製作=アレクサンダー・チャン
監督=イー・トンシン
出演=アニタ・ユン(リン)ラウ・チェンワン(キット)
カリーナ・ラウ キャリー・イン ファン・ボーボー チョン・プイ
1993年、香港
>>短命の少女と作曲家の青年の恋を描いたクラシカルな純愛物語。
1993年度香港電影金像奬で最優秀作品・監督・主演女優・助演男優・助演女優・脚本の6部門を独占。
芸術性と商業主義の間で悩むミュージシャンと下町の街頭で歌う明るくしたたかな女の子の出会い。
青年は少女を通して現実と生きることに目覚め、再び希望を見出していく。
久しぶりにこのビデオを見つけ、見ました。
いいなあ、やっぱり。
あっ、この映画はDVDになってるそうです♪名作ですもん。
古い友人に出会ったような香港映画の空気が懐かしい気分にさせてくれる。
13年も前の映画だけど、ほんとによくできた映画だと思う。
ラウ・チェンワン、若いです!
よく見るとこの人、ハンサムですよねえ。
座っていたって未来は開けないわ。
キットがジャズセッションに参加する場面が素晴らしく楽しい。
イー・トンシン映画の常連、チョン・プイは本当にサックスを演奏してるんじゃないかな?と思わせる本物のカッコ良さがある。
この映画がきらりと光る名作であるのはアニタ・ユンの名演技もさることながら、脇役人の演技にもおうものが大きいんじゃないかな。
街頭の歌姫でありながら、キットを驚かす本物の広東劇の才能を持っている女性(キャリー・イン))や女らしく魅力溢れるカリーナ・ラウ、リンの母親など。
スターを夢見ているけど、下町の人たちはリン一座の歌を楽しみにしている。
食べるために歌っている。だけど、歌を楽しみにしてくれる人たちのために歌わなければ。
金魚市の幻想的な場面も素敵だ!
ここから結末に触れています。
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書き残しておきたい台詞がいっぱいあった。
治ったって言ったでしょ?
なぜこんなことになるの!?
再発の告知を受けて我慢強い彼女も荒れてしまうリンの気持ちが痛い。
こんなに若くして、この上の苦痛と死を受け入れられるものじゃないだろう。
彼女はきちんとキットを元恋人の歌手カリーナに託していく。
女同士の暗黙の了解みたい。リンが健気です。
キットもリンたちの生き方から学ぶことが多かった。
困難な時は励ましてあげる。
滅入ってる時は冗談を言う。
沈んでいる時は優しくし接すること。
とにかくいつも一緒に。。
死を前にすると、こんなに心が澄むものかなあ。
自分のことより残される人のことを考えるものなのかなと思う。
娘が息を引き取る時、時を同じくして母親はリンの代わりに歌手に復帰する。
瞳に涙を宿しても、凛とした美しい彼女の姿に娘の死を受け入れる強さと哀しさを見る。
リンの強さは母親譲りなのかもしれない。