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泣きたい”大人たち~注目される涙の効用

2005-11-26 09:14:02 | 日記・エッセイ・コラム
ちょっと面白いTV番組を見たので、映画観賞の感想ではないけれど、書いてみます。

昨日、某国営放送局(関西クローズアップ)で”涙の効用”について検証をしていました。

>今、時代は「感涙ブーム」。
書店には“泣ける本”を集めた「感涙コーナー」が登場。
映画も“泣ける”作品がヒットしている。
大阪では、仲間で映画を見て一緒に泣こうというサークルが誕生。
社員研修に、泣くことを取り入れる企業も現れた。
最新の研究では、ストレスや痛みを軽減する効果も明らかになりつつあるという「涙」。

映画などを見て泣いた後、脳にアルファー派が見られる。
心がリラックスしている証拠ですね。

ちなみに男性はメソメソするなというしつけを受けているので、感動の涙を流すことが多いらしい。
スポーツ観戦でジーンときたり。

女性は人間関係で泣くことが多いそうです。
泣くことで心のしこりが少しでも溶けるなら、泣きませんか?^^

私は映画を見たり、音楽を聴いたり、本を読んでよく泣きます。
号泣ではないけれどね。
そう言えば、スッキリした気分になるなあ。
昔から、泣くと心が浄化されるって言いますよね。
心のお掃除かな。(わら

笑って、泣いて、感動する・・
心の健康の秘訣かもしれませんね。(^_-)ーーー☆

そして、昨夜は越路吹雪の物語をTVで見ました。
避けられない定め、(病)に怯えて。

最後の越路さん本人の歌声を聞いて目頭が熱くなってしまった。
いつまでも歌い続けてほしい人でした。




フー・アー・ユー? Who are you?

2005-11-19 11:49:14 | 韓国映画
who

監督 チェ・ホ
脚本 キム・ウンジョン , オ・ヒョンニ
出演 チョ・スンウ (ヒョンテ)
 イ・ナヨン(インジュ)2002年、韓国

>ゲームと現実の世界を挟んですれ違う恋の行方は?
私のことをわかってくれる「あなたは誰?」

『接続』というハン・ソッキュの映画があるけど、インターネットを通じて愛を育むという点は同じかな。
ただ、この映画は主人公ヒョンテがIT会社のゲームプランナーなので、ネット社会がどういうものかについても考えてしまった。

小さなIT会社で、将来の成功を夢見る野心家ヒョンテは同じビル内で、シーワールドの飼育係として働くインジュと出会う。
彼女には言いたくない秘密があった。

世の中は勝ち負けだけじゃないのね。

現代の韓国社会は日本以上にネット社会だと聞く。

初めて見たインジュの姿にヒョンテが惹かれたのも頷けるね。
スタイル抜群のイ・ナヨンには似合って綺麗。
ヒョンテは仕事柄、ピョリというIDでアクセスしてくる彼女がインジュであることに気づく。

これはインジュにとっては公平じゃないけど。
二人はオンラインゲームで急速に親しくなる。
そう言えば、二人がゲームをするのも、会うのもいつも夜。
そこに現代が抱える孤独が見え隠れするような気がする。

インジュはかつて国の代表水泳選手で、ハードな練習の結果、身体に障害を負った。
それを知ったヒョンテはネット上では、自分に悩みをぶつけてと申し出る。
ルールは会わないこと、電話しないこと。

『ラブストーリー』『マラソン』で印象的だったチョ・スンウの現代の青年としての”素顔”を見ることができたのはラッキー!
やっぱり演技派で、PCの中のメルロとヒョンテの雰囲気が違うのね。
茶髪の現代青年がすがすがしい!笑
もう一度見たい部分があって、コマ送りにすると、ほんとにこの人ってハンサム!(今頃気づいた?笑)

おまけに、ギター片手に歌うのがまた上手、あのキラースマイルも健在。
まだまだ、これからが楽しみな俳優さんです。
あの髪を金色に染めたヒョンテの友達も好きなキャラクターです。

インジュはメルロに悩みを打ち明けることで、新しい一歩を踏み出す勇気を得る。

ここから結末に触れています。
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聴力と人生の目的を失ったインジュ。
心に傷を負った彼女は次第にPCの向こうの彼を想うようになる。

PCに幻想を抱くな、その幻想でオレたちは金を儲けている。
嘘の多い世界だ。ナンパに利用してる男だって多い。
インジュは思いの他、頑固で強い女性だった。
アドバイスを聞かず、目の前にいる寝る間も惜しんでアクセク働くヒョンテに気づかない。

気持ちのすれ違い。
ヒョンテがメルロなのに、彼女は自分を理解してくれるメルロ・オッパ(お兄さん)を理想化してしまう。
目に見えないものほど美しい・・
ネットの落とし穴だなと思う。

殻に閉じこもるな。
初めて心が通じた人、それがインジュ、君なんだ。
オレではダメか? (う~、悲痛)

だまされたようで怒る彼女の気持ちも理解できるけど・・
もし、私でも最初は怒るだろうな。
彼女にもやがて彼の気持ちが通じる、
同じ人なんだもの。
車の中で眠る彼女のために外で待つヒョンテ。優しい・・

信号が青になったら、一緒に渡ろう!

信号の向こうには二人の未来が待っているだろう。

photo02




追伸:『接続』をもう一度見たくなった。





英語完全征服

2005-11-17 12:56:07 | 韓国映画
eigo

監督:キム・ソンス『MUSA-武士-』
出演者:イ・ナヨン(ヨンジュ)チャン・ヒョク(ムンス)
            2003年、韓国

>ひょんなことから英会話学校に通うことになった地方公務員の女性の恋と英語の行方を描いたラブストーリー。

ノーマークで劇場には間に合わず、DVDで見ました。
さぞかし、劇場では大爆笑したと思われるコメディです♪
アイラブユー、バクテリア!(ビクトリア;汗)
監督は『MUSA』を撮った人、コメディも手がけちゃうんですね~。

さて、妄想と思い込みで生きているヒロイン、ユンジュはすぐ勘違いするのが困った性格。
君といると気が楽だ。下心が生まれない。ブスッ
これは女性にはこたえるよね。

初めて見ました、イ・ナヨン。
目ばかりのエイリアンと言われればそんなふうにも見えるけれど(笑)、でも、アジア人離れしたかなりの美人。
I'll be back~。爆

韓国でも英語コンプレックスを感じるのは日本と同じなのだ。
この映画には英語偏重主義への批判もちょっぴり感じられる。
こうして感想書いてても、横文字多いですねえ。反省!爆

『僕の彼女を紹介します』で日本でもお馴染みのチャン・ヒョク(ムンス)は自信過剰のプレイボーイ気取り。
『僕の~』では真面目で恋人に振り回されるおかしな好青年でしたね。

今回はかる~く、ちょっと軽薄なふつうの青年を演じてます。
でも、このムンス、軽薄なのが災いして大してモテなさそう。アハハ

同じ職場で働く母親とのボケ・ツッコミ漫才にほのぼの。
韓国でも”公務員”の肩書きは強いのね。
このムンス、英会話学校に勉強に来たかと思えば、金髪の女性教師にアタックする始末。
でも、英語を征服しようという動機は実は泣かせるものなんだけど。

ヒロイン、ヨンジュの恋の後押しもしてくれる、この英語教師のキャシーが意外な展開で活躍。
好きだな。
韓国語がわかれば、この先生の韓国語の小ネタはもっと笑えるだろうなあ。
ヨンジュにスカ~っと変身して欲しかったけどなあ・・

ワンス・アポン・ナ・チャイナのテーマや日本の歌の挿入も楽しい!

ここから結末に触れています。
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すったもんだの挙句、再会したムンス親子と妹はひしと抱き合う。
電車の中で、気取り屋のムンスが恥も外聞も捨てて、ヨンジュに告白する場面にホロリ。

これからはアイラブユーの時代だ、なんて言ってたけど。
ヨンジュの足元に跪いて、
自分は誰かを愛したことはなかった。

サラガヨ!・・

いいね。やっぱり愛を語るのは自国の言葉じゃなくっちゃ!

その後の学友たちの熱々の様子に心和む。笑
キャシーが実直そうな教え子、農夫の外国人花嫁になっていて、畑仕事に励む姿がいい。
ヨンジュたちはなんと海外生活!? 世の中ってそういうものかもねえ。

平凡な(と言うより・・)私には何も起こらない・・・
ヨンジュ!落ち込むのはまだ早い。

何事にも勇気を持って!かな。笑










恋の風景/The Floating Landscape 

2005-11-14 12:19:49 | 中国映画 (19)

jimi

監督・脚本・編集 キャロル・ライ
製作 スタンリー・クワン 
音楽 梅林茂
イラストレーション ジミー 公式サイト 
出演 カリーナ・ラム(マン)
    リィウ・イェ(シャオリエ)『山の郵便配達』『中国の小さなお針子』
    イーキン・チェン(サム)
         2003年、香港=中国=日本=フランス

過去に縛られず、今を生きよう。

とても美しい映画を見た、それが一番の感想かな。
何も予備知識なしに見て、期待以上にいい映画だった。
またひとつ大切にしたい映画が増えました。
これだけの素敵な作品なのに、なぜほんの一部でしか公開されなかったのだろうと不思議です。

物語はどこかで見たようなものかもしれないけど、中国の青島がまるでどこかヨーロッパの風景みたい。
涙に流れず真剣にテーマに取り組んでいて、
ヒロインの心の動きが女性監督ならでは、丁寧に描かれていた。

このカリーナ・ラムという女優さんは初めて見たけれど、日本人の血が流れているとか。
素顔に近いメイキャップが健康的で、とても魅力的。姿も大変綺麗だ。

あら筋を書くと、お話のほぼ全てを語ってしまうのでやめておきますが。
イーキン・チェンの正統派のラブストーリーを初めて見た気がする。

リィウ・イェは『山の郵便配達』『中国の小さなお針子』で見た人、ああ、思い出した。
顔が大人に変わって、初めは思い出せなかったけど。
地味だけど、まっすぐで素朴な青年役が似合ってます。
ここでも郵便配達員の役。笑

シャオリエはマンを救いたかった、でも、それはいつしか・・
空からふわ~と落ちてくる雪が綺麗。
暖かい赤と緑のおとぎ話のような色彩が好きだな。

ここから結末に触れています。
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人は簡単には死ねない・・

愛する人を若くして失う・・マンを通してそれがどういうことか、伝わってくる。

彼の日記を写し、彼が最後に書いた絵の風景を探し、
彼の生きたあかしを辿り、そうすることで片時も彼を忘れたくなかった。
忘れていく自分が怖いのだ。

マンが麺を食べながら、嘔吐に苦しむ彼の姿を思い出すところは残酷だなと思った。
彼女は自分が生きていることさえ許せないのかな。

隣りのおばあさんが写経している姿を見て、マンが悲痛な泣き声をあげるところも辛い。

そして、あの壁いっぱいの梨の花、シャオリエの無言のメッセージには感動ですね。
見ているこちらにも幻想のプレゼント。
ちゃんと顔の見えないサムがいるのがセツナくないですか?

シャオリエの結末のない本は彼女の手に渡る。
ここ、うまい演出ですね。

この辺りは是非、是非、スクリーンで見たかった!
思いがけず、沢山のファンを持つ絵本作家、ジミーの絵を見ることができたのは嬉しかった。

目の見えない少女と天使は清らかで、でも、どこか悲しい。

満開の白い梨の花、花、花に圧倒される。
壁のサムが消えていく。
ずっと、彼女を見守っていた彼は彼女の目隠しを外して、過去から解き放ったのね。
希望を目指して走る・・真っ赤なスカートがまぶしい。

あのラストには新しい恋の予感がしたのだけど。
時間はかかるだろうけどね。
だって、あの男性二人は同じ種類、似た魂の持ち主なんだから。

”僕の彼女を紹介します”中国版。
そう思いたいです。笑

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ALWAYS 三丁目の夕日 (劇場)

2005-11-09 13:36:06 | 邦画 (69)

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監督・脚本・VFX 山崎貴
原作 西岸良平
出演 吉岡秀隆(茶川竜之介)堤真一(鈴木則文)
    薬師丸ひろ子(鈴木トモエ)小雪(石崎ヒロミ)
    堀北真希(六子)須賀健太(古行淳之介)
    小清水一揮(一平)三浦友和(宅間先生)
    神戸浩(郵便配達)木村祐一 ピエール滝
                    2005年、日本

あなたはミゼットを知っていますか?笑

>昭和33年の東京。
短気だが情の厚い則文が営む鈴木オート、鈴木家と駄菓子屋を営みながら一流作家を夢見る茶川(芥川ではない、笑)と、縁もゆかりもない赤の他人の少年、淳之介。
三丁目の、落語みたいに人情あふれる人々。

邦画で回顧趣味の映画なのかな、でも、評判いいなあと見るのを迷っていました。
私は映画選びには、お友達”にこさん””anyさん”のブログを道しるべにさせて貰ってます。
anyさんのブログに『三丁目の夕日』の感想がアップされたので、ソレ~ッとばかりに見てきました。

劇場内は子供から老夫婦まで。
しかも、観客はとっても楽しんで映画を見ている様子で、小声で絶妙な解説入り。笑
こりゃ、『ニューシネマパラダイス』だ。
最近の映画は複線張り巡らされていたりするから、肩が凝るほど真剣に見ないとダメだもんね。

私がほくほくと映画を見終えて館内を出れば、夜の回に、長だの列でびっくり。
邦画では珍しくないですか?

さて、本題の感想。
この映画、ただただ回顧趣味に浸るだけで終わってません。
原作は漫画、漫画も侮れないです。
もちろん、私は即座に昭和30年代にタイムスリップ。

映画は夢と不安ではちきれそうな集団就職の高校生たちが上野駅に着く(機関車で!)ところから始まります。
こんなふうだったんだろうなあ。
ミゼットが出てきた時点でもう胸キュン。笑

特撮、最近はVFX?なのだろうけど、上野駅構内のあの人ごみ!あの時代が持っていたであろう活気ある場面にゾワッときました。
忘れてたこの時代の風景や小道具に一々反応。笑

駄菓子屋のくじ、手書きの映画の看板、お得用マッチ箱、白黒のTV、力道山、瓶コーラ、スクーター、ダイヤル式黒電話、ペリカンの万年筆。あった、あった。
探検ごっこにフラフープ、ホッピング、扇風機に向かってア~なんて声出して遊んだ、遊んだ;

洗濯機の脱水はロールに挟んで、ペッタンコ式で、これは私の役目だった。あはは
母が語った戦時中の武勇伝を思い出す。

うちはさほど広い家でもないのに、いつも誰か同居人、仕事探しにきた地方の遠縁の人や取りあえず住居の定まらない知人たちがいた。
考えてみれば、のん気な親でした。
子供の私はこんなものかと、楽しかったけれど。

子供たちの顔がいつも汚れてるけど、外で遊ぶ男の子はみんなこうだったし。笑

あの○○○○○が序所に建設されるのも凄い光景。

俳優人はあのゴジラみたいな生一本、べらんめえの堤さんがいいなと思った。^^
戦争は終わったんだ!これからはビルヂィングだって立つんだ!

トンテンカン、トンテンカン、槌音高く、こういう大人たちが今の日本を築いたのね。

それに、あのいじらし過ぎる淳之介を演じた子役の少年。
子どもにはどんな名優も適わない。
追い払っても、追い払っても子犬みたいに・・

一平と、淳之介が遠出して途方にくれる場面に『泥の河』の信雄ときっちゃん二人を思い出した。
『泥の河』は戦後の日本の悲しい面が描かれてたけれどね。

今の時代だから、こういう映画が生まれたんだろうと思う。
元気を出そうよ。
映画の中の人物も、現実にすれ違う人々も、何だかいとおしくなった。

昭和30年代にこの世にいた世代の人たちだけでなく、若い人にも見て欲しい。

本当の豊かさって?
平和の意味をもう一度かみしめたい。
なあんて、映画はそんなにお堅くはありませんが。笑

私も娘に勧めます。

ここから結末に触れていますので、ご用心ご用心。
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六子が故郷を想い、夕日を眺める場面がいいね。
お国言葉を大切におし。

宅間先生はなぜ帰りはスクーターを押してるの?

淳之介、よくぞ帰ってきた。
縁もゆかりもない赤の他人どうしだって心は通うんだ。

目に見えない指輪は真心製です。
ヒロミはいつか、茶川文士と幸せになると思いたいね。

明日も夕日が綺麗だといいね。
明日もあさってもきっと綺麗よ。

50年先だって綺麗さ!!