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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳・04.29】:芳野会長と石破首相が並ぶ連合メーデー…今年こそ「働けるだけ喰わせろ」

2025-05-03 07:40:20 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【政界地獄耳・04.29】:芳野会長と石破首相が並ぶ連合メーデー…今年こそ「働けるだけ喰わせろ」

 『漂流する日本の羅針盤を目指:【政界地獄耳・04.29】:芳野会長と石破首相が並ぶ連合メーデー…今年こそ「働けるだけ喰わせろ」 

 ★メーデーは世界の労働者が地位向上のために団結する祭典。5月1日は世界共通だ。労働者の日として80以上の国で祝日にしている。ところが日本では労働界再編の後、日本労働組合総連合会(連合)と非連合系の全国労働組合総連合(全労連)や全国労働組合連絡協議会(全労協)に分裂、加えて労働組合の組織率の低下など、さまざまな理由で、連合が大型連休の中心にある1日では参加率が下がるとして4月の最終土曜日などに設定。全労連、全労協は1日に行っている。

リーフレットP1
主催 第96回メーデー中央実行委員会
日時 2025年4月26日(土)10:00~13:30(予定)
(1)イベント・出展など 10:00~13:30
(2)中央大会式典 10:30~11:30

中央式典プログラム

  • 開会宣言
  • 大会実行委員長挨拶
  • 来賓挨拶
  • 来賓紹介
  • 現場からの訴え:春季生活闘争の現場から
  • 現場からの訴え:国際連帯・人権尊重の現場から
  • 戦後80年に関する特別決議採択
  • メーデー宣言採択
  • がんばろう三唱
場所 東京都渋谷区・代々木公園B地区
(サッカー場、イベント広場、ケヤキ並木含む)

 ★1946年、大戦の翌年の第17回メーデーは「働けるだけ喰わせろ」をテーマに全国で100万人、東京で50万人の参加があったというが26日、東京・代々木公園の連合メーデー中央大会には連合会長・芳野友子、首相・石破茂が並び「我が国における経済政策の最重要課題は賃上げであります」「物価上昇に負けない賃上げを」と訴えたが、国民から見れば今年こそコメ不足、コメ高騰で「働けるだけ喰わせろ」がテーマのメーデーなはずだが、連合加盟の大企業を軸にここ数年はベースアップが続いているだけに労働貴族たちには余裕がある。既に上級国民化している連合傘下の組合幹部たちには関係ないか。連合発表のメーデー参加者は2万9200人にとどまっている。

 ★この現象は連合の政策にも反映されている。同日、芳野は、立憲民主党が食料品の消費税率を1年間0%にする政策を掲げたことに「今の段階では減税について連合は考えてない」と否定的で、連合は同党代表・野田佳彦とともに増税派だ。立憲議員が言う。「連合の政策は役所的で1度政策を決めた後の柔軟性に欠ける。立憲と国民民主を支援するとしながら自民党にも軸足を置いており、連合の政策で世の中が動くことはない。国民民主の人気も同盟系組合のおかげではない」と厳しい。多くの国民と与野党の多くが減税を言う中、連合が国民視点で新たな視座を持つ税制議論はできないものか。組織力の低下を知恵で覆すのもアリではないか。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2025年04月29日  07:58:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・05.01】:メーデー 問われる労組の存在意義

2025-05-01 06:10:50 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【社説①・05.01】:メーデー 問われる労組の存在意義

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・05.01】:メーデー 問われる労組の存在意義 

 きょう5月1日は国際的に「労働者の祭典」と呼ばれるメーデーだ。持続的な賃金引き上げと労働環境改善の重要性を考える機会にしたい。

 欧州やアジアなどでは休日の国が多い。日本は大型連休のはざまで、海外ほど関心が高くない。

 労働団体の式典が分裂しているのもメーデーが盛り上がりを欠く一因だろう。

 連合は4月26日に東京や福岡など全国各地で大会を開いた。全労連はメーデー当日に開催する。全ての労働者が連帯して権利を訴えるメーデー本来の姿には程遠い。

 労働組合の組織率の低下は深刻だ。厚生労働省の調査によると、2024年の推定組織率は16・1%だった。前年より0・2ポイント下がり、3年連続で過去最低を更新した。

 企業規模による違いは大きい。千人以上の企業の組織率40・0%に対し、100~999人は9・9%、99人以下は0・7%でしかない。パート従業員の組織率は8・8%にとどまる。

 労組が存在感を取り戻すには、組合員ではない中小零細企業や非正規で働く人たちの待遇を改善し、活動の成果を出すことが肝心だ。

 政府の施策によって働き方の多様化が進み、不安定な生活を強いられる人が少なくない。新卒時にバブル崩壊の影響を受けた就職氷河期世代は特にしわ寄せを受けた。

 厳しい条件で働く人の声に耳を傾け、経営者や政府に改善を働きかけることこそ、労組の大切な役割である。

 25年の春闘は賃上げの勢いが持続している。連合の途中集計では、賃上げ率は平均5・37%で33年ぶりに5%台だった前年を上回った。芳野友子会長は記者会見で「中小は5%を下回ったものの、大いに健闘している」と述べた。

 大幅な賃上げが実現したのは政府の後押しに加え、企業が人手確保のために積極姿勢へ転じた影響が大きい。労組が厳しい交渉の末に勝ち取ったとは言い難い。

 大企業と中小零細企業の格差は残ったままだ。労組の存在意義が問われる。

 バブル崩壊後、生活の向上は置き去りにされた。大規模な金融緩和で企業業績が過去最高を更新しても、平均賃金はほとんど上がらなかった。雇用の確保を最優先した労組にも責任の一端がある。

 賃金の抑制を続ければ個人消費が増えず、経済は好循環しない。人件費削減頼みだった経営の過ちは明らかだ。

 物価高で実質賃金が目減りし、暮らしは厳しくなっている。物価上昇を上回る持続的な賃上げが欠かせない。

 最低賃金の引き上げと地域間格差の是正も必要だ。

 政府は全国平均で時給1055円の最低賃金を、20年代に1500円まで引き上げる目標を掲げる。

 経済界はペースが速すぎると距離を置く。連合は尻込みせず、政府と共に実現への方策を探るべきだ。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年05月01日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・05.01】:メーデー/中小企業も賃上げ持続を

2025-05-01 06:00:50 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【社説①・05.01】:メーデー/中小企業も賃上げ持続を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・05.01】:メーデー/中小企業も賃上げ持続を 

 労働者の日「メーデー」の5月1日を迎えた。物価高が家計を圧迫し、米トランプ政権の高関税政策で景気の先行き不安が広がっている。暮らしの安心を得るために、働く者が連帯し、権利を主張する重要性を改めて確認したい。

 2023年の春闘以降、大企業を中心に高水準の賃上げが続くが、物価上昇には追いついていない。実質賃金は24年5月まで26カ月連続でマイナスだった。その後、ボーナスが支給される夏と冬にプラスに転じたものの、今年1、2月はマイナスとなった。

 消費を上向かせ、経済を好循環の軌道に乗せるには、物価の上昇をカバーする賃上げを定着させることが必要だ。労働者の7割が所属する中小企業の取り組みが鍵となる。

 25年春闘は、労使交渉の中心が大企業から中小企業に移った。労働組合の中央組織・連合の集計では、4月15日時点の賃上げ率は5・37%。このうち組合員が300人未満の企業は4・97%で、最終的に5%台に届くか注目される。

 連合が東京都内で同26日に開いたメーデー中央大会には石破茂首相が出席し、「賃上げの勢いに水が差されることがないよう、米国に関税措置の見直しを強力に訴えていく」と述べた。政府は各国と連携し、不合理な相互関税の撤廃をトランプ政権に粘り強く求めねばならない。物価高を加速させる過度な円安にも注意が要る。

 中小企業が持続的な賃上げを実現するには、生産性の改善に加え、人件費や原材料費などのコスト上昇分を適正に価格に反映できる環境整備が不可欠だ。

 財務省の統計では企業の内部留保は23年度に600兆円を超え、12年連続で過去最大を更新した。業績が好調な大企業は自社の賃上げに取り組むとともに、コスト上昇に対応した取引先との価格交渉に積極的に応じるべきである。国による「下請けいじめ」の監視強化も欠かせない。

 労使はジェンダー平等にも力を入れてほしい。国の24年調査では男女の賃金格差は過去最小となった。とはいえ、フルタイムで働く男性の賃金を100とした場合、女性は75・8にとどまる。家庭との両立支援や女性の管理職登用などの推進は、人材確保にも有効だろう。

 労働組合の組織力アップも急がれる。組合に加入する人の割合を示す組織率は、24年に過去最低の16%にまで低下した。ここ数年の賃上げ実現で労組に関心が集まったようだが、加入者増には結びついていない。各労組は課題と向き合い、「必要とされる存在」になるための努力を重ねる必要がある。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年05月01日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・04.27】:フリーランス法 企業が率先し弱い立場保護を

2025-04-27 05:01:00 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【社説①・04.27】:フリーランス法 企業が率先し弱い立場保護を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・04.27】:フリーランス法 企業が率先し弱い立場保護を

 企業から仕事を請け負う個人の立場は弱い。公正取引委員会は、フリーランスが不利な扱いを受けないよう、取引の是正に乗り出した。

 企業経営者は、これを機に、取引のルールを順守することを徹底してもらいたい。

 公取委は、フリーランス取引適正化法に基づき、アニメ制作など4業種45社に発注方法の是正を求める行政指導を行った。昨年11月の法施行後、初の指導となる。

 適正化法は、業務を発注する事業者が、フリーランスに対し、書面やメールで仕事の内容や報酬額を明示し、60日以内に報酬を支払うことなどを義務付けている。

 立場の弱いフリーランスは、口約束での発注も多く、足元をみて報酬額を減らされたり、休日返上での納期を求められたりすることがある。適正化法は、その是正を図ることを目的としている。

 今回の行政指導は、フリーランスとの取引を巡る悪弊が、法施行後も改まっていないことを明らかにした形だ。公取委は、一段と監視を強める必要がある。

 公取委はかねて、アニメやゲーム、フィットネスクラブ、整体などリラクゼーションの4業種で、フリーランス側の不満が多いという実態を調査してきた。

 法施行後、この4業種77社に集中調査を行ったところ、6割弱の45社で違反行為が見つかった。

 具体的には、ゲームのイラスト制作を依頼しながら報酬額や受取日を示さないケースがあった。フィットネスクラブなどでも、報酬の具体的な支払期日を設定していなかった事例が見つかった。

 これらは、法律が禁じている典型的な例である。発注側の企業は、指導を重く受け止めて、適正な取引を行うよう、社内体制を整備しなければならない。

 総務省の調査によると、本業がフリーランスという人の総数は209万人に上る。ITエンジニアやアニメーター、ライター、通訳などが代表的な職種である。

 多様な働き方が広がる中で、フリーランスと企業がともに成長する社会を目指すことは、今後、ますます重要になる。

 政府は、日本発のアニメやゲームを海外に輸出して成長産業に育成することを目指している。アニメ制作に携わる人材育成の強化に向け、今年度中に新たな組織を作り、支援するという。

 アニメーターやゲーム制作者にあこがれる若者は多い。フリーランスの労働環境の改善は、こうした業界の発展にもつながろう。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年04月27日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【米国】:3月人員削減数は前年比3倍の27万人…政府機関が8割、DOGEの強引な人員削減策響く

2025-04-04 06:35:30 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【米国】:3月人員削減数は前年比3倍の27万人…政府機関が8割、DOGEの強引な人員削減策響く

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【米国】:3月人員削減数は前年比3倍の27万人…政府機関が8割、DOGEの強引な人員削減策響く

 【ニューヨーク=小林泰裕】米民間雇用調査会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスは3日、米国の企業・政府機関が3月に公表した人員削減数が前年同期比3倍の27万5240人に急増したと発表した。コロナ禍の2020年5月(39万7016人)以来、約5年ぶりの削減規模となった。

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トランプ米大統領=ロイター
 

 3月の削減数のうち、政府機関による削減が21万6215人と約8割を占めた。政府機関による削減数は、1月は288人に過ぎなかったが、2月は6万2242人へと増加し、3月にはさらに拡大した。米実業家イーロン・マスク氏の率いる「政府効率化省(DOGE)」が、予算削減に向けて政府機関の人員削減を強引に進めたことが大きく影響した。

 チャレンジャー社によれば、3月の削減規模は月別のデータを公表している1993年以降で3番目の多さになるという。トランプ政権の関税政策によって企業業績が悪化すれば、さらに削減数が拡大して米景気の失速につながる恐れもある。

 元稿:読売新聞社 主要ニュース 経済 【企業・産業・米国の企業・政府機関が3月に公表した人員削減数】  2025年04月04日  06:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・03.14】:春闘賃上げ回答 中小、非正規へ波及こそ

2025-03-16 16:00:30 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【社説②・03.14】:春闘賃上げ回答 中小、非正規へ波及こそ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・03.14】:春闘賃上げ回答 中小、非正規へ波及こそ 

 2025年春闘も大企業で労働組合の賃上げ要求に満額回答が相次ぐ。格差の広がる中小企業や地方に及ぶかが、注目される。

 12日の集中回答日には、5年連続のトヨタ自動車をはじめ、電機や鉄鋼など大手が満額回答を示した。基本給を底上げするベースアップで要求を上回る回答も続いた。

 円安下の好業績や物価高を背景に、高水準の賃上げを続ける努力は評価できよう。人手不足が深刻化する中、優秀な人材の獲得競争の面も大きく、継続的な人的投資が問われる。

 連合は今春闘の賃上げ目標を全産業で昨年と同じ5%以上とし、中小については6%以上を掲げて格差是正を強く求めている。

 デフレ下の人件費抑制策で大企業を中心に利益を積み上げた「内部留保」は膨らみ、23年度末で700兆円近くに上っている。賃上げの原資は十分ある。

 大きな焦点は、国内雇用の70%を担う中小企業への賃上げの波及である。

 京都府内の民間調査では、中小の6割が賃上げ予定だが、業績が上向かず原資が不十分なまま、人材つなぎ止めなどの「防衛的な賃上げ」を迫られている実態があるという。

 大企業で定着しつつある賃上げの流れが、中小や地方で目詰まりを起こさない環境整備が求められる。

 取引先の中小に対し人件費や原材料費の上昇分の適正な価格転嫁に応じるのは、大企業の社会的責務といえる。今国会に提案されている下請法改正を実効性あるものにしたい。

 円安やコメ価格の高騰、継続的なガソリンなどの燃料費高が響き、消費者物価は3年連続で上昇したが、賃上げが追いつかず、生活は細っている。1月の実質賃金は1・8%減と、3カ月ぶりにマイナスとなった。

 賃上げが初任給の大幅引き上げなどで若年層に偏重していることも気になる。

 バブル崩壊後の1990~2000年代に厳しい就職難に直面し、不安定な雇用や低収入が少なくない「氷河期世代」はもとより、全世代で処遇改善が必要だ。

 スーパーや外食産業の労組UAゼンセンは、パート時給の目標を正社員の6%より高い7%と設定した。

 被雇用者の約4割を占めるパート従業員や非正規労働者の処遇改善や、労組のない零細企業の労働者の賃上げも前進させたい。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年03月14日  16:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・03.14》:満額相次ぐ春闘 中小との二極化どう防ぐ

2025-03-16 09:31:30 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

《社説②・03.14》:満額相次ぐ春闘 中小との二極化どう防ぐ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・03.14》:満額相次ぐ春闘 中小との二極化どう防ぐ 

 今年の春闘が集中回答日を迎え、電機や重工、鉄鋼といった大手企業で労働組合からの賃上げ要求に満額回答が相次いだ。

 賃金と物価がそろって継続的に上昇していく「経済の好循環」の実現を目指し、労組に限らず経営者側も賃上げの重要性を訴える展開が続いている。

 トヨタ自動車が過去最高水準だった前年と同水準の回答をしたほか、日立製作所やNECは、基本給を底上げするベースアップ相当分で満額回答を示した。

 連合によると春闘の平均賃上げ率は2023年が3・58%、24年が5・10%だった。大手の賃上げは定着しつつあるようだ。

 焦点は、これから本格化する中小企業の労使交渉においてもこの勢いを持続できるかどうかだ。労働者の7割が所属する中小に賃上げが十分に波及しなければ、消費の回復も期待できず、好循環の達成も難しくなる。

 物価変動を考慮した「実質賃金」を見ると、今年1月は前年同月から1・8%減と3カ月ぶりのマイナスに転落。賃上げは家計の悪化に追いついていない。

 物価上昇と人材獲得競争の激化などで、中小の経営は大手より厳しい状況に置かれている。

 東京商工リサーチの調査によると、今春闘で賃上げを予定する中小のうち、連合が目標とする賃上げ率以上を見込む企業は9・1%にとどまった。大手との格差を縮めるのは容易でない。

 部品やサービスを大手に提供する中小は、供給網の頂点にいる大手との取引で不利な立場に置かれるケースが多い。価格交渉がうまくいかず契約が打ち切られてしまう事態を懸念し、賃上げに必要な人件費の増加を値上げの根拠として大手に提示することができない中小も少なくない。

 大手各社は責任を自覚し、中小との価格交渉に誠実に向き合うよう、改めて求めたい。

 政府は、価格転嫁や生産性向上の支援を通じ、中小の賃上げ実現に「政策を総動員する」と強調している。実効性ある対策へ工夫を重ねる必要がある。

 公正取引委員会は近年、下請け会社に部品などの金型を保管させる商習慣について集中的に調査を行い、再発防止を勧告している。保管代金が中小の経営を圧迫している現実に着目した対応だ。

 交渉のあり方を見直すのはもちろん、長年の商習慣にも踏み込んで大手と中小の関係を改善していく。その積み重ねの先にこそ、持続的な好循環があるはずだ。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年03月14日  09:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・02.08】:政治家は労働者ではない? 歴史的経緯説明できる人いないことも問題を複雑に

2025-02-15 07:40:10 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【政界地獄耳・02.08】:政治家は労働者ではない? 歴史的経緯説明できる人いないことも問題を複雑に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・02.08】:政治家は労働者ではない? 歴史的経緯説明できる人いないことも問題を複雑に 

 ★「授業準備や子どもと向き合う時間がない」「精神疾患による病休者が増加」「教員不足で新学期から担任がいない」など教育現場の長時間労働是正について1月30日、共産党委員長・田村智子、政策委員会副委員長・吉良よし子が会見で訴えた。ぜひ改善のきっかけにしてもらいたいが、同党は同月20日、福岡中央労働基準監督署から就業規則(日本共産党福岡県委員会勤務員規定)の届け出がないと是正指導の指摘を受けた。21日の会見で同党書記局長・小池晃は「党機関従事者も労働法制は順守することは必要」とした。

 ★ところが24日、田村が会見で専従職員の地位について「いわゆる労使関係というものとは異なる」とし「結社の自由の下で自主的、自発的な意思の下で活動していることが一番の根本にある」と説明。つまり本来政党や政治結社はその目的や理想の旗の下に集った者たちなので、労働者ではなく活動家との立ち位置なのだ。すると27日の会見で小池が党と専従職員との関係は「指揮命令とは違う」と田村を補足した。同党にとっては今でこそ使わないが専従職員を「職業的革命家」という言い方もされていた。「政党は普通の会社ではなく、政治結社なので給料ではなく政治活動費が配られるという立て付けなど一般論では計れない。残業代や休日出勤手当がないのはそのため。ただこれは共産党に限らず、本来政党人は自民党でも立憲民主党でも党勢拡大のために働くという意味では同じで、歴史的経緯を見ればわかるが、現代の状況だけ見ると違和感を感じるのだろう」(古参の政界関係者)。

 ★ただ大きな意味で働き方改革、政治とカネが国民から厳しく問われている時代には丁寧な説明も必要。例えば国会議員の公設秘書はそれぞれの政党の議員に雇われるが、党員ばかりでないし、議員が落選して別の党の秘書になる場合もある。国家公務員扱いなので給料は国から出るが残業代などはない。永い歴史と経緯があってそう落ち着いたが、外から見れば不思議な仕組みだろう。それを説明できる人がいなくなっていることも問題を複雑にしている。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2025年02月08日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《今日も惑いて日が暮れる・01.29》:人民は天子を知らず=吉井理記

2025-01-29 13:02:00 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

《今日も惑いて日が暮れる・01.29》:人民は天子を知らず=吉井理記

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《今日も惑いて日が暮れる・01.29》:人民は天子を知らず=吉井理記

 働き方改革の時代である。ムリして働くことはよろしくない。

 毎週水曜夕刊(一部地域は木曜朝刊)掲載の本欄も時々、書くネタが思いつかない「空白週」がある。それが今週だ。

 そこで働き方改革だ。ムリはよくない。今週はネタがないので休みます……としたいが、諸事情と会社が許さない。仕方ないので一足早く2月11日の「建国記念の日」について書かせていただく。

 ごく最近、1966年制定の祝日だ。ご存じの通り、戦前・戦中は「紀元節」といった。紀元前660年のこの日に初代天皇・神武が即位したとされる。と聞けば古そうだが、これまた歴史的にはごく最近、1873年に明治政府が勝手に祝日とした。 

 ■この記事は有料記事です。残り593文字(全文880文字)

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 元稿:毎日新聞社 東京夕刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【今日も惑いて日が暮れる】 2025年01月29日  13:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・01.24】:春闘スタート 賃上げの定着で物価高克服を

2025-01-24 05:00:50 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【社説②・01.24】:春闘スタート 賃上げの定着で物価高克服を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・01.24】:春闘スタート 賃上げの定着で物価高克服を

 経団連の十倉雅和会長と連合の芳野友子会長が会談し、春闘が事実上、スタートした。物価高を克服する高い賃上げ水準を定着させるため、労使が 真摯 しんし に交渉してもらいたい。 

 経団連は、会談に先立って、今春闘の経営側の方針となる「経営労働政策特別委員会報告」を公表した。2023年と24年の春闘で高水準の賃上げが実現し、今年を賃上げの勢いを定着させる「分水 嶺 れい 」と位置づけた。

 基本給を底上げするベースアップ(ベア)については、前年の「有力な選択肢」という表現から一歩踏み込んで、「ベアを念頭に置いた検討が望まれる」として、積極的な対応を呼びかけた。

 家計は物価高で苦しい。物価を反映した実質賃金は22年4月から長くマイナスが続き、いまだに安定的にプラスへと転じるには至っていない。消費が息切れすれば、賃金も投資も増える「成長型経済」への移行が頓挫しかねない。

 25年3月期決算で上場企業は好業績が続く見通しだという。利益の蓄積である内部留保は23年度に600兆円を超えており、賃上げに回す余力はあるはずだ。

 連合は、ベアと定期昇給分を合わせ、全体では「5%以上」、中小については「6%以上」の賃上げを求める方針だ。経営側は、社会的な責務を自覚し、前向きに賃上げに取り組んでほしい。

 先行きには影も差している。

 トランプ米大統領が、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課す考えを示しているからだ。春闘を主導する自動車産業は、両国に生産拠点があり、深刻な打撃を受ける懸念がある。賃上げへの決意の強さが試されよう。

 雇用の7割を占める中小企業の賃上げも大きな課題である。大企業との格差が広がっているからだ。中小企業が原材料費や人件費を適正に価格転嫁できるよう大企業には一層の努力を求めたい。

 中小企業側も省力化や省人化への投資で効率化を進め、賃上げの環境を整えることが大切だ。

 高水準の賃上げを実現したというが、長引く物価高で家計が楽にならないのはなぜなのか、という国民の疑問は強くなっている。

 円安による輸入物価の上昇や人手不足が物価高に拍車をかけている面もある。政府が日本経済の課題を再点検する必要もあろう。

 持続的な賃上げには労働生産性を上げることが不可欠だ。政府は企業に努力を求めるだけでなく、自らも生産性の向上を後押しする施策を練るべきではないか。

 元稿:読売新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月24日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《憂楽帳・12.25》:デロゲーション

2024-12-25 13:11:30 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

《憂楽帳・12.25》:デロゲーション

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《憂楽帳・12.25》:デロゲーション

 月に1回、大阪市内で開かれる労働問題に関する勉強会に参加している。そこで、デロゲーション(derogation)という言葉を初めて知った。英語で「法律や規則からの逸脱、適用除外」などを意味する。経団連が今年1月に発表した提言の中で使われた言葉だと聞かされた。

 経団連は提言で「労働時間規制のデロゲーションの範囲を拡大すべきだ」と主張する。「十…、

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【社説①・12.22】:高齢者の労災増加 職場環境の見直しが急務だ

2024-12-23 16:00:40 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【社説①・12.22:高齢者の労災増加 職場環境の見直しが急務だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.22】:高齢者の労災増加 職場環境の見直しが急務だ 

 働く高齢者の増加に伴い、労働災害も増えている。社会の支え手として高齢者が安心して働けるよう、職場環境の見直しが急務である。

 休業4日以上の労災に遭った60歳以上の人は昨年、過去最多の約3万9千人に上った。

 労働者全体に占める60歳以上の割合は2割弱だが、労災に遭った人では3割弱と高くなる。30代と比べて労災発生率は2倍超とのデータもあり、高齢者が労災に遭いやすい傾向が見てとれる。

 さらに65歳を過ぎて働く人は昨年、過去最多の914万人に達し、この10年で4割以上増えた。人手不足を背景に、高齢の働き手に頼る職場の多さを反映している。

 定年延長や再雇用制度が導入され、希望するシニアが働き続けやすくなった一方、生活不安から収入を求める人も多い。力仕事など不慣れな職場に配置される場合も少なくない。

 けがの事例では、わずかな段差でつまずく、ぬれた床で足を滑らせる、脚立から落ちる-といった「転倒」「墜落・転落」が目立つ。加齢に伴い、本人が思う以上に筋力やバランス能力が低下するためとみられる。

 危険な作業が伴う製造業や建設業に限らず、飲食店などサービス業や介護現場の発生率も高い。高齢になるほど重症化しやすく、休業期間も長期化する。

 厚生労働省は2020年、高齢者の労災防止に関する指針を作った。手すりの設置や段差の解消、照明の明るさ、作業速度の見直しなど具体例を示し、事業者に対策を促している。定期的な健康診断や体力チェックの実施も有効としている。

 しかし、雇用者側の取り組みは鈍い。60歳以上が働く事業所は全体の約8割あるが、対策を行うのは約2割にとどまる。同省の調査では「自社の60歳以上は健康」との理由が目立った。

 そもそも指針を「知っている」との回答も2割に満たず、加齢による労災リスクへの理解が進んでない。周知に努め、雇用者側の意識改革を促したい。

 厚労省は、労災防止に必要な設備投資などに対する助成制度を設けており、利用した事業所では労災発生率が下がる効果が出ているという。事故が減れば企業活動にもプラスになる。

 国の責任も問われている。少子化で現役世代の負担が重くなる中、元気な高齢者には社会保障を支える側に回ってもらおうと、政府は年金受給年齢の引き上げなどで就労を促進してきた。

 だが、現行の労働安全衛生法は、高齢者の労災を防ぐための「適切な配置」のみを努力義務としている。

 厚労省は、指針で示す具体策を努力義務として課す方向で法改正を検討している。中小企業の負担増を懸念する声もあり、適切な支援が求められよう。官民で協力し、誰もが無理なく貢献できる社会を目指したい。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月22日  16:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・12.16】:男女の賃金差 非正規雇用の処遇改善を急げ

2024-12-16 05:00:50 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【社説②・12.16】:男女の賃金差 非正規雇用の処遇改善を急げ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・12.16】:男女の賃金差 非正規雇用の処遇改善を急げ

 働く女性が増えた一方で、子育てでいったん仕事を離れた人の復職が難しいことなど、課題も少なくない。 

 国や企業は、働きたいという女性の意欲を生かせる職場づくりに取り組んでほしい。

 政府が4月、女性活躍を推進するためのプロジェクトチームを発足させた。今後、仕事と家庭の両立支援や管理職への登用などを企業に働きかけていくという。

 労働基準法は、性別を理由として賃金に差をつけてはならないと定めている。ただ、女性の場合、結婚や子育てで離職する人が多く、男性に比べて勤続年数が少なくなりがちだ。そのため、管理職も少ないという実態がある。

 そうした事情から、結果的に、女性が得られる賃金は、総体として男性の75%にとどまっている。プロジェクトチームは、男女差の大きい金融・保険業や食品製造業、小売業などの実態を調べ、対策を検討するという。

 政府は2年前、全国の大企業に対し、男女の賃金差を公表するよう義務づけた。その後、女性管理職の育成や働き方の見直しが進んでいる。中小企業でも社内の状況を詳しく点検し、課題の発見に努めてもらいたい。

 日本では、女性の正規雇用率が20歳代後半をピークに下がり、非正規雇用が増える特徴がある。結婚や出産を機に正社員を辞め、子育てを経て、パートなどで再び働き始める人が多いのだろう。

 国の統計では、非正規雇用で働く人の7割近くを女性が占めている。非正規雇用で働く人の賃金は正社員の3分の2にとどまる。

 まずは、非正規雇用で働く人の処遇を改善することが大事だ。非正規で働くことを選んだ女性の中にも、正社員として働きたいと思っている人がいる。そうした女性が希望をかなえられるような仕組みづくりも欠かせない。

 職場を離れた女性が再び働き始める際には、新しいデジタル技術への対応などもあり、不安が大きいだろう。国や自治体は、そうした女性が必要な技能を身につけられるよう支援すべきだ。

 都市部は、子育て世代の女性の賃金水準が高いことから、男女の賃金差も比較的小さいが、地方では依然として男女差が大きい。地方からの女性の流出を食い止めるためにも、解消が求められる。

 日本は少子高齢化が進み、労働力の不足が深刻化している。男女ともに働きやすい環境を整えることが、国にとっても、企業にとっても重要になる。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月16日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌・11.20】:働く喜びとAIと

2024-11-20 04:00:40 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【金口木舌・11.20】:働く喜びとAIと

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・11.20】:働く喜びとAIと 

 地方公務員の友人の妻は職場で昇進の話があると、「拒否」するそうだ。「肩書を得るだけで、責任は重くなり業務は増える。割に合わない」が理由。仕事に誇りはあるが、業務に忙殺され疲労もたまるとくれば、昇進に二の足を踏む

 ▼責任はともかく、職歴を重ねるごとに仕事が増えるというのは体験的に分かる。少子高齢化で日本の生産年齢人口が減り続けている。業務の幅は広がり、仕事が減ることはない

 ▼どこもかしこも人手不足だ。「人工知能(AI)が仕事を奪う」と言われるようになって久しいが、少なくとも身の回りにそんな気配はない。この食い違いは一体何だろう

 ▼ことしのノーベル賞の物理学賞と同化学賞はAI関連が受賞した。昨年、「東京都同情塔」で芥川賞を受賞した九段理江さんは創作時に「生成AIを使った」と明かし、話題となった

 ▼AIは信用できないという人もいるだろう。ただ、労働力不足への対応では可能性を秘めている。「拒否」はしないし、疲弊もたまらない。要は人間が使いこなせるか。感情がないAIだが、人が働く喜びや誇りを取り戻してくれるかもしれない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】  2024年11月20日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・11.17】:フリーランス法 安心して働ける環境を整えよ

2024-11-17 05:00:50 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【社説①・11.17】:フリーランス法 安心して働ける環境を整えよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・11.17】:フリーランス法 安心して働ける環境を整えよ

 組織に属さずに働くフリーランスを保護する新たな法律が、11月から施行された。多様な働き方が広がる中で、安心して仕事ができる環境を整えていくことが大切だ。 

 フリーランスは、ITエンジニアやアニメーター、ライター、通訳などが代表的な職種で、働き方の一つとなっている。

 料理の宅配など、単発で仕事を引き受ける「ギグワーク」と呼ばれるフリーランスも増えている。民間の調査では、2023年にフリーランスを本業とする人は約320万人に上るという。

 ただ、無理な発注やトラブルが生じても泣き寝入りする事例が後を絶たない。仕事を打ち切られることなどを恐れるからだろう。

 公正取引委員会が行った調査によると、フリーランスから、「多くは口約束で、事前に契約書を作るのはまれ」「足元をみた報酬額や条件、休日返上の納期を求められることが多い」といった不満の声が多く寄せられたという。

 買いたたきについては、フリーランスの約7割が「報酬額を一方的に決められたことがある」などと回答していた。

 フリーランスには原則として労働基準法が適用されない。立場の弱い個人が安心して働ける環境整備を進めていかねばならない。

 新たな「フリーランス取引適正化法」は、企業が業務を発注する際に、著しく低い代金しか支払わない買いたたきや、一度決めた報酬の不当な減額を禁じる。

 仕事の内容や報酬額を書面やメールで明示し、60日以内に報酬を支払うことも義務づけた。

 下請法では対象外となっている資本金1000万円以下の中小企業にも新法が適用されるため、多くのフリーランスに恩恵が及ぶだろう。また、発注する企業側には、ハラスメント行為に対する相談体制の整備も求めている。

 フリーランスの立場の弱さは根深い問題だ。公取委は今月に入っても、出版大手「KADOKAWA」が、ライターやカメラマンの報酬を著しく低い額に設定したとして下請法違反を認定した。

 公取委は、新法を踏まえて取引状況の監視を強め、違反行為には厳正に対処してもらいたい。

 新法の認知度の低さも課題である。公取委の調査に、フリーランスの8割弱、企業は半数が、法律の内容を知らないと回答した。

 これではフリーランスを十分に保護できない。公取委は、経済団体などと協力して、周知の徹底を急ぐ必要がある。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月17日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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