65オヤジのスタイルブック

シネコンの弊害

現在、地元に1軒だけあった、映画館が閉館することになった。

この映画館は、愛知県を中心にパチンコ、飲食店などの複合施設を経営する、いわゆるシネコン形態の映画館を持つ会社だ。

もとは、地元の映画館を経営して、パチンコ経営に転換、その後シネコン形態で成長した企業で、残念ながら隣接市に本部を移転している。

かつての茶々丸オヤジの街は、三つの映画館があった。僕の店の前には、東映系の映画館があり、前述の映画館は、東宝系で、もうひとつの映画館は大映系の映画館と記憶している。

僕の小学生の頃は、ゴジラ、ガメラの怪獣ブームがあり、子ども達の、唯一の娯楽が映画だった。大映系の映画館では、小さな恋のメロディが上映され、初めて洋画を経験した。

また、2階席中央に映写機室があり、時々その部屋をのぞき観ながら、映写機のカタカタとまわる音に、胸を躍らせた。

やがて、三つの映画館は、シネコンの波に押され閉館。形を変え、パチンコ店の2階に設置された、映画館も閉館となる。

企業は、本来社会的貢献や地域貢献の一端を担う役割を持たなければならないと思っている。発祥の地の映画館が、様々な理由があるかと思うが、なくなるのは残念でならない。

シネコンも冬の時代と聞く。地方のシネコンも閉館に追いやられるケースは多い。シネコンにより、地方の映画館が閉館に追い込まれる。追い込んだシネコンも経営不振を理由に閉館する。

そんな中でも、地方の小さな映画館は、経営努力を重ねながら存続している。彼らが、なぜ存続しうるのか。文化に携わる者との使命感が、訪れる人々に伝わってくるからだと思う。

圧倒的な数と収容力を誇るシネコンだが、文化を発信する使命を忘れずに、自らの弊害を打破してもらいたい。


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