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PTU (DVD)

2006-01-08 09:49:15 | 香港映画 (57)

Ptu

監督 製作:ジョニー・トー
脚本: パトリック・ヤウ アウ・キンイー
撮影:チェン・シウキョン
音楽:チュー・チーウィン
出演:サイモン・ヤム(ホー隊長)ラム・シュー(サァ刑事)
    ルビー・ウォン マギー・シュー
    レイモンド・ウォン エディ・コー
2003年、香港
第23回香港電影金像奨、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞、 受賞作

香港の裏道では足元のバナナの皮に気をつけよう!

PTUとはPolice Tactical Unitの略であり、いわゆる機動部隊(制服)を示しているという。
ここ数年の香港映画黒社会、及び警察もの映画には欠かせない感のあるラム・シュー(組織犯罪課のサァ刑事)のお出ましです。

このサァ刑事のおとぼけ具合もGOODで、冒頭、九龍の尖沙咀あたりをしきる大立者ボスのチンピラ息子連をねめつけるシーンにわくわく。
食事するのと同じくらい当たり前のようにアッサリ起こる殺人事件、(汗)いやおうなしに、イエ自分から?サァ刑事は事件に巻き込まれます。

この映画、最初から見る者をワクワクさせずにおかない魅力があります。
なんと言っても製作・監督はジョニー・トー!映画制作の職人、名人と言ってもいいんじゃないでしょうか。(たまに、はあ?な映画もありますが)

でも、この映画は私の住む街では劇場公開されなかった。
大傑作!なのにWhy?
韓国映画なら何でも上映の勢いなのに?!

ワクワクの内にお話はテンポよく進み、PTUの隊長、ホー役でサイモン・ヤムの登場!
上背があって男臭くて他を圧倒してます。
今回はトー監督お気に入りのラウ・チンワンは欠席ですか?

警官が死んだ?口を慎め、不謹慎だぞ。いわば”身内”だ。
腐りきった悪の世界と闘って警察がどこまで合法的であるのか?
憑かれたように容疑者に加えられる暴力、過剰防衛、馴染みの刑事の失策。
人間らしいからこそ、これらを必死でカバーしようとするホーのようなおとこがいるのでしょうか。

本当はあってはならないこと。問題提起です。難しいです。

九龍の二大勢力の片方の息子が殺された。
二人のボスは敵対、一触即発の緊張感に包まれ香港の夜は更けてゆく。
一般市民はどこに?大丈夫なんでしょうか?余計なお世話ですか。

結構、残虐だったり、アブノーマルな場面もあったり、
でも、これも物語の緊張感の盛り上げに役立って気にならないのが香港映画のこわいとこ。笑
私も香港映画となると人格が変わります;

サァ刑事、更にCID(犯罪捜査課・私服)の面々も加わって、ついでに4人の強盗団まで、いったいこの先何が起こるのか!?

所属課ごとの警察官同士のにらみ合い、けん制、見下し?が面白い。
映画中、紅二点の生意気な女性CIDが実戦では役立たずなのもリアルです。

一瞬、緊迫感を破る夜更けの霧のような雨が美しい。

ここから結末に触れています。
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マーは包丁で胸を貫通されて、まだ自分で病院に行こうとする。

人間って、そう簡単には死なない?リアル?それともコメディ?ですか。
笑っていいのか、怖がっていいのか分からない私でした。爆
あの男優の顔・・忘れられませんよ。

女性CIDがサァ刑事に謝るところと、助言通りにカッコまでつけて空砲を撃つところがまたリアル。
男たちも唖然。
こういう人って意地、プライドがあるんだろうなあ。

大親分は仲良く相撃ち。

バナナの皮は二度は踏んでみるものです!

独りで吹き出すサァ刑事、いい人です!

ホー隊長がいれば香港市民も安心です!


アメノナカノ青空

2006-01-08 01:35:42 | 韓国映画

Amenona

原題:"...ing"
監督:イ・オニ
脚本:キム・ジン
音楽:パク・ジュンソク
出演:イム・スジョン(ミナ) キム・レウォン(ヨンジェ) 
 イ・ミスク(ミナの母)
2003年・韓国

公式サイト
アメノナカノ青空・・成るほど。
あの○が欲しい。
原題の...ingっていうのもいいですね。
終わらない、今もing.

恋愛映画で不治の病とくれば?
「愛と死を見つめて」・・日本でもこうした悲恋ものが大当たりした時があったのです。
でも、見識豊かなブロガーさんたちが良い!と評価されているので、見に行かなくてどうする?
神戸シネリーブルで見ました。

新年早々に見る映画として期待以上に素敵な映画でした。

でも、私ったら何十年、映画を見てきたのやら。。
見終わって、なお、余韻に浸りながらつらつらと考えてみた。
あれって・・あれって・・最初から。

あのお母さん、そこまで・・
・・だらけの感想、感想になってないけど、これを書くと未見の人の興味が半減するかも。
でも、私みたいに血の巡りの悪いのもいるものね。汗

映像は白を基調にして岩井俊二監督の『花とアリス』を思わせる。
バレエのシーンが特に。監督は日本人観客を意識している?
時折、映し出される緑の木の葉に目と気分が和む。

はちきれんばかりの若さと笑顔に輝く女子高生と、ミナの対比。
ミナはいつも一人でいるし、ヘッドホンで音楽を聴いてまるで別の世界にいるように孤独。

『マラソン』がそうだったのと同じく親子の絆の物語という印象が強かった。
こんなふうに早くに逝ってしまわなくてはならない娘を持つと。
母親なら、できれば変わってやりたい、できることなら何でもしてやりたいと思うだろう。
これには激しく共感。
監督が女性なので、母親の気持ちが丁寧に描かれて、イ・ミスクさんの一人の時と、娘の前とで違う顔を見せる演技が凄い。

身体が弱かったからバレエは習わせなかった。
それは半分以上は本当だけど、ミンの障害をも考えてのことでしょう。

私は韓国映画も見ているほうだとは思うのだけど、女優、男優(キム・レウォンは『マイ・リトル・ブライド』出演、これ見たかったのよ)共、層が厚いというか、続々と魅力的な人が出てきますね。

ミナを演じたイム・スジョンは私には初お目見えだけど、華奢で透明感があって。
台湾映画の『藍色夏恋』でモン・クーロウを演じたグイ・ルンメイに雰囲気が似ている。
まだ少年にも見えそうな清純な少女、へ~、25歳ですかあ、見えないわあ。

キム・レウォンはがっちりした身体に童顔が乗っかって爽やかですねえ。
可愛い。

あの”旗手”のお話は心に残ります。
私の実家の辺りにも子供を亡くして信号で交通整理をしてるという噂の男性がいました。
哀しいけれど。
旗手に女の子たちが感謝のプレゼントを送る姿が優しいね。

あんなふうに愛に打ち込んで、バカよ。
思い出と一緒に生きているんだ。幸せじゃないか。
この台詞が後で意味を持ってくる。

ミナは少しずつ自分の世界から出て、活き活きし始める。

ここから結末に触れています。
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再発、貧血、ミンの病気は白血病かな。
多くを語らない映画、そこがいいのかも。

緻密に作られる韓国映画にしては、出会ってからのヨンジェの態度がやたらに押せ押せムードだった訳です。
公式サイトには仕組まれた恋だった!とある。
母親とどんなふうに頼み込んだのかは想像するしかないけれど、承知したヨンジュって。
少し引っかかります。

私が母親ならこんなに大胆なことはしません。ていうか、そんな度胸はありません。
日本のお母さんは娘の親友になることはあっても、じっと寄り添って耐える、そんな気がします。

ミンは最後まで知らないままだったのでしょうか。
母の日記で勘付いていたかもしれない。
そんな母をミンは許したのでしょうね。
ヨンジュの愛が”本物”だったかどうかは彼女だけが知っていることだから。

ヨンジェはミンとあの時、婚約したのですね。
ミンの左手をヨンジェはあの時に初めて見た。
彼女が隠し通した手。隠し通すようにさせられた?手。

私にとっても衝撃だったけれど、他人にとっては気味が悪くても、
気にならない。
それが彼女の”特長”だから。

そう思えることが愛なんだろうなと思いました。

ミンのヨンジェへのお返しは彼をを大人に成長させたことだったのかもしれません。

追記:どうしても気になること。
書きにくいのだけど、あのミナが亀に凄く興味を持ったのは自分の左手が・・
ネットで亀の手の画像を検索してみた私って・・でも気になったのですよ。

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