路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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《社説②》:技能実習制度の廃止案 人権守る仕組みこそ必要

2023-04-18 02:05:40 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

《社説②》:技能実習制度の廃止案 人権守る仕組みこそ必要

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:技能実習制度の廃止案 人権守る仕組みこそ必要

 制度創設から30年を経て、ようやく見直しの方向性が示された。外国人の人権を尊重する仕組みに改める必要がある。

 政府の有識者会議が、技能実習制度の廃止を打ち出した。中間報告書のたたき台に盛り込まれた。

 日本で技能を身につけ、母国で生かしてもらうことで、開発途上国の人材育成に協力するのが制度の建前である。だが、人手不足を補うために、労働者を受け入れる枠組みとなっているのが実態だ。

 昨年末時点で32万人余の技能実習生が働いている。低賃金や長時間労働、劣悪な職場環境などの問題が長らく指摘されてきた。

 本来は労働関係の法律が適用されるにもかかわらず、国際貢献に名を借りた、まやかしが人権侵害を生んでいる。廃止は当然だ。

 たたき台では、人材確保を前面に出した新制度の創設が提案された。ただ、人材育成も目的に残され、具体的なルールづくりでは、現行制度の踏襲が目に付く。

 これでは、看板の掛け替えで終わりかねない。労働者としての権利が守られる制度を整えなければならない。

 まず必要なのは、別の勤務先への転職を可能にすることである。

 技能実習生は原則として、転職が認められていない。最長5年という短期間で、効率的に技能を習得してもらうとの理屈だ。

 過酷な環境でも、我慢して同じ職場で働き続けるしかない。耐えきれずに失踪し、在留資格を失うケースも後を絶たない。

 受け入れ手続きの適正化も急務である。

 仲介する監理団体が勤務先を適切に監督・指導していない例も目立つ。国は規制を強めてきたが、十分な効果は上がっていない。

 母国の送り出し機関やブローカーに多額の手数料を支払って来日し、借金を負った実習生も多い。こうした状況を改善するには、国の積極的な関与が求められる。

 4年前、外国人の就労拡大を掲げて特定技能制度が導入された。これに組み込んだうえで、権利を保障していくべきではないか。

 有識者会議は今秋にも最終報告書をまとめる。社会を支える一員として外国人は欠かせない存在になっている。その現実を直視し、議論を深めなければならない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年04月18日  02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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