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コートールド美術館展 愛知県美術館

 
愛知県美術館で開催中のコートールド美術館展を鑑賞しました。
 
化繊事業で財を成し、イギリス人実業家のコートールドのコレクションによる印象派、後期印象派の作品が並ぶ本展。古典主義の強いイギリスにあって印象派の画家たちの作品をいち早く購入し美術館に寄贈したコートールドの作品は、マネやセザンヌ、モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーギャン、ドガなど馴染みのある画家たちの代表作が並び、改装となる美術館以前の展示写真をモノクロームのパネルで展示、作品のほぼすべてに詳細なキャプションをつけたり、美術館を代表する画家たちの名画には、解説付きの作品パネルが展示されるなど手の込んだ演出で誰もが楽しく絵画に触れ合える空間となっています。
 
そんな楽しい演出の中で、ひと際印象的なのはマネの代表作、フォリー=ベルジュールのバー。ミュージックホールの一角にあるバーカウンターを描いた作品でうつろなの女店員を中央に配し、バックにある鏡にホールの情景を映し出した名作です。画面の隅々に至るまで物語が存在し、想像力を掻き立てる。この作品に出合えるだけでも価値の高い展覧会と言えます。
 
他には、コレクションの中核をなす印象以降の画家たちに多大な影響を与えたセザンヌのコレクションやオルセー美術館の草上のマネの昼食の元絵のとなった同タイトルの秀作「草上の昼食」にナビ派のボナールやポスト印象派のスーラー、ロートレックにロダンの彫刻などフランスを代表する芸術家の作品がならぶサブタイトルの「魅惑の印象派」にふさわしい、魅力が満ち溢れた展覧会です。
 
東京からスタートした本展、名古屋では3月15日まで、その後に神戸にて3月28日から6月21日まで開催されます。コートールド美術館が現在改装中により、本展が実現したともいえる幸運を、ぜひあなたの目で体験してください。


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