不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『木靴の木』シナリオ(12)

2016年04月06日 22時17分06秒 | 映画『木靴の樹』
(フランス映画社発行のパンフレットから引用しています。)

*畜舎の庭(朝)

 降りしきるみぞれ。男たちは煮立った大釜に水を足す。冷たい空気の中で沸かす湯けむりは白い。子供達がせわし気な大人たちの様子を見つめている。そんなあわただしさの中、今日もミネクは大きな傘をさして学校に出かける。

*フィナールの家・台所

 テーブルの上を洗っているフィナール。

 テレジーナ「来たよ!」

  豚のを行なう男たちがやって来る。

*畜舎の前

 フィナール「来たね。今日はきついね」

 の男1「よく降る!」

 の男2「雪の日の豚は味がいい」

 フィナール「葡萄酒も同じだ」

 の男1「天候が左右する」

 フィナルダ「煮立っている?」

 の男2「湯は多いほどいい・・・火を絶やすね」

 ベッティーナ「管理人よ」

 管理人が馬車でやってくる。

 フィナール「地主はまだか?」
 
 管理人「まだだ、後から来るよ」

 フィナール「誰が計量を?」

 管理人「おれが計る」




木靴の樹 [DVD]
クリエーター情報なし
東北新社

反省

2016年04月06日 13時55分21秒 | 日記
http://blogs.itmedia.co.jp/kyoko/2012/01/post-4ca7.html

 今まで自分の声が紹介された記事やすごく気になって一人でも多くの人の目にとまったほしいと思った記事をまるごとブログにあげてきましたが、そんなつもりは全くなくても著作権を侵害する行為にあたる行為をやってしまっていたようです。引用元のURLや出所を記載すればいいのかと勝手に思っていましたがそうではなかったようです。しばらく前派遣経験者として正規雇用の賃上げ要求に対して思うことを電話取材で話しました。私の話がはいった記事を書いた記者さんとのメールのやりとりで気づきました。掲載の紙面を郵送してもらうことにしましたが、そのコピーを身近な人に配るのにも利用申請が必要なんだそうです。ネットで調べてみるとなかなかデリケートなむずかしいことなんですね。ネットの時代になり、誰もが著作権を侵害されるおそれがあると同時に、誰もが著作権を侵害するおそれがある。考えてみればこのブログの記事を、私が知らない間に誰かが勝手にどこかにコピーしたり引用したりしていたらすごくいやなのと同じこと。知りませんでしたで許されることではなく反省しています。

明日は休みでヘンな感じ・・・

2016年04月05日 22時41分46秒 | 日記
 今週は土曜に出勤しなければならないので、その振替として明日が休み。今日は火曜なのに金曜のような、なんだかとってもヘンな感じです。なかなか慣れません。けっこう忙しい一日でした。朝8時半から10時半ごろまでは一人事務的な作業でほとんど人と話しませんでしたが、あとはずっと接遇で人と話しっぱなし。手続きの説明も端末操作の前でもずっと説明やら質問に対する回答の対応。ちょっと怒りをかってしまいそうかなという場面が午前中にありひやっとしましたが、優しい言い方をしたらことなきを得ました。ほっ!いやいや疲れます。喉の炎症を抑える薬はがっと胃にくるしすごく喉が渇くので夜だけ飲むようにしていますが、話しっぱなしだし空調は微妙だし、ほんとに口の中が渇いてきついです。それでペットボトルの水を飲むのを我慢しないようにしているのですが、飲むと体が冷えるのでおトイレに行きたくなってしまうし、かといって飲まないとガラガラになってしまうし、かといっておトイレに行くのにタイミングが悪かったりすることあるし、たぶん私が一番水を飲み、同時にトイレにも行くので他の方々の手前よくないかなあと思ったり。でもどっちも我慢すると体に悪いし、なかなか微妙なところです。朝も他の方々は10分上前に執務室に入ってスタンバイしていて私が一番遅い。前職でずっと夜型生活だったのでがらりと切り替えることはできず、今が精一杯です。チームで仕事をするってむずかしいです。現在やっている業務でもさらに規模の大きい現場だと人数が多くなり、その中での人間関係が大変なんだそうです。小規模の現場でローテーション組んでこじんまりとやっているからまだマシな方なんでしょう。それでもちゃんとすり合わせをしていくのはなかなかむずかしいです。それでもお互いのミスをつるしあげるようなことはなく気をつけましょうねと声をかけあうからまだマシなんでしょう。期間限定ではあるけれど、とりあえず出口の見えないトンネルの中を彷徨い続けるような日々に別れを告げることができました。会社はもういい。数字、数字じゃないところでやっていきたいという願いが現実になりました。今は誠実のこの業務をもう少し続けてみるべし。最新の経歴をぬりかえたいです。明日は医者通い。少し本を読んだり断捨離も進めたいですが、結局パソコンの時間が長くってほとんど進まないでしょう。公園のサクラは花びらが散り、美しい緑の葉桜へと移ろいゆきます。この頃の緑がいちばん美しいなあと思います。

 写真は本文と全く関係なく、2012年『エリザベート』の初日前記者会見。げきぴあからです。子ルドの清史郎君、ちっちゃい。この舞台でぐっと歌がうまくなりました。
息抜きに・・・。


どうにか月曜日・・・

2016年04月04日 22時18分50秒 | 日記
 自分の部屋に帰り、パソコンを立ち上げてツィッターやブログを読むのがささやかな幸せ、息抜き時間。かわいいイケメンの清史郎君情報や花ちゃんが菊田一夫賞を受賞したニュースなど、今日はいろいろとあふれています。出勤中は普通にネットをみることが全くない生活になったので帰ってきてからが忙しいです。さっそく清史郎君が登場しているお写真を使わせてもらいました。トップの写真は、映画『クハナ』の公式ツィッターより。左から二番目がいつの間にかサックスをひけるようになっている清史郎君。立ち姿があまりにかっこよくで感動です。ミュージカルの舞台に戻ってくる日が本当に楽しみ。『エリザベート』の今年のプロモーションビデオが公開されたしチケットの抽選が始まるし、来週は『バスティーユの恋人たち』の初日だし、なにかと賑わっています。繰り上げ採用となったため、抽選でゲットした11日の初日のチケットは泣く泣く弟に譲ることにしました。私は休みをとって12日を観劇予定。4月は他にも一日、5月も一日観劇予定。加藤ロナンと小池ロナン、どちらも観たいので・・・。帝劇は去年の8月の『エリザベート』以来かな。いろんなことがありすぎてわかんなくなっちゃいました。

 ほんとに時は流れました。仕事は大変ですが繰り上げ採用とならなければ今も収入が途絶えたまま社会から孤立し続けているわけで、そう思うとぞっとします。社会活動してごはんを食べることはできないので、こうしてまた普通に働く人に戻ることができたのはやはりよかったのだと思わざるを得ません。しかも派遣とはおさらば!くさりきった会社とはおさらば!名目上雇用主だった、吐き気がするほど大嫌いな派遣会社とはおさらば!今の就労先も一般のイメージとは違い中に入り込んでみるとかなりお粗末で驚いていますが、それでもくさりきった会社にいるよりも、「あなたの雇用主は派遣会社です」よりもマシ。私にとっていいことなんだろうなとようやく思えるようになりました。責任者から色々と言われることにも慣れてきました。お金をいただきながら勉強しているようなものなので、注意してくださるのはありがたいことだと拝聴することにしました。詳細を書くことは一切できませんが、作業自体はむずかしくなくても背景にあることがものすごく深く、様々な人間模様ありで勉強になるのです。こういう所に入り込まなければ知り得なかったことだらけで、楽しくありませんが会社にいるよりはるかに面白いです。

 言うべきことはいったさ、やるべきことはやったさ。だからもう結果は私にとってもうどうでもいいのかもしれません。どのみち何も期待できないことがわかっているので何も期待していません。もう忘れていかなければなりません。こうしてやり直しの入口に立つことができたのは、W先生がおっしゃるようにラッキーなんでしょうね。妹と両親が眠るお墓の前で、守ってくれるようにと祈り続けました。ユダヤ人収容所から家族の中でただ一人生環した精神科医のフランクルは「それでも人生にイエス」と言いました。「希望を失わなかった人だけが生き延びた」と『夜と霧』の中で書いています。『夜と霧』のことも紹介したいですが、色々とあるので追いつきません。金曜と土曜の夜は疲れてお風呂の中で眠っていました。あぶない、あぶない。夜は寒いし、まだ冬のコートに冬服です。明日も一日が無事に終わっていきますように・・・。

午後はセミナー

2016年04月03日 22時37分29秒 | 日記
 乳幼児精神保健学会の勉強会と懇親会で、また久しぶりに都心に出ました。こうしてブログやFBを開いたりしている時間も長いので断捨離はほとんど進みませんでしたが、気持ちがあったかくなる休日の午後となりました。二年前だったと思いますが、スパービジョンでとても勉強になるセッションをされたご夫妻の来日講演。最後は涙を誘われるようなあったかい症例の紹介でした。きっとご夫妻のお人柄なんでしょうね。日本にいるとほとんどピンときませんがご自身が戦争によって難民となり生まれた国を去ったという体験をお持ちだそうです。症例も故国を去り移民となって住んでいる国でのご家族の治療の紹介でした。細かくは書きませんが、大きな喪失体験(妹、両親、仕事=収入)を失ったことに、自分の嫌な面も含めて正面から向き合ってきた自分は間違っていなかったと再確認することができた講演でした。大きな喪失体験を自分の力で糧としました。

 懇親会で久しぶりにW先生にお声かけさせていただきました。私が仕事を再開できたことに、「あなたすごくラッキーよ、ほんとによかった、あなたはもっと早くから自分に自信をもてばよかったのよ」と言ってくださいました。私いつもずっとうつむき加減で歩いていたので、「自信がなさそうに見えるから、あれはよくないと思う」とも。振り返ればこの二年間、社会から孤立した孤独の中で、自己責任論の前にすっかり自信をなくし、なにか社会に対してうしろめたいようなものを感じ続けてきたので、パソコン背負いながらいつも社会から隠れたくなるような、引きこもりたくなるような想いで過ごし続けてきました。社会に対して言うべきことをちゃんと言ったのだから自信をもてばよかったのに、今の社会の仕組みの中では、そもそも持っていない権利を主張したことになるので、辞めなかった自分が悪いんじゃないっていう言葉の前には何もいうことができず、収入も途絶えたままだったし、すっかり自信をなくしていました。また自分が仕事やれるなんて全く思うことができませんでした。ようやくどうにかまた仕事をやれそうだというところまできた自信を回復しつつあります。国家資格を直接活かすことはありませんが、全く無関係ではなく日々勉強の中でいつか活きてくることもあるかもしれません。毎日が色々な家族模様、人間模様との出会い。その分ストレスと緊張も高いですが、最新の経歴をとにかく10年以上同じ会社で派遣でしたから今の就労先に更新したいです。先日提出した書類の結果なんてもうどうでもいいことなのかもしれません。言うべきことは言ったということが大切。くさったような会社なんてこっちからおさらば!という感じです。今週はまた土曜が出勤なので明日、明後日と出勤したら水曜は休み。医者通いですが断捨離少し進めたいです。来週の火曜は帝劇だし、苦しみ抜いた二年間をようやく抜けた感で明日もまた無事に過ぎていくようになんとかやっていきたいと思います。水曜が待ち遠しい。清史郎君の可愛い動画みるのがささやかな癒しのこの頃です。今日も長文になりました。読んでくださった方、ありがとうございます。

心にしみる言葉

2016年04月03日 12時05分31秒 | 日記
若松英輔 ‏@yomutokaku · 8時間8時間前

30歳から一年間、全く本が読めなかった。仕事が忙しくて読まないだけだと言い聞かせていたが、読めなくなった自分に気がついてもいた。文字を再び読めるようになったのは、仕事で甚大な失敗をして、会社人としての信頼が失墜したときだった。手にしていたものを失って私は、言葉と再会したのである。***************

 大きなものを失うということは、同時に失わなければ出会うことのなかったたくさんの別の世界との出会いであり、自分の中から生まれてくる慟哭のような言葉たちとの出会い。そこにいたるまでのプロセスは苦しくってたまらないですが、出会った時ひとすじの灯が自分の中にともり、別の世界へと通じるあらたな道がみえてくるのかもしれないしれません。たくさんの本やミュージカルのパンフレット、DVDなどの文化的なモノをのぞけば、もう失うものが私にはありません。断捨離してモノたちを整理しながら、自分の感性を信じて少しずつ進んでいきます。まだやり直せるだけの人生の時間が私には許されているはずだと思いたいです。妹と父、母が見守っていてくれますように・・・。

第1章_性別職務分離の状況_⑧雇用形態の多様化

2016年04月03日 09時37分07秒 | 卒業論文
 ここで、近年の雇用形態の多様化を概観したい。序章ですでに触れたように、平成不況の長期化により、今日OLを取り巻く環境は厳しさを増すばかりである。要員は削られ、定型作業の一部は「パートさん」や「派遣さん」に委ねられてゆく。繰り返しみてきたように、これまで女性は若年短期補助労働力と位置づけられてきた。女性は数年働いた後、結婚その他の一身上の都合により辞めてくれることを期待されていた。退職した女性に代わって、また新卒者を雇い入れるという循環が繰り返されてきた。

 しかし、近年は、正社員に替わって、パートや契約、派遣労働者など、正社員よりも賃金が低く身分が不安定な非正社員を常用の基幹労働者として雇い入れる傾向にある。総務省統計局「労働力調査特別調査」から、雇用者中の正規の職員・従業員の割合をみると、男女とも低下傾向にあるが、とりわけ女性での低下が著しく、2001(平成13)年では女性は52.2%と、前年に比べ1.4%低下している(男性は87.5%、前年比0.8%マイナス)(図1-18)。「リストラ」によって、正社員で働いていた女性が仕事も職場も同じなのに、派遣会社の社員に転籍になったとか、契約社員にさせられたとか、長年パートで働いてきたのに契約更新が切られた、契約期間が短期になった、労働時間を短くさせられたなど、女性の働き方に変化が生じている。1)平成不況下で女性労働は、まず雇用の調整弁として労働市場を追われると同時に、常用労働者の代替として再び縁辺労働市場に呼び戻される傾向にある。多くの女性が非正社員化する今日的傾向は、正社員の限定・非正社員の動員という人事管理の結果であり、女性労働者が景気・生産量調節弁的機能を担わされていることを示している。

 はじめから終身雇用と年功賃金の適用外におかれる非正社員の活用によって、企業は雇用量の弾力性、人件費の節約、そしてキャリア展開のむつかしい定型的または補助的な労働の専担者確保という、大きな利益を得ることができる。非正社員は60年代末の人不足の時期、主婦パートタイマーの活用によってはじめて層として形成されている。初期には年功制の周辺的な存在であった。しかし75年以降には、経済の国際競争が激化し、企業が年功で昇格し昇給する正社員の徹底した絞込みの必要性を迫られるにつれて、この労働者層の増加は一途をたどる。そして円高傾向が定着した85年以降には、非正社員は、正社員の界隈でいよいよ本格化した能力主義的選別に押し出されるかたちでさらに加速度的に増えた。同時に、その形態も、パートタイマー、アルバイト、派遣労働者、契約社員・・・と著しく多様化している。平成不況のおよそ93年以降には、非正社員として働くことは、とくに女性にとってもう全くノーマルな就業コースである。雇用形態別に概観してみよう。

  図1-18
厚生労働省雇用均等・児童家庭局編『平成13年版 女性労働白書』
付80-付表71雇用形態別役員を除く雇用者数の推移(資料出所:総務省統計局「労働力特別調査」各年2月)をもとに作成。

契約社員

 雇用契約は、期間の定めのないのが原則である。正社員・正職員といわれる労働者は期間の定めのない雇用契約である。これに対し臨時社員、契約社員、期間の定めのあるパートタイマー・アルバイト・嘱託などは有期雇用契約である。パートやアルバイトと呼ばれていても期間の定めがなければ有期契約ではない。2つの雇用契約の最も大きな違いは、労働者にとっての雇用の継続性・安定性の有無である。期間の定めのない契約は、労働者が雇用の継続を望む場合、解雇されてもやむを得ない合理的な理由がない限り定年まで雇用が継続する。解雇の合理的な理由は、整理解雇を含め判例によって厳しく制限されているので、期間の定めのない契約は労働者の地位を安定させる。これに対し、有期雇用は、雇用期間が終了すれば、契約が更新されない限り雇用関係は終了する。したがって労働者にとって雇用の継続性・安定性はないといわなければならない。他方、労働者にとっての雇用の拘束性は、期間の定めのない契約の場合、2週間前に予告すれば、いつでも自由に辞められるが、有期雇用の場合、その契約期間内は、「やむをえない事由」がない限り辞めることはできない。すなわち、辞めたいときはいつでも辞められるのが期間の定めのない契約で、契約期間内は原則として辞められないのが有期契約雇用である。2)

 政府の調査(労働力調査、1998年)によれば、労働者の11.5%が有期契約で、その数は年々増加している。「仕事は臨時的でも季節的でもないのに、契約が期限付なのはおかしい」が、日本では、労働者を「安く」「簡単に使い捨てる」ために有期契約が乱用されている現実がある。日本の法律では、期限付で人を雇うことについては、期間を原則として1年以内とすることが決められている以外には、何も制限がない。本人が了解すれば、季節的な仕事や臨時の仕事でなくても契約社員を雇うことができるのである。3)

 都市銀行では1980年代から、100%出資によって設立された人材派遣会社から有期雇用の派遣・契約社員を勤務させる仕組みが存在しているが、大企業が100%出資で業務委託・人材派遣の子会社をつくり、その子会社の採用者を親会社の職場で働かせる仕組みは、近年業界を問わず、きわめて広汎に存在する。4)  

派遣労働者

 労働者派遣とは、派遣会社に雇用されながら、ユーザー企業(派遣先)の指揮命令を受けて働く、アウトソージング(外注化)の一つである。「専門的業務」への対応として始まった派遣労働は、1986年の派遣労働法施行時には、その対象業務は高度な専門性と特別な雇用管理を必要とする職種ということで26業務に限られていたが、1999年の改正で派遣が認められない職種を除き全ての業務に拡大した。対象業務の自由化は、派遣労働を「専門的業務対応」から正社員に替わる「即戦力確保」へと道を開いた(図1-19)。ただし、新規自由化業務では、派遣期間1年が限度である。これを超える場合は派遣先企業に正規雇用に転ずるよう勧告し、派遣元企業に30万円以下の罰金を科すとしている。派遣労働事業は常用労働者を派遣する特定労働者型と主として登録型の労働者を派遣する一般労働者型に別れるが、急成長を遂げているのは一般労働者型である。5)登録型は、派遣元に登録しただけでは雇用関係はなく、派遣先が決まってから、その派遣期間だけ派遣元と雇用関係が成立する。最も問題が多いのはこの登録型である。

 派遣社員は、20-40歳代の女性を中心とする(図1-20)。派遣社員には、当初、パートと比べて専門性が認められ、好況期には自由でフレキシブルな働き方が働く側にも歓迎され、時間当たり賃金でもパートを上回るものと考えられてきた。しかし、「より雇用調整の自由な労働力」と企業が望む6)今日、派遣労働者は企業にとって使い勝手のよい使い捨ての労働力である。派遣を使えば、企業は雇用主としての責任を負わなくてすむ。つまり、労働基準法に定められた賃金、年次有給休暇、そして労災補償など雇用主に義務づけられた権利保障への関与や社会保険・雇用保険・労災保険といった社会労働保険への加入義務から解放される。企業にとって、派遣会社に支払う料金が、正社員の時間当たり賃金に比較して一見多少高いように思えても、結局は安くなるのである。契約期間が限定されているので、企業の都合のやめてもらえる。企業にとって派遣社員を活用することは、人件費の削減と雇用調整が容易であるというメリットがある。派遣会社の営業担当者は、「派遣を使えば正社員より年間○○万の経費削減になります」といって仕事を受注してくる。7)
 
 派遣社員の側から問題を考えてみよう。企業にとっての使い勝手のよさは労働者にとっての働きづらさを意味する。派遣社員の労働条件の保障は、働きたい仕事内容や曜日・時間を選べる(図1-21)など、企業にとらわれない自由な働き方を望む派遣社員にとってかなり危ういものである。 派遣社員の賃金は、派遣元と派遣先との交渉による派遣料金の70-75%だが、派遣会社にとっては、派遣社員に支払う給料は「売上原価」である。一般の「人件費」ではなく「商品の値段」としての派遣社員の賃金は、市場の影響を強くうける。不況期には料金交渉におけるユーザーの決定主導権が強く、料金抑制が派遣社員の賃金にしわよせされてくる。派遣労働ネットワークのアンケート調査によると、1994 年1,704円だった平均時給は98年に1,660円、99年には1,400円台に下がっている。9)
 
 さらに、派遣先での労働条件の細目が、賃金、労働時間、休暇など全般にわたって契約内と食い違っているのが普通である。特に仕事内容については、一般職採用がきびしく抑制されていることもあって、一般職に割当てられていた庶務的雑用が専門的な仕事をする契約の派遣社員に押し付けられることもしばしばである。そして、派遣社員にとって最大の問題は、就労機会が必ずしもあるいは希望通りに得られないことであろう。派遣先が決まらなければ雇用関係は成立しないので、雇用の保障はなく、安定した収入の見通しが立たない(図1-22)という不安を抱えている。派遣社員の前にたちふさがるのは、雇用責任を負わない「お客様」としてのユーザーなのである。

 派遣労働には他に、契約打切りに伴う休業手当の支払いの不確かさ、交通費込みユーザーは、均等法や労基法さえ空洞化させるようなフリーハンドを享受している。自社採用ならば社会的責任を問われることも「派遣業者を通すと見えにくくなる」(『朝日新聞』1997年7月6日付)のである。その派遣業者は、総じて「お客様」であるユーザーに協力的になっている。そして労働者は、ともかく働き口と収入を確保するために、派遣先ではもとより派遣元でも、「使いにくい」と思われないように振舞う。派遣労働者が「軽やか」なのは、経済的に頼れる親や夫がいて、好きな時間に好きな仕事をできる例外的な場合だけである。

パートタイマー

 総務省統計局「労働力調査」10) によると、週間就業時間が35時間未満の非農林業の短時間雇用者(以下「短時間雇用者」という)は、平成13年(2001年)には1,205万人(男女計)となった。うち女性の短時間雇用者数は829万人(短時間雇用者総数の68.8%)である。「賃金構造基本統計調査」によると、女性のパートタイム労働者の1日当り所定内実労働時間は5.6時間、実労働日数は19.5日、賃金をみると、1時間当りの所定内給与額は899円である。また、女性パートタイム労働者と女性一般労働者との賃金格差についてみると、平成2000(12年)は、一般労働者の所定内給与額を時給換算したものを100.0とした場合、パートタイム労働者は66.9となった。賃金格差は前年と比べ0.4%ポイント拡大し、拡大傾向にある(図1-23)。厚生労働省「パートタイム労働研究会中間とりまとめ」では、格差拡大の要因として、第一に「職種構成の変化」をあげている。職種別にみると、パートタイム労働者は販売店員(百貨店店員を除く)、スーパー店チェッカーなど賃金水準の低い職種でそのウエイトを増しており、これが全体の賃金格差拡大に影響していると考えられるため、パートタイム労働者の職種構成を正社員にそろえ、同じ職種における女性パートタイム労働者と正社員との賃金格差を推計すると、格差は正社員の約8割の水準となり、職種構成の違いを加味しない場合に比べて10%以上縮小する(図1-24)。格差拡大の要因として、第二に就業調整をするパートタイム労働者は、しない場合よりも時間当たり賃金の伸びが低いこと、第3に月給制の多い正社員の時給換算した賃金は、時短を実施することで上昇するため、パートタイム労働者との賃金格差が拡大するという影響が考えられる。 11)

 このような正社員と非正社員との間の処遇と保障の歴然たる差は、さらに正社員内部のジェンダー格差を超えるだろう。「女だから低い処遇」が「非正社員のパートだから低い処遇」に置き換えられることによって、実質上の性差別が生き残るといってもよい。この、女性非正社員に対する公然たる差別は、1999年4月1日から施行された改正均等法の下でも許される。均等法では、「雇用管理区分」の違いによる取扱いは、「女子であることを理由とする」差別にあたらないからである。 ここには、間接差別が残っていること、雇用管理区分の差は均等法では是正できないという問題がある。「性」を基準にして女性だけを排除したり不利に取り扱うことは直接差別だが、「性」に中立な基準であっても、その適用の結果、一方の性の多数が排除されたり不利になる基準を設けることを間接差別という。たとえば、賃金を世帯主に高く支払うという基準は、世帯主の多くは男性だから、多数の女性は低い賃金しか支払われないことになる。男女別賃金のような直接差別が違法とされると、世帯主と非世帯主というような間接差別に形を変え、実質的には差別はなくならない現実がある。

 パートの多数は女性であるから、パートは賃金を低くするという決め方は、直接「性」を基準にしていなくても多数の女性の賃金を低くするものである。よって、パータイマーの待遇は、間接差別に当る。国際的には、直接差別だけでなく間接差別も禁止しなければ差別はなくならないとされ、1995年1月、国連の女性差別撤廃委員会は「日本政府は、私企業等が雇用機会均等法の規定を遵守するよう保証し、かつ私企業等において、昇進及び賃金に関して女性が受けた間接的な差別に対処するために執られた措置について報告しなければならない」と勧告している。しかし、改正均等法では、間接差別に関する規定は設けられなかった。
そればかりか、指針で、女性差別であるか否かは、雇用管理区分ごとに判断するとされてしまった。雇用管理区分とは、職種や資格、雇用形態(有期雇用か常用雇用か)、就業形態(パートタイムかフルタイムか)など、他の区分の労働者と異なる雇用管理を行うことを予定して設定しているもの、である。そのため、パートと正社員の間に格差があっても、それは雇用管理区分の差だから均等法では是正できない、ということになってしまう。これでは、パートや契約、派遣労働者の女性たちには、セクシャル・ハラスメント防止を除くと、直接役に立たないといえる。


1) 女たちの欧州調査団『なくそう パート/契約労働/派遣 差別』2頁、2000年2月。

2)『働く女性と労働法 2002年版』、東京都産業労働局労働部労働環境課。

3)女たちの欧州調査団、前掲書、17頁。

4)熊沢誠『女性労働と企業社会』59頁、岩波新書、2000年。

5)井上輝子・江原由美子編『女性のデータブック[第3版]』98頁、1999年。

6)熊沢、前掲書、70頁。

7)大塚美樹『派遣社員の自信がでる仕事術』109頁、中央経済社、2000年。

8) 女たちの欧州調査団、前掲書、29頁。

9) 熊沢、前掲書、72-73頁。

10) 労働力調査における就業時間は、毎月の末日に終わる1週間(12月は20-26日)における就業時間を把握したもの。


11)厚生労働省雇用均等・児童家庭局編『平成13年版 女性労働白書-働く女性の実情』34-38頁、(財)21世紀職業財団。

12)熊沢、前掲書、60頁。

13)東京都産業労働局『働く女性と労働法 2002年版』。

14)女たちの欧州調査団、前掲書、42頁。

*****************

図表はワードファイルからコピーできないので、GWにスキャンして追加掲載できればと思っています。前職で働きながらこのような卒論を書きました。卒論にこのようなことを書きながら派遣に甘んじてしまった自分は本当に甘かったです。甘さを見事につかれました。私が派遣に戻ることなど二度とあってはなりません。まだやり直しの時間はあると思います。

『木靴の樹』のパンフレットからの引用、もう少しお待ちください。こちらもまだまだ続いていきます。

心にしみる言葉

2016年04月02日 22時04分47秒 | 日記
若松英輔 ‏@yomutokaku · 4月1日

正しい事を求めるのはよい。だが、その正しさが、矛盾を包含していないとしたら、生きて行く上ではほとんど役に立たない。机の上ではつじつまが合うだろうが、人生はむしろ、矛盾に満ちているからだ。耐えがたい悲しみの経験が、いつしか希望に変わって行く。それが、生きることの秘義だと私は思う。





桜の花びらが舞い散る季節

2016年04月02日 14時54分29秒 | 日記
 昨日、一昨日とお昼の公園は桜の花びらが風に吹かれて舞い散り、葉桜となっていく美しく、同時に哀しさがどこかにある風景がひろがっていました。私は信号を渡って目の前にあるコンビニで冷やし中華とおでんを買って公園のベンチでいただく日々を送っています。毎日ほど同じメニュー。同じでないとなぜか落ち着きません。くもり空のもとで今住まいの窓の外では桜の花が満開です。季節は移ろい昨日は4月1日。昨日はびっくらぽんの人事異動を間近でみて驚きました。たとえば昨日まで土木課の課長だった人が突然福祉課の課長となってやってくるというような話をカウンセリングスクールの事例検討で聞いたことがありますが、そんな類です。色んな意味でこれは大変なことだと感じました。ご本人はもちろんこと、周囲も大変です。これが社会の現実。どうなんでしょうか。考えてしまいます。

 一年前の自分はどうだったのかと振り返ってみるとこんな私がいました。

 http://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/dcb5e6b71a8b285460b297caa2e17017

 http://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/47059d58db41c649e6a6af29317c5bef

 一年余りの闘いの末ボロボロになって疲弊し、悔し涙があふれるばかりでした。自分の中に吹きだまった怒りと悔しさのマグマを鎮静化していくには書くことしかありませんでした。通信教育で卒論の指導をしていただいた先生の薦めもあり、その後3カ月余り私はひたすら書き続けました。書くしかありませんでした。この時から一年が過ぎ、一昨日のブログに書いたように、どうやら私は新しい世界に踏み出していく最初のヤマを超えることができたようです。ここにたどり着くまでの二年間、社会から孤立した孤独な日々の中で自分の感性を信じて進んでいきました。それは間違っていなかったと思います。私が真面目に一生懸命にやってしまうのをいいことに働かせるだけ働かせた挙げ句のモノ扱い。会社に対して何もモノ申すことなく引きさがってしまうのでは自分が可哀想すぎでした。会社のやり方はあんまりだと思いました。結果的に会社の責任はなしということになりましたが、逃げ切ったように見えてもここまできたら私の勝ちだという気がします。社会の仕組みは会社に責任なしで間違っていないので、もちろんかたちのうえでは私の負けですがそういうことではなく、なんというか私は負けなかったんだと思います。たくさんの人が同じような事態に遭遇したとき何も言わないままあきらめると散々言われてきました。なにか言う人は社会にとっては迷惑で邪魔くさい存在。別に社会活動家じゃない、ただの一般人なのでそんなすごいことをするつもりなんて全くありませんでした。そんなすごいことになっていくなって全く思っていませんでした。気がついたらすごいところまで進んでいました。よくやったと思います。会社にいた頃も体重は40キロを切っていきましたが、闘いになっていくとさらに体重は落ちていき、38キロを切ったこともありました。この小さい体でふらふらになりながらも気力でふんばっていました。そんな日々に比べると平日は生活時間帯が朝にずれた分だけ少しマシかもしれません。2時に就寝して7時に起きるのと、12時半に就寝して5時半に目が覚めてしまうのとでは同じ5時間睡眠でも疲労度が違います。現在の状況、慣れてきて少しずつ落ち着きつつあるし、作業自体はほんとにつまらないですがものすごく勉強になることがあります。毎日そんなこと知らなかったということに遭遇します。こんな機会はめったに訪れないのでやれるところまでやってみようと思います。最新の経歴を前職の13年、派遣で諸々の一般事務やってましたから、現在の職務に塗り替えていくにはもう少し続けるしかありません。半年やれば塗り替えることができます。そこまで行くことを目指すしかないという気持ちにようやくなることができました。もう少し時給が高いといいなあ。望むべくもありませんが・・・。

 前職で毎年新入社員が入ってくるたびに諸々の社内手続きを教えていました。社員向けの勤怠表システムや出張精算システムの操作方法、通勤費の請求方法などなど、そのほかにもあれやこれやと社員じゃない私がだれよりも社内手続きを熟知するようになっていました。あの日々は私にとっていったいなんだったのか。そういえば近年はやらなくなっていましたが、花見大会もやっていました。いやでもこの頃になると思い出してしまいます。さすがにそれを手伝うことは求められませんでしたが、なにかとケータリングやビールの手配などもよくやっていました。最初の頃はむしろ会社にいくことが楽しかったのに、社会の流れの変化と共にどんどん息苦しくなっていき、いつしか能面でいないと出社できないようになっていました。今思い出しても辛い日々でした。好きでそうしていたわけではありません。いつしかそうしないと会社で坐っていることができなくなっていました。少しつず忘れて行って新しい場所でとりあえずほどほどに一生懸命やります。詳しく書けませんが現在の職務でご一緒している方の中に、3年間派遣で働いた会社に「ここで社員にしてくれなかった私は辞める」と言ったら社員となり15年以上働いたという方がいらっしゃいます。働いてきた人から提訴された実績のある誰でも知っている大きな会社です。15年以上働いたので退職金はそこそこだったそうです。その方は当時20代半ばぐらいだったというのも大きかったと思いますが、そこまで言い切ることもできないままずるずると続けてしまった私との差は、退職金があるかないかで歴然としています。そんな話をきいてしまうと悔しさがまたよみがえってきますがもう考えても仕方ありませんね。

「2011年12月1日(木)雨

やっとこの時期らしく雨で寒い。
中はバカみたいに暑かったりするので具合が悪くなりそうだ。

『赤毛のアンのお料理ブック』が届いた。アンセミナーのランチタイムにおしえてもらった。ちょうどなんと吉村さんのブログにこの本のことがでていてびっくり。
写真がすごくきれい。

Still face(能面)はいやだ。
自分でもこわい。
でも仕方ない。
自分は認めてあげよう。」


無事に金曜の夜・・・

2016年04月02日 00時00分27秒 | 日記
 FBを読んだり書いたり、ツィッターをみたりしていたので今日はかんたんですが、無事に金曜の夜を迎えています。疲れました。早く休もうと思いながら記事を書いているうちにおそくなってしまいました。明日と明後日連休です。わーい。日曜は世界乳幼児精神保健学会のセミナーに申し込んでいます。忘れるところでしたがちゃんと思い出しました。きっとこれからはいいことだってあるさって思える寒い春の夜。桜の花がきれいですね。また明日・・・。