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たみおのしあわせ

2008-08-10 07:08:30 | 邦画 (69)

20080612

監督:岩松了
出演:オダギリジョー(神崎民男)
   麻生久美子(瞳)原田芳雄(神崎伸男)
   大竹しのぶ(宮地雪江)小林薫(透)
2008年日本


父・伸男と2人暮らしの神埼民男はオクテだが、最近お見合いした瞳とはうまくいき、結婚を目前に控えていた。一方伸男は部下の宮地と交際中。しかし民男の目を気にして、関係を秘匿していた。そんな中神埼家の天井裏に、ニューヨークから逃げ帰った親戚の透が居着く。透は偶然宮地に発見されてしまうものの、なんと2人は恋に落ちてしまい……。


お見合いをしてなんとなく結婚へと進んでいく息子・民男。部下とつきあいつつも息子の目を気にしてしまう父・伸男。そんな2人の関係を通して、しあわせのかたちをゆるゆると映し出していく、コミカルなドラマ。オクテな青年の民男を演じたオダギリジョーは、その格好良さを完全に封印。ダサいオーラを身にまとっての演技はなかなか新鮮だ。伸男を演じた原田芳雄も息子に弱い伊達男を好演。そんな2人の演じた親子の関係は、民男の婚約者・瞳をはじめヒトクセもフタクセもある周囲の人々や出来事に揺れ動かされ続けながら、クライマックスで衝撃の展開を迎える。その姿は爆笑ものだが、同時に胸にちょっとだけ刺さるものを感じることになるだろう。


なにがなんでも息子を結婚させたい父親と、たいしてその気のない息子・・


結婚してもしなくても、どのみち君は後悔することになる
                ーーソクラテス


結婚は人生最大のエンターティンメント
たみおと一緒に考えよう
で、結局、しあわせってなに?


結婚するとは半分だけ幸せなような気が私はしている。笑


岩松了って監督さんがテレビドラマ「時効警察」の、あの部長だとは知らなかったあ。
そんな驚きもあって、人生を半分以上生きてきた私は、この映画、なかなか味わい深く(笑)面白かった。
ゆったりした映画がダメな人には無理だけど、ほのかに切なく、大人の映画だと思う。
気楽に楽しみました。


父子が暮らす古めかしい家の様子にパロディなのかな?小津監督の映画を思い出した。
父親の作った夕飯を食べるたみおが岩下志麻に見えたりして。爆笑
父親の愛情に、息子のたみお(家ではいつもパジャマ^^)がまるで深窓の令嬢みたいに見えてくる。


この二人、もちろん男同士のことで、口では優しい言葉などかけるごころか、ズバズバ言い合う。
そのやりとりがおかしくてクスクス。


色んな映画も観たけど、あのラストは笑えた。
これ以上書くと、ネタバレになるから書かないけど。


デパートで見合いの晴れの衣装を買って、(こんな父息子も珍しい)一休み。

靴は買わないのか?

靴まで新品だと、みじめでしょ?

靴がみじめなのか自分がか?爆


しかし、登場する女性たちの自由奔放でたくましいこと。
たみおなんて彼らに比べたら、純粋培養されたようなもので、太刀打ちできないだろう。笑


大した欲もなく、可愛い息子に気を遣いながら生きる原田芳雄が渋い。
芸達者な大竹しのぶ、小林薫のこの三人が人間臭くて微笑ましく、映画を面白くしている。


ここから核心に触れています。


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大正浪漫チックなオダギリさんの黒の燕尾服姿は優雅で綺麗です。
結婚が決まって、たみおは自分が父親の再婚のネックになっていたことに、つくづく気づくところがいい。


瞳さんと二人で自転車で走るところは古きよき時代の青春映画のワンシーンである。
それは爽やかで一見の価値あり♪


可愛い顔して瞳さんのすることって大胆。怖


そして、男ふたりが手に手をとってあの『卒業』も真っ青の逃避行。


父親が土壇場で、たみおの結婚を阻止したのは、自分の瞳に対する理性に自信がなかったからだろうが、(それはたみおを不幸にする)たみおも同じく逃亡したのは映画を見ている間はなぜだか分からなかった。


父親が、透と雪江にいいようにされて一人ぼっちになる姿を鏡のなかに見たのかな。
父さんをひとりにはできない・・?


結局この父子はふたりで暮らすのがしあわせなのかも。


瞳さんに亡き母親の浴衣を貸したり、最後に他人に母の面影を見たり、たみおには母親が神聖で永遠の女性なのかな。
でも、たみおも中年、壮年の色模様?現実も学んだからには(笑)これからは父親の幸せも考えることだろう。
それとも逆効果?^^;


幸せもひとそれぞれ。


で、結局、しあわせってなに?笑

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