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【妄言】ガス田開発―現実的な妥協ができた【和文/朝日】

http://www.asahi.com/paper/editorial20080619.html#Edit1

 日中関係の懸案のひとつに、ようやく解決の道筋がついた。東シナ海のガス田について、一部を共同開発することなどで両政府が合意したのである。

 海底資源などの権利を主張できる排他的経済水域(EEZ)の線引きに絡んで、長くもめていた問題だ。やっかいな線引きを棚上げし、なんとか妥協にこぎつけたのはよかった。

 合意の対象は2カ所の開発だ。すでに稼働直前の段階にある白樺(しらかば)ガス田(中国名、春暁)について、日本側が中国の開発会社に出資し、出資比率に応じて利益を分ける。もう一つは、日本側が主張する両国沿岸からの中間線をまたぐ海域で、新たに日中折半で共同開発する。

 双方が日中関係の全体をにらんで歩み寄ったということだ。100%中国資本で進めてきた開発に日本の参加を認めるのは中国側の譲歩だが、出資比率の交渉はこれからだ。日本側もこの2カ所以外の開発については明確な言質をとらなかった。

 この問題は5年ほど前、中国側が中間線付近で一方的に開発を始めたことから急浮上した。当時、小泉首相の靖国神社参拝などで関係が険悪化した時期だったため、両国のナショナリズムがぶつかり合う形になってこじれた。

 そもそもEEZは、沿岸から200カイリまでを主張できるのが基本的な国際ルールだ。だが、日中のように地理的に接近していると双方の200カイリが重なってしまい、どこに線を引くかで利害がぶつかることになる。

 日本は、両国の沿岸からの中間をとってEEZの境界とするよう提案している。一方、中国は大陸棚が続くところまで沿岸国の権利は及ぶとの理屈から、沖縄の近くまでを中国側とするよう主張している。

 一時は、中国側がガス田近くの海域に軍艦を出動させて示威行動を見せたり、日本側も日本企業に開発許可を与えたりして緊迫したこともあった。

 結局、今回の合意は線引き問題に触れなかった。双方の主張が平行線のままなのは変わらない。

 それでもこうした妥協の形ができたのは、福田首相と胡錦濤国家主席の政治的な決断があったためだ。部分的に譲歩しても関係改善の流れに弾みをつけた方が、お互い利益が大きいという大局的な判断だ。

 北京五輪を前に対日関係を安定軌道に乗せておきたいとの中国側の思惑もあったに違いない。

 温家宝首相が「東シナ海を平和の海に」と和解を呼びかけて2年がたつ。決着までこれだけの年月がかかったところに、ナショナリズムが絡む問題で妥協することの難しさが見て取れる。

 原則での対立は横に置いて、大局で手を結ぶ。そんな現実的な知恵をほかの懸案でも働かせてもらいたい。

 

要約:
もし日本と中国で利益が対立した時には日本が譲れ。


久々の朝日らしい社説、ある意味安心した。
さて、上記社説でも書いているとおり、依然として「大陸棚が続くところまで沿岸国の権利は及ぶとの理屈から、沖縄の近くまでを中国側とするよう主張」しつづけているのだが、当然現実的な「妥協」を要求するのだろう。
尚「ガス田近くの海域に軍艦を出動させて示威行動を見せた」中国は、いまや世界第三位の軍事大国である。

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【雑感】東中国海問題、中国側の一貫した主張と立場に変更なし【和文/人民日報】

http://j.people.com.cn/2008/06/18/jp20080618_89865.html

  外交部の定例会見で17日、姜瑜報道官が国内外の記者の質問に答えた。

  ――このほど日本で、東中国海問題で中日両国が間もなく合意することについていくつか報道があったが、これについてコメントは。

  中日双方は東中国海問題協議で合意に達した後、適切な時期に発表を行う。私が強調したいのは、双方は東中国海を平和・協力・友好の海にするとの両国指導者の重要な共通認識に基づいて適切に問題を処理し、その結果は互恵・ウィンウィンのものになるということだ。

  東中国海問題における中国側の一貫した主張と立場に変更はないことを重ねて言明したい。春暁ガス田は完全に中国の主権の範囲内にあり、共同開発とは無関係だ。東中国海の境界線問題で、いわゆる「中間線」を認めない中国側の立場に変更はない。(編集NA)

  「人民網日本語版」2008年6月18日


 国内紙の報道をみていると、「とにかく話し合いが始まったんだからいいじゃないか」という論調に見える。
 筆者としては、共同開発をエサにして中間線という日本の主張を実質的に中国に認めさせた、のであれば外交上日本の得点だと考えていた。
 実際は、マスコミは「棚上げ」などと美称しているが、外交部の発表を見る限り棚上げどころではなく、「沖縄まで中国領」という主張から全く変わっていない。

 中国が中間線を受け入れなければ、席を蹴るくらいして構わないのに、これでは、日本が金とEEZを一方的に中国に献上する内容にすら見える。
 敢えて、利点を挙げれば、現日本政権の融和政策が、日本の国策には合致するものではないと、近い将来国民に知らしめる種をまいたこと、国際社会に対して「中国も中間線を意識している」とアピールしたくらいだろう。


 などと書いていたら、中国人民は、交渉結果に対して「従来の主張を曲げない中国側の得点」とはとても考えていない模様。

・中国の反日愛国主義サイトに批判殺到 東シナ海ガス田共同開発合意で【和文/産経】
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080619/chn0806191151004-n1.htm

 【北京=福島香織】日中両国政府が東シナ海ガス田の共同開発に合意したことについて、中国民間保釣(尖閣防衛)連合会などインターネット上の反日愛国主義サイトの掲示板に、抗議デモを呼びかける書き込みが相次いでいる。「売国協議に署名した」「そんな統治者なんかいらない!」と内容は過激。中国共産党の指導者を名指しで批判するなど、原則的に党に忠実な愛国的民族主義青年こと「憤青(怒れる青年)」がここまで党批判の言論をとることは極めて異例だ。

 中国民間保釣連合会の掲示板には19日、「大規模学生抗議デモに立ち上がれ」と題して、「小泉(元首相)に抗議していた熱血青年たちはどこにいった? 君たちの国家利益は政党にさっさと売っぱらわれた!」といった党批判を含む抗議が書き込まれた。さらに「国家利益を顧みない統治者なんかいらない」「われわれは統治者を選択する権利はないが、奴隷にはならない。国は売らない」「腹の立つことに、東シナ海に関する掲示板は(言論統制で)みな封鎖されている」「福田を中南海(北京の政治中枢)に来させて、hu(胡錦濤国家主席)とwen(温家宝首相)を彼の子分皇帝にしろ」と中国の現政権を名指しで批判し、同連合会に大規模デモを組織するよう要求している。

 こういった激しい書き込みは、「中国918愛国フォーラム」や「愛国者同盟ネット」などにも殺到。最近の胡錦濤政権の対日重視外交にいらだちを募らせていた憤青の怒りが一気に爆発したかっこうで、このままでは世論の人気に支えられてきた胡錦濤政権の基盤を揺るがしかねない勢いだ。

 大規模デモの呼びかけについて、中国民間保釣連合会の童増会長は「今は会議中でコメントできない」としており、対応を慎重に協議しているようだ。

 

 ガス田をネタに抗日世論の顔をした現政権批判が再燃しつつあるまさに今日、中国が空自に輸送させるのを嫌がった「救援物資」を積んで、護衛艦さざなみが中国にむけて出港した。http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20080619AS3S1802719062008.html

 この分だと
・海上デモをかける
・岸壁で反日デモをかける
・救援物資を海に投げ捨てる
・自衛隊員を襲撃する

 等々、中国側から自爆してくれるかもしれない。
「われわれは統治者を選択する権利はないが~」といった書き込みからすると、実に刺激的。
 まあ、中国には『国家政権転覆扇動罪』という罪状があるわけだが。

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【雑感】「おから工事」と批判、国家政権転覆罪に 四川の元教員【和文/朝日】

http://www.asahi.com/international/update/0618/TKY200806180337.html

 【香港=奥寺淳】四川大地震で倒壊した学校の建築手法を「おから工事」と批判した元大学教員(56)が国家政権転覆扇動の容疑で公安当局に逮捕されていたことが18日わかった。香港の人権団体「中国人権民主運動情報センター」が伝えた。今回の地震をめぐる言論が同罪に問われたことが明らかになったのは初めて。

 逮捕されたのは四川省の西南科技大学の元教員・曽宏玲さん。曽さんは海外のウェブサイトに政府批判の文章を3度掲載し、「香港人が建てた校舎は問題なかったのに、なぜ政府が建てた校舎は全壊したのか」と問題提起。豆腐のように簡単に崩れるおから工事が「私たちの子供の未来を奪った」「政府の教育予算が少なかった」と指摘した。

 同センターによると、曽さんは9日夜に公安に連行され、家族が刑事勾留(こうりゅう)の通知書を受け取った。学校の倒壊問題を巡っては、当局は政府批判の封じ込めを強めている。


 悪名高い『国家政権転覆扇動罪』、建築物に対する問題提起でも適用されるところが恐ろしい。
 当然外国人であっても容赦されないので、中国に批判的な言動をしている人は注意が必要である。
 さしずめ筆者など、個人情報がばれたら、次回中国に入国次第逮捕されるだろう。
 それ以前に入国拒否されるだろうが。

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【雑感】中国の軍事費が世界三位?【中文/環球ネット】

http://news.xinhuanet.com/mil/2008-06/16/content_8380039.htm

 ストックホルム国際平和研究所の報告で、中国がフランスを抜き世界で第三の軍事費大国になったというニュースについて。
 人民日報が「アメリカの軍事費は世界一」と摩り替えたにも係らず、真正面からがっぷりと取り組んでしまったのが、環球ネット。
 まあ、中華帝国民族国粋主義イエローペーパーだし。

要約:
中国の軍事費は世界で三番目だ、だが他国の脅威になることはない。

「他国の脅威にならない」理由として、物価が高いからなんとか。

 論点を上に書いたとおり、中国脅威論の回避を書いているが、そこはそれ『中華帝国民族国粋主義イエローペーパー環球日報』のこと、
「わが国は世界三位の軍事大国アル、小国ひれ伏す宜し」
という感情が、行間からにじみ出ている。

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