歌麿 紫の謎 NHKスペシャル
2007年3月4日 21時から
ボストン美術館に秘蔵されていたウィリアム&ジョン・スポルデインングコレクションSPAULDING Collection。大正時代に執行弘道がサポートして集められた、1921年ボストン美術館に寄贈された。寄贈時の契約で一般公開されることなく秘蔵されてきた。今回6383点がディジタル画像として記録された。
その中には喜多川歌麿382点が。それを日本の浮世絵研究者 小林忠、藤沢紫さんなど5人が集まり検討され、歌麿の研究、作成年代特定がされた。(寛政7年以降作品は、髪の生え際がカールしているなどの特徴があるとか)
今回の発見は、その作品の3分の1で紫が使われていたこと。紫色は、庶民には纏う事が禁じられていた。歌舞伎の助六が紫の鉢巻をして武士に対抗して一斉を風靡したのはその表れ。お上に対する反逆意識。
紫色もいろいろ使い分けている。調査の結果、紅と露草で掛け合わせて使っていることが判明。藍色と違って退色し易い露草を用いても、鮮やかに発色する効果を狙っていた。
スポルデインングコレクションの寛政3年は空白の年。肉筆画「品川の月(フリーア美術館)」を栃木では描いたのではないかとの推測がでていた。女性の構図がその後の大首絵の構図に似ているという。「品川の月」で女性の表情を書き分けることを知ったのではないかと。
そして寛政4年から大首絵を描き始める。水茶屋の女性が多く描かれ、難波屋おきたが13枚もスポルデインングコレクションにはある。そして、寛政5年に町娘なまえ禁止令。さらに、名前を判じ絵にしてまでも、歌麿は町娘を描き続けるが、寛政8年にはさらに判じ絵も禁令に。
その後も歌麿は幕府に反逆を続け、あわび取り、そして、太閤五妻洛東遊観の図;後者で3日間牢獄に入れられ、50日間手錠を掛けられる。翌年に没。秀吉を描いているが、家斉を揶揄したことが逆鱗に触れたのではとの説もあるそうだ。
絵本で「江戸絵師 紫屋歌麿」と名乗った「紫屋」の意味が今回初めて判明した。
歌麿の絵を昨年からかなり見ていますが、本当に発色が素晴らしい。必見。
再放送は3月6日(火)深夜(水曜午前)0時から0時49分。
ボストン美術館のSPAULDING Collectionサイト
http://www.mfa.org/collections/search_art.asp?coll_package=30744
NHKのサイト
http://www.nhk.or.jp/special/onair/070304.html
以前の記録
歌麿と栄之-歌麿没後200年・栄之生誕250年- (9月)、(10月)
ギメ東洋美術館所蔵浮世絵名品展 (前期)、(後期)
2007年3月4日 21時から
ボストン美術館に秘蔵されていたウィリアム&ジョン・スポルデインングコレクションSPAULDING Collection。大正時代に執行弘道がサポートして集められた、1921年ボストン美術館に寄贈された。寄贈時の契約で一般公開されることなく秘蔵されてきた。今回6383点がディジタル画像として記録された。
その中には喜多川歌麿382点が。それを日本の浮世絵研究者 小林忠、藤沢紫さんなど5人が集まり検討され、歌麿の研究、作成年代特定がされた。(寛政7年以降作品は、髪の生え際がカールしているなどの特徴があるとか)
今回の発見は、その作品の3分の1で紫が使われていたこと。紫色は、庶民には纏う事が禁じられていた。歌舞伎の助六が紫の鉢巻をして武士に対抗して一斉を風靡したのはその表れ。お上に対する反逆意識。
紫色もいろいろ使い分けている。調査の結果、紅と露草で掛け合わせて使っていることが判明。藍色と違って退色し易い露草を用いても、鮮やかに発色する効果を狙っていた。
スポルデインングコレクションの寛政3年は空白の年。肉筆画「品川の月(フリーア美術館)」を栃木では描いたのではないかとの推測がでていた。女性の構図がその後の大首絵の構図に似ているという。「品川の月」で女性の表情を書き分けることを知ったのではないかと。
そして寛政4年から大首絵を描き始める。水茶屋の女性が多く描かれ、難波屋おきたが13枚もスポルデインングコレクションにはある。そして、寛政5年に町娘なまえ禁止令。さらに、名前を判じ絵にしてまでも、歌麿は町娘を描き続けるが、寛政8年にはさらに判じ絵も禁令に。
その後も歌麿は幕府に反逆を続け、あわび取り、そして、太閤五妻洛東遊観の図;後者で3日間牢獄に入れられ、50日間手錠を掛けられる。翌年に没。秀吉を描いているが、家斉を揶揄したことが逆鱗に触れたのではとの説もあるそうだ。
絵本で「江戸絵師 紫屋歌麿」と名乗った「紫屋」の意味が今回初めて判明した。
歌麿の絵を昨年からかなり見ていますが、本当に発色が素晴らしい。必見。
再放送は3月6日(火)深夜(水曜午前)0時から0時49分。
ボストン美術館のSPAULDING Collectionサイト
http://www.mfa.org/collections/search_art.asp?coll_package=30744
NHKのサイト
http://www.nhk.or.jp/special/onair/070304.html
2007年春、世界最大級の浮世絵コレクションの全貌が高精細デジタル画像で公開される。85年前アメリカの大富豪がボストン美術館に寄贈して以来、一度も展示されず封印されてきた6500枚の浮世絵版画。しかも、そのすべてが変色・退色を免れ、江戸時代の色彩を鮮やかにとどめている。
このコレクションの本格的な調査が、昨年から浮世絵の世界的権威を結集した研究チームによって進められてきた。注目を集めているのは、喜多川歌麿の浮世絵が400枚、完全な形で残されていたことである。驚くべきは、女性の着物に鮮やかな紫色が惜しげもなく使われていたことだった。紫は退色が激しく、歌麿が紫色にこれほどこだわっていたことは、今回初めて明らかになった。
歌麿が生きたのは、老中・松平定信による「寛政の改革」の時代。浮世絵に対する禁令が相次ぐ中、歌麿はそれに反発し、したたかに禁令の下をかいくぐって作品を発表する。「紫」にこめた歌麿のメッセージとは?厳しい時代を生き抜いたある浮世絵師の姿が浮かび上がる。
以前の記録
なかなか面白い番組でしたが、その前の時間で日曜美術館が広重の復元をする内容でしたので、浮世絵の<色>と言うのをいろいろ考えたりしました。
手鎖のことも知ってましたが、この番組をみて幕府の執拗さにも、へんに感心しました。
禁色は時代によって変わっていくものですが、面白かったです。
こちらをリンクさせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか?
いい番組でした。
リンク、TBなんでも歓迎です。
ありがとうございます。
まだ、本文のボストン美術館のリンク先、画像がみえないようです。