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たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『エリザベート』からの徒然の

2015年06月16日 11時07分22秒 | ミュージカル・舞台・映画
エリザベートのプレビュー初日の感想にたくさんの方が訪問してくださいました。
つたないものを読んでいただき、ありがとうございます。
ついでに他の記事ものぞいてくださっていたら嬉しいです。

私のような立場の者が、19年前のエリザを観ていて、2000年も観ていて、今回のプレビュー初日も観ているというのは、たぶん稀少ですね。

この舞台を観るたびに、ルドルフ亡き後シシィが棺にすがって、「ママは自分を守るため、あなたを見捨ててしまった♪」と泣く姿に、21年前妹との突然のお別れとなった時の自分を重ね合わせているんだろうと思います。
今ならシシィとフランツは、私と同じ立場ということになります。
シシィは、トートに連れて行ってほしいとすがりつきますが、トートは「まだ私を愛してはいない」と拒みます。
宝塚版では、そのあとに「死は逃げ場ではない」というトートの台詞がありましたが、東宝版ではないですね。
今回からなくなったのかな、ちょっとあやふやです。

ルキーニに刺された後、シシィが自ら黒いドレスを脱いで真っ白な簡素なドレス姿になる演出になったのは、シシィがのぞんで黄泉の国へと旅立っていくということを表現しているのかな。
今まではトートダンサーが、黒子のように黒いドレスを脱がせるという演出だったと思います。細かいところで変わりました。
井上さんトートと花ちゃんシシィ、二人ともシンプルな白い衣装で手をとりあう立ち姿はすごく美しかったです。
なんだかこういう日がおとずれるなんて夢のような。
こんなコンビでのエリザベートは二度とないかもしれません。

初日カーテンコールの動画をみると、井上さんが「若くない人もいますが・・・」と言った時に、花ちゃんは苦笑い?またそういう話をするの?っていう感じだったのかな。
香寿さんは大爆笑していますね。19年前はルドルフでした。
変わったようで変わらないタータンにすごく安心感。
同時に過ぎた年月のおもさを感じます。
20年ぐらい前、宝塚の中でも雪組がすごく好きでした。
杜けあきさん、一路さん、なんどもなんども観ました。
香寿さんの演技とダンスも好きでした。
はなちゃんの初舞台は、涼風さんがオスカルを演じたベルばら。
星組でミーミルを演じていたのも観ています。
それから雪組にきて一路さんとコンビを組みました。
全作品観たと思います。

それから20年が過ぎ、きっと役者さんたちも私個人も、それぞれに精一杯自分の時間を生きてきて、現在(いま)なんだろうと思います。
こうしてまた新生エリザベートとして出会うことができたし、私自身も人生やり直しの時、
この作品も宮廷を舞台にしたどろどろの家族劇とも言えるわけで、生きていくことはどろどろの中にひとすじの希望の灯を見出していこうと必死にもがきながら進んでいくことなのかもしれません。
私希望の灯がどこにともっているのか見えなくて苦しい時が続いています。

宝塚版では、結婚式の翌日ゾフィに叱責されたシシィが一度はナイフを抜いて、「わたしだけに」を歌い、歌いきるとナイフを鞘におさめて倒れます。
そこに舞台の盆がまわってセリがあがり、スモークがたかれる中、トートが姿をみせて倒れたシシィを見つめます。
宝塚初演の一路さんトートの、この時の立ち姿と表情が好きです。
東宝版の初演では、一路さんシシィが「わたしだけに」を歌いながら、重い扉を必死にあけていくという演出でした。


「生きてさえいれば自由になれる♪」
生きていこう、もう少しがんばってみよう、自分を信じて進んでいこう。
そういうエネルギーを、私もまた取り戻していくことができるのかな。
いやなものを知り過ぎてしまったので今はまだわかりません。
どこに行ってもこれからもまたどろどろで、それに耐えられるだけのエネルギーはまだ戻ってきていません。死力を尽くすということはそれぐらい人を消耗させます。
今度の土曜日の観劇までに、もう少し心のエネルギーを回復できているといいです。今はまだ悔しさと虚しさに引っぱられています。
これでも回復のペースが早い方かもしれません。時間は必要ですが、それほどのんびりしているわけにもいきません。でもやっぱり時間は必要。
むずかしいところ。希望がみえればな。希望がみえないときついです。


今回は子役のスケジュールがアップされないですね。
次回の子ルドはだれか楽しみにしたいと思います。
2013年のレミゼではガブローシュだった月杜君。
将来は清史郎君や知憲君と切磋琢磨しながらに日本のミュージカル界をひっぱっていってほしい。期待感の持てる美しい歌声でした。
そんな日がくることをすごく楽しみにしています。


『エリザベート』プレビュー初日からの思いなど、徒然に書いてみました。
なんだか自分の歴史と重ね合わせながら観ているところがあって、どこまでも思いは尽きません。


東宝のフェイスブックにアップされた舞台写真をさっそくお借りしてしまいました。


山崎さんルキーニ



花總さんシシィ、結婚式の場面




花總さんシシィ、鏡の間



井上さんトートと花總さんシシィ、少女時代に最初に出会った場面



井上さんトートと山崎さんルキーニ、



井上さんトート