数日前のコトだけど。
27日(水)の西日本新聞・朝刊の記事を見て
小さなショックを受けた。
“(福岡)シティ劇場公演 休止”
九州唯一の劇団四季の専用劇場であるシティ劇場が
観客動員数の減少に歯止めがかからないとして
2月8日以降、公演を一時休止するとのこと。
劇団の代表である浅利慶太さんの発表だった。
敏腕経営者としての浅利さんの姿は
先日の「カンブリア宮殿」で見たばかり。
その直後だっただけに
今回の発表も、さもありなん、というのが
正直な感想だった。
ミュージカルのファンとしては残念な限りだが
企業を維持してゆく経営者としては、止むを得ない選択だっただろうと思う。
この6年で約3億6千万円の赤字。
加えて、最近の入場率が平均57%とくればねぇ・・・。
しかも情けないことに、この状況
全国で9ヶ所ある他の専用劇場では
見受けられないとのこと。
『さすが鋭いな、アサリ!』
と思わず苦笑してしまったのが
会見時の浅利代表のこのセリフ。
「九州のファンは熱いけれどもコンスタント(継続的)ではない感じを受ける」
いやー、慧眼。
なんせ、
酒好き、派手好き、祭好き、新しもの好きで楽天家
熱しやすく冷めやすい
自己主張が強く、親分肌のところがあり、好き嫌いの差がはっきりし
仲間内では中央の文化や風習をけなし
福岡が一番という意識が強い
というのが、よく言われる福岡の県民性。
まさに、「持続性」が今ひとつ、の気質ではあるのだ。
東京に10年近く住んで感じたのは、人々の文化に対する親しみ度。
特別なことではなく、生活の一部として芸術を楽しむ人の割合が
悔しいけれど、やはり福岡とは比べ物にならないくらい高い。
それに、S・A・B席のS席から売り切れてゆく東京に対して
福岡では最後まで残っているのがS席。
そんな傾向に加えて
景気が悪い今の世情。
芸術・娯楽にかける費用は優先的に削減されているだろうし
“特別な楽しみ”である高価なミュージカルは
行きたくともそうそう行けないというのが
現実なんだろう。
生まれて初めて見た、生のミュージカルの舞台。
福岡シティ劇場の杮落とし公演『オペラ座の怪人』で
ミュージカルの迫力に圧倒され、その面白さに虜になった私。
あひょ的ミュージカルの原点は、シティ劇場だった。
だからとても残念で仕方がない。
けれど、2011年春の再開の話もあるようだし
それに希望をつなげて、状況の成り行きを見守るしかないな。
ところで。
県民性を書き連ねていてふと気付いた。
「新しモノ好きの、熱しやすく冷めやすい祭と酒好きの楽天家」
・・・なんじゃこりゃ。まるでワタシそのものではないか
そうかぁ。
どこに行こうが、やっぱりワタシは
正真正銘の福岡ケンミンなのねぇ・・・