映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、世界的ビールメーカー。ハイネケンの魅力に迫るドキュメンタリー作品「ハイネケン~世界を魅了するビールの魔法~」です。
学生時代、外国のビールと言えばバドワイザー全盛の時代に育った僕にとって、ハイネケンの出会いは衝撃でした。その芳醇な香りと滑らかな喉こしは、ビールの僕の概念を覆るものでした。
忘れられていた過去の想い出を蘇らせてくれたのが、今回のドキュメンタリー映画。ハイネケンの歴史を人形劇でつぶさに紐解くファンタジックな演出は斬新でした。また、世界中で愛されるハイネケンのビジネスマインドを通して、ビジネスの本質を改めて考えることができる名著のような映画です。
唯一無二のハイネケンビールだけを売るブランド戦略の中で、その国で愛されるビールメーカーを買収しながらも、その国にあるビール文化に寄り添いながら、ハイネケンビールに新しい文化価値を加えていくことは、ビジネスを超えた新しい価値創造につながっていくように思います。
また、初代に起こったハイネケン存続のための保有株の売却から二代目による再買収、誘拐事件などハイネケン一族の歩んだ苦難の道は、端に同族経営だけでは語ることができない、高い理想に立っており、雇用者のみならず、文化のみならず、その国の抱える社会的な問題にまで踏み込み、愛されるブランドへの進化を続けています。
この作品を観た人全てが、新たな気分でハイネケンを吞みたくなるに違いありません。