監督・脚本 アン・リー
出演 ウィンストン・チャオ(ウェイトン)
ミッチェル・リヒテンシュタイン(サイモン)
メイ・チン(ウェイウェイ)ロイ・ション(父)
グア・アーレイ(母)1993年、台湾/アメリカ
アン・リー監督がある家族の心理を丁寧に暖かい目で見た物語です。
ウェイトンはニューヨークに来て10年、帰化し、ビジネスマンとして成功している。
でも、実は彼はゲイでサイモンという恋人と幸せに暮らしている。
台湾の両親が結婚をせっついてくる。
特に、父は心臓が悪く軽い発作を起こしたが、孫の顔を見るという執念で持ち応えたらしい。
切羽詰った二人、ウェイトンは中国から来てグリーンカードを欲しがっている画家の卵、ウェイウェイと偽装結婚することにする。
豪華な披露宴で飲み過ぎた父の血圧が下がらず、飛行機に乗れなくて帰れない。
しかも、一夜の過ちでウェイウェイは妊娠してしまったからさあ大変。
サイモンは両親の前で、つい英語で怒り出す。
英語なら両親には分からない。
中絶するのしないの、男二人は別れるのどうのと、てんやわんや。
息子は母親には自分の秘密を打ち明ける。
「ゲイが心の通じる相手を見つけるのは難しいんだ。サイモンは僕の宝なんだ。」
この言葉、重みがあります~~。
サイモンが揉め事の中で、割りとアッケラカンとしているのは国民性の違い?と思ってしまう。
披露宴の最中もベストマンとして新郎の口元を拭いてやったり、料理は上手いし、とにかくいいヤツなのである。
両親も善良な人、ウェイウェイもまた心優しい娘だ。
しかし、台湾の結婚披露宴と新婚の部屋に押しかけてくる習慣って、、ある意味凄まじい。
披露宴の中に、アン・リー監督の顔を見たような気がするけど。。
ここでは書けないある心温まる意外なことが判明するのです。
そうかあ!そうだったのか!
孫を見ることを楽しみにして両親は台湾に帰ります。
空港で、去って行く老いた二人の小さな背中を見て、万感胸に迫るウェイトンの姿が感動的です。
以下、種明かし、未見の方は要注意です。(笑)
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思いがけないことに父親は○語が少しできて、最初から全てを知っていたのです!
空港で一瞬ためらう母親に代わって、父親はサイモンを固く抱きしめます。
父にとってサイモンは嫁!なのですね。胸が熱くなります。
男性二人は元のように幸せに暮らすでしょう。
ウェイウェイも二人の助けを借りて子供を育てるのでしょうね。
外国で映画を撮るアン・リー監督らしい少しアメリカン・ティストな希望に溢れるラストでした。