国立京都近代美術館で今月16日まで開催中の「ホイッスラー展」を観賞。
アメリカ人のジェームス・マクニール・ホイッスラーは、印象派の画家たちと交流を持つロンドンを拠点に活躍した画家です。印象派の画家がそうであったように、彼もまた歴史や教訓などをテーマにした物語る絵画を否定し、視覚的な喜びを追求した唯美主義を唱えた画家です。
その彼の今回の展覧会は、世界でも20数年ぶりの回顧展で、日本でもここ京都とその後横浜の開催という美術ファンにとっては待望の展覧会となります。
ホイッスラーの作品はトーンを抑えた落ち着きのある色彩が特徴的で人物は憂いをたたえ、風景はどこか郷愁を感じました。また、日本や東洋の美術や工芸品から着想を得た作品も数多くあり、その画風は印象派の画家とは一味違う画風で、ジャポニスムの先駆者としてその名を知られている彼の作風の一端を垣間見ることができました。
ジャポニスムによる印象派の画家たちが最注目されている昨今、今回のホイッスラー展は、新たな画家の出会いを経験することができる貴重な展覧会となるでしょう。