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THE 有頂天ホテル (劇場)

2006-01-26 13:14:57 | 邦画 (69)

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製作 亀山千広
監督:脚本 三谷幸喜
出演 役所広司(新堂)松たか子(ハナ)佐藤浩市(武藤田)
   香取慎吾(シンガーソングライターを夢見るベルボーイ、憲二)
   篠原涼子(コールガール、ヨーコ)麻生久美子(なおみ)
   戸田恵子/生瀬勝久/原田美枝子/唐沢寿明/津川雅彦
   伊東四朗/西田敏行/YOU(不幸せなシンガー)
   ダブダブの声(山寺広一)
2005年
公式サイト
>脚本家・三谷幸喜の監督第3作目。
大晦日のホテルアバンティ。マジメな副支配人の新堂は、元妻の由美と再会して動揺。そんななか、汚職が発覚した国会議員・武藤田がホテルに逃げ込んで来る。彼の元愛人は、客室係のハナだった。

街に出たついでにと思った私が甘かったですねえ。
一度目は満席!こうなりゃ意地でも!万を持して、違う日にやっと見ることができました。
滑り込みセーフ!
大満足な映画でした!

三谷幸喜監督作は初めてです。
ホテルアバンティに関わる人々の大晦日から元日までの人間模様を描いた物語。
これが面白かったんですよ!

タイトルロールが三谷劇場の幕開けといった感じで洒落てます。
おや、この映画どこかで・・と思ったら、やはり『グランドホテル』をベースにしているらしい。

グレタ・ガルボたちが出演したこの映画は私もテレビで見かけた程度ですけどね。
それほど大爆笑ではないのだけれど、クスクス笑ってるうちに、それぞれの人たちの人間模様が浮かび上がってくる。

そして、みんながどこかで繋がっていて大晦日のカウントダウンとともに、新しい歳を迎えるという演出も巧みです。
女性たちが自分の人生を引き受けて強いのに比べて、(特に”松したたか子”!)男性たちはともすれば挫折しそうなんですよ、これが。

三谷さんは笑いのうちにもメッセージ、人生への応援歌を送っていて、真面目な人なんだなと思いました。
こういう人情喜劇がお得意なんでしょうね。

私は大して夢も持ってなかったので、諦める辛さは知らない。
ただ、家族に起きた問題の余波を受けて、ここ数年は大変だった。
そんな時に、この映画を見たのは幸運でした。

これだけ多くの人の人生を描いているのに、ゴチャゴチャ感がない。
テンポよくお話はすすんで、130分間があっという間。
斜陽と言われた邦画も、ここまできたかと感慨深いものがあります。
少しエラそうですが。汗
テレビや映画で見かける芸達者な俳優陣たちがこれでもかと続々と出演。

ゴチャゴチャどころか、各俳優がそれぞれのいい部分を出し調和を保って、互いの個性を殺しあわない。
監督の腕もあるけど、日本独特の和の文化の縮図かもしれない。

夢を諦めるな。
自分に正直に生きよ。
どんなピンチにも活路はあるのだ。

松したたか子、真っ当な意見をはきます。この人の台詞回しの確かなのは深津絵里さんと並ぶと思う。
旬の篠原涼子、マグダラのマリア(聖娼婦)みたい。
死んだつもりでやれば何だってできるわ。

いつもながら、安心して見ていられる役所広司。
役所さんの目立ち過ぎない、いい人ぶりには好感が持てます。

柔らかな音楽も映画を品よくしていました。

ここから結末に触れています。
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佐藤浩市さんに目をひかれました。
死を選ぼうとした汚職議員、佐藤浩市さんですから、お話は突然、そっちへ?とハラハラしたけど。(崖っぷちぶりがどこぞのIT企業の元社長とダブるし;)

俺は一度死んだ男だゾ。

隣室の香取慎吾の歌に感動して、思いとどまるんですね。
ドンキホーテ~♪うるうる

カッコよく死ぬよりも、自分に正直に、一からやり直し。
案外、篠原さんとうまくいくのかも。

人はやり直せるんだな。
唐沢、オダギリジョーの二枚目の壊れぶりが皮肉が効いてて面白いです。
ホテルには筆耕係なんて地味な仕事があるのは当たり前なのに、知らなかったし。

最後に、暗めの筆耕さんが笑ってるのも、明るいオマケでした。

役所支配人は元妻(原田美枝子)から、支配人補佐の 戸田恵子サンヘバトンタタッチされた模様。
女心ですねえ。

この映画を見てしまったら、後の映画鑑賞のハードルが高くなりそうで困るな。笑

それに、年明けの場面はもっと、もっと、はじけてもいいかなと思うけど。
観客は欲張りです。

お帰りなさいませ。
ホテルマンにはお客様は家族です・・

映画ってやっぱりいいです。

ドンキホテ~、ロシナンテ、サンチョパンサァ~、アンドレ~~♪♪かぁ~。

TB送信:京の昼寝~♪