監督・製作・脚本 李志毅リー・チーガイ
原作 史村翔 ながやす巧 『Dr.くまひげ』
脚本 李志毅/リー ・チーガイ
出演 梁朝偉/トニー・レオン(ラウ・マック)
許志安/アンディ・ホイ(ソー)
杜徳偉/アレックス・トゥ(ロジャー)
鍾麗[糸是]/クリスティ・チョン(ジェミー)
劉青雲/ラウ・チンワン (チウ)
童愛玲/アイリーン・タン(メイ)
梁詠琪/ジジ・リョン(メー)
陳小春/チャン・シウチュン(教会の歌手)
羅家英/ロー・ガーイン (牧師)
呉耀漢(パオ教授 ) 1995年、香港
英題がマック・ザ・ナイフ、あはは、成るほど~。
映画は人情喜劇とでも言いましょうか。
病や人の死を題材にしていながらも、ほのぼの感溢れるうるわしき映画です。
香港、籠灯(ランタン)通り。
この娼婦とチンピラのひしめく下町で、診療所を開いている名医であり街の人気者マック。(トニー・レオン)
競馬に熱中するやらだらしないところもあるけど、人を病から救うことには全力を尽くす。
貧しい人からは無償で。
そこに医大で親友だったロジャーがやってくる。
名声欲にかられた野心家、ロジャーにマックは言う。
「医者でいろ、医学屋になるな」
マックを慕って来る研修医、ソー。
俳優としてのアンディ・ホイはこの他『スワロウテイル』に出てたっけ。
好青年ぶりがいいです。
恋人はサミー・チェンとの噂だったけど、今はどうなのかな。
ソーが難病の少女に恋をしてしまった。
彼女を助けられずに苦しむソーにマックは「情けのかけらもない医者なんていない、鈍くはなるがな」と教える。
叫んでみろ、こだまだ。
辛いのはお前だけじゃない。
この台詞は心に響いた。
マックもまた、同じ病で恋人を亡くしたのだ。
人知れず涙を流すマック。
彼はひらめき型天才名医なのだけど、手術する時は冗談ばっかり。爆
患者は死んだ、麻酔はいらん。
少し切り過ぎた、安全ピンをくれ。
難しい手術の緊張を和らげるためか?
トニーのコミカルな名医ぶりが楽しい。
この人、ほんと”目がものを言う”愛嬌のあるいい顔してますね。
牧師がロー・ガーインなのが嬉しい。胡散臭いんだもん。笑
妙な歌手役で元気な小春まで出てきます。大笑
医者のロジャー役のアレックス・トゥは歌手で、映画の挿入曲のひとつを歌っているらしい。
小春は勿論、アンディ・ホイもアレックス・トゥも俳優としても立派だと思う。
変な帽子に短パン姿の刑事、おとぼけ顔が可愛い?チウはラウ・チンワン。
ゲジ眉を隠すための変装だって、却って怪しい。
そんなチウが娼婦、メイに恋をした。
彼女に客を取らせまいと必死の不器用なチウ、あはは
ジャック・レモンの『あなただけに今晩は』のパロディかな。
ラウ・チンワンって『つきせぬ想い』で初めて見たけど、
シリアスからコメディまでほんと達者です♪
存在そのものがコメディ。噴出す。
『暗線』の刑事役、パンにかぶりつきながら張り込む姿なんてブラッド・ピットも真っ青の余裕のカッコよさでしたよ。
メイはチウのプロポーズに戸惑う。
私は娼婦で子供も産めない体なのよ。
子供なんて、それがどうした?
そして、メイは夢だったパリに出かけた。
しょげるチウにマック。
「彼女に生きる力を与えた奴がいたんだ。お前の取り柄だ。
俺にはかなわない」(メイもマックの患者だったのだ)
ここからはお話の結末です。
****************************************************
ソーはマックによる手術で命を助けられたことから考えを改め、ボランティアの医療隊に参加してアフリカに立つ。
若いマックがしたように。
今度はソーが身を引く番なのだ。
無免許医療となんクセをつけられたマックの問題も解決。
チウにはメイから手紙が来て、嬉しそうなチウ。(彼には前妻、亡妻?との間に子供がいた)
二人してメイと幸せになるだろう♪
マックにも新しい恋の風が吹いてきた。
最後にエラ・フィッツジェラルドの「マック・ザ・ナイフ」が流れます。