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2005.11.24雑感

 23日は〔自衛軍〕が目白押しであった。

【日本・自民党、新憲法草案を公表】
http://www.people.ne.jp/2005/11/23/jp20051123_55342.html
【日本憲法草案の言葉遊びを分析、戦争放棄承諾への侵蝕】
http://news.xinhuanet.com/world/2005-11/23/content_3821456.htm
【自衛隊と自衛軍、一字の違いはなにか】
http://news.xinhuanet.com/world/2005-11/23/content_3825105.htm

 他にもいろいろあるようだが、カウントするつもりもない。内容は大同小異、全部「日本が右翼軍国主義的侵略国家になる」で要約できる。
 〆はおきまりの「日本は反省しおとなしくする」なのだが、三番目の記事ではこれまでとちょっとニュアンスが違う。以下抄訳を載せる


「国際社会並びにアジア国家は、上から下までの日本はかつてアジアと日本の人民に侵略戦争で多大な災難を与えたことを忘れることなく、現行の平和憲法を尊重、維持し、アジア地区の平和を維持することを希望する」


 周知のとおり元ネタは1972年9月25日晩餐会における周恩来の発言
「日本軍国主義者の中国侵略によって、中日両国人民がひどい災難をこうむった」
なのだが。これまでこの発言は「中国を侵略したのは〔日本〕ではなく〔日本軍国主義者〕である」「中国の人民のみならず日本国民も苦労した」と解釈されていたし、中共も一貫してこのスタンスをとってきたと記憶している。靖国でいいがかりをつける時も、「正確に歴史を認識しなければならない」の主語は「日本政府」だった。だいぶ前から「災難を蒙り」「平和を希望する」のが〔日中人民〕→〔アジア〕→〔国際社会〕と範囲が広がってはいたが。
 この記事では、元記事も新華社だが、主語が「上から下までの日本は」になってる。ちなみに原文の表現は「日本上上下下能gou不忘侵略戦争」(gouは句に多)
 この一文はどこで切るかによって別の解釈も可能で、筆者は「日本上上下下」で切って「上から下までの日本は侵略戦争を忘れることなく」と訳したが、「日本」で切ると「日本は侵略戦争を上から下まで忘れることなく」となる。どちらも主語が〔日本政府〕〔日本軍国主義者〕でないのは同じだが。
 いずれにせよ、このように微妙な表現の記事を載せてきたのは注目されてよい。一週間前なら「反日教育世代が記事を書くようになったか」で済んだのだが、15日あたりからどうも腰が定まったらしい新華社の報道なので、それなりに中共の意図が入っていないわけがない、これも追跡対象としたい。
 当中共の反応に関して日本のマスコミは不気味に沈黙している、流石にあきれているのだろうか?

 遊びで中共の意図と犯人の推理など、サスペンス小説の執筆が煮詰まっているのだ。
 個人的には〔自衛軍〕よりも〔防衛軍〕〔国防軍〕がいいかと思うのだが、中共は〔自衛軍〕に定着させたくて報道を流しているのだろう、おそらく。さらに推理を進めて、もし自衛隊の次期呼称が〔自衛軍〕であれば、英名の"Self defence force"がそのまま使えるのでお役人は楽かと思える。この騒ぎで一番得するのは防衛庁の官僚という事か、つまりはこいつらが犯人だといえる。日本で報道されないのもこれで説明がつく、だろうか?今でも外に出てしまえば"Japan Army/Nany/Air Force"なのだが。
 関係ないが、頭の中でさっきからずっとゴジラマーチが鳴り響いている。

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 日米関係など。

【日米同盟は日本軍に太平洋で生きる通行証を与えた】
http://news.xinhuanet.com/world/2005-11/23/content_3822313.htm

 外電(シンガポール聨合早報)の引用記事、「中国を見据えた日米同盟の見直しで日本軍はよりプレゼンスを増し、特に台湾を共同安全目標に入れた事により中国との見えない摩擦が高まる」との論調。台湾とMDを気にしている。つまるところ中共が何を気にしているか、分かりやすい記事。

【日中関係の衰退は、日本に損失が大きい】
http://news.xinhuanet.com/world/2005-11/23/content_3822652.htm

 元ネタ環球時報の反日面白記事、

「日本が今右傾化しているのは不景気だからだ。小泉内閣は日米関係を重視し、日中関係をないがしろにしているがどんどん孤立している。今年以降日中の政治関係の悪化は経済にも及び「政冷経冷」の状況が起こる」

との要旨なのだが・・・非常に要旨が取りづらい文章である。論旨となると苦労という他はない、とりあえずクライマックスを抄訳してみる。

「今年にはいってからの日本のやりかたには次の特徴がある。外圧を煽って国民感情を刺激し、その国民感情を元に外国に強行姿勢をとっている。中国の民衆感情を刺激し傷つけ、相手の譴責特に一部の民主の過激な行動を利用し、本国の民族感情に訴えて、国内支持を得た後再び対外的に強行姿勢を取る。次に(註1)主客転倒(註2)して、攻めを以って守りとし。中国の教科書と愛国主義教育に文句をつけ、「政冷」の責任を中国に転嫁する。三番目は「再び賭ける」やりかたで、華を圧し譲歩させる(註3)。中国に日本首相の靖国参拝が当たり前だと思うように仕向け、最終的に相手の立場を動揺させる。四つ目は別の話題をもってきて、論点をずらす。去年のアジアカップ「ファン事件」や今年の日本への行列(註4)を利用し、大々的に国際広報をおこない、日本を「被害者」に「仕立て上げ」、侵略歴史等の問題を曖昧にし、欧米の世論を争奪し、アジア隣国を反対に制した」

註1:一番目がなにか不明
註2:原文は「反客為主」該当する日本語が「主客転倒」なのでそう訳したが、「逆切れ」が妥当な意訳だと思われる
註3:原文は「圧華譲歩」
註4:原文は「渉日遊行」文脈からすると「反日デモ」の事と思われる

 外圧利用の国民感情煽りも、逆切れも、しつこい要求の拡大再生産も、論点ずらしも、全部中共の特技だ、という指摘はさておき。
 筆者は文脈を追う邪魔にしかならない為、註釈が嫌いである。文章を書く時にも註釈は入れない、読者が文脈に沿って読めば文意が伝わる文章を心がけているつもりである。そんな事を考えているから遅筆なのだという自覚もあるが、拘りなので仕方がない。ついでに言えば括弧書きも極力控えるようにしている。
 極力原文のニュアンスを残そうとしたせいもあるが、例えば句読点は原文にあわせた、上の4註釈、筆者の完敗である、実に悔しい。
 それでなくとも、この華夷秩序の臭いすら漂う、表現が異なるだけで同じ文意の繰り返される、詭弁に満ちた文章は意味不明なのに。後にはさらに、国交回復、右翼教科書、岸、中曽根まで出てきて完全に論旨が取りにくくなっている。
 これ書いた人間はかなり頭が悪いのか、境界性人格障害を患っているものと思わざるをえない。あるいは、記事の書きようがないあまり、朝鮮民族特有の鬱火病を発病したのかもしれない。

 統括、実に楽しい。中国情報を整理している、という大義名分が立つので時間中でも作業ができるので能率もよい。自称海外非常事態対策要員だから、常日頃の情報収集は欠かせないのである。
 今日は、アルデアル調の硬い文章にしてみた、これはこれで書きやすい。

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