【ラサール石井 東憤西笑】:万博応援団が真っ当な批判を“言われのないネガキャン”と表現するのは問題のすり替えだ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ラサール石井 東憤西笑】:万博応援団が真っ当な批判を“言われのないネガキャン”と表現するのは問題のすり替えだ
万博が始まり1週間が経った。開幕初日の大混雑も緩和され現在はかなり落ち着いた雰囲気だ。
ただあまり混雑していないのも不安になる。当初予定していた入場者数は達成出来るのか。
そもそも最初試算された入場者数は半年間で2820万人を見込んでいた。この数字はどこから生まれたのかはわからないが、1日にならすと約15万人入らなければならない。
世界のテーマパークの1年間の入場者数のランキングを見れば、1位のフロリダのディズニー・ワールド・リゾート「マジック・キングダム」が1772万人。2位はカリフォルニア「ディズニーランド」で1725万人だ。半年だから単純に半分にすれば約800万人。万博はその3倍強を動員しなければならない。いや、それは無謀な試算ではないだろうか。3位以下の日本のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンと、ディズニーランド、ディズニーシーの半年分の動員数を3つ合わせたら2100万人。これをも超える数字を叩き出さなければならない。いや、これは大風呂敷を広げたものだ。
しかし高科淳副事務総長は21日の記者会見で「順調な滑り出しで、想定通りだ」と強調した。なんだか戦時中の大本営発表のように、いくら負けても「連戦連勝」だと言い続けるのだろうか。
さらに万博応援団の皆さんは過激なまでに擁護する。ただ褒めるだけではない。万博批判を繰り広げる人々を口撃する。横山大阪市長は「ネガキャン対策も進めますが、ごく一部のばかばかしい『反万博ビジネス』『反対ありき』の政治家や一部メディアの声は必要以上に相手にしなくていいとも思ってます」と言う。なんだ「反万博ビジネス」って。そんなものが儲かるわけないだろう。どう考えても万博擁護のほうが金になるはずだ。だいたい、批判されるべき事実を報道して給料をもらうのは当たり前だ。ビジネスなんてものじゃない。ただの仕事だ。
■半端ない“上から感”の反論
それに自分たちに対する批判を、いわれのないネガキャンと表現するのが、問題のすり替えだ。
維新の人以上に露骨な擁護派が辛坊治郎氏だ。「私はこの万博、メタンガスで爆死するリスクを犯しても行くべきだと思う」。凄いね。いや爆死に匹敵する面白さって何? ていうかメタンガス爆発の危険性は否定しないんだ。「大量に検知されてるのは大屋根リングの内側からはかなり離れている場所」だからマスコミはそこをちゃんと書け、とおっしゃっているが、その場所はバスやタクシーが発着する辺りだ。そこだって爆発したら大変だ。
さらにあの大屋根リングには「この大屋根リングに登るだけで、入場料の元は取れる」「この建築物、350億円は安い! と本気で思う」。
いやいや350億は安くはないですよ。そして初日の、リングの下で雨やどり出来ないという報道には「こんなクソみたいな、意図的ネガキャン記事を垂れ流すから、メディアは信用を無くすのだ。兵庫県知事のケースと同じだね」。出ました「クソ」((C)ホリエモン)、やっぱり「ネガキャン」、その上なんで「兵庫県知事」が出てくるのか。ABCラジオ「辛坊治郎の万博ラジオ」てのをやってたんだね。そりゃ褒めるわな。万博擁護、斎藤知事擁護、それは別にいいけど、なんかこの人を代表に、そちらの人はとにかくみんな上から感が半端ないのはなぜか。

1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。
元稿:日刊ゲンダイDIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・連載「ラサール石井 東憤西笑」・大阪・関西万博】 2025年04月25日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます