65オヤジのスタイルブック

山本耀司のエロチシズム

 

白の美術館と関連するインタビュー

先日、白の美術館と言う番組のインタビューで山本耀司氏のインタビューがふと目にとまりました。

川久保玲と共にパリコレで黒の衝撃をもたらした氏の美意識を再認識したインタビューでした。日本のファッションに対するとりわけ若者に向けられた言葉が強く印象に残り、それは、彼のエロチシズムに起因するのですが、これがまた、興味深く共感する点が多くありました。

それは、肌の露出を否定する彼のデザインにも反映されていて、端的に言えば見えないものに対する美しさの想像ということにつながっていて、今のすべてに露出した社会への警鐘とも思えました。

ただ、美術の世界においては、少しずつ変化が生まれていて、たとえば、今まで世に出ず評価されなかった浮世絵の「春画」が展覧会として成立したり、現代美術の広がりと同時に江戸以前の日本美術が世代を超えて再評価されるなど、美意識の広がりは徐々に浸透しグロ―バル化しているように思います。

反面、戦後のアメリカ文化一辺倒だった状況から抜け出して、歴史あるヨーロッパ文化が徐々に浸透してふり幅が広くなってはいますが、色々なものが見えてくることで逆に没個性につながっているようにも思えます。

こんな時代だからこそ、エロチシズムの根源ともいえる見えないものへの想像力を持っていないといけないと感じます。


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