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『69 sixtynine』と私のほろ苦い思い出

2005-03-01 21:10:11 | 邦画 (69)
69no

監督 李相日(リ・サンイル)
原作 村上龍
脚本 宮藤官九郎
出演 妻夫木聡(ケン)安藤政信(アダマ) 
   金井勇太(イワセ)星野源(中村)
   新井浩文(工業の番長)小日向文世
   岸辺一徳 柴田恭平 村上淳 井川遥

1969年、長崎は佐世保が舞台。
作家、村上龍さんの実体験の原作を元に日本映画学校卒業生、リ・サンイル監督(新潟出身30才)が撮った映画だそうです。

高度成長たけなわの日本。
ウッドストック、フラワーチルドレンの出現、ゴダール、ローリングストーン。
全共闘の学生は安保反対で、東大安田講堂に立て篭もるなど警察と激突。
ベトナム戦争は泥沼化していた。
そして、皆がイレブンPMに夢中だったり。(当時は画期的なお色気番組でした)

でも、主役は高校生であり、特別なメッセージはなく、爆笑の青春コメディです。
矢崎剣介(ケン)は現代とは別世界のような厳しい校風の下、エネルギーと若さを持て余していた。
思春期の男の子たちのフェロモンがプンプン。笑

佐世保基地に潜り込もうとフェンスに上りながら振り向いて、アダマにケンは言う。
「アダマ、おいの骨ばひろうちくれ!!!」カッコ良過ぎて憎かとです~~~!

「バリ封ばようしきらん大学生は関係なかっ!」

本気になると標準語になる(笑)ケンは目立ちたい、好きな女の子にいいカッコを見せたいてな想いで、学校のバリケード封鎖を決行するが。。
「バリ封ばする!!!」

次第にアダマとの友情が深まっていく過程にちびっと胸が熱くなる。
「見つけたぞ、何を?永遠を。。。」←アルチュール・ランボー
「楽しく生きたもんが勝ちったい。
退屈しとるもんに俺たちの笑い声ば聞かしちゃろう!」

この時代を経験した私にはとても面白く、笑えました。
映画に流れる音楽がまた涙が出るほど懐かしい。

生徒の気持ちを汲んでくれる先生役の岸辺一徳さんが飄々としてよかとです。
停学中のケンを見舞ってしみじみ語る台詞。
「先生は18ん時、結核で生死の間をさまようてね、手術やら、意識不明やらにもう慣れた。
夏になると、こうカンナや向日葵の咲くやろう。そんなことがええて思うごとなってね」
うん、うん、何か分かるなあ。

イワセ君を演じた金井勇太、指紋のなか中村君、星野源も良い。
頭のキレるケンにコケにされる工業の番長役、新井浩文がまた、すんばらしい。
ケンとの手打ちの場面で笑ってください。
この人、あちこちの映画で見かけますよね。

妻夫木君はヘタレ役の方が似合ってて、ヤンチャなケン役には少し線が細かったかな。
でも、憎めない個性が得をしている。
いつまで学生役ができるんでしょうね?

大笑いしながら、ケンのバリ封がばれた時の父親(元、学校の美術教師)の言葉にしんみりします。
「自分の子供は可愛いかけん殴りきらんもん。
ケン、校長先生の前で、卑屈になるな。堂々と処分ば受けてこい」


★そして、私の青春時代のほろ苦い出来事を思い出したのです。

「ビートルズ」が来日すると聞いて、大ファンだった私はコンサートに行きたかった。
チケットは手に入れた。
けど、クラスの子が先生に告げ口し、なぜか私一人が職員室に呼び出された。

先生 「生徒だけで上京などとんでもない!」
私 「どうしてですか?」
(この時はまだ、どういうふうに東京に行くかは計画していなかったし、チケットを手に入れて、それだけで満足していた気もする。)
先生 「どんな悪者に狙われるか、その上に不良化のもとだ」ヘッ?なにかにつけて不良、不良ってか。。
結局、何も”悪いこと”はしていないうちに三日間の停学。 プンプン

私は一緒に行こうとしていた友達の名前はたとえ殴られたって言うもんかと思った。
先生も告げ口しない態度は立派だって。アホラシ~。
そんなん当たり前やんか~。
面白くもない学校なんて。。ふてくされて停学が解けてからも学校に行かなかったら、先生が迎えに来た。(☆0☆)ドヒャ~ン!

母は先生に言い放った。
「この子がこんなに行きたいと言ってるのですから。
父兄同伴で行けば問題ありませんでしょう?」 (★0★)ギャォ~ン!

この母親の言葉が一番応えたとです。
私はまた学校に通い、ビートルズのコンサートは大人しくテレビで見ますた;

いつも良い子であった?私が唯一母を困らせた思い出です。。

bi