監督 :キム・テギュン『火山高』
脚本 :キム・テギュン
原作 :クイヨニ(女子高生インターネット作家)
◆キャスト◆
パン・ヘウォン(カンソン高校リーダー)…チョ・ハンソン
チョン・テソン(ソングォン高校の一匹狼)…カン・ドンウォン
ハンギョン(転校生)…イ・チョンア
2004年、韓国
ある二人のチングの物語。
オオカミの~この題名では内容を推測するのは難しいですね。^^
題名とネットリと流し目を送るカン・ドンウォンのポスターに、違った映画の潜入感を持ってしまってパスした映画です。
内容は韓国悲恋映画、永遠のテーマ(笑)がずっしりと盛り込まれています。
ネタバラシになるので、ここでは述べませんが。
18歳の女子高生がインターネットで流したのが原作というのが頷けます。
韓国の若者もまた、こういう映画が好みなのですね。
冒頭、オープニングロールが工夫されていて軽快な感じ、いいです。
まだ若いカン・ドンウォンの人気は彼を主役で見るまで、なぜ?という感じでしたが。
荒んだ孤独な心を内に秘めたテソンが、傘の下からアップになるところはう~~ん、オオカミ!!
人気に納得。
若き男優の顔アップに久しぶりにぞくっとしました。
素直そうな個性と影のある美貌がまだまだ可能性を秘めていて楽しみ。
ワルが似合いそうね。
意気のいいアクションシーンもかなりの迫力ですし。
血気盛んな若者たちがどわ~と喧嘩する場面は個人的に大好き。笑
青春してます!
見かけは普通っぽい女の子、ハンギョンは気立てがいいのでしょうね。
二人の男子高校生の間で揺れる乙女心が健気かな。
あれほど敵対していたヘウォンとテソンの間には奇妙な友情が生まれて。
男同士だからヤツの気持ちが分かる。
私は女なので、そこんとこ分かりませんが。
捨て鉢になり、いよいよ手がつけられないほど暴れ回る一匹狼のテソクが痛めつけられるのをヘウォンは身を挺して助けます。
ヘウォン、おっとこまえです。男の純情。
やっぱりチングのお国ですもんね。流石!
テソンが痛々しい・・
痛めつけられる美貌のテソンにお耽美を感じた私は不謹慎?笑
もう一度見て、二人の友情をじっくり味わってみたいところです。
ここから結末に触れています。
************************************
お馴染みのテーマ、異母兄弟の恋心。
残念ながらこの結末、選択は二つしかないのでしょうか。
思い切るか、それができぬなら、この世から消えるか。
自分が愛する、唯一の人、幼いころからの憧れ、ハンギョンを姉
という立場に置いた神を何百回、何千回も呪ってやる・・
恨流ですね。^^
ちなみに、兄妹の恋心を題材にした邦画に、辻仁成監督の『フィラメント』があります。
知らずに見たので驚いたし、好みが分かれる映画だけど、美しかったです。
そして、韓国王道のもう一つのテーマ、難病。
何もかも、一人背負って孤独に海外に去ったテソンが哀れ過ぎます。
きっと彼は手術が成功することは望んでいなかったのでしょう。
彼の”目”!
ハンギョンが見えますか。
これはなかなか衝撃的な結末でした。
テソンは彼女の目の中で生きているのです。
ハンギョンにとって、これは辛くないのかな。
ヘウォンとこの先、幸せになれるのかなとフと思ってしまいました。
しばらく韓国映画のDVD鑑賞の感想が続きます。
次は『マルチュク青春通り』です。