65オヤジのスタイルブック

生命の重さ(いのちのおもさ)

十九歳の無念―須藤正和さんリンチ殺人事件

角川書店

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○事件をドキュメントした力作であり、生前の正和君の優しさを感じる。

お昼のワイドショーで栃木リンチ殺人事件での警察の捜査怠慢を認める判決と一連の事件の経過を紹介していた。事件の詳細はここを参考に。

あまりの残酷さに胸が痛んだ。そして、殺された正和君が犯人の少年たちの両親を殺すとの言葉に、逃げることさえできず、ひとりでリンチを受け続けたことに彼の優しさを感じ、何と美しい心を持った青年かと思った。

よくいじめの問題で、いじめられる側の責任を問う場合があるが、いじめに耐えいじめの側に立たない子供たちは美しく優しい心を持っている。
悪は、いじめる側にあると僕は断言する。

今回の栃木リンチ殺人事件は、主犯格の少年のいじめ(恐喝)が発端だ。
そのいじめの連鎖が被害者の正和さんに及び。そして正和さんが次の相手を選ばなかったためにリンチを受け続け死にいたったのだ。

そして殺人にいたる原因が両親の必死の訴えに耳を傾けず、ボールペンをくるくる回し、調書もとらないおろかな警察署員の不注意な発言だった。そして事件後その署員はわずかな停職と減給処分だけで今も働いている。
また、主犯格の親は何と警部補(後に退職)だったと言う事実を知れば、怒りをおぼえない人はいないだろう。

加害者少年たちに、一分でも美しい心があっただろうか。また彼らの親たちは美しい心を養う作業を彼らに与えただろうか。
こんな酷い犯罪を生む背景には、美しいと感じる心生む世界が存在しないことに起因しているのではないか。
きれいごとのように思われる人がいるかもしれないが、美を養う環境や教育が今必要だと僕は思う。

参考文献:栃木リンチ殺人事件 黒木昭雄著

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