福島第一原子力発電所
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/de4eefbe155a7890934ca58979c59c57
『福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書 』より、
「福島第一原子力発電所の被災直後からの対応
-3月11日の対応-地震発生直後の対応
2011年3月11日14時46分、東北地方太平洋沖地震が発生した。このとき、1~3号機は運転中、4~6号機は、定期点検中であった。また4号機は全燃料を使用済み燃料プールへ取り出して、原子炉内の炉心シュラウドの交換工事を実施中であった。
1~3号機では、地震を検知して原子炉が自動停止し、全制御棒が挿入された。14時54分~15時02分の間に、1~3号機全てで原子炉未臨界が確認された。
1~6号機では、地震直後に外部電源を喪失した。このため、1~3号機ではフェイルセーフの機能が働き、主蒸気隔離弁が自動閉止して、原子炉がタービン系から隔離された。全てのプラントでは、ディーゼル発電機が直ちに自動起動し、電源はいったん回復している。
制御棒が挿入され、主蒸気隔離弁が閉止した後、1~3号機すべては原子炉への注水を開始した。原子炉の注水には、1号機で非常用復水器(IC)が、2、3号機では原子炉隔離時冷却系(RCIC)が、それぞれ用いられた。ここで、ICとは原子炉内の蒸気を原子炉格納容器の外へ導いて、熱交換器を通して水に戻し、再循環系配管から再び原子炉内へ注入する系統である。また、RCICとは原子炉内の蒸気を原子炉格納容器外に導いてタービンの動力とし、その動力でポンプを動かして、原子炉へ冷却水を注入する系統である。
1,2号機の中央制御室では、崩壊熱を最終ヒートシンクである海へと導くための操作も行われた。1号機では15時04分から15時11分にかけて原子炉格納容器冷却系を圧力制御室冷却モードで起動した。3号機では、津波の引き波から海水ポンプを保護する観点から、残留熱除去系を直ちに起動することをしなかった。
-3月11日の対応-津波の来襲
15時27分、最初に大きな津波が福島第一原子力発電所に来襲した(水位は高さ4m)。次に大きな波は15時35分で、波高計(7.5mまで測定可能)を破壊し、高さ10mの防波堤を超えて、主要建屋設置敷地内へと押し寄せた。1~6号機すべてにおいて非常用海水系ポンプが被水して機能喪失し、崩壊熱を導いて海で排熱することができなくなった。また、主要建屋設置敷地もほとんど冠水した。水は、主要建屋内にも浸水し、安全上重要な設備の多くが被水することになった。
15時37分から15時42分にかけて、1~5号機では全交流電源喪失状態となった。また、1、2,4号機では直流電源も喪失した。原子力災害対策特別措置法(原災法)第10条第1項の規定に基づく特定事象(全交流電源喪失)が発生したことが、15時42分に報告された。
-3月11日の対応-人的な被害
被災後、4号機タービン建屋において現場調査中の東京電力社員2人が行方不明となり、後に浸水した同建屋地下1階から遺体で発見された。津波に巻き込まれて亡くなったと見られている。また、福島第二原子力発電所でも、排気筒クレーン操縦室で作業中の協力社員1人が、地震により亡くなった。」
⇒続く
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『福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書 』より、
「福島第一原子力発電所の被災直後からの対応
-3月11日の対応-地震発生直後の対応
2011年3月11日14時46分、東北地方太平洋沖地震が発生した。このとき、1~3号機は運転中、4~6号機は、定期点検中であった。また4号機は全燃料を使用済み燃料プールへ取り出して、原子炉内の炉心シュラウドの交換工事を実施中であった。
1~3号機では、地震を検知して原子炉が自動停止し、全制御棒が挿入された。14時54分~15時02分の間に、1~3号機全てで原子炉未臨界が確認された。
1~6号機では、地震直後に外部電源を喪失した。このため、1~3号機ではフェイルセーフの機能が働き、主蒸気隔離弁が自動閉止して、原子炉がタービン系から隔離された。全てのプラントでは、ディーゼル発電機が直ちに自動起動し、電源はいったん回復している。
制御棒が挿入され、主蒸気隔離弁が閉止した後、1~3号機すべては原子炉への注水を開始した。原子炉の注水には、1号機で非常用復水器(IC)が、2、3号機では原子炉隔離時冷却系(RCIC)が、それぞれ用いられた。ここで、ICとは原子炉内の蒸気を原子炉格納容器の外へ導いて、熱交換器を通して水に戻し、再循環系配管から再び原子炉内へ注入する系統である。また、RCICとは原子炉内の蒸気を原子炉格納容器外に導いてタービンの動力とし、その動力でポンプを動かして、原子炉へ冷却水を注入する系統である。
1,2号機の中央制御室では、崩壊熱を最終ヒートシンクである海へと導くための操作も行われた。1号機では15時04分から15時11分にかけて原子炉格納容器冷却系を圧力制御室冷却モードで起動した。3号機では、津波の引き波から海水ポンプを保護する観点から、残留熱除去系を直ちに起動することをしなかった。
-3月11日の対応-津波の来襲
15時27分、最初に大きな津波が福島第一原子力発電所に来襲した(水位は高さ4m)。次に大きな波は15時35分で、波高計(7.5mまで測定可能)を破壊し、高さ10mの防波堤を超えて、主要建屋設置敷地内へと押し寄せた。1~6号機すべてにおいて非常用海水系ポンプが被水して機能喪失し、崩壊熱を導いて海で排熱することができなくなった。また、主要建屋設置敷地もほとんど冠水した。水は、主要建屋内にも浸水し、安全上重要な設備の多くが被水することになった。
15時37分から15時42分にかけて、1~5号機では全交流電源喪失状態となった。また、1、2,4号機では直流電源も喪失した。原子力災害対策特別措置法(原災法)第10条第1項の規定に基づく特定事象(全交流電源喪失)が発生したことが、15時42分に報告された。
-3月11日の対応-人的な被害
被災後、4号機タービン建屋において現場調査中の東京電力社員2人が行方不明となり、後に浸水した同建屋地下1階から遺体で発見された。津波に巻き込まれて亡くなったと見られている。また、福島第二原子力発電所でも、排気筒クレーン操縦室で作業中の協力社員1人が、地震により亡くなった。」
⇒続く