ、若い頃には分からなかった。上手すぎると敬遠していたことを恥じるのみだが、いまこうして素直に享受できる自分を歓びたい。
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マイソニックラボ Eminent Soloと出会う

2015-12-11 09:50:27 | レコード、オーディオ


随分前から存在の気になっていたマイソニックラボのカートリッジ。このたび、同ブランド唯一のモノーラル・カートリッジEminent Soloとご縁があった。掘り出し物と呼べる新古品と出会ったのである。



最初に選んだ盤は、マイルス・デイヴィス・カルテットの米Analogue Productions社による45回転復刻盤(5アルバム10枚組)からCOOKIN'。

実に落ち着いた大人のサウンドで、その深さと熱さに恍惚となる。なんという至福。

実は、この復刻レコード。ダイナミックレンジが極度に広いためか、長年愛用しているシェルターのモノーラル・カートリッジでは、ドラムスの強打の際などに音がビビってしまったのだが、Eminent Soloは余裕でクリアしてしまう。シェルターも優秀で魅惑的なカートリッジではあるが、懐の深さにおいてマイソニックラボに軍配が挙がるようだ。とともに、Analogue Productionsのプレスに非のないことも判ってよかった。



しかし、その後、クナッパーツブッシュのブルックナー4番「ロマンティック」など英デッカの古いモノーラル盤などを再生すると不満も出てくる。高弦の音色に魅惑が足らないのである。そこで、ヘッドシェルをフェーズテックからZYXに交換するとかなり改善された。

ただ問題もある。Eminent Solo、ZYXヘッドシェルともに自重が軽すぎて、我がサエクWE407/23アームではコントロールし難いのだ。というのも、このサエクの名器は稀少品で本体を入手するだけで精一杯。未だ軽量カートリッジ用のバランスウェイトが見つからないからである。

というわけで、新たな相方としてマイソニックラボのヘッドシェルを用意した次第。同じブランド同士で妙なる楽の音を奏でてくれることを祈るばかり。早く試したいのだが、いまは、ホテルの部屋でその姿を眺めるのみ。

ああ早く家に帰りたい。
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来たれ! 大阪フィルの「第九」へ

2015-12-11 00:50:59 | コーラス、オーケストラ

今宵は大阪フィル合唱団の「第九」レッスン。あまりにも歌い慣れてルーティンになっているところを、徹底的に鍛え直しているところ。




20日(日)には、コバケン先生との
「炎の第九」(ザ・シンフォニーホール)。
29日(火)、30日(水)には、いよいよマエストロ道義先生との「第9シンフォニーの夕べ」(フェスティバルホール)。

井上先生とは、倉敷、京都に次いで三度目の「第九」となるが、大阪フィルでは初の共演となる。凄いことになりそうな予感!

チケットの売れ行きも好調とか。
会場にてお待ちしてます!



※写真はすべて大阪フィルTwitterより転載しました。撮影: 飯島隆
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