岐阜県美術館で開催中の「オディロン・ルドン夢の起源」展を鑑賞。
オディロン・ルドンは、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの画家です。今回の展覧会は、故郷ボルドー美術館や当館を含む国内の美術館の所蔵品150点からなる、ルドンの芸術の軌跡をたどる展覧会です。
初期の木炭画やリトグラフに後期の油彩画などが並びます。ルドンは、モローと並ぶ象徴主義の画家として有名ですが、初期の木炭画では自然主義的作品が並び、リトグラフなどのモノクロームの作品では、神話に題材をとる作品がめだち、堕天使や擬人化した生物などに自然と幻想が融合した作品が多くみられました。
晩年の作品では、さらにその幻想的な作品が色彩豊かな油彩画へと昇華され、観る者をルドンの夢の世界へと導いていくように感じました。
今日、ルドンコレクションと言えば岐阜県美術館と言われるほど、所蔵作品は群を抜いており、こうして他のコレクションが一堂に並ぶと、一段とその価値が増すように思います。
岐阜県美術館は、個人的にも好きな美術館です。その理由は、美しい庭園と館内にあるパイプオルガンや訪れた時にも、チェロのコンサートが行われていて、クラシックの定期演奏会も行われています。
また、学芸員や美術館スタッフも積極的にコミュニケーションを持たれ、館長自ら案内をされている光景も見られます。
歴史ある美術館にぜひ足を運んでいただきたいと思います。