あいりのCinema cafe

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ウィンター・ソング 如果・愛

2006-11-23 08:29:25 | 香港映画 (57)

Ai3

監督 ピーター・チャン
撮影 ピーター・パウ クリストファー・ドイル
作曲 ピーター・カム レオン・コー
出演 金城武(リン・ジェントン)ジョウ・シュン(スン・ナー)
     ジャッキー・チュン(ニエ・ウェン)チ・ジニ(天使)
     エリック・ツァン サンドラ・ン
2005年、香港

>>かつて恋人同士だった2人の男女が、10年の歳月を経て、ミュージカル映画で再会した。まるで彼らのことを語るような劇中の物語に、激しく心を揺り動かされる姿を切なく描く。

久々の香港映画、それもピーター・チャン監督作!しかも、ジャッキー・チュンが出演ということで楽しみに見に行きました。
あまり人が入っていないのが残念。

ピーター・チャン監督と言えば、香港映画に勢いのあった頃、あの『月夜の願い』『ラヴソング』 『君さえいれば 金枝玉葉』と心に残る楽しい名作を残してくれました。
しばらく音沙汰を聞かなかくて、さびしかったものです。

雪の降る夜、上海の街を走るバスの中で天使はつぶやいた。
「人はみな人生の主役。他人の人生なのに主役と錯覚する人がいるが、大抵は脇役かワンカット出演しかできない。
カットされることもある。わたしはカットされたシーンを戻すためにここに来た」。

ん?この台詞に何かしら暖かなものを感じた。
天使がまた韓国の俳優なのですね。
香港映画の枠を飛び越えた意欲作のようだ。

映画は男女ふたりと男ひとりの物語がミュージカルのサーカスの劇中劇と交錯してすすむ。

ミュージカルの傘の花が開く場面などは『雨に歩けば』を思い出させたり、古きアメリカの雰囲気が上海のモダンさに溶け合って、不思議な世界が出現する。

ミュージカル場面と現実の物語、この切り替えとバランスは難しいと思う。

なぜか、古いフランス映画、『天井桟敷の人々』を思い出す。
スン・ナーの強さがギャランスに似ているからか。

北京で、リン・ジェントンは監督を志すも挫折、
でも、同じく女優になる夢を持つスン・ナーと、貧しくも愛し合っていた。
その幸せは永遠に続いたか。否。

彼女の夢のために彼は捨てられてしまう。(捨てられるという言いかたはおかしいが、そんな風に見える;)
しかも、スンはあっさりとリンの友人の助監督について行き、これはリンを深く傷つけたと思う。

10年後、スター俳優になったリンは女優スンと共演する。
ある目的を持って。

野心から近づいた関係なのだろうが、スンの長年のパートナー、ニエ・ウェンが監督である。

『10年間、毎日この場面を夢で繰り返し見ていた。眠れなくなった。夢の中でまた君を失うのが怖かった・・・』

リンはスンを、昔、二人で暮らした倉庫に連れて行く。

そこに置かれたテープレコーダーに録音されたリンの声は切ない。
何年も彼女を待ち、悲しみ、すすり泣く。

彼にとっては「ただひとつの愛だった」。

ウェンは監督としての行き詰まりと、スンが去るのではないかと不安に思う。

スンは野心家で、過去を振り返らない。
彼女が一番したたかに見えるが、彼女にとって愛は打算だけなのか。

彼女にとってもリンは愛しい人だった。
でも、彼女は選んだのだ。愛より夢を、まだ見ぬ外の世界を。

外の世界は美しい?

ジョウ・シュンは『中国の小さなお針子』でも、因習に囚われない自由な少女を演じた。

ジャッキー・チュンは北京語は多分吹き替えだと思うが、
美しい歌声を聞かせてくれ、ずば抜けた演技で、怖いくらいに複雑なニエ・ウェンの心の葛藤を見せてくれる。

作曲のレオン・コーはジャッキーのあのミュージカル「雪狼湖」を手がけた人なのですね。
なるほど~。
映画を見終わった日はジャッキーの歌声が耳に残った。笑

正直、金城武という人を私はこれまであまり注目していなかったが、30歳を過ぎ、少年と大人の男性が同居した風情が魅力的です。
華があり、目が美しい。

友情出演で、エリック・ツァン、サンドラ・ンの顔が見えるのも嬉しい。

危うい三角関係の劇中劇を見ながら、結末はどうなるのか見当もつかない。

ここから結末に触れています。

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白銀の空中ブランコの場面は何かが起こる予感。

自ら落ちたウェンは本当に死んだのかと思ったけれど、スンの瞳から落ちる真珠のような涙。
スンもまた、ウェンを愛してる?

やはり、ピーター・チャン 監督の映画に悲しすぎる結末は似合わない。

ひとり、ラーメンを食べるジャッキーが若々しく『欲望の翼』の気弱な若者を思い出して嬉しくもある。

リンはスンに復讐しようとしたが本当の自分の気持ちに気づく。憎んではいなかった。

天使のお陰で、スンはどこかに置き忘れた心の一部を取り戻したのかもしれない。

スンはニエ・ウェンとの、二人三脚の女優生活の未来について考えている。
ふたりはこの先もこうして続いていくのだろうか。切ないね。

「カットされたシーンを戻すためにここに来た」
天使はそれぞれの引き裂かれた心を繋ぐために来た?
たとえ、元には戻らなくても。

10年・・・若い愛は思い出となった。
「おわりにしなければ・・」リンの心にもくぎりがついたのだろう。

「北京を忘れないで」

リンはスンに言い残す。
純粋だったあの頃を・・

白い雪のなか、香港に戻るリンの顔はどこか穏やかであった。


ディジー DAISY

2006-11-19 08:48:56 | 韓国映画

Deji

監督:アンドリュー・ラウ←リンク
脚本:クァク・ジェヨン
出演者:チョン・ウソン(パクウィ)チョン・ジヒョン(ヘヨン)
     イ・ソンジェ(ジョンウ)イ・ソンジェ
2005年、韓国

出会ってはいけなかった運命の二人
                                    
>>オランダで骨董店を営む祖父と暮らす画家の卵ヘヨンは幻に恋していた。どこかで自分を見守りながら、デイジーの花を贈り続けてくれる男性。名前も顔もわからないその人を、彼女は運命の恋の相手だと信じていた。そんなヘヨンの前に現れるひとりの男。彼こそ運命の人。だが、彼女は彼の正体を知らず、もうひとりの男が、ふたりをそっと見つめていることも知らなかった。

『ラブストリー』『猟奇的な彼女』の脚本で監督が香港のアンドリュー・ラウが組んだ映画。
あまりいい評価を聞かなかったので、劇場をパスして今頃、DVDで見た。

美しいオランダを舞台にロマンテックなお話プラス、サスペエンスと抑えたアクション場面。
やはり監督の香港カラーが勝った感じだけど、気兼ねして上品になってしまったかな。

オランダロケのデイジー畑は美しく、孤独な女の子は誰かが自分をいつも見守ってくれているのを感じる。
あしながおじさんみたいに。
やがて、女の子は見えないあしながさんに恋するようになるだろうか。

ヘヨンは恋した。

チョン・ジヒョンは”骨董品のような雰囲気を持つ女性”をしっとり演じて綺麗ですねえ。
声を失い、ジュンウが去ってからの倦怠感漂う彼女は魅力的です。
陶器のような肌・・・も少し歳を重ねた彼女が楽しみです。

自分の前に男ジョンウ(実は刑事)が現れ、ヘヨンは自分が待っていたその人だと思い込んでしまう。
広場の前のアパートの2階の「その人」が一瞬写されるのが面白い。

あしながおじさん、パクウイはその仕事柄のせいか、少し偏執するタイプのようだ。笑
ビデオも繰り返し見るので、口の動きで言葉がわかるようになった。
これが最後に活きてくる。

名乗って出られないから、ただ見守る。

ここで、面白いことを発見して香港映画ファンの私はニンマリ。
あの、ジョン・ウー監督の『ハードボイルド』←リンクで、トニー・レオン扮する殺し屋ロン(実は潜入捜査官)がやはり、「ヨット」に住んでいた!

ロンは人を殺す度に折鶴を折る。
パクウィは折り鶴を折らず、デイジーを植える。なるほど~。爆笑

おっ!このあたりから映画は面白くなってくる。

クァク監督はそうとう香港映画も研究しているなあ。映画が好きなんでしょうね。

ヘヨンに恋した男二人はよりによって善と悪。
これはクァク監督、『インファナル・アフェア』?笑
この映画は裏を読む楽しみがあると思う。

途中からパクウィの回想になる。
ヘヨンとの最初の出会いからの回想が男心が垣間見えて面白い。
最初からよく見ていたら、ヘヨンの周りにはさりげなく、パクウィがいるのだろう。
この辺りは「伏線サスペンスタッチお得意」のクァク・ジェヨン監督、面目躍如!

私はジュンウは自殺したのだと思った。

ひとりの男はヘヨンのせいで、喪失感を味わい、ひとりの男は同じく絶望した。

ここにもひとりの美しい女性を愛してしまった男の間に芽生える奇妙な友情、(香港的)が面白い。
嫉妬が心にくすぶるパクウィはジョンウを殺す機会はあったが、傷を負わせるにとどめた。

このジョンウ役はウォンビンからイ・ジョンジエを経てイ・ソンジェに決まったらしい。
イ・ジョンジェとの緊迫した三角関係も見たかった!

チョン・ウソンが、二の腕に銃口を置いて構えるのが殺しのプロらしく、カッコいいです。
二挺拳銃ではありません。笑

ここから結末に触れています。

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パクウィがジョンウを殺したのではないか?ヘヨンは疑う。
でも、鍵を握る絵に気づかない。
見ている私は焦る。アセアセ;

ヘヨンが愛していたのはパクウィ!だったのだ。

目の前にいるジョンウじゃなく、見えない幻を愛した。なんたる皮肉。

もう一度二人でやり直そう! はじめからやり直そう!

プレゼントしたデイジーの絵を見たヘヨンは全てを悟る。

ラストはやはり・・
彼らは出会ってはいけなかったのだ。

パクウィは出口のないヘヨンとジュンウの復讐へと赴くのだった。

おまけ:
ジョンウの墓石が一瞬見えるのだけど、「John Woo」と、刻まれていて、これってジョン・ウー監督とスペルが同じなのがおかしい。


Sad Movie <サッド・ムービー>

2006-11-14 07:41:39 | 韓国映画

20060902_

監督 クォン・ジョングァン(本作、監督二作目)
出演 チョン・ウソン(ジヌ)チャ・テヒョン(ハソク)
     イム・スジョン(スジョン)ヨム・ジョンア(ジュヨン)
     シン・ミナ(スウン)イ・ギウ(サンギュ)
     ソン・テヨン(スッキョン)
2005年、韓国

“愛してる”の数だけ“さよなら”がある

どういう別れの趣向がこらしてあるのかが楽しみで、風邪っぴきの身体を引きずって見に行きました。汗

オムニバスということで、4つの物語に感動を盛り込むのは少しむつかしかったかもしれませんね。
真面目な映画だけに、オヤと疑問に思うところもあるのですが。笑

あなたの周りでも起こっているかもしれない、8人の男女の物語です。

★プロポーズに届かない、恋に不器用な消防士と、ニュース・キャスターの想い

★終わった恋に気付けないダメ男、別れさせ屋

★限られた時間を精一杯に過ごす、母と息子。

★着ぐるみの中の素顔に隠された、耳の聞こえない少女の初恋。

チョン・ウソンはどこかヒーローっぽい雰囲気を持っているけれど、今回のようなとぼけたヌーボーとした役が意外にもよく似合う。
もっと、この路線の彼が見たいです。
恋人の妹の手話での会話が最後までかみ合わなくて笑わせる。

チャ・テヒョン(ハソク)はこの映画の言わば狂言回しかな。
やはりこういう役がお似合いです。いいヤツなんだけど、どこかグータラ。
ウソン氏はハソク役にチャ・テヒョンを推薦し、この配役が決まったそうです。

定職を持たないので、彼女にあいそうをつかされそうになって考えたのが「別れの伝言屋」。
彼は根が真面目なのか、殴られようが罵倒されようが懸命に別れの言葉を伝える。
相手を慰める優しい言葉を添えて。

そして、ついに、当の彼女から自分への別れの依頼がくる。

鏡?ガラスに映る自分に言い聞かせ、彼女の新しい出会いを祈るハソク。

彼女はふとさしたボロ傘が、見覚えのあるハソクのものだと知り微笑む。
恋が思い出にかわっていくだろう暖かい場面がうれしい。

そして彼は最後の、大事な伝言をしにゆきます。

消防士はほんとは彼女と結婚して未亡人にするのが怖かったのではないかな。

危険な現場で働く彼を不安がる姉に、妹は言ます。

おねえちゃんは あいしてると いえるじゃないの。

ここから結末に触れています。

☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ

消防士が助けたのは恋人の妹だった。
ああ、だから彼女の頬には傷が・・

こうしてバラバラに見えた4つのお話は二つずつ、わずかに繋がっていたことが分かるのです。

別れでも死別は悲しいです。

母と小さな息子がやっと二人で過ごす時間が持てた。でも、遅すぎた。
男の子は母の日記を読んで自分がどんなに愛されて育ったかに気づきます。
男の子は母の死を乗り越えるには幼すぎて、胸が痛かった。

私が新鮮に感じ、気に入ったエピソードは少女の若い画家への淡い淡い初恋です。
彼女は最初から他人ごとのようにあきらめている。
若い画家は留学するらしい。

画家が留学する前に、優しい仲間は彼女に画家のモデルになるよう薦めます。
彼女は彼に火傷の跡のある素顔、ほんとうの自分を見せます。

片思いのままでは悔いが残る。

彼女も一歩、前進できたのですね。
ハンディを持つ彼女が一番明るく強く見えました。

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消防士はずっと言いたかったことを言い残します。
それは手話で・・

愛している・・

追記:若い画家イ・ギウは『ラブストーリー』のあの愛すべき「テス」だったんですね。見違えました。(゜o゜)


トンマッコルへようこそ

2006-11-09 17:25:39 | 韓国映画

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神戸シネリーブルにて

監督・共同脚本 パク・クァンヒョン
制作・脚本・原案 チャン・ジン
出演 シン・ハギュン(韓国軍のリーダー、ピョ・ヒョンチョル)
     チョン・ジョエン(人民軍のリーダー、リ・スハ)
     カン・ヘジョン(ヨイル) リュ・ドックァン (人民軍の少年兵、ソ・テッキ)

音楽 久石譲
2005年、韓国

監督曰く、『トンマッコルへようこそ』が、生きることに疲れたすべての人に、太陽の日差しのような暖かな贈り物になることを願って。

>>1950年代、朝鮮戦争が続く中、戦争とはまるで無縁の平和な村が山奥にあった。
その名はトンマッコル(子供のように純粋という意味)。
そんな村へまるで導かれるように、アメリカ人パイロットのスミス、韓国軍の2人、それに敵対する人民軍の3人がやってきた。

山深い地で、韓国軍と人民軍のやるかやられるか、
同士軍でさえ、負傷兵たちが足手まといだから殺せ、殺すなと神経の磨り減るような緊迫した場面から映画は始まる。

おとぎ話風な作りであるとはいえ、戦争がどれだけ非人道的であるか、リアルで息が詰まる。

朝鮮戦争・・同じ民族が戦わなければならなかった。

そんな時、兵士たちの目の前に、理想郷、桃源郷が広がるのが圧巻である。
人々は争いを知らず、戦争とも無縁に幸せに暮らしているのだ。
と言っても、村の識者だけは知っていているが、村人には知らせない。

自給自足の生活に満足し、(やっつけた猪の肉も食べない)無欲で、働くことを楽しんで見える。

兵士たちは食料倉庫を誤爆した罪滅ぼしに軍服を脱いで農作業の手伝いをする。

軍服を脱いだら北も南もありゃしない。同じ人間なんだもの。

これが人生なんだ。畑の畦に彼岸花が咲いている。どこの国も同じなんだな。

この善良な人たちのなかで兵士たちは人間性と笑顔を取り戻していく。
もともと、彼らひとり、ひとりは互いに何の恨みもない。

押し付けられた戦いなのだ。

戦争とはそういうものだ。
一人殺せば殺人で、みんなで殺しあえば戦争。

笑いのなかに戦争の愚かしさを訴えているが。
韓国はいまだに分断されたままであり、その想いは日本人の私たちには計り知れないものがあるだろう。

ピョ・ヒョンチョルは戦いのなかで心に傷を負った。
兵士なら誰でもが心に傷を持つだろう。

でも、あろうことか、何も知らないヨイルのいたずらで手榴弾のピンが抜かれた時、咄嗟に身をもって皆を救おうとする。

ピョ・ヒョンチョルを演じるシン・ハギュンは『JSA』で、素朴で可愛い北の兵士を演じて印象的だった人。
『JSA』でも光ったが、市川染五郎似の演技派だ。

かたや、リ・スハを演じるチョン・ジョエンは『GUNS&TALKS・おしゃべりなキラーたち』では素敵にカッコいいスナイパー。
『トンマッコル』では頼もしく優しい兵士だ。

Cast3

偉大な指導力の源はどこにあるんですか?
たくさん食わせること

これは北への皮肉にもとれる。

前半は死に物狂いの兵士たちと、さっぱり事の次第の理解できない村人たちのギャップに大笑いした。

恋と呼ぶにはあまりにも儚いヨイルと少年兵のからみがいとおしい。

白いお花畑、白いポップコーン、雪、映像が美しい。
日が落ちると、道を照らす村の守り神が一番幻想的だ。

韓国映画の色彩は重厚というか、少し重い感じがします。

ラストの感動を別にすると、アメリカ兵の追及にもうおしまいだと思った時、この人の妻だ、子だと村人が名乗る。
人の情の通う瞬間、胸を打つ場面です。

そうそう、もうひとつ心に残る場面。兵士(少年兵だったと思う。記憶あいまい、残念)が憎しみの銃を撃たず、こらえた後ろ姿が切ない。

復讐の連鎖を断ち切った場面だと思った。

ここから結末に触れています。
≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒

元々、天使のようだったヨイルは先に黄泉の国に旅立った。

兵士たちは再び銃を握る決心をする。

爆撃部隊に偽装基地を爆撃させることで、トンマッコルを守る。

「また、戻って来いよ」との村人の声に笑いかけた時、彼らは死を覚悟していただろうか。涙

あれだけの武器で編隊に応戦できるのか、逃げ切れるか、でも、ヨイルが守ってくれる筈・・
そればかり考えて、久しぶりに手に汗を握った。

「俺たち、ここじゃなく、違うところで会っていたら、楽しかっただろうな」

村は救われた。
スミスはトンマッコルのあたりに、北の部隊は居ないことを知らせに帰るが、間に合わない。

総攻撃の炎のなか、彼らは笑っていた。心の底から・・

山の向こうに上がる火柱を見て声を上げる子供たち。

それは彼らの人間としての魂の光だったのだ。

彼らには生きて「トンマッコル」に戻ってほしかった。
一度は敵機を白い蝶の大群が追い払ったが、再び、奇跡は起こらなかった。残念。

私は彼らが「トンマッコル」で幸せに暮らす姿を勝手に想像してみる。

また、どこかで会おう!無名の英雄たちよ!

↓染五郎似のシン・ハギュン

20061106