映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は若き巨匠グザヴィエ・ドラン監督作品「Mommy／マミー」です。
カナダ出身の俳優でもあるグザヴィエ・ドラン。若き天才と称される彼の存在は知ってはいたものの、なかなか作品を観る機会がなく、今回の作品が初の鑑賞です。
本作は、2014年のカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。フランスの巨匠、ジャン＝リュック・ゴダールと共に受賞しています。
物語は、新政権が樹立したカナダで、S-14法案により発達障害児の親が経済的困窮や身体的、精神的な危機に陥ったときに、養育を放棄し障害児を施設に入院させることができる法律により、切り離された親子が、院でも手に負えない息子と再び生活をスタート。法律による翻弄される家族と隣人を交えた不器用な愛のかたちを描いてます。
アウトローな生き方をしながら、息子に対しては節度を持って接しようとする母ダイと母の元に戻ったことで男らしく生きようとし、破天荒な行動をとる息子スティーヴ、そして心に傷を負い休職中の女性教師カイラ。ぶつかり合いながらも三人が心を通わせ進む奔放な愛の生活が生き生きと描かれていて、言葉や行動とは裏はらの美しさを感じます。
聴きなれた音楽と斬新なカットワーク。彼が若き天才と称されるのも納得がゆく作品でした。
知る限りの情報では、すべての作品や彼自身が俳優とし演じている作品は、すべてまったく違うもので、今回の作品を通じて他の作品にも触れてみたいと思う魅力を感じます。
