名古屋ボストン美術館で開催中のボストン美術館日本美術の至宝(後期)展を観賞しました。
今回の展覧会は、前期と後期に分かれ、一部作品を除いて、ほぼ完全な展示作品替えで行われています。
今回の展示の目玉としては、先ずは挙げたいのは、尾形光琳の松島図屏風。栄達、送達と琳派の流れの中で描かれてきた「松島図」を、題材を同じくして師匠と異なるダイナミックに描かれています。
また、現在もっとも人気の高い江戸の絵師、伊藤若冲の名品の「鸚鵡図」は、動植さいえに通じる初期作品で緻密で色鮮やかな作風です。また、水墨画に新しい技法を用いた筋目描きを生かした「十六羅漢図」が並び、若冲の異なる絵画技法を比較できます。
また、前後期を通じて展示されている曽我蕭白の「雲龍図」を除き、五点の屏風が新たに展示され、奇才の魅力を十二分に堪能できます。
前後期通じて、観賞に時間がかかる二大絵巻物のコーナーでは、夕方から観賞して最後に観られるのをおすすめします。
残すところ2週間余りとなった今回の展覧会。平安から鎌倉、室町、江戸へと続く時代を彩った無名、有名の国宝級の名品が並びます。今回の機会を見逃さず、日本美術を巡る旅を味わってみてください。