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あるひのあひる

sometimes"♯",sometimes"♭" ,and always"NATURAL”
猫とハーブと酒と音楽

涙のお別れ

2010-04-22 07:15:55 | 子ども・育児・チャイルドマインダー

新幹線そっくりのカッコイイ幼稚園バスが近づいて来た途端、大きな声で泣き始める可愛い制服姿の男の子。
ママに抱っこされ、その小さな腕をママの首にしっかりぎゅうっと絡ませ、必死にしがみつきながら。

今週に入ってから毎朝、駅に向かう途中で見かけるこの光景に、思わず微笑がこぼれてしまう。
あぁ、新学期なんだなぁ

そういえば私の記憶にも、幼稚園に向かうバスの後部座席の窓ガラスの向こうで次第に遠く小さくなってゆく母の姿を、とても悲しく心細い気持ちで見つめ続けた光景が、妙にはっきりと残っている。

私の場合は普通の路線バスだったから、周りの大人たちの視線が気になって泣くに泣けず、一生懸命我慢した覚えがあるけれど。

今や幼稚園バスが当たり前らしい。
社会環境が昔とは変わってしまった今、それも無理からぬことなんだろうなぁ。
優しい先生が笑顔で迎えに来てくれるし、他のお友達も一緒だし、誘拐や事故の心配もなく安心して登園出来る上、親御さんも楽だし。

けれど、路線バスでの通園というもなかなか良い体験だったな、と思う。

大好きな母と離れる淋しさと引き換えに、お気に入りのパスケースに入った定期券をバスの運転手さんに見せるという行為の、ちょっとオトナになったような誇らしい気持ち。
同乗した知らないおじさんやおばさんとお話したり、偉いね、と誉められたり。
そうした外の世界との直接的な交流が、それまで家庭しか知らなかった子どもの心に小さな社会性の芽生えを与え、自信にも繋がって、意外に短期間で気持ちを変えてくれたのではないかと思う。

子どもは日々逞しく成長してゆく。
ママと離れる辛さに、まるでこの世の終わりが来たかのように激しく泣き叫んでいる子も、じき笑顔で自ら園バスに乗り込むようになる。

それまで自分中心だった家庭での狭い世界から、他人との係わり合いの広い世界へ。その中で自分という存在を改めて見つめ、友達との遊びや喧嘩からいろんな事を学びとってゆくのだ。

そんな純粋でひたむきな子どもの姿を見ると、その健気さと強さにいつも胸がジーンと熱くなる。

名前も知らない大号泣のあの男の子の側をなにげない顔をして通り過ぎる度、心の中ではいつもエールを送っている。

頑張れ!
オネーサンはこれからも君の姿を見守っているよ。
元気な笑顔で颯爽と園バスに乗り込むキミの姿に出会えることを秘かな楽しみにして。

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今年は見たくない

2009-07-19 16:37:40 | 子ども・育児・チャイルドマインダー

現在の室温31.7℃、湿度59%
BGMにボサノヴァなど流していても、エアコンなしの部屋は暑いです。
夏、ですねぇ。


海が呼んでいる!
山が呼んでいる!!
プールも水族館も動物園も花火大会もキャンプも旅行も・・・!!!

子どもたちにとっては、夏は楽しみがいっぱいの大好きな季節。
夏休みに入り、子どもたちはウキウキワクワク、親御さんはドタバタイライラと、なにかと大変な毎日ですね。

でも、保護者の皆様。
どうか忘れないで下さい。
子どもたちが開放的にのびのびと自然と触れ合うことはとても大切で素晴らしいことですが、それは同時に、怪我や事故など、思いも寄らないアクシデントに遭遇する確率も高い、ということです。

特に、海や川、プールなどの水辺。
そして、家庭で気軽に行う行水遊び、水風呂遊び。

“幼児は、水の深さがたった10cm位でも溺死する”という事実を、どうか常に忘れずにお子さんの行動を監視してあげて下さい。

“ちょっと目を離した隙に”起きる水の事故。
子どもばかりか、助けようとした大人まで巻き添えになり、楽しかったはずの遊びが、取り返しのつかない悲劇に変わってしまいます。

つい先週も、とある川で、きょんくんと私が見ている目の前で、2~3歳くらいの女の子が溺れました。
あっという間の出来事でした。
約10秒後に親御さんが引き上げ、結果的には事なきを得ましたが、あれは確実に親の過失です。
特に、水を怖がらない子どもさんは危険です。
自分の背や泳ぐ能力も考えず(幼児は当たり前です)、ずんずん進んでいきます。

“目で追っているから大丈夫”などでは決してありません。
泳げるお兄ちゃん、お姉ちゃんならともかく、乳幼児や小学校低学年くらいの子どもさんと一緒に水遊びをする場合は、必ず、常に、“一歩踏み出せばすぐに手を掴める”くらいの距離に居てあげて下さい。
“目”では子どもの身体を掴み危険から助け出すことはできません。

乳幼児の車内置き去りによる熱中症死。
海や川・プールでの溺死。

そんなニュースはもう見たくありません。

予測がつかない行動をするから子ども、なのです。
どうか、そのことを常に忘れず、小さな、そして何よりも大切な“命”を守って、楽しい想い出をたくさん作ってあげてください。

身体を使って五感で得たことは、目には見えないけれどとても大事な感性を磨き、その子の人格を形成する大切な引き出しのひとつとなります。
親の知恵と配慮で、安全に、そして楽しみながら、たくさんの引き出しを作ってあげましょう。



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進むべき道

2009-07-09 11:03:33 | 子ども・育児・チャイルドマインダー

また、遣り切れない事件が起きてしまった。
出雲市の13歳少年による、父親刺殺。
この手の、(ある意味まだ“幼い”とも言える)子どもによる肉親殺害事件の報道を見る度に、とある1冊の本を思い出す。

供述調書漏洩の件で裁判にもなった、ある事件に関する本である。

僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真実

僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真実
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2007-05-22

“こんな静かな所でそんな恐ろしい事件が起きるなんてショックです”
“仲が良さそうな親子だったのに・・・”
“信じられません。理解できない”

TVのインタビューでは、毎回同じようなコメントが繰り返される。
他人事。
衝撃的。
無理解。無知。

近所に住んでいる他人がただの隣人として表面的に付き合っているだけでは、その家庭の内情など到底理解できないだろう。
育児に悩んだ末、思わず我が子に手をかけ、その幼い命を奪ってしまった母親。
献身的に看病し、ずっと尽くしていたのにもかかわらず、介護に疲れ果て、親を殺してしまった子ども。


深く暗い底なしの閉塞感と絶望感、そして強い孤独感がそこには存在している。


事件が起きる度、マスコミは少しでもドラマチックな演出をしようと躍起になり、無責任で興味本位な内容でセンセーショナルに報道する。
そこには、事件の関係者に対する哀れみも、人間としての思い遣りも、事件の本質を探り、見極め、将来同じような過ちが繰り返されないようにとの配慮も、何も感じられないことがほとんどだ。
全てが“話題”
薄っぺらなバラエティ番組やお笑い番組と同じように、どんどん垂れ流され、ただただ過ぎ去ってゆくのみ。


産声をあげ、生まれてきたばかりの赤ちゃんは
皆同じように無垢の状態。
そして、親との関係性、周囲の環境、そんな様々な後天的な要素が次第に経験として積み重ねられ、持って生まれた本質的なものとあいまって個々の人格が形成されてゆく。


あの歳にして、親を殺してしまうまで追い詰められてしまった子どもは、一体どんな環境で、どんな関係性で日々を重ねてきたのだろう。
心から愛され、慈しまれ、尊厳を持って接してもらっていたのだろうか?
親だって一人の人間。過ちもある。喧嘩もあれば、時に憎むこともあるだろう。
けれど、心の底で、愛情という信頼関係が築かれていれば、命を奪ってしまうほどの憎悪にまで膨れ上がることはないのではないか。



寝釈迦よろしく、仕事もせず家の中でだらだらと過ごしている身には、この手のニュースが一番辛い。
一体私は何をやっているのだろう・・・。
子どもの心に寄り添う仕事がしたいと思いつつ、何もやってないからだ。
そう。事件は日々起きている。
ニュースにこそならなくても、人間関係で悩み苦しみ、閉塞感や憎悪、孤独感を募らせている子どもはこの世の中にたくさんいるはず。


それはともかく。

起きてしまった表面的な事実よりも、そうなるに至った経緯に重点を置いて、心という観点から原因を追究して欲しいものだ。

この世で起こる全ての事には、必ず何らかの意味がある。
原因あっての結果、なのだから。

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腹黒いおさかな

2009-06-07 16:03:12 | 子ども・育児・チャイルドマインダー

2009_0606sayori0001
その名のとおり、と書いて「サヨリ」
刺身用のすごく新鮮なやつが5匹入って1パック¥298という安さだったので、即買い

アジならともかく、こんなほっそい奴はさばいたことなかったけど、自己流で奮闘してなんとか刺身に。
2009_0606sayori0004
薬味は、写真のみょうが・小ねぎ・しょうがの他に、柚子胡椒とわさびも準備
いんや~ぁ、旨かった

福岡に帰って来て、魚を食べる回数が激増したなぁ。
スーパーに行く度、きらきら光ってて美味しそうな安い魚がいっぱいで、コーフンしまくりのあひょ。


それにしても。
苦労してサヨリをおろしながら、食育の大切さを改めて痛感したな。
母親にくっついて台所に立った経験が、いつのまにか知らないうちに知識として蓄積されているんだなぁ。
今回だって、魚を捌く母の手付きを思い出し、みようみまねでやってみてなんとか出来たんだから。

スーパーで切り身しか見たことがなくて、元々の魚の形を知らない子ども。
調理をする過程を見せたり、できる範囲でお手伝いをさせたりすることで、生きた形で“食”に関する興味や知識を増やしてゆけるんだよなぁ。


もしも子どもに恵まれたら・・・やっぱりそうやって記憶を残してあげたいなぁ。
繊細で綺麗で腹黒い(笑)、とっても美味なるサヨリ様を味わいながら、そんなことをきょんくんと語り合った昨夜の夕餉でした。

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感性の種

2008-11-07 12:26:18 | 子ども・育児・チャイルドマインダー

BGM、サザンから始まり今はクラシックでやんす


大人になって気付くこと。
子どもの頃の何気ない体験が、心の奥深いところにいつのまにかしっかり根付いていて、自分の引き出しのひとつとなって現在の個性を形作っているんだなってこと。


世間では、英才教育ということで、まだ母国語もおぼつかないようなバブちゃんたちに英語を習わせている親御さんがわりといらっしゃるようですが。
そのことに対して否定をする気など毛頭ござんせん。
教育方針はそのご家庭の個性ですから。


でも、声を大にして言いたいのは
子ども達には、小さい頃から、どうか、たくさんの美しいもの、切ないもの、生きているもの、心を動かすものにたくさん触れさせてあげて下さいませ。
ということ。


絵本、音楽、絵画、たくさんの生き物、そして人の温かみ。


ステレオの前で、父の隣に座り聴いた(聴かされてた?)たくさんのレコード。
本棚に並んでいて気が向いたときに眺めていた、美術絵画全集。
TVには厳しい制限があったのに、なんの規制もされなかった漫画や本。
辺りが暗くなるまで駆け回って外で遊んだ毎日。
捕まえてきては飼っていた、たくさんの虫たち。
初めて家に連れて帰った捨てられた仔猫と、アパートだから飼えなくて、泣く泣くまた捨てに行ったあの夜の風景。
一緒に暮らしていた祖母が大好きだった『G線上のアリア』。
もう一人の祖母が、たくさんジュースやお菓子を用意して待っていてくれたあの大きなお屋敷。



頭ではなく、心で感じ学んだことが、今の私を形作っている。
たくさんの心の引き出しとして。



感性は、小さな頃に、たくさんの種を蒔いてあげないと。
知識とは違って、後から急に身につけようと思っても、大人になってからでは、あまり伸びない気がする。



今の子どもたちは。
五感をフルに使う機会が、昔の子どもより減ってしまっている気がしてならない。
だからこそ、出来る限りたくさんの経験をさせて、心 を育ててあげてほしい。




最近若干鈍りがちだけど、絶対音感がある。
それは、両親からの何よりの贈り物だと、しみじみ思う。
美術館に絵を観に行ったり、たくさん本を読んだり、いろんなジャンルの音楽を美しいと思えること。
それは、自分自身で勝手に身につけたのではなく、両親から与えられたものだ。




心や感性。決して目には見えないもの。




“じゃあ秘密を教えるよ。とてもかんたんなことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない”

星の王子様のキツネの言葉です。

星の王子さま (新潮文庫) 星の王子さま (新潮文庫)
価格:¥ 500(税込)
発売日:2006-03


目に見えない大切なもののために、
どうかたくさんの種を蒔いてあげて下さい。
頭の中の知識よりも、心の種を。

コメント (2)
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