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パイレーツ・オブ・カリビアン・デッドマンズ・チェスト

2006-07-27 14:13:04 | アメリカ映画 (40)

Supa

監督:ゴア・ヴァービンスキー
音楽:ハンス・ジマー
出演:ジョニー・デップ オーランド・ブルーム
    キーラ・ナイトレイ
2006年、アメリカ

:エンドロールは最後まで席を立たずにご覧ください。
     お楽しみがあるやも。

●物語●

ジャック・スパロウ お前の烙印は消えない…。

前作で、不死の海賊バルボッサからブラックパール号を奪い返した孤高(笑)の海賊ジャック・スパロウ。
自由な大海原に船出したはずの彼の前に、逃れられない宿命が立ちはだかる。
それは、今から13年前のこと…ジャックはブラックパール号の船長となるため、自らの魂と引き換えに、船乗りたちが最も恐れる“深海の悪霊”ディヴィ・ジョーンズと「血の契約」を交わした。
そして今、その“契約期間”は終わり、ジャックの魂を取り立てるため、巨大な闇の力が海底をうごめいていたのだ。
“悪魔の裏もかくことのできる男”といわれたジャック・スパロウだが、今度こそ彼の命運は尽きようとしていた…。

「血の契約」なんて、まだ呪いがあったなんて知らなかった~。笑
今回は2作目ということで、人食い部族、幽霊タコ船長と彼の僕クラーケン、入り乱れての大幅パワーアップでした。
怪物のグロテスクさもパワーアップ!大丈夫ですか、お子さん!?

ジョニー・デップは今回はかなりお笑い担当、本当によく走ってました。^^
目が八つのスパロウって・・・
インディ・ジョーンズみたいなところもあったり。

やはり伝説の海洋活劇俳優エロール・フリンですね。

スパロウ船長の何もかも振り捨てて逃げる腰抜けぶりに失笑。いえ、爆笑。
代わりにキーラ・ナイトレイがかなりのアクションを担当。

カッコいい船長ぶりと、この落差にお腹の皮よじれます。
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映画も一番の見せ場、懸命に走るデップの姿に一人の観客の女性が思わず拍手。

ふいに私のお腹の底から訳のわからない感動が湧いてきた、いい瞬間でした。
これが映画を見る者の一体感っていうアレでしょうか。

アクションが多くなったのでキャプテン・スパロウをじっくり見る時間は減ったかなあ。

今回はスパロウの「コンパス」が鍵です。

その北をささない^^コンパスは「自分の欲しいもの」を指すのでありました!
相変わらずスパロウは自分のことしか考えていません。笑
でも・・

ハンス・ジマー の音楽は好きだし、スパロウのテーマが聞きたくてサントラ買ってしまいました。うふ

ここから結末に触れています。

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ボートでクラーケンに襲われる船を見捨てようとしたスパロウの迷い。

何を考えたのでしょう?善? 興味深いところです。
コンパスはどこを指したのでしょう?エリザベス?

何もかもひっくるめてジャックの全てであるブラックパール号を指した。そう考えるのが正解かもしれません。

とにかく、ブラックパール号に戻ったキャプテン・スパロウ!見惚れました。

ジャック、エリザベス、二人の自由な魂が惹かれあうのだろか?

「あなたと私は似ているのよ、
ジャック・・それに気づく日が、必ず来るわ」

まさか、二人は兄妹?これじゃスターウォーズだ。(^^ゞ

「いざ!来い!」クラーケンとの壮絶なる一騎打ち。

最後の最後のスパロウは間抜けではなく、実に勇ましかった!

パイレーツ2は豪華な3作目の予告編と思えばいいか。

バルボッサも生き返ったし。^^
恒例のエンドロール最後の、神となった犬の運命やいかに?笑

ジャック・スパロウならクラーケンのお腹の中にいても、タコのお刺身を食べて生きてゆけそうだけどね。
ピノキオのゼペットおじいさんみたいに。

『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』の私の拙い感想

公式サイトのパイレーツ・オブ・カリビアンFANサイトの「ネタバレ掲示板」面白いです。


恋する神父 (DVD)

2006-07-23 08:09:22 | 香港映画 (57)

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監督・脚本 ホ・インム
出演 クォン・サンウ(ギュシク) ハ・ジウォン(ボンヒ)
     キム・イングォン(ソンダル) キム・インムン
     キム・ソンファ
2005年、韓国

デオ・グラシアス 

生真面目なカトリックの神学生のギュシクは、ミサの最中に学友ソンダルのせいで大失敗を起す。
2人は罰として田舎の教会で精神修行をすることになり、恋人のジソと結婚するためにアメリカから韓国へ戻ってきた天真爛漫なボンヒに出会う。その日からギュシクの煩悩の日々が始まる。

少女漫画を思わせるコメディですね。
少しパンチ不足なのは教会のある自然と、映像の光の切り取りの美しさで我慢するとしますか。
それと、俗物ソンダルの貴重な存在で。笑

クォン・サンウはエレガントな僧服がお似合い。
今まで見たカッコいい役じゃなくて、純粋で朴訥、ドジなくらいな神学生の役柄に、却って好感が持てました。

韓国ではキリスト教を信仰する人が多いんですね。
キリスト教でもカソリックの神父は生涯を独身で過ごす。
プロテスタント派では神父さんは結婚して家庭を持ってますけど。

真面目なギュシクに対していわゆる悪さばかりしている俗物ソンダルの対比が愉快です。
ソンダルが真っ直ぐに信仰に目覚めていくところが意外で面白い。
世の中ってそういうものかもしれません。笑

ギュシクは信仰と女性への愛に苦悩します。^^

僕の心に入らないでください。

僕たちは一人を愛してはだめですね。

見えないものが信じられないから、先輩(神父から還俗?した)の心の中が分からないのよ。
先輩は人を好きになったのよ。

僕たちには許されない。
僕たち?何が違うのよ?神様でもないのに。

お互いの気持ちは分かっていて、大人なボンヒは涙を飲んで嘘をつき彼の迷いを断ちます。
彼が信じる神のしもべ、神父になるよう。

僕は罪を犯した。
それは罪じゃなくて愛だ!(このソンダルの台詞がなかなかです)

神父になるべく学校へ帰るギュシクが流す涙の意味にほろりとします。
あのじゃじゃ馬のボンヒがなんとしおらしい・・・デオ・グラシアス

ここから結末に触れています。

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コメディだけにラストは爽やかなハッピーエンドでした。

二人は天に向かって話しかけます。

どこで、どんな姿でいようとも、”あなた”を愛します。

デオ・グラシアス:感謝します。愛しています。

おまけ①クォン・サンウは撮影後、正式に洗礼を受けたそうです。

     ②ソンダルのその後が知りたいような。笑
    果たして、彼は神父の道を真っ当するのでしょうか??


ラヴァーズ&ドラゴン 小白龍 情海翻波

2006-07-20 08:34:44 | 香港映画 (57)

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監督:ウィルソン・イップ
出演:セシリア・チャン(ハクフォン)
    フランシス・ン 呉鎮宇(ガイ・鶏 )
2004年、香港

>>中国・明の時代。皇子の命を狙う盲目の刺客“鷄の羽“(フランシス・ン)を捕らえるために奮闘する大白龍は、彼との戦いで深い傷を負ってしまう。
普段は貴族学校のお掃除おばさんとして正体を隠す大白龍は、皇子の恋人であるハクフォン(セシリア・チャン)に、自らの内力や武術の全てをハクフォンに授ける。
ハクフォンは、愛する人を守るため、“小白龍”として鷄の羽と戦うことになるが―。

と、書くと真面目な武侠物なのだけど、
フランシス・ンが出ているので軽い気持ちで見ました。
これが、面白かった!!!!ビックリマーク四つ。

真面目な映画も値打ちはあるけど、香港の時代劇って笑いや遊びがあって、香港映画らしくやっぱり楽しい。

時代考証なんかまったくの無視。
芸達者のフランシス・ンがかる~く盲目の刺客役で、これが座頭市風。爆
髪型は子供の頃に両親に捨てられた(結構悲惨;)時のまんまシトシトピッチャン、前髪の大五郎風。

子供時代から変わってない髪型ってのも、よく考えると変ですが~。(^0^)
後ろのチョンマゲが立ってて、鶏の尾羽に見えなくもない~。
いつもランドセルみたいな背負子を背負ってるのもおかしい。

一番凄いのはこういういでたちのフランシス・ンに気品があること!

みなしごのガイがどこで、どう、修行してこう強くなったのかは謎。謎の多い映画だ。^^

この刺客、いつか目の治療をしようと健気に裏稼業でお金を貯めている。
まだ、両親ともにいた子供の頃、

雨の中を星をもう一度見たくて眺めていたら目が見えなくなった。
酸性雨にやられたか、肺炎の熱が目にきたか。(ここ、笑う場面ではないんですよ)

刺客、ガイはハクフォンと出会った。
大白龍が深手を負い、切羽詰まってハクフォンに自らの内力や武術の全てを授けた。ダウンロードで。 ^_^;

骨折したハクフォンのガイの介護は優しくかいがいしい。

このガイは盲目ながらも何でも起用に作る。(゜o゜)
松葉杖から車椅子まで~~。これはちょっと監督、乗りすぎ。
ショーロンポーまで起用に作る; 男の食彩^^

わがままなハクフォンが肉まんが嫌いとなれば市場に出て、マック!肉まんを買ってくる。
この肉まん、赤い字でと刻印してあります。一人で大うけ; ←アホです。

おとぼけガイが彼女の笛に合わせて、喜んで子供と歩きながら踊る様子に癒されたり。

DVDの特典映像では、あの背の高い美丈夫なフランシス・ン、本当にショーロンポーの皮を起用な手つきで伸ばしてる。
香港でショーロンポー実演販売の店出したら、当るだろうなあ。
私なんか買いに行くものなあ。

実際に、フランシスは勝さんの座頭市の目の演技を参考にして、お目眼クリクリ面白い効果が出たと思うなんて言ってます。

若い監督と並んでモニターに向かってダメダシしてる姿なんて、どっちが監督かわかんない。

セシリアは綺麗で、ワイヤーアクションもほとんど自分でこなしたらしい。凄いです。

二人の心が通い合うところから俄然お話は胸せつな系になってきます。笑

ハクフォンの笛でガイが空に星を”見る”場面は屈指の美しい名場面です~!^^

目が治ったら、何が見たいの?
星、海、大地、それから、お前。(涙涙)

川にはまって、釣れる筈のない笛もやっぱりと言うか釣れた。(爆) 

ハクフォン:餌は何?

ある事故のショックか、一瞬だけ、ガイは麗しいハクフォンの顔を見ることができます!
セシリアの一世一代の美しさ。

ここから結末に触れています。

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お話は全て丸く納まってめでたし。

しかし、手術してもガイの目は見えない。

ガイ:杖を・・
ハクフォン:私がこれからずっとあなたの杖になるわ。

見えないほうがハクフォンもずっと若いままだし。

いや、ひょっとして実はガイには見えていて、甘えているのかも。

いやあ~、久しぶりに楽しい香港映画でした! 
未公開だったみたいね。惜しい。        


髪結いの亭主 LE MARI DE LA COIFFEUSE

2006-07-12 07:03:50 | ヨーロッパ映画/イギリス・フランス (2

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監督:パトリス・ルコント 
脚本:クロード・クロッツ 
   パトリス・ルコント 
音楽:マイケル・ナイマン 
出演: ジャン・ロシュフォール(アントワーヌ)
   アンナ・ガリエナ(マチルド )
1990年、仏

《公開時コピー》
かほりたつ、官能。

ふと、フランス映画が見たくなる・・そんな時はありませんか。
もう一度、『髪結いの亭主』を見ました。

子供の頃の甘い幻想から理髪師と結婚するという、おませな夢を持つ男の子がいました。
念願叶って男は理想の美しい女性と結婚しました。

彼女の過去は何も分からない、孤独であることだけは確か。

男もいたけど、もう貴方しかいない。
マチルドは捨てられた経験があるのかもしれない。

男の視点から見ると理想的な恋愛ですよね。
じっと官能的な彼女を見続けるのが仕事。彼女の手伝いはするけれど。

おませな男の子は大人になっても、ある意味とても身勝手な女性への愛し方をしていると思う。
体の線が崩れるなんて・・子供を作るなどハナから考えない。

これじゃ生身の崇拝される女は適わないんじゃないかな。

女は少しずつ死や老いについて考え始める。

ここから結末に触れています。

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そして、彼女が出した結論は「永遠の愛の成就」だったのではないかな。
これ以上完璧な愛はない。
女は男より現実な生き物だから。

あなた、あなたが死んだり
私に飽きる前に死ぬわ。
優しさだけが残ってもそれでは満足できない。
不幸よりも死を選ぶの。
抱擁の温もりや、
あなたの香りや眼差し・・・
キスを胸に死にます。
あなたがくれた幸せな日々と共に
死んで行きます。
息がとまる程
長いキスを送るわ。
愛していたの、あなただけを。
永遠に忘れないで。

マイケル・ナイマンの曲が扇情的です。

男の、もうすぐ妻が帰ってくる。
この台詞が引っかかる。

気は確かなんだろうけど、そうしてずっと彼女を待って年取っていくのかな。
こんな愛の形もあるのかもしれない。

映画だからね。フランス映画ですから。
『ポンヌフの恋人』なんて、さっぱり分からなかったし。

ジャン・ロシュフォールのとぼけた顔が滑稽で、不思議に悲しくはなかった。

我に返ってからも、
美しいままで水の下に消えていったマチルドのイメージはちょっと忘れがたいです。


シベールの日曜日 

2006-07-10 23:10:22 | ヨーロッパ映画/イギリス・フランス (2

Erice0001_1   
監督 セルジュ・ブールギニョン
出演 ハーディ・クリューガー パトリシア・ゴッジ 
    ニコール・クールセル                     
1962年、フランス

クリスマスに私の美しい名前をプレゼントするわ

美しい物語です。

冒頭、飛行機が墜落し、パイロットは最後に恐怖に引きつる少女の顔を見ます。
兵士ピエールは一命は取り留めるが、心に傷を負ったまま記憶を失ってしまいます。

病院の看護婦マドレーヌはそんなピエールを愛して一緒に暮らしています。
記憶をなくして頼りなげなピエール、ハーディ・クリューガーは魅力的で、マドレーヌはそんな彼に夢中の様子。

或る時、12歳の少女が父親に修道院に置き去りにされるのを見かけて、
少女が気になったピエールは修道院に彼女を訪ねると、父親に間違われ、それから二人きりの秘密の楽しい日曜日の訪問が始まります。

父親に捨てられ、すがる人もいない少女はピエールよりも大人びているように見えます。
少女は彼を年下の恋人のように扱っています。
ピエールは少年の心で少女を気に入っていたのだろうと思います。

やましい気持ちは彼にはありません。

少女は綺麗なガラス玉を大切にしていました。
ピエールは彼女にキラキラ光る美しい物(ガラスの破片や)を集めてやります。
孤独な二人の心が純粋に互いを求め合っただけなのに。
少年と少女のように。

二人が散歩する公園の湖に映る裸の木々が美しく、詩のようです。
でも、大人たちには二人の関係が理解できなかった。
二人だけのクリスマス、少女はピエールに本当の名はシベールだと教えます。

マドレーヌの思い違いから大騒ぎとなり・・そして・・・
大人の彼女の浅はかさが歯がゆかったです。

シベールはいったいこれからどうなっていくのでしょう。切ないです。

シベールは泣き叫びます。「もう私には名前なんかない!」
このパトリシア・ゴッジってよく見るとジュリエット・ビノシュに似ているのですね。
少女なのだけど、しっかりとした大人の顔をしています。

人間の偏見や思い込みは時に愚かです。

私は世間で言う常識という言葉には時々、うんざりさせられます。

人と少し違う私は変わり者なのかもしれません。

シベールへのプレゼントのために夢中になっていたピエールは知らぬ間に高所の恐怖を克服していました。

心の傷が癒されたのでしょうね。なのに、アデュ

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