岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

岩木山不法投棄ゴミ / CO2排出を防ぐために「原子力発電所の活用を」という意見は…

2008-06-03 07:21:33 | Weblog
(今日の写真は岩木山山麓地区に投棄されたままのゴミの山だ。地面に深い穴を掘って「埋める」予定だったが会社が倒産して、そのまま野積みにされている。
 その「山」の頂上は電線と接触するくらいになっているから、高さは「電柱」と同じくらいだろう。倒産しなければこれらは「燃やされて、その残滓は埋め立てられた」はずなのだ。
 「燃やされる」と空気中に有毒成分とCO2を排出したであろう。埋め立てる行為は「原子力発電所から出る放射性物質をガラス固化体に詰めて」地中深く埋めることに等しい。質的な違いはあっても論理は同じだろう。
 実はこの「ゴミ置き場」の近くには「ゴミを埋め立てた」場所がある。「穴」を掘って埋めたというよりは「沢」にゴミをどんどんと投げ込んで、その上に「土」を被せて埋め立てたようなところもある。
 見た目には沢が埋まっている状態だ。沢の通水路を「確保」した上で埋め立てているのだろうが、上流で大雨が降れば埋め立て地の上部は「堰止め湖」となるはずである。それが許容量を越えると「土石流ならぬ廃棄ゴミ流」となって、下流の住宅地に流出する。そのような恐怖を私は、この現場を「見た」瞬間に感じた。
 埋めた赤土表部には一部、松を植林したところもあるが、それだけで「土」の剥離と流出は避けられない。原子力発電所などから排出される「放射性物質」だって同じことだろう。いくら深く埋めても「地殻変動」などで、いつ、地表に出てきて「散布」されるか分からないのだ。
 六ヶ所村の「核燃料再処理施設」の近くには、その「地殻変動」を引き起こす「活断層」があるという。県や施設側はないというが調査をしていないか、またはあったのだが故意に隠しているのだろう。これがこれまでの一連の「体質」であるようにさえ思えるのだ。)

 ◆◆CO2排出を防ぐために「原子力発電所の活用を」という意見は…(その2)◆◆

「AのためにBをしよう、だが、Bの危険性については何一つ言わない」という論理なのである。
        ※ A=(CO2排出を防ぐ) B=(原子力発電所の活用)

 CO2排出を防ぐために「原子力発電所の活用を」という意見は「原子力発電所等」が排出する自然環境を汚染する危険きわまりない「放射性物質」のことを隠して、いわば「臭いものにふたをしながら」の勝手な我田引水的な論理であり矛盾きわまりないものだ。しかも、「我田」の自然環境汚染がCO2の増加とは比較にならないほど異質であり強力であることには一切触れない。
「A(CO2排出を防ぐ)のためにB(原子力発電所の活用)をしよう、だが、B(原子力発電所の活用)の危険性については何一つ言わない」という論理なのである。
 CO2を排出する「火力」エネルギーに代わるものとしては「風力」「太陽光」「バイオマス」「地熱」「水力」などの自然エネルギーであって、決して「原子力」エネルギーであってはいけない。
 確かに「CO2を排出しない」ということだけとらえれば、「原子力」エネルギーも入れてもよさそうであるが「原子力」エネルギーはCO2以上に危険なものをこの地球上に排出するからだ。
 「CO2を排出しない、させない」ことは人々の個人的な「我慢と努力」、それに国の「法的な政策と補償」があると出来ることなのである。これはドイツで国民と国が実証していることである。
 しかし、原子力発電所や核燃料再処理工場から排出される「放射能」を持つ「放射線」や「放射性物質」は、排出されてしまうと「努力」や「行政措置」では対応出来ないものなのである。だから、「ガラス固化体」という器物に封入して地下深く埋めるということが必要なのであり、これだって「絶対に」漏れないという保証はないのだ。
 しかも、核燃再処理施設は「原子力発電所」ではないので、法的に「放射性物質」の除去装置を付加する必要もなく、それをそのまま海に「垂れ流して」いるのである。
 それが海流に乗り三陸の海に流れ込み、岩手県や宮城県の太平洋岸で暮らす人々の生活を脅かしている。核燃の問題の本質は自然環境汚染ということに尽きるということである。

 県民だより「あおもり」6月号を見た(読んだのではない、見たのである)。その扉の写真が、何と六ヶ所村にある「風力発電所」の巨大な風車とそのメンテナンスにあたるスタッフなのだ。
 自然エネルギーの対極に位置づけられる危険な「核燃料再処理施設」のある六ヶ所村に自然エネルギーの代表的であり、かつ象徴的な存在である「風力発電所」があることを示すこの写真で、青森県は「県民」に対して何を言おうとしているのだろう。
 私は前述した「AのためにBをしよう、だが、Bの危険性については何一つ言わない」という論理をこの写真に見たような気がした。これは県民に対する欺き行為であろう。

 特集「持続可能な社会の先進地域を目指して」の2ページを開く。
「エネルギーの安定供給やCO2の削減など地球温暖化対策を進めることが世界的に喫緊の課題となっています。青森県は、原子力関連施設の立地に加え、風力、地熱、バイオマス(生物由来)など、世界的にも希にみるエネルギー分野での豊かな可能性を有しており、これらを活用し、我が国の持続可能な社会の先進地域を目指して取り組んでいます。」とある。(この稿、明日に続く)