65オヤジのスタイルブック

白鷺城に見る美の本質

世界遺産の姫路城の修復工事が終了し、その姿があまりにも白すぎることが話題になっています。この話題、白鷺城をもじって白すぎ城と揶揄する言葉まで生まれるほどで、修復前よりもかなりの白さに驚きます。

しかしながら、この修復復元工事は間違いではなく、歴史に詳しい者や僕のような美に携わる者にとっては、むしろ称賛に値する功績といえます。

テレビのインタビューで、歴女といわれる女性が、本来ある姿を観ることができる喜びを語っていましたが、この言葉こそが正しい見解です。

ともすると、経年変化により生じた現在の姿を美しいと思うことを美の本質と一緒にしてとらえがちです。しかし、それは間違いであって修復可能なものは、その作業を怠ることなく続けていかなければ後世にその美を残すことはできません。

たとえば、仏像などは本来は金色や極彩色の姿でした。また神社、仏閣のにおいても、常に修復を施している建造物は、その姿を保っています。白鷺城も、次の修復までに経年変化が進んでいき生まれたままの姿を見ることができなくなります。美の本質とは変化も含めた美しさで、その始まりと言うべき今を楽しむことが大切です。


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