1年ぐらい前から、柿渋染ばかり染めている。
柿渋染のトートバックもカードケースも手帳も、たくさん作って来た。
そろそろ新しい作品を考えなければならないが、
私の頭の中の、センスやアイデアの埋蔵量は意外なほど少なく、
すでに底をついたようで、いくら絞り出しても出て来ない。
柿渋染は、
熟す前の渋柿の青い果実をつぶし、果汁を2年間発酵させた液で
染める日本に古くからある染色だ。
空気に触れると硬くなる特性が有り、塗ると耐久性に優れ、
防水効果も有るため、昔から和傘や酒袋などに使われて来た。
ただ発酵させる為、異臭がするし、染め方も何度も塗り重ね、
日光に当てて色を発色させる為、手間も時間もかかる。
それに素人では染ムラになり易く、染め方も難しい。
最近そんな問題も改良され、簡単に染められるようになった。
京都の田中直染料店には、無臭の柿渋液も有り、
柿渋をゲル状にした柿渋糊もある。
私は、柿渋糊を使って小物を作っている。
塗り重ねると、褐色の天然染料の色合いと、皮のような風合いになり
気に入っている。
悩みの種だった柿渋染の新作も、何度も試作を繰り返し、
柿渋染のペンケースが完成した。
元々、生地の硬い帆布に顔料と柿渋糊を塗り重ねると、
ますます硬くなり、縫うのに苦労した。
布の重なりが1番多い所で9枚になる。
こんな時、工業用のミシンを使っていて良かった!!と思う。
苦労はしたが出来上がりには、満足。
今日生まれたばかりの我が子、なかなかカッコいいぜ!!