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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳・04.16】:参院選候補者に元他党議員も…もはや与野党に政策や価値観の差はない

2025-04-21 07:40:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【政界地獄耳・04.16】:参院選候補者に元他党議員も…もはや与野党に政策や価値観の差はない

 『漂流する日本の羅針盤を目指:【政界地獄耳・04.16】:参院選候補者に元他党議員も…もはや与野党に政策や価値観の差はない 

 ★与野党ともに候補者不足が顕著で、自民党から国民民主党へ移り出馬の意向を固めた候補者がいる一方、自民党東京都連も候補者選定で苦しんでいる。ことに今夏の参院選東京選挙区は元厚労相・武見敬三が固まったものの、昨秋の衆院選に出馬した元五輪相丸川珠代の後継者を公募などで模索していた。先週から、その候補者がNPO法人代表理事・渡部カンコロンゴ清花であると政界に流れ始めて、自民党の苦慮がにじむ。

 ★武見ともう1人をどうするか。都連は21年衆院選で落選した元幹事長・石原伸晃の扱いに困っていた。石原は23年に「25年参院選で東京選挙区に鞍替え出馬する」と勝手に宣言。「最近は当選同期の前首相・岸田文雄が(候補の1人として)石原を押し込めないかと画策したこともあった。岸田の思いなのか石原から頼まれたのか」(都連関係者)。岸田は加藤の乱をきっかけに根本匠、塩崎恭久(いずれも政界引退)、石原で「ドライマティーニの会」を結成、定期的に会合を持っていた縁で石原を気にかけていたともいわれる。また別の都連関係者は弁護士で元国民民主党衆院議員、菅野(山尾)志桜里の擁立も考えていた。渡部も菅野も議員時代、メディアで自民党を厳しく批判していたこともあり、党内には反発があるという。

 ★結局、今までなら忘れてくれる話もネットのおかげで昨日のことのように有権者は政治とカネ、旧統一教会との付き合いなど過去の負債を忘れてくれない。自民党に厳しいくらいの候補者を擁立して強い改革のアピールをしないと有権者が自民党は変わったと思ってもらえないということか。自民党関係者は「ここでタレント議員やスポーツ選手を擁立しても批判されるし、聞きたくないこと、見たくないことから逃げていても前に進めない」という。ある自民党議員は「他党に声をかけるのは、もう政策や価値観にほとんど与野党の差がないんだよ。よく接着剤になるとかいうが、メールや電話で話はいくらでもできる」と言い切る。だったらなんでもできるはず。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2025年04月16日  07:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・04.15】:消費税は政界再編のトリガーか 各党を二分する維持派と減税派

2025-04-21 07:40:10 | 【税制・納税・減税・消費税・ガソリン減税・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

【政界地獄耳・04.15】:消費税は政界再編のトリガーか 各党を二分する維持派と減税派

 『漂流する日本の羅針盤を目指:【政界地獄耳・04.15】:消費税は政界再編のトリガーか 各党を二分する維持派と減税派 

 ★立憲民主党は11日から財務金融部門などの合同会議を開き、夏の参院選の重要政策に関する議論を開始した。消費税減税の是非が議論の争点。ところが党の初代代表・枝野幸男がこの議論に水を差すように12日、さいたま市で行った講演で「税金だから安い方がいいに決まっているが、借金でやったら次の世代にツケを回すことになる。参院選目当てとしか言いようがない、無責任なことを無責任に言ってはいけない」「給付であれ減税であれ、財源を明確に示さないのは国民生活にマイナスだ」「減税ポピュリズムに走りたいなら別の党を作ってください」と、党内に広がる消費税減税論を強くけん制した。枝野は昨年の党代表選で消費税減税に否定的な党代表・野田佳彦と自身が決選投票に残ったことに言及し「(減税の是非は)党として決着はついている」とそれに従う姿勢を改めて示した。

 ★また枝野発言を受け13日、野田は「私は党の分裂をしたいとは全く思っていない」と党内対立を望んでいないとしながらも、持論の減税否定を崩すことはなかった。面白いことに自民党幹事長・森山裕も13日、党内の参院や公明党に広がる消費税減税議論をつぶすためともいえる、25年度補正予算案の編成を言い出した。11日には官房長官・林芳正が新年度予算が成立したばかりだとして「新たな給付金や減税を検討している事実はない」と発言したばかり。国会は各党を二分する国民のための消費税減税派と将来の借金を作らせない消費税維持または増税派に分かれたといっていい。

 ★思い出すのは12年7月、民主党野田政権で民主、自民、公明が消費税増税法案を衆院で強行採決。小沢一郎ら同党衆参両院議員50人が離党した。枝野はその時のことを指して「別の党を作れ」と離党すればいいとしたが「何年たっても、国民の今の生活を理解しない財政規律派は財務省の手下として、同じことを後100年たっても言い続けるだろう」(立憲議員)。消費税は政界再編のトリガーになる。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2025年04月15日  07:45:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・04.20】:週のはじめに考える コロナの宿題と向き合う

2025-04-21 07:24:50 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説①・04.20】:週のはじめに考える コロナの宿題と向き合う

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説11・04.20】:週のはじめに考える コロナの宿題と向き合う

 2020年1月に国内初の感染者が見つかった新型コロナウイルス。急激な感染拡大を受け、政府が同年4月に初の緊急事態宣言を出してから5年を迎えました。

 約3年に及ぶコロナ禍では、マスク着用での通勤・通学が日常に。外出自粛や休業・休校も余儀なくされました。生きるために必要な活動が制限されたのです。
 厚生労働省は今月から、全国の医療機関で新たに風邪症状の患者数の調査を始めました。感染症の動向を幅広く監視し、未知の感染症を迅速に把握するためです。
 治療を担う組織と感染症発生動向を把握する組織を統合した国立健康危機管理研究機構「JIHS(ジース)」も発足しました。

 ◆検証進まぬ感染症対策

 感染症に対する政府の備えは進んでいるように見えますが、対策が機能するのか、不安は消えません。過去の対策の検証が十分に行われていないからです。
 政府の新型コロナ対策を検討・提案した分科会長を務めた尾身茂さんは、最近の共同通信インタビューに「政府の検証は十分とは言えない。仕事、生活、教育にこれほど多大な影響を与えたパンデミック(世界的大流行)の検証をしっかりすることは次の備えに必要だ」と指摘しています。
 検証すべき項目は多岐にわたります。医療提供、専門家と政府との役割分担、全国一斉休校、長期の休業要請、観光支援事業「Go To トラベル」、アベノマスク配布、東京五輪・パラリンピック開催、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置…。
 政府が講じた対策の効果や課題を検証しなければ、次に備えることはできません。
 さらに重い宿題もあります。
 医療現場の献身には感謝しかありませんが、感染症患者が優先されたため、それ以外の患者治療が制限されました。経済活動の制限により職を失って生活が困窮し、自殺した人もいました。
 命を救う対策が、一方で死者を出す結果を招いたのです。
 必要な医療を幅広く提供し、経済も動かして一人も死なせないことは現実には難しい。
 重い宿題とは人の死や医療逼迫(ひっぱく)など社会の「痛み」をどこまで許容するのか、という問いです。価値観の問題にもつながります。
 実は分科会は22年4月、検討のたたき台を示しています。
 感染症が拡大した場合、(1)社会経済活動の法的な制限を実施、医療は特定の医療機関のみで対応(2)同制限を実施、医療は広く地域の医療機関で対応(3)同制限はせず国民の自主的な対策に任せ、医療は特定の医療機関のみで対応(4)同制限はせず自主的な対策に任せ、医療は広く地域の医療機関で対応-の四つの選択肢です。
 社会経済活動の制限を緩めれば感染拡大で死者が増え、さらに医療機関を限定すれば、医療逼迫の懸念が強くなります。
 逆に制限を強めれば、教育や経済に影響が及び、地域の医療機関にも対応を求めれば院内感染などが拡大する恐れがあります。
 中間的な対応もあり、より多くの選択肢が考えられます。

 ◆痛みも直視して考える

 分科会では複数の委員から、(4)を選ぶ場合「感染者が増加し、高齢者を中心に一定程度の人が亡くなるということを、社会が許容することが必要」「感染対策に強い社会は絶対に必要。一方でそこに向かうために一定の犠牲が出ることはある程度仕方がない面も出てきてしまう。その辺りも直視しながら考える必要がある」との意見が出ました。
 別の委員は「どの選択肢が望ましいかは、価値観に依存する。国民の代表である政策決定者の判断だ」と指摘しました。
 分科会は答えを出しているわけではありません。結局、私たち国民しか決められないからです。
 社会には多様な価値観や考え方があります。感染症対策についても何を目指すのか、そのために何を優先するのか、財源や人材をどの程度投入するのかを巡って意見が分かれ、答えは簡単には出ません。その一方、国民の合意がないままでは、対策を講じても社会の分断を招いてしまいます。
 新型コロナの感染は今も続いています。将来、新たな感染症の出現も予想されています。
 多くの人の命が危険にさらされる感染症に備えるには、平時の今こそ、過去の事例をしっかりと検証し、たとえ難しくても考え、議論し、重い宿題にも答えを出しておかねばならないのです。

  元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年04月20日  07:24:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・04.19】:米政権3カ月 脅しの政策で信頼失う

2025-04-21 07:24:40 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

【社説①・04.19】:米政権3カ月 脅しの政策で信頼失う

  『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・04.19】:米政権3カ月 脅しの政策で信頼失う 

 トランプ米大統領の2期目復権から20日で3カ月。この間、世界各国に高関税を課すと脅しては朝令暮改を繰り返すなど、身勝手な振る舞いで国際社会を混乱に陥れた。トランプ氏は失った信頼と代償の大きさを直視すべきだ。
 トランプ氏の脅しは、同盟国や友好国にも向けられた。
 各国に先駆けて関税引き下げ交渉に入った日本の赤沢亮正経済再生担当相との閣僚協議には自らも同席。貿易と無関係の在日米軍駐留経費の負担増を暗に求めたという。なりふり構わず金銭的要求を突き付ける手法は乱暴すぎる。
 カナダや欧州連合(EU)は対抗措置に動くなど、友好関係にも深い亀裂が入っている。
 金融市場が高関税政策への懸念から「米国売り」を強めると、トランプ氏は関税の一部を急きょ凍結。価格上昇が不安視される自動車やスマートフォンなども特別措置を検討し始めた。場当たり的対応に世界が振り回されている。
 トランプ氏の身勝手さは、国際紛争の和平仲介でも露呈した。
 ロシアのウクライナ侵攻や、パレスチナ自治区ガザでの紛争を巡り、停戦交渉に乗り出したが、鉱物資源の権益を米国に譲るよう迫ったり、米国がガザを「保有」すると言及したり。和平が実現するわけもなく、トランプ氏への国際社会の非難は強まるばかりだ。
 就任3カ月で米国が失った国際社会の信用は計り知れず、対立する中国に付け入る隙を与えた。
 習近平国家主席は、米国が高関税を突き付けたベトナムなど東南アジア諸国を訪問して協力を呼びかけた。米国以外との貿易強化が日本でも公然と語られることも、市場に「米国売り」への不安が根強く残る一因ではないか。
 それでもトランプ氏は、内向き志向を強める共和党支持層の8割超から支持を集め、身勝手な振る舞いを続ける一因となっている。米国内でも、意に沿わない事業や大学への歳出を一部凍結したり、政府職員の大量解雇に踏み切るなど「反トランプ派」に対する締め付けは強まる一方だ。
 在米科学者の多くは国外移住を検討し始め、すでに国外に移籍した著名な大学教授もいる。国富だけでなく、米国が誇る優秀な頭脳の流出が続けば、国力の長期的な低下は避けられまい。トランプ氏は自らが招く危険の大きさに、そろそろ気付くべきではないか。

  元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年04月19日  08:19:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・04.18】:マンション談合 「悪習」を改める契機に

2025-04-21 07:24:35 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【社説①・04.18】:マンション談合 「悪習」を改める契機に

  『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・04.18】:マンション談合 「悪習」を改める契機に

 マンションの大規模修繕で談合を繰り返していたとして、公正取引委員会は独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで、関東地方の修繕工事業者20社以上に立ち入り検査した。マンションは定期的に大規模な修繕が必要だが、不当に高額な施工がまん延しているとの指摘は以前からあった。「悪習」を改める契機にしてほしい。
 全国のマンションは約700万戸。国土交通省の調査によると大半のマンションは12~15年ごとに大規模な修繕を施し、1戸あたり75万~150万円を支払う。入居者でつくる管理組合が漏水や外壁のはがれ、鉄筋の腐食などの経年劣化に備えて修繕費を積み立てておき、対処するのが一般的だ。
 管理組合は多くが、清掃や設備点検などの業務を外部の管理会社に委託している。大規模修繕時も同様で、管理会社や設計コンサルタント業者に任せ、入札などで工事業者を選ぶ。今回、約20社の工事業者は事前に落札業者や額を決めていた疑いがもたれている。
 入居者は不当に高い工事費を支払わされた可能性がある。現時点で今回の立ち入り対象は工事業者に絞られているようだが、「談合の首謀者は工事業者ではなく、主にコンサル業者で、時には管理会社のケースもある」と明かす専門家もいる。国交省は2017年、そうした手法でバックマージンを得ていたコンサル業者が存在すると警告する通知を管理組合の団体などに出している。他地域でも談合が常態化している可能性は捨てきれず、公取委は徹底した調べで全体像を解明すべきだ。
 昨今の資材、人件費の高騰で、当初の修繕積立金では工事費が足らない、という切実な問題も各地で報告されている。適正価格がより見極めにくくなっていることも背景に、いわば、「素人集団」である管理組合側が付け込まれ、談合でさらに工事費がつり上げられているとしたら悪質だ。
 入居者側にも、「丸投げ」にしない程度の知識は求められるが、マンション管理士や建築士ら信頼のおけるプロから逐次助言を得る仕組みを整えておきたい。先駆的な取り組みとして、名古屋市などはマンション管理士らを、講師役として無料で管理組合側に派遣する制度を設けている。ケースによっては公益財団法人「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」などの相談窓口も活用したい。

  元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年04月18日  06:58:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・04.18】:グーグル処分 独占阻む起点にしたい

2025-04-21 07:24:30 | 【中央省庁・内閣府・1府11省2庁・公取委・主任の大臣・事務次官・官房・

【社説②・04.18】:グーグル処分 独占阻む起点にしたい

  『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・04.18】:グーグル処分 独占阻む起点にしたい 

 公正取引委員会が米グーグルに対し、自社を優遇するよう取引先に要求した行為が独占禁止法違反に当たると認定し、排除措置命令を出した。公取委による巨大IT企業に対する厳しい行政処分は初めて。今回の措置を市場の独占阻止に向けた起点にしたい。
 公取委によると、グーグルはスマートフォン端末メーカー6社との取引で、自社のアプリ配信サービスの搭載を認める代わりに、自社の検索アプリなどをスマホ画面の目立つ位置に配置するよう要求した。さらに、メーカー4社や通信会社1社とは、他社の検索サービスを搭載しないことを条件に、広告収益の一部を分配する契約も結んでいた。
 公取委はグーグルが自社優位の条件を強いた結果、ライバル企業の参入が阻害され、消費者の選択肢が狭められたと判断した。
 グーグルは日本国内のネット検索で約8割のシェアを持つ。圧倒的に優位な立場を利用し、市場独占の固定化を狙ったとしたのなら見過ごすわけにはいかない。
 グーグルは「遺憾の意」を表明したが、公正な競争を損ねた疑いで処分を受けたことを重く受け止め、取引メーカーとの契約改善を図らねばなるまい。
 公取委は、弁護士らで構成する第三者機関を設置し、改善状況を5年間監視することも命じた。第三者機関には、外部からは見えにくい巨大ITの経営実態を丹念に調べ、その内容を可能な限り公表するよう期待したい。
 巨大ITは利用者の膨大なデータを活用し、広告収入などで巨額収益を上げるビジネスモデルを確立した。情報技術を駆使して暮らしの質の向上に貢献してきたが、国家への帰属意識が薄く、税逃れも指摘されている。
 国境を超えた事業とはいえ、各国民の税負担で整備された社会インフラを活用している以上、その国の税法や商習慣、ルールを順守するのは当然だ。
 公取委は各国政府・機関とも連携し、消費者や取引メーカーが不利益を被らないよう厳しく監視してほしい。
  元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年04月18日  06:58:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説①・04.17】:内密出産施設 民間任せの現状変えよ

2025-04-21 07:24:25 | 【少子化問題・異次元対策・生殖医療・不妊治療・無痛分娩・少母化・婚姻の激減・

【社説①・04.17】:内密出産施設 民間任せの現状変えよ

  『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・04.17】:内密出産施設 民間任せの現状変えよ 

 東京都墨田区の賛育会病院が乳児を匿名で預かる赤ちゃんポスト「いのちのバスケット」と、妊婦が病院以外に身元を明かさない「内密出産」の受け入れを始めた。命を救うための重要な取り組みだが、民間主導が続く。より多くの命を確実に守るには、国が積極的に関与し、法令に基づく制度化などを急ぐべきだ。
 貧困や障害、親からの虐待などで孤立し、「予期せぬ妊娠」に独りで悩む女性は少なくない。
 こども家庭庁によると、何らかの支援が必要な「特定妊婦」は2020年4月時点で約8300人に上る。事情を抱えて妊娠届を出さず、行政が把握していない妊婦もいる。身元を明かせない場合も多く、孤立出産で乳児の遺棄や虐待に至る事例もある。母子を守るための対策は急務だ。
 赤ちゃんポストは、熊本市の慈恵病院が07年に「こうのとりのゆりかご」を設置し、23年度までに179人が預けられた。内密出産も19年から始め、25年3月末までに47件の利用があった。
 賛育会病院の受け入れは医療機関として全国2例目で大都市では初の取り組み。利用数は未知数だが、都は有識者による検証部会を設けて運用状況を確認するとしており、情報を速やかに公開し、課題の洗い出しに活用すべきだ。
 内密出産を巡り、国は指針を示しているが、医療機関や自治体による現行制度下での対応を整理したに過ぎない。特に、生まれた子の「出自を知る権利」をどう保障するかが課題となっている。
 現行では出自に関する情報管理などは病院に委ねられ、明確に定めた法律はなく、熊本市と慈恵病院は法制化を求めている。
 石破茂首相は昨年12月、子の出自を知る権利に関する法体系などの検討を表明しており、制度化に向けた議論を加速すべきだ。
 「予期せぬ妊娠」の背景には、女性が一人では抱えきれない困難があり、自己責任と切り捨ててはならない。政府は、悩みを受け止める相談窓口を整備するとともに一時的な住宅の確保など、妊娠時から出産後までの包括的な支援を拡充すべきだ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年04月17日  07:12:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・04.17】:取材源の調査 知る権利脅かす暴挙だ

2025-04-21 07:24:20 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【社説②・04.17】:取材源の調査 知る権利脅かす暴挙だ

  『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・04.17】:取材源の調査 知る権利脅かす暴挙だ 

 兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した元県民局長(故人)の私的情報とされる内容がSNSに漏えいした問題で、県側が流出経緯を調べた第三者委員会に対し、週刊誌の電子版記事の取材源についても調査を依頼していた。
 取材源の秘匿は報道の命綱だ。公権力がそれを暴こうとする行為は「国民の知る権利」を脅かす暴挙にほかならない。知事には謝罪に加え、自身の責任を明確にするよう求める。
 県は1月、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が元県民局長の公用パソコンにあった私的情報とされる内容をSNSに投稿したことを調査するため、第三者委を設置。
 県はこの案件とは別に、内部告発への県の対応に関する週刊文春電子版の記事6本についても、県職員が情報源か否かを調べるよう第三者委に求めていた。
 これら県による依頼内容は、第三者委の調査が3月末に終わったことを受け、県が公表した「調査実施要綱」で明らかになった。
 取材源の秘匿は、情報提供者の信頼を得て事実を報じるために不可欠の大原則であり、国民の知る権利を保障し、民主主義社会を支えている。最高裁も2006年、「報道関係者は原則として取材源にかかわる証言を拒絶できる」と判断している。
 県は昨年4月にも地元紙記者に元県民局長の告発文書を受け取ったか否かを聴取している。
 県の一連の依頼は取材源の秘匿という報道の原則を無視し、知事を批判する報道に圧力を加えるものだ。断じて許されない。県の担当課は、第三者委が実際には報道機関への聞き取り調査を実施していなかったことを16日の県議会総務常任委員会で明らかにした。
 とはいえ、この第三者委設置が議会の議決に基づいていないこと自体が問題だ。権力乱用を防ぐために不可欠な民主主義の手続きを蔑(ないがし)ろにしたと言うほかない。
 別の第三者委は元県民局長の告発は正当な外部公益通報に当たると認定している。
 斎藤知事は会見で調査対象に文春記事を含めたことについて「指示していない」「担当課が整理した」と釈明したが、県による調査の最終責任が知事にあることは明らかだ。苦しい弁明などせず、県政混乱の原因が自らにあることを認め、進退を決するべきだ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年04月17日  07:12:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・04.20】:強制起訴制度 見えてきた課題どう克服する

2025-04-21 05:50:50 | 【法務省・法制審議会・検察庁・地検・保護司・刑法・刑罰・死刑制度】

【社説①・04.20】:強制起訴制度 見えてきた課題どう克服する

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・04.20】:強制起訴制度 見えてきた課題どう克服する

 検察が不起訴にした事件を市民の判断で強制的に起訴できる制度の見直しを求める声が高まっている。被告が長く不安定な立場に置かれ、結局は無罪になる例が多いためだ。 

 国は過去の事例を検証し、強制起訴の対象事件を絞り込むなど、制度の趣旨を適正に生かせる仕組みを検討してはどうか。

 強制起訴制度は2009年、裁判員制度とともに始まった。国民が検察の判断をチェックし、司法に意見を反映させる目的だ。

 有権者からくじで選ばれた審査員11人で構成される検察審査会は不起訴になった事件を審査する。その結果、8人以上が2回にわたり「起訴相当」と議決した場合、必ず起訴される。強制起訴されると、刑事裁判にかけられる。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡り、最高裁は先月、強制起訴されて業務上過失致死傷罪に問われた東電の旧経営陣2人について、1、2審判決を支持し、無罪とする決定を出した。

 検察は13年、地震や津波の発生は予見困難だったとして、2人を嫌疑不十分で不起訴にした。これに対して審査会は、必要な安全対策を怠り、事故を発生させたとして強制起訴を議決していた。

 無罪の確定までは9年を要した。強制起訴された旧経営陣はもう1人いたが、裁判中に亡くなった。事故の真相を法廷で解明し、刑事責任の有無に決着をつける意義は大きいとはいえ、被告の負担は重いと言わざるを得ない。

 これまでJR福知山線脱線事故や小沢一郎氏の資金管理団体を巡る事件など、11事件で計15人が強制起訴されたが、有罪が確定したのは2人にとどまっている。

 兵庫県明石市の歩道橋事故のように、有罪・無罪を判断せずに裁判を打ち切る「免訴」になったケースもある。過去の事例について、強制起訴が妥当だったのか、十分検証する必要がある。

 強制起訴は、検察が証拠上、起訴できないと判断した事件が対象なため、立証のハードルが元々高い。審査の段階で、強制起訴される人の弁明の機会が保障されていないことも疑問視されている。

 専門家からは、強制起訴の対象を、有罪の証拠がそろっていながら起訴を見送った「起訴猶予」の事件に限定し、「嫌疑不十分」などの事件への適用は慎重であるべきだとの意見も出ている。

 強制起訴する際の明確な基準を作るのは難しいにしても、こうした声も参考にしながら、運用面を見直していくことが大切だ。

  元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年04月20日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【提言】: トランプ関税にどう対応すべきか? 日本として必要な2つの分野にもっと支出を!

2025-04-21 05:02:50 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【提言】: トランプ関税にどう対応すべきか? 日本として必要な2つの分野にもっと支出を!

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【提言】:トランプ関税にどう対応すべきか? 日本として必要な2つの分野にもっと支出を!

 トランプ大統領の相互関税で世界は揺れに揺れている。世界の株式市場は下落と反動増を繰り返しながら暴落し、ドルは下落している。トランプ氏は、高関税をかけるだけでなく、場当たりに延期したり、スマホなど特定製品に関税をかけないと言ってみたり、またかけると言い出したり、実際のところどうなるか分からない。<button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26"></button><button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26">日米関税交渉でコメントする石破茂首相。どのような対策をすべきなのか(代表撮影/ロイター/アフロ)</button>

日米関税交渉でコメントする石破茂首相。どのような対策をすべきなのか(代表撮影/ロイター/アフロ)(WEDGE Online(ウェッジ・オンライン))

 ◆製造業を取り戻すつもりはあるのか

 ◆何が起きるか分からないのにどう対策を打つのか

 ◆関税ショックにどう対応するか

 ◆分からないことより分かることに対応すべき

 ◆起きることは需要ショック

 ■原田 泰

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 元稿:Wedge ONLINE 主要ニュース 政治 【外交・米国・トランプ関税問題】  2025年04月21日 05:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本人なら知っておきたい近現代史の焦点】:トランプに残るトラウマか?「強いニッポン」の記憶、赤澤経済再生相を「好待遇」した理由

2025-04-21 05:02:40 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

【日本人なら知っておきたい近現代史の焦点】:トランプに残るトラウマか?「強いニッポン」の記憶、赤澤経済再生相を「好待遇」した理由

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日本人なら知っておきたい近現代史の焦点】:トランプに残るトラウマか?「強いニッポン」の記憶、赤澤経済再生相を「好待遇」した理由 

 ■廣部 泉( 明治大学政治経済学部 教授)

 赤澤亮正経済再生担当相が4月16日(現地時間)、関税交渉のために渡米しホワイトハウスを訪れた。当初は、ベッセント財務長官、ラトニック商務長官、グリア通商代表部(USTR)代表らとの閣僚級の協議になるはずだったのが、トランプ大統領は顔を出しただけでなく、そのまま大統領との会談となり、会談は50分間に及んだ。これが想定外だったことは、テレビカメラが財務省に集まっており、会談の模様を中継できなかったことからも明らかである。

トランプ大統領はなぜ、赤澤経済再生担当相との会談をしたのか(提供:Molly Riley/White House/ZUMA Press/アフロ)

 この会談でのトランプ大統領の発言について、赤澤大臣は多くを語らない。が、主要メディアの報道によれば、トランプ大統領は、在日米軍の駐留経費負担の増額、日本国内での米国製自動車の販売数の増加、対日貿易赤字の削減を求めたという。いずれも厳しい要求であったが、大統領は「日本との協議が最優先」との考えを示した。

 そのような要求項目は、閣僚が示してもよかったわけで、国内問題の対応に追われ世界全体を相手にするなど多忙を極める大統領が、50分もの時間を割いて直接会談に臨み、「日本との協議が最優先」と表明した。さらに会談後「日本の貿易代表団と会えたことは大変光栄だ。大きな進展だ」と発信するなど、通常の応対を超えたものであったといえる。このような好待遇の裏には、米国側のどのような狙いや本音が隠れているのだろうか。 

 ◆関税をかけた本当のところ

 今回の赤澤大臣の受けた接遇は、米側の日本に対する高評価の表れとみてよいだろう。そもそも今回の関税は、米国内が製造業をはじめ苦しくなったから以前世話になった世界の国々は、借りを返してほしいという米国の願いであったろう。

 国内の製造業が没落して自国が苦しくなった時にふと周りをみると、第二次世界大戦直後に米国が気前よく助けてやった国々が調子よくやっている、誰のおかげでそもそも豊かになったのか、それなら以前与えた恩恵を返してくれないかとなったのが今回の関税である。

 200年以上前にも似たようなことがあった。それはまさにアメリカ合衆国がイギリスから独立した時のことである。イギリスが北米大陸でフランスと戦って自国の植民地人を守ってやり、巨額の戦費に自国が苦しくなってふと周りをみると、その守ってやった北米植民地が税金もかけられないまま調子よくやっていた。それでイギリス政府が植民地人に対してお茶や印紙に突然税金をかけたら反旗を翻して独立運動になった流れを思い出させる。

 ただ、ことの本質は関税ではない。何もしないでいても誰もこれまで大変お世話になっています、そのご恩を返させてくださいとやって来ないので、まずもってどうしたらいいでしょうかと世界の国々に集まって来させるには何がいいかとなったとき、関税を上げれば、それも少しでなく大幅に上げれば、どうしたらいいでしょう、とみんな集まってくると誰かが助言したのではないだろうか。

 ところが、関税を上げて世界の国々に対して「借り」を返してもらおうとしたら、予想外のことに、中国やカナダ、欧州などは譲らず今回のトランプ関税に対して対抗関税をかけ、さながら米国に反旗を翻しその勢力圏から「独立」しようとするがごとき様相となった。そのような態度は、トランプ的には「恩知らず」と感じられたに違いない。ところが日本は対抗関税をかけることもなく、中国の秋波にのることもなく、率先して交渉を願い出て来た、トランプには「初(うい)やつ」と映ったのではないだろうか。

 ◆「格下も格下」発言の〝効果〟

 もちろん、それだけで要求が鈍るほど交渉は甘くないだろうが、まず出発点としては好感情を引き出し成功と言ってよいだろう。自らを「格下も格下」と卑下する赤澤大臣の表現に国内からは批判もあるが、昨今このような発言は日本語であっても必ずトランプ大統領本人に伝わるし、彼が好むタイプの発言である。

 トランプにしてみれば、閣僚が来ただけのところに大統領が出て行って「いい思い」をさせてやったのを、ちゃんとありがたがって「感謝」しているということになろう。トランプ的価値観の枠内でのキャッチボールが重要である。

 

また、敵対的姿勢を崩さない中国はもとより、カナダや欧州なども米国批判を躊躇していない。以前のホワイトハウスでの首脳会談では、立場が一番弱いとトランプが考えるウクライナですら「口答え」するなか、トランプは、前回の石破茂首相との会談などを通して、日本は自分に恥をかかせることはないと感じ取ったのではないだろうか。

 日本政府のトランプ政権に対する厚遇ぶりは、性的暴行疑惑などで米国内のみならず欧州でも白眼視されているヘグセス国防長官が硫黄島を訪れた時に石破首相が、首相はこんな笑顔をみせることもあるのだと驚くほどの笑顔で挨拶したことに象徴されている。

 ◆トランプの記憶に残る日本の姿

 今回の厚遇には、トランプ大統領の日本観も無関係ではないだろう。彼の頭の中は、日本がもっと強く、米国の地所や企業を買い漁っていたバブル期のままなのではないかと思わせる発言を時々することがある。当時米国の大勢がそうであったように、いまだに日本を米国の安全を脅かすのに十分な存在とみているのである。

 トランプがトランプタワーの建設やプラザホテルの買収など、野心的なプロジェクトを次々手掛け「時代の寵児」と言われたのは、ちょうど日本が経済力を急速に伸ばした1980年代であった。山手線の内側の地価だけで米国全体が買えるという試算が出るなどした当時、トランプも自らが手掛けた高額不動産に買い手として多くの日本人や日本企業が殺到し、気前よく現金で買っていくのを目撃していた。

 当時、雑誌のインタビューで、一人の日本人が自分の手掛ける物件の一つである高級マンションを7戸も買い、ぶち抜いて1戸にしてしまったというエピソードを印象深く語っている。

 人は自分がもっとも活躍していた時期の記憶を引きずりがちである。トランプも自らが不動産業界のライジングスターとして注目を集めたころの感覚をひきずっており、それが発言の端々から見えている。

 ただ今回、彼のこのような一見時代錯誤的感覚が功を奏したといえるかもしれない。日本を実際以上に重要視してくれて、それが先日の関税交渉での好待遇へとつながっていると考えられるからである。

 ◆今後どうするべきか

 とはいえ、今回の交渉で出された課題は厳しいものである。目に見える形で対日貿易赤字の解消を実現するのは大変である。なかでも米国製自動車の輸入増加は難題である。

 日本はそういった場合、「自主的行動を強制する」という自主規制で乗り切ろうとする傾向にある。それこそ公用車をできるだけ米国車にするとか、裾野が広いと言われる自動車関連企業の関係者はみな米国車をなるべく買うようにという見えない圧力が生じるかもしれない。

 とにかく、トランプ政権が求めているのは、わかりやすい「手柄」であり、今回は、中国が手懐けたいはずの日本が、いの一番にホワイトハウスに飛んできたことを見せつけることそれ自体に意味があった。その上で、大統領自らが厚遇することで恩を売り、わかっているだろうなと目配せしたのが今回の会談の米側の意図だったのではないだろうか。

 日本としては、トランプ的価値観の中でのやり取りのキャッチボールの球を落とさないよう心掛けつつ、外的な状況の大きな変化が起きるのを待つしかないのかもしれない。

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 元稿:Wedge ONLINE 主要ニュース 国際 【米国・トランプ関税問題・連載「日本人なら知っておきたい近現代史の焦点」】  2025年04月21日 05:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【世界の潮流を読む】:これでは中国の方がまともに見える? トランプが破壊する世界的な米国の同盟ネットワーク

2025-04-21 05:02:30 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

【世界の潮流を読む】:これでは中国の方がまともに見える? トランプが破壊する世界的な米国の同盟ネットワーク

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【世界の潮流を読む】:これでは中国の方がまともに見える? トランプが破壊する世界的な米国の同盟ネットワーク

 ■岡崎研究所論評集

 フィナンシャル・タイムズ紙の4月5日付け社説‘Trump’s destruction of global alliances’が、「トランプは世界的な米国の同盟国網をも破壊するだろう。米国の過酷な関税攻勢の影響は貿易に留まらない」と述べている。主要点は次の通り。

(ロイター/アフロ)

 トランプは、自分の予測不可能性と取引主義を誇りにしている。こうした手法は、不動産ビジネスや債務再編ではうまく機能するかもしれないが、国際政治においてはトランプの取引主義は、米自身にも世界の安定にとっても、高い代償を払うことになる可能性が高い。

 米国が中国やロシアに対して有する大きな優位のひとつは、長年にわたって築かれた世界的な同盟国網である。日本、ドイツ、豪州、カナダ、英国といった国々は、米国の特定の政策について疑問を抱くことは多々あった。しかし最終的には、米国との同盟は共通の利益と価値観という堅固な土台の上に成り立っていると信じて、米国との関係を維持してきた。

 しかし、米国が始めた関税戦争とトランプ政権の敵対的な言動は、その信頼を根本から揺るがしている。

 関税によって打撃を受けた多くの政府は、経済への被害を緩和しようと、トランプと取引を結ぶために奔走する可能性がある。しかし同時に彼らは、米国による威圧的行為に対する脆弱性を減らすために、長期的な政策調整にも動き出すだろう。それはやがて、米国の富と力に長期的な影響を及ぼすだろう。

 経済的にも戦略的にも、様々な影響が考えられる。明らかな影響のひとつは、米国の武器輸出への打撃だ。

 欧州連合(EU)内では「欧州域内で製造される武器を買おう」という動きが強まっている。関税政策が頻繁に変わり、米国への依存が将来的に交渉材料として悪用される可能性があるならば、外国人投資家は米国への長期的な投資に非常に慎重になるだろう。

 さらに、トランプが同盟国を平気で敵視することによる地政学的コストもある。大統領の側近達は、米国は欧州の将来に対してほとんど戦略的な利益を持たないと信じているようであり、それゆえに大西洋同盟の国々の信頼を失っても気にしないのかもしれない。

 しかしトランプ政権は、中国の力をインド太平洋地域で抑え込もうとすることには非常に熱心だ。この目標はバイデン政権も共有したし、バイデンはアジア地域における米国の同盟・友好国ネットワークをうまく構築した。しかし、トランプの関税政策は、北東アジアにおける米の最重要同盟国―日本と韓国—に一撃を食らわせるようなものだ。

 日韓豪といった国々は、中国の力を抑制・管理するために米国と協力する意思を示してきた。それは、最終的には米が自分達を守るために戦ってくれると信じていたからだ。しかし、トランプの取引主義で、予測不可能、かつ敵意を強める行動は、その信頼を破壊している。 

 米国の同盟システムもまた、今後大きな圧力に晒されることになるだろう。その恩恵を受けるのは中国である。

 トランプは、共和党と米国という国のイメージを根本から変えてしまった。彼はわずか数日で、何十年もかけて築かれた信頼ある国際関係を崩壊させてしまった。

 信頼回復のための作業は、トランプが政権を去った後においても、極めて困難なものになるだろう。もしそれが可能だとしても。

              *   *   *

 ◆同盟国のヘッジング

 確固たる世界観に基づく安心できる社説であり、その主張に賛同する。

 トランプの言動は、益々無謀、教条的になっている。4月7日の石破・トランプ電話会談後にトランプはSNSに投稿、「日本の首相と話した。彼は交渉するためのトップチームを派遣してくる」、「彼らは貿易で米国をとてもひどく扱ってきた。彼らは米国の車を買わないのに、我々は数百万台の日本車を買わされている」と不満を述べた。愕然とさせられる。

 トランプは歴史と事実に基づく理解を欠いているとしか言いようがない。貿易も二国間均衡主義ではダメだ。政策の転換が必要だ。

 トランプには、世界観や価値観、理想はなく、あるのは取引でしかないようだ。人類を敵にしているようにさえ見える。

 それでもトランプとは関与が必要であるし、そのためには一定の信頼が必要だ。多大の辛抱強さが必要なことを覚悟しておく他ない。

 上記の社説は、同盟国は米国との関係で「長期的政策調整にも動き出すだろう」と言う。今までのように米国を信頼できないとなれば、同盟国はヘッジングを採らねばならない。

 安全保障については、防衛産業協力を含め、日、欧、豪、カナダ、インド等との間で協力を強めるべきだろう。経済についてもこれらの国の間の関係を強めるべきだ。 

 カナダはEU加盟を推進するかもしれない。クアッドは米国抜きでも活動していくべきだ。日本は東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係をさらに強化、中国との関係も一定の範囲内で円滑にしていくべきだ。欧州との関係強化が非常に重要だろう。

 ◆90日間停止した5つの理由

 なお、トランプは4月9日、同日に発動したばかりの相互関税の措置を90日間停止すると突然発表した。関税適用は約18時間だけだった。

 現場で輸出入業者は無駄に振り回されただろう。それは「停止」であって廃止ではなく、日本を含め10%の一律相互関税は適用される。

 しかし市場はここ10日近く大きく不安定になり、大きく変動していたので、世界は兎も角歓迎している。上げたり、止めたり、トランプのスタイルの真骨頂だ。

 一方、中国に対しては追加関税を125%に引き上げると発表し、報復の応酬になっている。しかし、世界では中国の行動の方が余程理屈に合っており、理解できると思う人々も多いのではないかと想像してしまう。

 なぜ、トランプは目玉とする相互関税の停止を決めたのか。種々の見方をまとめると、①株や価格、通貨の悪材料に加えて、金融市場の動揺が危機的になってきたこと(中国による米国債売却の観測もあり米国債を売る動きが拡大し、「金融危機につながるような兆候が出た」)、②危機感を深めたウオール・ストリート首脳等が政府に圧力をかけ始め、それを踏まえてベッセント財務長官が主導してトランプの説得に乗り出したこと、③関税政策につきナバロとマスクが公開で非難合戦をするなど、関税を強硬に推進するナバロへの批判が強まっていたこと、④共和党内にもトランプの経済ハンドリングにつき異論が出てきたこと、⑤多くの国が米国に協議を求めてきており、相互関税を一時停止しても、対中強硬関税を併せ発表することにより「トランプ交渉戦略の成功」として乗り切ることができることなどが背景になったようだ。

 元稿:Wedge ONLINE 主要ニュース 国際 【米国・トランプ関税問題・連載「岡崎研究所論評集」】  2025年04月21日 05:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・04.20】:風邪を「5類」に 新たな感染症の発生に備えよ

2025-04-21 05:00:40 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説②・04.20】:風邪を「5類」に 新たな感染症の発生に備えよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・04.20】:風邪を「5類」に 新たな感染症の発生に備えよ

 誰もが経験したことのある 咳 せき やのどの痛みといった風邪の症状の中に、新たな感染症が潜んでいる可能性がある。

 

きめ細かく医療現場の情報を収集し、感染拡大を抑えねばならない。

 いわゆる風邪の症状で、医師の診察を受けた患者数の定点調査が今月7日から始まった。

 政府が昨年、風邪のような症状がある感染症全般を「急性呼吸器感染症」と位置づけ、感染症法上の「5類」に分類したことを受けた措置だ。約3000ある定点医療機関は、患者数などを保健所に報告することになった。

 医療機関はこれまで、季節性インフルエンザや新型コロナウイルスなど病原体ごとに患者数を報告してきた。検査でこうした診断がつかない風邪の症状の患者については、報告の対象外だった。

 このため、新しい感染症が発生したかどうかが分かりにくく、対策が後手に回ってしまう、という課題があった。そこで、風邪の症状全般について、幅広く発生情報を集めることにした。

 こうした患者の一部からは鼻やのどの粘液を検体として採取し、病原体を分析する。得られたデータから、新しい感染症を速やかに把握できる体制を整えたい。

 感染症の情報は、保健所などを通じて国立感染症研究所に報告されてきたが、今年度からは、感染研と国立国際医療研究センターを統合した国立健康危機管理研究機構に集約される。

 研究機構は、感染症の 蔓延 まんえん 時に政府に助言をする役割を担っている。感染動向の情報は、国民にも滞りなく公開してもらいたい。

 風邪が感染症法上の5類となっても、インフルエンザや新型コロナのように出勤や登校が制限されることはない。誤解が生じないよう国は丁寧に説明すべきだ。

 また、風邪とは別に最近は、激しい咳が長く続く「百日咳」の流行が急拡大している。

 百日咳は、細菌が原因の感染症で、乳児は重症化しやすく、肺炎や脳炎を起こすこともある。主に咳やくしゃみの 飛沫 ひまつ からうつる。ワクチンは乳幼児を対象に定期接種が行われている。子どもには速やかに接種させる必要がある。

 感染した場合は抗菌薬で治療できるので、早めに診察を受けることが重要だ。

 新型コロナの流行後、手洗いなど基本的な対策の大切さを実感した人は多いのではないか。一人ひとりが感染症の情報に注意を払い、対策を点検しておきたい。

  元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年04月20日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2025年04月19日 今日は?】:ボストンマラソンで日本から初参加の19歳田中茂樹が優勝

2025-04-21 00:00:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2025年04月19日 今日は?】:ボストンマラソンで日本から初参加の19歳田中茂樹が優勝

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2025年04月19日 今日は?】:ボストンマラソンで日本から初参加の19歳田中茂樹が優勝

 ◆04月19日=今日はどんな日

  飼育の日=し(4)い(1)く(9)の日

 ◆出来事

  ▼ボストンマラソンで日本から初参加の19歳田中茂樹が優勝。タイムは2時間27分45秒(1951)▼オムニバスドラマ「世にも奇妙な物語」がフジテレビ系列で放送開始(1990)▼東洋史学者ライシャワーがケネディ米政権の駐日大使として着任。日米の亀裂修復に努めた(1961)<picture class=""></picture>

1961(昭和36)年4月19日、ケネディ米大統領の要請で駐日大使になったエドウィン・ライシャワー氏が着任した。翌日、小坂善太郎外相(右)を訪問してあいさつ。

 ◆誕生日

  ▼村野武範(45年=俳優)▼鮫島秀樹(55年=ミュージシャン)▼芦川誠(60年=俳優)▼坂下千里子(76年=タレント)▼小嶋陽菜(88年=タレント)▼柳ゆり菜(94年=タレント)▼松田元太(99年=Travis Japan)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2025年04月19日 00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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