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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①・03.22】:禁煙店の頭打ち 法見直しで実効性を高めよ

2025-03-22 16:00:40 | 【健康・健康食品・機能性表示食品・禁煙・健康への効果と健康被害】

【社説①・03.22】:禁煙店の頭打ち 法見直しで実効性を高めよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・03.22】:禁煙店の頭打ち 法見直しで実効性を高めよ 

 健康被害を広げる「抜け穴」をふさぐ手だてが不可欠だ。

 たばこを吸わない人の受動喫煙対策を強めた改正健康増進法の施行から5年を迎えるが、飲食店の全面禁煙化が停滞している。

 厚生労働省の一昨年末調査で、禁煙店は全国で約6割にとどまった。法施行後に開店した新規店では約8割、既存店では約6割だった。特に居酒屋・ダイニングバーの新規店は半数にとどまっている。

 受動喫煙が防止されていない実態が浮かび上がる。

 2020年4月に全面施行された改正法で、飲食店は原則禁煙となった。だが例外として、経過措置で客席面積が狭い既存の小規模店や、主食を提供しない「喫煙目的施設」として登録された店は吸ってよいとした。

 喫煙目的施設とは本来、シガーバーなどを想定するが、線引きがあいまいだ。電子レンジの加熱なら主食に該当せず、規制外としている居酒屋などもあるという。

 改正法を巡って、国は当初、飲食店に例外なしの禁煙を検討したが、たばこ産業や飲食業界への影響を考慮した自民党内の反発を受け、大幅に後退した経緯がある。

 受動喫煙の影響を軽視してはならない。肺がんのリスクが約1・3倍に増えるとされるなど、年間約1万5千人が受動喫煙で亡くなっているとされる。

 がん対策基本法は、喫煙が健康被害を及ぼす要因の一つとして位置づけており、国や自治体が予防策に取り組むことを明記している。だが日本の取り組みは海外と比べて遅れ、世界保健機関(WHO)の評価は4段階のうち下から2番目と低い。

 一方、自治体では国の基準を上回る規制が進む。

 東京都は条例で、従業員がいる店は店舗面積にかかわらず原則として禁煙とした。大阪府も来月からの条例全面施行で、例外措置となる小規模店の客席面積の要件をさらに限定する。

 課題や成果を共有し、参考とすべきだろう。

 近年、普及している加熱式たばこの問題も看過できない。改正法では専用の喫煙室で飲食しながらの喫煙が認められ、通常のたばこより規制が緩い。周囲の人が有害物質を吸い込む危険性が高いとの研究結果がある。

 吸いやすさから若者を中心に急速に広がっている水たばこ(シーシャ)も、一酸化炭素中毒を起こす恐れがあると専門家から指摘されている。

 いずれも依存性があり、「紙巻きたばこより安全」「無害」などといった誤解が広がる。

 正しい知識を広く普及するとともに、法規制を徹底し、実効性を高めなくてはならない。

 改正法は施行後5年で見直しを検討することになっている。規制強化に向けた議論を深めていくべきだ。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年03月22日  16:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:機能性表示食品 迅速な被害報告を義務づけよ

2024-04-15 05:01:25 | 【健康・健康食品・機能性表示食品・禁煙・健康への効果と健康被害】

【社説①】:機能性表示食品 迅速な被害報告を義務づけよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:機能性表示食品 迅速な被害報告を義務づけよ

 健康への効果をうたう食品があふれている。安全性をどう確保するかは重要な課題だ。健康被害があった場合に、迅速に対応できるルールを整えなければならない。

 小林製薬が製造した機能性表示食品の「 紅麹べにこうじ 」サプリメントを摂取し、腎臓病になる人が相次いでいる。これまでに5人が死亡し、200人以上が入院した。

 機能性表示食品は、科学的根拠となる資料を消費者庁に届け出れば、国の審査なしに効能を示して販売できる。2015年に規制改革で制度が導入され、今では6800を超える製品がある。

 今回の健康被害で、まず問題なのは報告が遅れたことだ。効果や安全性の担保を企業に委ねる制度である以上、被害の情報があれば、即座に拡大防止策を講じる仕組みがなければいけないはずだ。

 小林製薬は1月半ばに問題を把握しながら、国や自治体への報告は2か月以上後だった。

 消費者庁が定めた機能性表示食品の指針は、健康被害が発生した場合、「情報が不十分であったとしても速やかに報告することが適当」としているが、どの段階で報告しなければならないかがあいまいだ。法的な義務づけもない。

 体調不良があっても、健康被害が発生していることを知らずにサプリを使い続けた人もいる。企業がすぐに行政と情報を共有し、使用中止を呼びかけていれば、被害の拡大を防げた可能性がある。

 判断を企業任せにせず、ルールを法的に義務づけるべきだ。

 紅麹問題では、健康被害が報告された原料から青カビ由来の有害物質「プベルル酸」が検出された。腎臓病との関連性は調査中だが、紅麹から自然に発生することはないとみられ、製造工程で混入した疑いが指摘されている。

 サプリは特定の物質を濃縮しており、長く使用するケースが多いため、健康被害が出れば、一般の食品より体への影響が大きい。

 メーカーが消費者庁に届け出る際、製造工程や品質管理について第三者機関の評価を受けるような制度の活用も一案だろう。

 機能性表示食品については、これまでも表示に関するトラブルがたびたび起きている。

 昨年は、消費者庁が血圧低下をうたうサプリの表示を取りやめるよう求める措置命令を出した例がある。効果を裏付ける合理的な根拠がないと判断されたためだ。

 国は現在、制度の見直しを検討している。表示の妥当性を点検する仕組みも強化してほしい。 

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年04月11日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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