監督 ホ・ジノ
出演 サンウ(ユ・ジテ) ウンス(イ・ヨンエ)
サンウは自然の中の音を採録するという珍しい仕事をしている。
仕事でウンスと出会い、序所に親しくなり恋をする。
ウンスはサンウよりも年上で離婚歴があるが、自然体で可愛い女性だ。
サンウが結婚の話をしたところからウンスの態度が変わりはじめる。
性急なサンウの態度に心がひけてしまったのか。
恐らくサンウにとっては大人になってからの初めての恋じゃないかな。
ウンスが会ってくれなくなってからサンウはのた打ち回って苦しむ。
サンウには彼女の気持ちが理解できない。
ウンスもまだ傷が癒えてないのかもしれない。
イ・ヨンエさんのどこか影のある大人の女らしさが印象的です。
サンウの祖母(サンウが子供の頃、母親が亡くなって叔母と父が再婚したことから、祖母が小さいサンウの面倒を見たと思われる)
祖母は高齢のため現実があやふやになっていて、亡くなった夫を駅に迎えに行くのを日課のようにしている。
あきらめろ。どんな美人も年取ったらおばあさんさ。そう考えると哀れだな。
辛いんだね。去ったバスと女は追うものじゃない。
夫を待ち続ける彼女にだけはサンウの気持ちが分かる。
或る日、祖母は盛装して出かける。多分、夫の元にいくために?そんな風に見える。
若いウンスと祖母の対比が人生の重さを思わせる。
男と女の気持ちのすれ違い、これは永遠に続くことなんだな。
幾つか季節が過ぎて、ウンスから何事もなかったかのように会わないかという電話があった。
しかし、このウンスの行動は気まぐれ過ぎない?
桜が美しい並木道で再会した二人。
「お茶でもどう?」と言う女に青年はきっぱりと断る。
くるりときびすを返して桜並木を去っていく女。映画「第三の男」のアリダ・バリみたいに。でも、後姿はさびしい。
青年は少し人生を知って、少し大人になった。
風が草原を渡る音、雨音、川のせせらぎ、普段の騒がしい生活の中で、忘れていた音を聞くことができる映画です。