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マルチュク青春通り (DVD)

2006-01-22 08:55:20 | 韓国映画

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監督/脚本 ユ・ハ
出演 クォン・サンウ(ヒョンス)イ・ジョンジン(ウシク)
    ハン・ガイン(ウンジュ)ジェ・ボク(ハンバーガー)
    ジョンフン(風紀部長)
2004年、韓国

青春・・過ぎ去ってみて、それがかけがいのない時だったと気づくもの

主人公がブルース・リーに憧れる高校生で、マルチュク青春通りというタイトルから劇場で見たい映画でした。
映画を見る前はクォン・サンウに惹かれるものを感じなかったからかもしれませんが。

サイトの監督の言葉を読んで再確認しましたけど、これって村上龍さんの自伝的小説『69』にそっくり。
監督も村上さんの自伝的作品、『69』に触発されて、自分の青春時代を描いたとか。

かたや1960年代、こちらは1970年代。
比べてみるとより面白い。
時代は10年の差はあるんですけどね。

『69』のケンは体制と、力でねじ伏せようとする大人・教師たちに憎しみと反発を感じるエネルギーの有り余る高校生。
ケンはブルース・リーに憧れるヒョンスとは違い、よく回転する頭脳と口先だけで生きている破天荒な高校生。

自分たちは選別される前の羊だ!(大学に進学して普通の大人になるか、高卒で、やはり普通の大人として体制に組み込まれるか)

70年代の韓国は軍部の力も強く、学生への制裁、体罰も半端ではない。
日本の60年代とは違って、韓国の70年代の政治背景などは勉強不足なのでよく分かりませんが。

文化的にはああ日本と同じだなあと思えるところが沢山あります。
そういう点ではとても興味深く見ました。

韓国の『マルチュク青春通り』は真面目に初恋と友情を描いたのはやはりお国柄の違いかな。
ウシクを演じた、どこかヨン様似の男らしいイ・ジョンジンがいいですね。

ことごとく学校側の手先のような風紀部長と対立。
男気が強く、弱いもの苛めは大嫌い。自信過剰気味なのが災いするけど。

日和見のハンバーガーがおかしい。

ふとしたことで転校生、ヒョンスはウシクと友達になり。
しかし、大人しいヒョンスの片想いの人は意外にも。
微妙な三角関係の恋の行方は。

ヒョンスとソン・イェジン似の清純なハン・ガイン(ジェボク、ヒョンスより1歳年上)がラジオの音楽番組が好きなのも時代を現してる。
この年下っていうのは韓国ではどうも恋人としては見て貰えないのかな?

携帯などない時代、思いがけない告白もラジオを通してだったり。
喫茶店でも二人の前にあるあの白い飲み物はミルク?かなあ。

ハンバーガーが学校で売っているアダルト雑誌に混じって「スクリーン」が。笑
私たちにとっても映画やファッションのバイブルだったですもんね。

いずこも同じ、親近感がわく。
全盛の”アバ”の名も出て、おっ!と思う。笑

正義感は強いけど、父親はテコンドー師範だけど、ヒョンスは。。

ここから結末に触れます。
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彼女のために(ウシクの仇も討ってやる)俺は強くなる!
風紀部長とその取り巻きを相手にヌンチャクで大暴れする場面には胸がすきます。

相手を沈めて、ニッと笑うヒョンスはカッコよかとです。
どろどろに闘って大人、教師、世間、不条理、自分自身への憤怒の限りを込めて。
でも、独りぼっちなのが切ないんですよね。

父親は怪我を負った相手の親に土下座して謝る。
 
”高校に行かなくても大学には行ける。”
そうか・・これだ・・闘いの果てにはこれが待っていたか。

或る日、ヒョンスはジェボクを見かける。
もうヒョンスは以前の少年ではない。
こうして、初恋はほろ苦い思い出となっていく。

韓国でもジャッキーの『酔拳』は上映されるんだ。

ウシクともいつかどっかで、よっ!なんて出会って笑いあうのかも。

TB送信:平気の平左、ある在日コリアンの位牌