路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【盛山文科相】:旧統一教会の解散命令を請求 高額献金など被害額204億円

2023-10-13 10:26:02 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【盛山文科相】:旧統一教会の解散命令を請求 高額献金など被害額204億円

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【盛山文科相】:旧統一教会の解散命令を請求 高額献金など被害額204億円

 盛山正仁文部科学相は13日、金銭トラブルが問題化している世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令を東京地裁に請求した。宗教法人法に基づき解散命令を求める申立書に、約5000点の証拠資料を添えて提出、受理された。今後、地裁は非訟事件手続法により、解散命令の適否を非公開で審理する。<button class="sc-jZpXdb hEFHjm" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26"></button><button class="sc-jZpXdb hEFHjm" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26">世界平和統一家庭連合(旧統一教会)=東京都渋谷区で2022年10月</button>

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)=東京都渋谷区で2022年10月(毎日新聞)

 ■【図解】解散命令請求後はどうなる?  

 申立書の概要などによると、文科省は高額献金や霊感商法などの金銭トラブルで教団の損害賠償責任を認めた民事訴訟の判決が1980~2021年に32件あり、被害者169人の損害賠償額が約22億円に及ぶことを確認した。訴訟外の和解や示談を含めると被害者は約1550人、解決金などの総額で約204億円の損害を与えたとしている。 

 金銭トラブルを巡っては、教団本部から各地の教会に献金集めのノルマが課されたり、物品販売の売り上げが賞罰の対象だったりしたことから、教団の組織的な関与を認定。宗教法人法が解散要件に定める「法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」と「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」に該当すると判断した。  

 献金や霊感商法に関するマニュアルもあり、家族の不幸に乗じる手法も繰り返されていたとしている。文科省側は12日の記者会見で「人々の心の平安を与えるべき宗教活動に逆行している」と指摘。「財産獲得の受け皿として機能し、宗教法人格を付与した趣旨に反したものであることは明白」と請求の理由を説明した。  

 一方、旧統一教会は12日、解散請求について「偏った情報に基づいて、日本政府がこのような重大な決断を下したことは痛恨の極み。日本の憲政史に残る汚点となる。今後は裁判において、私たちの法的な主張を行っていく」とする声明を発表した。  

 今後、東京地裁が決める解散命令の可否について、文科省、教団に不服があれば、最高裁まで争うことができる。解散命令が確定した場合、教団は法人格を失って税制優遇が受けられなくなり、礼拝施設の維持などでダメージになる。任意団体としての活動はできる。【深津誠】

 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 政治 【政策・文科省・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について、宗教法人法に基づく解散命令を請求する意向を表明】 2023年10月13日  10:08:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:旧統一教会の解散請求 被害の救済はこれからだ

2023-10-13 07:58:50 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

《社説①》:旧統一教会の解散請求 被害の救済はこれからだ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:旧統一教会の解散請求 被害の救済はこれからだ

 日本の社会と政治を揺るがした問題の大きな節目である。

 盛山正仁文部科学相が宗教法人法に基づく世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令を東京地裁に請求すると表明した。裁判所が審理を経て妥当と判断すれば、法人格が剥奪される。

 教団を巡る問題がクローズアップされたのは、昨年7月に安倍晋三元首相が銃撃された事件がきっかけだ。殺人罪などで起訴された山上徹也被告が、信者である母親の巨額献金で家庭が崩壊したとして、教団と関係のあった元首相を狙ったと供述した。

 宗教法人法は「法令に違反し、著しく公共の福祉を害する行為をした場合」などに裁判所が解散を命じられると定めている。

 岸田文雄首相が昨年10月、「質問権」を行使して調べるよう文科相に指示した。約1年にわたった調査で、国は教団が霊感商法や高額献金を巡る組織的な不法行為を続けてきたと判断した。

 ◆情報開示の徹底が必要

 調査の土台となったのは、教団側の損害賠償責任を認めた32件の民事判決だ。解散命令の要件にある「法令」は従来、刑法を指すと解釈されていたが、国は「組織性、悪質性、継続性」があれば民法の不法行為も対象になり得るとみなした。

 質問権は7回行使されたが、回答を拒否された項目も少なくなかった。全国の170人以上の被害者から聞き取りを重ねることで、請求にこぎ着けたという。

 教団側は「民法の不法行為は解散事由に当たらない」などとして争う構えだ。

 国によると、霊感商法などの不法行為では、教団名を隠して勧誘したり「先祖の因縁」などと不安をあおったりする手口が共通していた。マニュアル化もされていたという。こうした調査結果からは不法行為の組織性がうかがえる。

 ただ、国による情報開示には不十分な点もある。

 戦前の宗教弾圧への反省などから、宗教法人法は団体の規制を目的とはせず、憲法が保障する「信教の自由」を重んじている。

 解散命令は法人にとって極めて厳しい措置だ。宗教団体として活動は続けられるが、税制上の優遇措置を受けられなくなるため影響は甚大だ。宗教への不当な介入を防ぐためにも、国家による調査には慎重さが求められる。

 文科省は、質問権を行使するに当たり、意見を聞いた宗教法人審議会の詳しい議事内容を明らかにしていない。審議会の役割は、信教の自由が妨げられていないかなどを専門家が点検することだ。

 裁判所の結論が出た後に議事要旨が公開される見通しだが、透明性を確保するため、速やかに議事録を公表する必要がある。

 請求は、臨時国会や二つの国政補選の直前となった。審議会委員からは「政治日程に左右されては困る」との懸念の声も上がる。

 ◆政治との関係も解明を

 解散命令請求だけで国の責務が果たされるわけではない。多くの課題が積み残しのままだ。とりわけ急がれるのは、被害者対策の強化である。

 悪質な寄付勧誘行為を禁じる法律が制定された。寄付を集める際、「個人の自由な意思を抑圧しない」ことなどを求めたが、配慮義務にとどまる。

 信者の親から子が信仰を強制されるなどの「2世」問題もある。厚生労働省が対応指針をまとめたが、そうした知識に乏しい児童相談所職員らが判断に迷うケースも想定される。

 「マインドコントロールなどに関する議論が不十分なため、対策の実効性に課題がある」と、悪徳商法に詳しい西田公昭・立正大教授は語る。被害者を救済するには「臨床心理士や法律家らが支援に当たる専門的な機関が不可欠だ」と指摘する。

 高額献金などの被害者らは教団に損害賠償を求めている。解散命令請求後に教団が財産を散逸させないよう、保全する措置が必要となる。

 教団と政治の関係も改めて厳しく問われるべきだ。自民党議員らが選挙で応援を受けるなど、教団側とのかかわりが明らかになったが、調査は徹底されていない。

 国が有効な対策を講じないまま、旧統一教会を巡る被害は広がった。救済の取り組みはこれからだ。裁判所の結論を待つことなく、あらゆる手立てを尽くさなければならない。

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年10月13日  02:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:旧統一教会問題 反社会的な活動は許されない

2023-10-13 07:58:40 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【社説①】:旧統一教会問題 反社会的な活動は許されない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:旧統一教会問題 反社会的な活動は許されない

 ◆宗教法人の是非を問う解散請求◆

 霊感商法や高額献金による深刻な被害が社会問題となっている。悪質な活動には 毅然きぜん と対処せねばならない。

 政府が、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令を東京地裁に請求する方針を決めた。きょうにも東京地裁に申し立てる。

 旧統一教会の霊感商法や高額献金の強要といった問題は、昨年、安倍晋三元首相の銃撃事件をきっかけに改めて顕在化した。

 ◆トラブルの相談は今も

 日本司法支援センター(法テラス)が設けた霊感商法などの電話相談には、昨年11月から今年8月までに、旧統一教会に関する相談が1033件寄せられた。

 相談の中には「勧誘されて献金を承諾するまで帰宅できず、その後も借金をして数百万円以上献金した」といった例もある。

 憲法は「信教の自由」を定めており、宗教団体を組織して教義を広めることに、何ら問題はない。だが、宗教活動に名を借りて不当に高額な献金を要求したり、高額商品を売りつけたりする活動が許されるはずがない。

 税制面で優遇されている宗教法人について、その適格性を厳しく問うのは当然のことだ。

 政府の解散命令の請求に対し、教団側は強く反発している。

 教団は2009年、信者が霊感商法で摘発された事件を受け、法令順守の徹底を宣言した。その後トラブルはほとんど起きていない、と説明している。

 一方、旧統一教会の被害救済に取り組む弁護団は、その宣言後も、140人に計19億円超の被害があったと反論している。

 高額献金の強要や強引な勧誘が続いているのならば、見過ごしてはならない。早急に実態を解明して、刑事、民事を問わず、責任を追及する必要がある。

 今後は東京地裁が、教団が悪質な活動を行ってきたかどうかを精査することになる。

 宗教法人法は「法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」があった場合、裁判所が宗教法人の解散を命令できる、と定めている。

 過去に法令違反を理由に解散を命じられたのは、オウム真理教など2法人だけで、いずれも幹部らが刑事事件で摘発されていた。

 ◆組織性などの立証焦点

 他方、旧統一教会を巡っては、不法行為を認めた民事判決は数多くあるが、幹部が刑事事件で摘発された例はないとされる。

 政府は昨年、不法行為の「組織性、悪質性、継続性」が明らかであれば、民事案件でも解散請求の要件を満たす、と従来の解釈を変更した経緯がある。

 地裁の審理では、国側が、教団の被害者から聞き取った陳述書や、質問権を行使して入手した内部資料などから、教団の悪質性などをいかに客観的に立証できるかがカギを握るだろう。

 教団側は、解散命令の請求に徹底的に反論するとみられる。裁判の長期化は避けられまい。

 解散命令が確定した場合、教団は宗教法人格を失い、税制上の優遇を得られなくなるが、任意の宗教団体としては存続できる。

 一方、宗教法人を所管する文化庁の対応には疑問が残る。

 昨年11月以降、宗教法人法に基づき、教団に対して7回、質問権を行使し、組織運営や収支に関する報告を求めてきたが、その質問内容を公開していない。

 「調査に支障がある」と言うが、解散請求に踏み切った以上、教団側に何を質問し、教団側が何を答え、何を答えなかったか、概略だけでも公表すべきではないか。

 信者を親に持つ宗教2世や、3世の問題も深刻だ。

 親の行き過ぎた献金で家庭が困窮し、家族関係が崩壊してしまうケースは多い。子供に信仰を強制する虐待も起きている。

 ◆宗教2世をどう救うか

 教義を理由として、信者間で養子縁組が行われていたことも判明した。子どもの人権が ないがし ろにされている状態は看過できない。

 教団を巡っては、自民党や立憲民主党、日本維新の会など与野党の多くの国会議員に接点があったことが判明している。

 どんな団体でも自らの要求を実現するため、政治家に働きかけることはあり得る。

 今回は結果として、教団が自らの活動を正当化するための広告塔として議員を利用した形だが、議員側にも、教団の一定の集票力に期待した面があるのだろう。

 各党はそうした責任を重く受け止め、被害者や宗教2世の救済に 真摯しんし に取り組むことが大切だ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年10月13日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【旧統一教会】:識者談話

2023-10-13 07:56:50 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【旧統一教会】:識者談話

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【旧統一教会】:識者談話

 ◇教団への効果は限定的か

 ■解散請求方針「痛恨の極み」 旧統一教会が見解発表

 桜井義秀・北海道大教授(宗教社会学)の話 文部科学省は単なる質問権行使にとどまらず、献金当事者からの聞き取りや訴訟資料の精査などもしている。解散命令を請求するに値する広範な調査をしたと言えるのではないか。

 今回の請求は、岸田文雄政権にとって教団との関係に決着をつけるという政治的効果がある。一方、教団は既に活動を多角化させており、解散しても宗教法人でなくなるだけで、活動は継続できる。それを止める手だてはなく、効果は限定的だろう。献金被害回復のための一律の法整備も現実的には困難で、個別に損害賠償訴訟などを起こしていくしかないのではないか。

 ◇司法判断長期化も

 ジャーナリスト江川紹子さんの話 文部科学省は経済的損害だけでなく、被害者の家族など周辺への影響を丹念に調査したことがうかがえ、解散命令請求の判断は妥当だ。ただ、教団の不法行為は遅くとも40年前からあり、安倍晋三元首相銃撃事件が起きる前に対応すべきだった。 オウム真理教の場合は対象事件を絞り、請求から7カ月で解散命令が確定した。今回は証拠数が多いため、司法判断は時間がかかるだろう。この間に財産が隠され、被害者救済が難しくなる可能性がある。オウム事件後、宗教法人法が改正され質問権などが設けられたが、同時に救済制度も整える必要があった。

 元稿:時事通信社 JIJI.com 主要ニュース 政治 【政策・文科省・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について、宗教法人法に基づく解散命令を請求する意向を表明】 2023年10月12日  19:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【旧統一教会】:解散命令は「法人への死刑宣告」 活動続けられる?

2023-10-13 07:56:40 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【旧統一教会】:解散命令は「法人への死刑宣告」 活動続けられる?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【旧統一教会】:解散命令は「法人への死刑宣告」 活動続けられる?

 政府は、宗教法人法に基づき、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令を13日にも東京地裁に請求する方針だ。「宗教法人に対する死刑宣告」ともいわれる解散命令とは、どのようなものなのかを解説する。【李英浩】

  • <picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2023/07/23/20230723k0000m010154000p/9.webp?1" type="image/webp" />今も旧統一教会問題に関心があるか</picture>
    今も旧統一教会問題に関心があるか
  • <picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2022/10/23/20221023k0000m010157000p/9.webp?1" type="image/webp" />世界平和統一家庭連合(旧統一教会)=東京都渋谷区で2022年10月</picture>
    世界平和統一家庭連合(旧統一教会)=東京都渋谷区で2022年10月

 ◆どんな時に出せるのか?

 「解散命令」は、裁判所の判断で宗教法人格を奪う手続きだ。具体的には①法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる②宗教団体の目的を著しく逸脱した③代表役員が1年以上いない――などの要件がある。

 所轄庁(文部科学省または都道府県)や検察官がいずれかの要件を満たしたと判断すれば、裁判所に解散命令を請求できる。

 ◆どんな時に出せるのか?

 「解散命令」は、裁判所の判断で宗教法人格を奪う手続きだ。具体的には①法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる②宗教団体の目的を著しく逸脱した③代表役員が1年以上いない――などの要件がある。

 所轄庁(文部科学省または都道府県)や検察官がいずれかの要件を満たしたと判断すれば、裁判所に解散命令を請求できる。

  • <picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2023/10/10/20231010k0000m040270000p/9.webp?1" type="image/webp" />旧統一教会に対する解散命令請求の想定</picture>
    旧統一教会に対する解散命令請求の想定

 ◆宗教法人とは?

 そもそも宗教法人とは、どんな組織なのか。宗教法人法では、礼拝施設を持ち、教義を広めたり、儀式行事をしたりする組織を宗教団体と定めている。

 所轄庁の認証を経て法人格を取得した場合、その団体の宗教活動には公益性があるとみなされ、さまざまな税制優遇が受けられる。

 境内には、固定資産税が課されず、法人税もかからない。さい銭やお布施などの収入も非課税だ。一般企業のように「不動産販売業」や「旅館業」など34業種の収益事業を営む場合は、課税の対象になるものの、税率は優遇される。

 ◆「質問権」とは?

 宗教法人の行為が解散要件を満たす疑いがあれば、所轄庁は、宗教法人法に基づく「質問権」を使い、教団の運営実態を尋ねたり、関連資料を求めたりすることができる。ただ、宗教施設などへ立ち入るには同意を要するといった制限もある。法人側が質問に答えなかったり、うその報告をしたりすると、行政罰の一つである過料(10万円以下)が科される。

 
  • <picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2023/09/06/20230906k0000m040235000p/9.webp?1" type="image/webp" />文化庁の旧統一協会に対する質問</picture>
    文化庁の旧統一協会に対する質問

 ◆高いハードルの背景
<picture></picture>

 宗教法人法が、解散要件に高いハードルを設け、所轄庁による権限行使も抑制的にしか認めていない背景には、「信教の自由」を保障する日本国憲法の精神がある。宗教団体の関係者が相次いで検挙されるなど、政府が宗教弾圧を進めた戦前の反省もあり、同法ではいかなる規定も「(宗教行為を)制限するものと解釈してはならない」としている。

 ◆「法令違反」で解散 前例は?

 文科省が旧統一教会の解散請求を判断するまでには、霊感商法や高額献金の要求など、教団側が民事裁判で賠償責任を問われた数々の金銭トラブルが、要件①の「法令違反」に当たるかどうかが、ポイントとされてきた。

 ただ、①の「法令違反」に基づいて過去に解散命令が確定したのは、地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教と、霊視商法詐欺事件を起こした明覚寺(和歌山県)のみ。旧統一教会と異なり、いずれも教団の役員が刑事責任を問われている。

 岸田文雄首相は昨年10月、「組織性、悪質性、継続性」が確認できれば、民法上の不法行為も解散の要件に含まれうるとする解釈を示した。文科省は昨年11月以降、7回にわたる質問権の行使によって、組織体制や財産状況、献金の実態などにまつわる資料の提出を教団側に求めた。これに並行して金銭トラブルを巡る被害者への聞き取りも重ね、解散請求に向けた証拠の積み上げを進めてきた。

 ◆解散したらどうなる?

 裁判所の命令を受けて宗教法人の解散が確定した後も、任意団体として活動を続けることは可能だ。しかし、税制上の優遇措置は受けられなくなり、組織運営が困難になる可能性もある。専門家の中には「(解散命令は)宗教法人に対する死刑宣告のようものだ」とする見方もある。

 解散請求について、旧統一教会側は、過去10年以上にわたって法令順守を徹底してきたとし、政府が解散要件に示した「組織性、悪質性、継続性」についてはいずれも「全く該当しない」と反論。文科省の質問権行使も違法であるとの見解を示している。

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 元稿:東京新聞社 主要ニュース 社会 【話題・自民党・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について、宗教法人法に基づく解散命令を請求する意向を表明】 2023年10月12日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 ◆宗教法人とは?

 そもそも宗教法人とは、どんな組織なのか。宗教法人法では、礼拝施設を持ち、教義を広めたり、儀式行事をしたりする組織を宗教団体と定めている。

 所轄庁の認証を経て法人格を取得した場合、その団体の宗教活動には公益性があるとみなされ、さまざまな税制優遇が受けられる。

 境内には、固定資産税が課されず、法人税もかからない。さい銭やお布施などの収入も非課税だ。一般企業のように「不動産販売業」や「旅館業」など34業種の収益事業を営む場合は、課税の対象になるものの、税率は優遇される。

 ◆「質問権」とは?

 宗教法人の行為が解散要件を満たす疑いがあれば、所轄庁は、宗教法人法に基づく「質問権」を使い、教団の運営実態を尋ねたり、関連資料を求めたりすることができる。ただ、宗教施設などへ立ち入るには同意を要するといった制限もある。法人側が質問に答えなかったり、うその報告をしたりすると、行政罰の一つである過料(10万円以下)が科される。

  • <picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2023/09/06/20230906k0000m040235000p/9.webp?1" type="image/webp" />文化庁の旧統一協会に対する質問</picture>
    文化庁の旧統一協会に対する質問

 ◆高いハードルの背景
<picture></picture>

 宗教法人法が、解散要件に高いハードルを設け、所轄庁による権限行使も抑制的にしか認めていない背景には、「信教の自由」を保障する日本国憲法の精神がある。宗教団体の関係者が相次いで検挙されるなど、政府が宗教弾圧を進めた戦前の反省もあり、同法ではいかなる規定も「(宗教行為を)制限するものと解釈してはならない」としている。

 ◆「法令違反」で解散 前例は?

 文科省が旧統一教会の解散請求を判断するまでには、霊感商法や高額献金の要求など、教団側が民事裁判で賠償責任を問われた数々の金銭トラブルが、要件①の「法令違反」に当たるかどうかが、ポイントとされてきた。

 ただ、①の「法令違反」に基づいて過去に解散命令が確定したのは、地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教と、霊視商法詐欺事件を起こした明覚寺(和歌山県)のみ。旧統一教会と異なり、いずれも教団の役員が刑事責任を問われている。

 岸田文雄首相は昨年10月、「組織性、悪質性、継続性」が確認できれば、民法上の不法行為も解散の要件に含まれうるとする解釈を示した。文科省は昨年11月以降、7回にわたる質問権の行使によって、組織体制や財産状況、献金の実態などにまつわる資料の提出を教団側に求めた。これに並行して金銭トラブルを巡る被害者への聞き取りも重ね、解散請求に向けた証拠の積み上げを進めてきた。

 ◆解散したらどうなる?

 裁判所の命令を受けて宗教法人の解散が確定した後も、任意団体として活動を続けることは可能だ。しかし、税制上の優遇措置は受けられなくなり、組織運営が困難になる可能性もある。専門家の中には「(解散命令は)宗教法人に対する死刑宣告のようものだ」とする見方もある。

 解散請求について、旧統一教会側は、過去10年以上にわたって法令順守を徹底してきたとし、政府が解散要件に示した「組織性、悪質性、継続性」についてはいずれも「全く該当しない」と反論。文科省の質問権行使も違法であるとの見解を示している。

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 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 社会 【話題・自民党・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について、宗教法人法に基づく解散命令を請求する意向を表明】 2023年10月12日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【旧統一教会】:解散請求「政治で左右は困る」 宗教法人審委員が懸念

2023-10-13 07:56:30 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【旧統一教会】:解散請求「政治で左右は困る」 宗教法人審委員が懸念

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【旧統一教会】:解散請求「政治で左右は困る」 宗教法人審委員が懸念

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求を巡り、文部科学相の諮問機関「宗教法人審議会」の委員の一人が毎日新聞の取材に応じた。現政権が臨時国会や衆参補選を控えた時期に請求し、教団への毅然(きぜん)とした姿勢を示す狙いがあるとされることについて「解散命令は宗教法人に対する『死刑宣告』であり、請求は慎重な手続きを踏むべきだ」と指摘。請求自体は妥当との見解を示しつつ、「政治日程に左右されては困る」と政治的意図が絡むことに懸念を示した。 旧統一教会への調査に関わる宗教法人審議会。手前に審議会の委員、奥に文部科学省幹部らが並ぶ=東京都千代田区の文化庁で2023年9月6日、前田梨里子撮影

旧統一教会への調査に関わる宗教法人審議会。手前に審議会の委員、奥に文部科学省幹部らが並ぶ=東京都千代田区の文化庁で2023年9月6日、前田梨里子撮影

 宗教法人審議会の委員が今回の解散請求を巡り、メディアに見解を明らかにするのは初めて。政府は12日に開く審議会の意見を聞いて、13日にも東京地裁に解散命令を請求する方針だ。

 文科省の外局・文化庁は昨年11月、岸田文雄首相の指示を受けて、宗教法人法に基づく「質問権」を行使し、高額献金などの金銭トラブルが問題化している旧統一教会の調査を始めた。

 オウム真理教による地下鉄サリン事件などを受けた同法改正(1995年)で質問権の規定が盛り込まれて以降、実際に行使されるのは初めてで、質問事項は有識者や宗教家らで構成する宗教法人審議会に諮らねばならない。審議会は憲法で保障される「信教の自由」を守る役割があり、今回は、調査への影響を考慮して審議内容が非公開だ。

 ◆「法人への死刑宣告。慎重な手続きを」

 取材に応じた委員は…、

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 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 社会 【話題・自民党・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について、宗教法人法に基づく解散命令を請求する意向を表明】 2023年10月11日  05:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【検証!】:解散命令請求が近づく旧統一教会とジャニーズ問題の共通点

2023-10-13 07:55:50 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【検証!】:解散命令請求が近づく旧統一教会とジャニーズ問題の共通点

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【検証!】:解散命令請求が近づく旧統一教会とジャニーズ問題の共通点

  政府は旧統一教会に対する解散命令を裁判所に請求する方向で最終調整に入ったと一斉に報じられている。過去数十年にわたり様々な問題が指摘されてきたにもかかわらず、なぜこれまで解散命令に至らなかったのか。  背景にはジャニーズ事務所の性加害問題にも通じる大手メディアの追及の甘さもあるのではないだろうか。旧統一教会をめぐる問題は1960年代から世間の注目を集めていた。  英国では今年、BBCが「ライフコーチング」を語り巨額の資金を騙し取ったとされる集団を、弱みにつけ込む「カルト」だとして徹底追及。メディアが果たすべき役割を果たしている。日本はどうか。  (楠 佳那子:フリー・テレビディレクター)

 ■【写真】山上徹也被告  

 盛山文科相は10月3日の記者会見で、旧統一教会に対する解散命令請求について「客観的な事実を明らかにした上で最終的な判断を行うための対応を進めているところ」と述べた。報道各社は9月30日、政府は旧統一教会に対する解散命令請求に向けた最終調整に入り、早ければ10月12日にも文部科学省宗教法人審議会が開かれると報じている。

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政府は、旧統一教会に対する解散命令請求に向けて最終調整に入ったと報じられている(写真:ロイター/アフロ)((C)Japan Business Press Co.,Ltd. All Rights Reserved)

 霊感商法による多額の献金で家族が無惨に引き裂かれるなど、旧統一教会を巡る様々な問題は昨夏の安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに大きな注目を集めてきた*1 。実行犯である山上徹也被告は逮捕直後から旧統一教会へのうらみを犯行動機として語っている。安倍氏および祖父の岸信介元首相や自民党など、政界と同教団との深い関係については、事件後にTBS報道特集などで詳報され、在英の筆者も去年になってその詳細を知ることができた。 *1:鈴木エイトが語る「安倍元首相を襲う前、山上徹也が僕に送ったメッセージ」(10月1日付、JBpress)  

 解散命令請求に向けた調整の報道を受け、全国霊感商法対策弁護士連絡会は9月30日、「私たちが30年以上主張してきた請求が、ようやくなされることになる」と述べ、期待感を示した。

 しかし、現在ジャニー喜多川による性加害で火だるま状態のジャニーズ事務所(「SMILE-UP.」に改名)の問題と同様に、30年以上もの間、なぜ主要メディアは元首相の銃撃という一大事に発展するまで、旧統一教会の問題をこれほど大きく報じてこなかったのか。この問題をより早く追及していれば、もっと早く団体の解散命令請求につなげることができたのではないだろうか。

 同教団の霊感商法はすでに1980年代から朝日ジャーナルが社会問題として告発していた。そこには長い病などに苦しむ人たちの心の隙間につけ込み、今の不幸は先祖の悪行が原因などと不安をあおって高額のつぼや印鑑などを売りつける様子が克明に記されていた。  

 安倍元首相銃撃で起訴された山上被告の母親は、夫の自死や重病に見舞われた長男(のちに自殺)、自分の母の死などが重なり、信仰に走ってしまったという。報道によれば、母親から教団への多額の献金が親族に発覚したのは1994年。同被告はその4年後に名門高校を卒業したにもかかわらず、金銭的な問題から大学進学も叶わなかった。暮らしていた家も献金の餌食になり、兄妹の生活が自分の死亡保険金で楽になればと自殺未遂まで起こしたとされている。  

 1990年代の統一教会といえば、桜田淳子さんや山崎浩子さんが同団体の集団結婚式に参加して騒動になったほか、飯星景子さんの告発手記などで週刊文春が追及、霊感商法関連の裁判で教会側が敗訴するなど、世間的にも注目されていた時期だ。

 ■弱みにつけ込み被害拡大  

 旧統一教会は政界とのつながりにより巧みに生き抜いてきた背景があったかもしれない。しかし、その頃主要メディアが現在ジャニーズ事務所に対して行っているような総攻撃を同団体にも続けて、解散命令請求が出される事態に発展していたら、霊感商法や多額の献金などによる、山上被告の家族のような被害者の拡大を未然に防ぐことができたかもしれない。  

 筆者は東京の海外メディアで働いていた90年代後半、別のある大手新興宗教について取材をしたことがある。その後、複数回自宅の固定電話で友人などと会話をしている際、その団体の名前を出すと突然通話が切れることが続いた。  

 同団体に自宅の電話番号は伝えたことはなかったので、考えすぎかもしれない。しかし、こうした団体についての闇を知れば知るほど、特に大手放送局や新聞・雑誌社などの後ろ盾がなく法的にも対抗措置を取れない、いわば丸腰状態のフリーランスの身では太刀打ちできないと感じる。旧統一教会問題を長年にわたり訴え続けてきたジャーナリストの鈴木エイト氏には、心底敬意を払いたい。  

 逆に言えば、組織的に対峙できる大手報道各社には、継続取材や大々的な告発が可能だったのではないだろうか。

 1960年代から旧統一教会の学生組織に参加した若者が家族や学業から離れて活動を始めるなど、同団体は長期にわたり問題視されてきた。90年代にも一時期注目されたにもかかわらず、いわゆる「2世信者」にまで被害は拡大。元首相の銃撃などという前代未聞の事件まで起きてしまった。  

 繰り返されてきた悲劇の背景を知れば知るほど、精神的に弱っていたり、人生の目的を見失っていたりする弱者を狙う商法に対しては、主要メディアが早いうちに徹底追及し、その芽を摘むべきだと痛感する。

 特にコロナ禍以降の物価高などによる経済的不安や、リモートワークなどにより希薄となった周囲とのつながり、SNSに依存しがちな生活など、ふとした気持ちの弱り目につけ込む商法が、その触手を巡らせている可能性がある。日本でも既に社会問題化している暗号資産(仮想通貨)など実態がない商品への投資を勧誘する「モノなしマルチ」はその典型かもしれない*2 。 

 *2:「モノなしマルチ商法」注意 相談3500件、半数20代以下(7月10日付、日本経済新聞)

 ■「ライフコーチ」語る「カルト」  

 英国では今年4月、「ライフコーチングビジネスを装い」参加者から数十万ポンドともいわれる費用を受け取ったとされる団体についてBBCが詳報した*3 。 *3:A Very British Cult: Inside Lighthouse, the life coaching cult that takes over lives(4月5日付、BBC)

 「A Very British Cult」――。まさしく英国的なカルト、とでも訳せる題名の同番組では、「ライトハウス」と呼ばれる団体が参加者に対し「ライフコーチング」を行い彼らの資産を根こそぎ奪ったという疑惑を、関係者の証言などをもとに丹念に描いている。  

 同番組によると創設者は南アフリカ育ちの59歳の男。35歳で巨額の資産を築いたと豪語し、「スピリチュアルに満たされた状態に人々を矯正する革命的な」アプローチを開発したとうたっていた。ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットにコネがあるなどとも吹聴していた。  

 団体はこれからのキャリアや将来に不安を持つ人や自分を見失いそうになっている人、過去に性的暴行を受けてトラウマを抱えた人、自殺未遂歴があり、うつや不安感を抱えた人などを取り込んだという。心の隙間に言葉巧みに入り込み、受講料と称して多額のコーチング費用を支払わせた手口は、霊感商法やその他のマルチ商法に通じるものがある。  

 BBCに顔出しで出演したある被害者は、1年間のコーチング費用として1万ポンド(約180万円)を支払った。コーチングの成果によってビジネスチャンスが広がればすぐにその費用は取り返せるなどと説得され、さらに2万5000ポンドも支払ってしまった。借金をしたり家を手放すなどして、その費用を賄ったその他の人々の事例も並んでいる。

 ■楠 佳那子

 元稿:JBpress 主要ニュース 社会 【話題・政府は旧統一教会に対する解散命令を裁判所に請求する方向に、では、なぜこれまで解散命令に至らなかったのか。背景にはジャニーズ事務所の性加害問題にも通じる大手メディアの追及の甘さもあるのではないだろうか】  2023年10月07日  11:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【解説委員室から】:ジャニーズ、ビッグモーター、日大の共通点 謝罪会見で「キーマン隠し」

2023-10-13 07:55:40 | 【新聞社・報道・マスコミ・雑誌】

【解説委員室から】:ジャニーズ、ビッグモーター、日大の共通点 謝罪会見で「キーマン隠し」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【解説委員室から】:ジャニーズ、ビッグモーター、日大の共通点 謝罪会見で「キーマン隠し」 

 ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長(2019年7月死去)の性加害問題で、同事務所は7日、初めて記者会見した。出席したのは藤島ジュリー景子前社長(5日付で辞任)ら4人で、創業者一族を除く最古参の幹部で、社内事情に最も詳しいとされる白波瀬傑前副社長(同)の姿はなし。保険金の不正請求などを問われる中古車販売大手のビッグモーター、アメフト部員が大麻所持などの疑いで逮捕された日本大学の各会見でも、実情を最も知り得る人物は不在。組織防衛を優先しての「キーマン隠し」が、3社・法人の共通点として浮かび上がる。(時事通信解説委員長 高橋正光)

ビッグモーターの看板、ジャニーズ事務所、日本大学本部【時事通信社】

ビッグモーターの看板、ジャニーズ事務所、日本大学本部【時事通信社】

 【目次】
 ◇質問封じ?最古参幹部は欠席
 ◇辞任で会見に出ず、BIG副社長も
 ◇薬物事件、日大は監督欠席
 ◇説明ゼロの田中元理事長
 ◇性被害者の涙

 ◆質問封じ?最古参幹部は欠席

 ジャニーズ事務所の会見に出席したのは、藤島氏の他、後任の社長に就いたタレントの東山紀之、子会社社長でタレントの井ノ原快彦、顧問弁護士の木目田裕の各氏。藤島氏は、同社が設置した再発防止特別チーム(座長・林真琴前検事総長)の調査報告書を受け入れ、性加害の事実を認めて謝罪。社長を引責辞任したと発表した。

 同時に、藤島氏は、被害者への救済、補償に取り組む方針を表明。補償に責任を持って当たるため、代表取締役にはとどまることを明らかにした。自身が100%保有する自社株の取り扱いに関しては、「簡単な問題ではない」と明言を避けた。

 一方、後任の東山社長は「鬼畜の所業」とジャニー氏を激しく非難。「今後人生をかけて、この問題に取り組んでいく」と決意を述べた。 

性加害問題について記者会見するジャニーズ事務所の(右2人目から左へ)藤島ジュリー景子、東山紀之、井ノ原快彦の各氏。右端は顧問弁護士の木目田裕氏=2023年9月7日、東京都千代田区【時事通信社】

性加害問題について記者会見するジャニーズ事務所の(右2人目から左へ)藤島ジュリー景子、東山紀之、井ノ原快彦の各氏。右端は顧問弁護士の木目田裕氏=2023年9月7日、東京都千代田区【時事通信社】

 特別チームの報告書によると、ジャニー氏の中高生を中心にした未成年者への性加害(強制わいせつ罪等に該当し得る犯罪行為)が少なくとも40年以上繰り返され、被害が拡大した最大の原因として、ジャニー氏の「性嗜好異常」と、同氏の姉で実質的な事務所経営者であるメリー喜多川氏(21年8月死去)が、性加害を知りながら、「何等の対策も取らず、放置と隠ぺいに終始したこと」などと指摘している。

 さらに、事務所が、「見て見ぬふり」に終始した「不作為」も、被害拡大の要因として挙げている。

 報告書はまた、白波瀬氏の役割などに言及。「1975年に、メリー氏の声掛けで入社。同氏の指示を受け、取材対応などの宣伝業務」を担当。96年に取締役に就任、専務を経て、19年に副社長に起用された、一族以外の「最古参の幹部」。今年1月には、代表権も得た。ただ、絶大な権力を握る「ジャニー、メリー両氏の判断に反対できる立場でもなかった」としている。

ジャニーズ事務所=東京都港区【時事通信社】

ジャニーズ事務所=東京都港区【時事通信社】

 こうした経歴、立場を踏まえ、特別チームは2回、白波瀬氏へのヒアリングを実施。報告書は「直接見たわけではない」ことなどを理由に、「性加害を行っていたとは考えていない」と当初供述したが、再度のヒアリングで、ジャニー氏が世話になった人の子息が最近、被害を申告したことを知り「性加害を行ったことは真実であろうと思った」と述べ、性加害の事実を認めたと記している。

 その上で、報告書は、ジャニー氏死去後の体制を検証、社長の藤島氏、および副社長の白波瀬氏ら取締役は、事実の徹底調査、原因究明、再発防止、被害者への救済を行い「膿を出し切る義務を負っていた」と指摘。これらの措置を取らなかったことは、取締役としての「任務の懈怠」と断じた。藤島氏に対しては、その他の事情も考慮し、社長の辞任、同族経営の弊害除去を求めた。

 藤島氏の社長辞任は、報告書を受け入れた以上、当然のこと。白波瀬氏の代表取締役副社長辞任も、妥当な判断と言えよう。しかし、同氏は会見に出席しなかった。会見では、欠席理由を聞く質問が出たが、木目田弁護士は「藤島さんが一身をもって責任を取るとのことで、出席していない」と述べるにとどめた。

 報告書によれば、ヒアリングで白波瀬氏は当初、ジャニー氏の性加害を否定したが、途中で説明を変え、事実を認めた。事実を徹底解明するためにも、同氏の説明が不可欠なのは明白。会見に欠席させた藤島氏や東山社長らの判断は、説明責任を果たすより、組織防衛を優先したと見られても仕方がないだろう。

 ◆辞任で会見に出ず、BIG副社長も

 保険金(事故車の修理費)の不正請求問題などを受けたビッグモーターの7月25日の記者会見は、創業者の兼重宏之社長(当時)や和泉伸二専務(現社長)らが行ったが、兼重氏の長男で経営の相当部分を任されていた宏一副社長(当時)は、辞任を理由に欠席した。これについて、SNSでは「息子隠し」との声も上がった。

保険金の不正請求問題を受け、記者会見する中古車販売大手ビッグモーターの兼重宏行社長(左)=2023年7月25日、東京都港区【時事通信社】

保険金の不正請求問題を受け、記者会見する中古車販売大手ビッグモーターの兼重宏行社長(左)=2023年7月25日、東京都港区【時事通信社】

 同社はその後、公共物の街路樹を、除草剤を散布して枯らした疑惑も浮上。不正請求疑惑で金融庁が立ち入り検査に入り、街路樹関連では、神奈川県警が器物損壊の疑いで、県内の3店舗を捜索したことも伝えられた。

 一連の不正疑惑の背景として、過剰なノルマ、コンプライアンスの欠如が指摘された。会見後には、現役社員や元社員から、宏一氏による複数のパワハラ事案が告発され、各メディアで報じられた。宏一氏は、社の経営実態を最も知る「キーマン」であり、会見に出席していれば、一連の疑惑への関与、認識などについて、繰り返しただされていただろう。

 宏一氏を会見に出さなかった兼重氏の判断は、顧客への説明責任より、息子を守ることを優先した結果に見える。

 ◆薬物事件、日大は監督欠席

 脱税(所得税法違反)事件を起こした田中英寿元理事長との決別を宣言した日大で、アメフト部員が大麻などを所持した疑いで逮捕される事件が発生。大学は8月8日に記者会見を開いた。

 出席したのは、林真理子理事長、酒井健夫学長、元検事の沢田康広副学長の3人。大学側からは、(1)保護者からの情報提供を受け、部員への聞き取り調査を昨年11月に実施。部員1人から「大麻と思われる物を7月ごろに吸った」との申告があり、警察関係者に相談したが、「立証困難」との回答があり、厳重注意にとどめた(2)警視庁からの情報提供を受け、7月に寮で持ち物検査を実施し、植物片などの不審物を発見。「大麻であれば自首させたい」との判断から、12日間、警視庁に連絡せずに大学本部で保管していた―ことなどが明かされた。これにより、大学による「事件の隠ぺい」との疑念が一気に広がった。

アメリカンフットボール部の部員が覚醒剤などを所持したとして逮捕されたことを受け、記者会見する日本大学の(左から)林真理子理事長、酒井健夫学長、沢田康広副学長=2023年8月8日、東京都千代田区【時事通信社】

アメリカンフットボール部の部員が覚醒剤などを所持したとして逮捕されたことを受け、記者会見する日本大学の(左から)林真理子理事長、酒井健夫学長、沢田康広副学長=2023年8月8日、東京都千代田区【時事通信社】

 そもそも、昨年11月に使用の自己申告がありながら、厳重注意にとどめた判断を含め、事案の詳細を一番知っているのは、日々部員と接触する中村敏英監督に他ならない。監督が会見に出てこなかったことは、極めて不自然と言える。これについて、青山学院大学の原晋駅伝監督は取材に「監督は現場の責任者。会見に出席しなかったのはおかしい」と疑問を呈している。

 大学側はその後、「個人の犯罪」と判断して、無期限活動停止の処分を解除し、リーグ戦への参加を連盟に申請。その矢先の8月22日に、別の部員の関与の疑いが強まり、同部の学生寮が2度目の家宅捜索を受けた。大学側は再度、同部を活動停止としたが、現在まで、中村監督による公の場での説明はない。

 日大は同月24日、事件対応を検証する第三者委員会を設置、文部科学省から今月15日までに、調査結果を報告するよう求められている。結果がまとまれば、林理事長ら大学側は会見を開き、結果を公表するだろう。その場に監督が出席し、説明するのか。あるいは欠席して「監督隠し」を継続するのか。注目が集まる。

 ◆説明ゼロの田中元理事長

日本大学元理事長の田中英寿氏=2022年2月【時事通信社】

日本大学元理事長の田中英寿氏=2022年2月【時事通信社】

 田中元理事長の犯罪(脱税)は、国民が憲法30条(納税の義務)を履行、納めた税金から多額の補助金(私学助成金、2020年度で約90億円、現在は不支給)を受ける学校法人のトップを長年務めながら、自身は納税の義務を完全には果たさず、税金をごまかしていたというものだ。学生、教職員、卒業生のみならず、納税者たる国民に対しても説明が必要なことは論を待たないだろう。

 側近の元理事の背任容疑の関係先として、自宅や理事長室が東京地検特捜部の家宅捜索を受けたのが21年9月。同年11月には自身が所得税法違反容疑で逮捕。同12月に約5200万円の所得税を免れたとして起訴された。22年4月に、懲役1年、執行猶予3年、罰金1300万円の有罪判決が確定している。

 こうした経緯を経て、今日に至っているが、田中元理事長はただの一度も、自身の事件について、公の場で説明していない。今回のアメフト部員による事件への林理事長らの対応を見て、田中体制下のガバナンス不全、説明軽視の体質は、体制が代わっても改善が遅々として進んでいない印象を持つ人も多いだろう。

 ◆性被害者の涙

 7日の記者会見で、藤島氏は、現場で活躍する事務所のタレントへの正当な評価を訴え、涙を流した。もちろん、競争が激しい芸能界にあって、多くのタレントは、努力を重ねて、スターの地位を勝ち取った。ジャニー氏の事件と何ら関係のないタレントが、活動の場を奪われるのは理不尽だ。その点で、藤島氏の訴えは正しい。

 同時に、スターの座を勝ち取った人の何十倍、何百倍の元ジャニーズジュニアが、ジャニー氏の性加害により夢を諦め、涙を流した。現在も、涙を流し続けているかもしれない。会見で補償、救済を約束した藤島氏は、被害者の涙を忘れないでほしい。

 元稿:時事通信社 JIJI.com 社説・解説・論説・コラム・連載 【解説委員室から】  2023年09月08日  21:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【解説委員室から】:ジャニーズ会見「キーマン隠し」の次は「質問封じ」 透ける事務所の体質

2023-10-13 07:55:30 | 【新聞社・報道・マスコミ・雑誌】

【解説委員室から】:ジャニーズ会見「キーマン隠し」の次は「質問封じ」 透ける事務所の体質

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【解説委員室から】:ジャニーズ会見「キーマン隠し」の次は「質問封じ」 透ける事務所の体質

 故ジャニー喜多川氏の性加害をめぐり、ジャニーズ事務所が2日に開いた記者会見で、指名しない記者名を列挙した「NGリスト」が存在していたことが明らかになった。事務所側は関与を否定しているが、会見の主催者として、責任は免れない。9月7日の会見では、喜多川氏が性加害を加えていた当時の社内事情に最も詳しいとされる最古参の元幹部が欠席。「キーマン隠し」に続き、今回は特定記者の「質問封じ」を図った形で、説明責任を果たすことに後ろ向きな、事務所の体質が透けて見える。(時事通信解説委員長 高橋正光)<button class="sc-cuZWaG dCvKOZ" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26"></button><button class="sc-cuZWaG dCvKOZ" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26">社名の看板が撤去されたジャニーズ事務所=6日、東京都港区</button>

 社名の看板が撤去されたジャニーズ事務所=6日、東京都港区(時事通信社)

 ■【写真】記者会見で一時退席するジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子氏=2023年9月7日  

 ◇記者を選別「NGリスト」  

 「NGリスト」の存在は4日夜、NHKが最初に報じ、時事通信も含めて各社も追随した。それによると、リストには複数の記者の名前と写真が掲載され、会見の進行を委託されたコンサルティング会社の関係者が会見場に持参していた。  

 会見は、会場の都合などを理由に、事務所側が(1)記者は1社2人まで(2)質問は1社1問(3)会見時間は2時間―と指定。司会者が挙手した記者やリポーターらを指名する方式で進められた。会見の後半には、指名されない記者が不満の声を上げ、会見場が騒然とする場面もあった。  

 報道を受け、事務所はコメントを発表。要約すると(1)会見の前々日に会見を委託したコンサル会社と打ち合わせをした際、同社が「NG」と書かれたメディアのリストを持参(2)関連会社社長の井ノ原快彦氏が「これどういう意味ですか? 絶対に当てないとだめですよ」と発言し、コンサル会社側は「当てるようにします」と回答(3)このやり取りは、その場にいた役員全員が聞いていた(4)ジャニーズ事務所の関係者は誰も、リストの作成に関与しておらず、指名しない記者を決めるなど全くしていない―という内容だ。  

 その上で「コンサル会社がしたことであっても、雇った責任があると言われれば、その通り」と責任を認めた。  

 一方、コンサル会社もコメントを発表。リストの作成、運営スタッフ間での共有を認めつつ、ジャニーズ事務所については「一切関与していない」と強調。「こうした資料に関わらず、登壇者、司会者の判断のもと、幅広い媒体の記者の皆さまにご質問いただくこととし、貴重なご意見を頂戴した」としている。  

 もっとも、ジャニーズ事務所の関与を否定した同事務所、コンサル会社のコメントは、会見を主催した当事者による一方的な説明にすぎない。なかったことを証明するのは「悪魔の証明」と言われるなどほぼ不可能だが、説明に説得力を持たせることは可能だ。  

 そのためには、中立な第三者が、両社の関係者からヒアリングをし、少なくとも(1)リスト作成の経緯(2)コンサル側がリストを持参した打ち合わせの出席者と発言、詳細な打ち合わせの内容(3)打ち合わせ後のジャニーズ事務所、コンサル会社双方の対応(4)リストを会見場に持ち込んだ理由と会見での扱い―などを公表する必要があるだろう。  

 ◇「子どもが見ている」井ノ原氏の発言  

 会見では、ジャニーズ事務所側が決めた「ルール」に従わず、司会者に指名されずに質問を投げ掛けたり、不満の声を上げたりする記者もいた。これに対し、壇上の井ノ原氏は「会見は生中継され、小さな子どもたちも見ている」と指摘、「ルールを守る大人たちの姿を見せたい」などと述べ、その場を収めた。  

 とはいえ、NGリストに名前があったとされるジャーナリストの鈴木エイト氏は、会見で挙手し続けたが、指名されなかった。司会者は会見の途中「顔が覚えられない」との言葉を発している。仮にリストに基づき、一部記者の質問を封じる形で会見が行われていたとすれば、ジャニーズ事務所の関与の有無は別にして、「大人たち」によって、事務所側に都合がいいよう「仕組まれた会見」を、子供たちに見せたことになる。  

 リストを入手した「FRIDAY」によると、優先的に指名する記者名も記されていた。特定記者の質問を封じるリストが存在した以上、同事務所には「一切関与していない」との主張を裏付ける努力が求められる。とりわけ、事務所を代表して会見した東山紀之社長と井ノ原氏には、説明責任があると言える。<button class="sc-cuZWaG dCvKOZ" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26"></button><button class="sc-cuZWaG dCvKOZ" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26">ジャニーズ事務所が創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害問題について記者会見した会場=9月7日、東京都千代田区</button>

 ジャニーズ事務所が創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害問題について記者会見した会場=9月7日、東京都千代田区(時事通信社)

 ◆説明に後ろ向き、前副社長再び欠席

 ジャニーズ事務所が設置した再発防止特別チーム(座長・林真琴前検事総長)の調査報告書は、ジャニー氏の性加害について「少なくとも40年以上繰り返された」と認定。事務所が、「見て見ぬふり」に終始した「不作為」も、被害拡大の要因として挙げている。  

 報告書はまた、藤島氏一族以外では唯一、白波瀬傑前副社長の名前を挙げ、ジャニー氏の存命中、死後を通じ、事実関係の調査、原因究明と再発防止、被害者への救済などの措置を取らず、取締役としての「任務を懈怠」したと、責任を指摘している。  

 報告書があえて、白波瀬氏の名前を挙げたのは、ジャニー氏が性加害を繰り返していた当時、同氏の側近として社内事情に最も精通していた「キーマン」の一人と判断したからだろう。実際、特別チームは白波瀬氏から2回ヒアリングし、最終的にジャニー氏の性加害を認めた。  

 しかし、9月7日の会見では、社長を引責辞任した藤島ジュリー景子氏が「一身に責任を負う」などの理由から、副社長を辞任した白波瀬氏は欠席。今月2日の会見にも姿を見せなかった。  

 2日の会見では、9月末時点で325人が補償を求めていることが明かされ、第三者委員会を設置して、被害の実態を会社として調査するよう求める質問も出た。これに対し、会見に同席した弁護士は、特別チームによって「徹底した事実調査は行われている」として、設置を否定した。  

 そもそも、報告書によると、特別チームがヒアリングしたのは、被害者等が23人、事務所関係者等が18人の計41人。既に325人から被害の申告があったことを考慮すれば、40人超からのヒアリングで、被害の実態が解明できたか疑問だ。  

 実態に少しでも迫る上で、白波瀬氏の公の場での説明は必要だろう。この点でも、事務所が説明責任を果たす気があるのか姿勢が問われている。  

 ◇記者会見の意味  

 記者会見は、政治家、団体・企業トップ、スポーツ選手ら、主催する側はさまざま。不祥事を起こした企業が、関係者に謝罪しつつ、事実関係や再発防止策などを説明し、信頼回復を図るケースも多い。ジャニーズ事務所の会見は、これに当たる。  

 一方、記者にとって会見は、記事の形で読者に必要な情報を届けるための取材の場。会見者を非難、糾弾する場では決してない。厳しい質問をする時も、相手をリスペクトし、丁寧な言葉で聞くことが大事だと、筆者は思っている。また、質問の中で、記者としての判断を盛り込むことはあるが、自身の評価を相手にぶつけて、見解を問い、記事にするのが目的だ。  

 ジャニー氏の性加害は、国連人権理事会の作業部会のメンバーが来日し、声明を出すなど国際的な関心が高い。国会でも取り上げられ、政府は若者や子どもの性被害防止の緊急対策をまとめた。事務所の対応を疑問視し、企業のスポンサー離れも進んでいる。  

 メディア側の事情を言えば、被害の実態や再発防止策、社名の変更など事務所の対応は文化部や社会部。政府の取り組みは政治部。国際機関や海外の反応は外信部。企業の動向は経済部。事務所対応を論評するのが論説・解説委員室。社によって、多少の違いはあるかもしれないが、概ねこういったカバー体制になっている。 

 そして、それぞれの記者が、専門的な立場から必要な取材をし、記事にする。フリーランスの方々は、これらを一人でカバーしているとみられる。記者によっては、特定の部分に焦点を当てて取材し、繰り返し記事にしている人もいるだろう。ただ、メディアにとっては、会見で人数を制限されると、一部の部の記者しか出席できず、さまざまな角度からの質問が難しくなる。  

 また、メディアにしろ、フリーランスにしろ、質問に対する答えを聞き、再度質問することは多々ある。より真実に迫ったり、不明確な点を詰めたりするためには、必要なこと。読者に、正確で分かりやすい記事を届けるためだ。

 「1社1問」に制限されると、真実に迫りにくくなり、正確さや分りやすさで不十分な記事になりかねない。もちろん、会見を開く側の立場からすれば、出席者が増えると、会場確保やセキュリティーの面で負担は増すだろう。  

 しかし、出席人数や質問数、会見時間に制限がないオープンな形で会見すれば、事務所側の取り組み、考えが、記事や映像を通じて読者に正確に伝わる。被害者の救済、補償に誠意をもって取り組みつつ、説明を尽くす姿勢を示すことが、信頼回復への第一歩ではないか。その意味で、NGリストという新たな事態を受け、ジャニーズ事務所の次なる対応に注目が集まっている。

 元稿:時事通信社 JIJI.com 社説・解説・論説・コラム・連載 【解説委員室から】  2023年10月07日  11:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【政府】:旧統一教会への解散命令請求、自民「幕引きへ大きな動き」と評価…野党は接点追及の構え

2023-10-13 07:50:30 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【政府】:旧統一教会への解散命令請求、自民「幕引きへ大きな動き」と評価…野党は接点追及の構え

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政府】:旧統一教会への解散命令請求、自民「幕引きへ大きな動き」と評価…野党は接点追及の構え

 政府が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求に踏み切ることを巡り、教団との関係断絶を図ってきた自民党内からは、「幕引きに向けた大きな動きだ」と評価する声が出た。野党は20日召集の臨時国会で、自民と教団の接点を引き続き追及する構えだ。

 「自民の国会議員は関係を遮断していると認識している。これからも徹底するよう努力を続けていきたい」

旧統一教会に対する解散命令請求ついて取材に応じる岸田首相(12日午後、首相官邸で)=源幸正倫撮影旧統一教会に対する解散命令請求ついて取材に応じる岸田首相(12日午後、首相官邸で)=源幸正倫撮影

 岸田首相(党総裁)は12日夕、首相官邸で記者団にこう強調した。

 自民の萩生田政調会長は過去に自らと教団関連団体につながりがあったことを踏まえ、「関係を断ち、適切な政治活動を心がけている。今後もさらにコンプライアンスの順守に努めていく」との声明を発表した。

 遠藤利明・前総務会長は東京都内の会合で解散命令請求について、「被害者救済の一つの大きなきっかけになる」と期待感を示した。

 自民は昨年9月、党所属国会議員379人のうち、179人(後に180人に増加)に教団と接点があったとする調査結果を公表し、関係断絶を宣言した。しかし、内閣支持率は下落し、教団との関係が浮上した山際大志郎経済再生相(当時)らが辞任に追い込まれた。

 自民内では、教団への解散命令請求の段階に入ったことについて、首相が衆院解散・総選挙を検討する中、「大きな区切りで、選挙の不安材料が一つ取り除かれた」と見る向きが多い。

 もっとも、新たな接点が今後、明るみに出れば、政権への打撃は大きい。閣僚経験者は「追い詰められた教団側が反撃に出る恐れがある」と懸念を示した。

 一方、野党は国会審議で自民と教団との関係に再び焦点を当てたい考えだ。

 立憲民主党の泉代表は12日、国会内で記者団に、「被害は拡大しており、(請求は)遅すぎる」と批判し、「政権与党との関係ははっきりさせないといけない」と述べた。共産党の小池書記局長は記者会見で、「(教団と)自民の癒着の問題は臨時国会の重要なテーマになる」と指摘した。

 野党間には温度差もある。国民民主党の玉木代表は同日、国会内で「大切なことは被害者救済が進むことだ。救済に向けた意味ある一歩になることを期待したい」と記者団に語った。日本維新の会の馬場代表は「解散命令請求が出されることは妥当な判断だ」とコメントした。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 政治 【政策・政府が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求に踏み切ること】  2023年10月13日  07:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【盛山文科相】:旧統一教会の献金被害者170人超に聞き取り、「多くの人の生活害した」…きょう解散命令請求

2023-10-13 07:50:20 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【盛山文科相】:旧統一教会の献金被害者170人超に聞き取り、「多くの人の生活害した」…きょう解散命令請求

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【盛山文科相】:旧統一教会の献金被害者170人超に聞き取り、「多くの人の生活害した」…きょう解散命令請求

 盛山文部科学相は12日の宗教法人審議会(文科相の諮問機関)で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令を東京地裁に請求すると表明した。高額献金被害などのトラブルを巡り、元信者らの証言などを精査した結果、教団の活動に法令違反があり、解散を求めるべきだと判断した。審議会も全会一致で「解散命令請求が相当」とした。13日に請求する。

旧統一教会に対する解散命令を東京地裁に請求することを表明した盛山文科相(12日午後3時36分、東京都千代田区で)=西孝高撮影
旧統一教会に対する解散命令を東京地裁に請求することを表明した盛山文科相(12日午後3時36分、東京都千代田区で)=西孝高撮影

 民法上の不法行為を理由とした解散命令請求は初のケースとなる。盛山氏は審議会後の記者会見で、「1980年頃から長期間にわたって継続的に多額の損害を生じさせ、多くの人の生活の平穏を害した。家族関係が悪化するなど精神的な損害も相当甚大だ」と語った。宗教法人法に定める解散事由の「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」に加え、「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」にも該当すると説明した。

 過去に法令違反を理由にした解散命令はオウム真理教など2件で、いずれも幹部らによる刑事事件が根拠となった。旧統一教会は幹部による刑事事件は確認されておらず、政府は「組織性、悪質性、継続性」の3要件を満たせば、解散命令請求できるとの基準を設け、昨年11月以降、同法に基づく質問権を行使するとともに、証拠集めを進めていた。

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 盛山氏は、過去の民事訴訟や和解した事案のほか、170人超の献金被害者への聞き取り調査などを合わせ、被害規模は計204億円(約1550人)に上ったことを明らかにした。全国的に画一的な方法で献金を集めていることから、「宗教法人の業務として行われている」と判断した。教団が信者らに法令順守を徹底させるとした2009年の「コンプライアンス宣言」以降も不法行為が続いている実態も把握し、3要件に該当すると認定した。

 岸田首相は盛山氏から報告を受けた後、首相官邸で記者団に対し、「宗教法人法に基づいて手続きを進め、客観的な事実に基づき厳正に判断した」と語った。

 請求後は地裁が非公開で審理する。解散命令が確定すれば教団は宗教法人格を失い、任意団体として活動は継続できるが、税制上の優遇は受けられなくなる。

 旧統一教会は12日、「極めて残念であり、遺憾。偏った情報に基づいて政府がこのような重大な決断を下したことは痛恨の極みで、今後は裁判において私たちの法的な主張を行っていく」とする見解を発表した。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 政治 【政策・政府が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求に踏み切る】  2023年10月13日  01:27:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【深層NEWS】:旧統一教会への解散命令請求、菅野志桜里弁護士「お墨付きを剥がした」

2023-10-13 07:50:10 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【深層NEWS】:旧統一教会への解散命令請求、菅野志桜里弁護士「お墨付きを剥がした」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【深層NEWS】:旧統一教会への解散命令請求、菅野志桜里弁護士「お墨付きを剥がした」

 紀藤正樹弁護士と菅野志桜里弁護士が12日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令請求について議論した。

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菅野志桜里氏

 菅野氏は「(宗教)法人格に値しないという判断。資金集めの要であった法人格のお墨付きを剥がしたことは大きな一歩」と話した。紀藤氏は、被害者の救済について「(旧統一教会が)今後、分裂し『別の団体』と言い逃れするかもしれない。 混沌こんとん として不透明な状況は続くと思う」と語った。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 社会 【話題・政府が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求に踏み切る】  2023年10月12日  22:12:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・10.06】:小沢一郎が指摘するジャニーズ会見から見る日本の構造的弱点

2023-10-13 07:41:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【政界地獄耳・10.06】:小沢一郎が指摘するジャニーズ会見から見る日本の構造的弱点

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・10.06】:小沢一郎が指摘するジャニーズ会見から見る日本の構造的弱点

 ★立憲民主党・小沢一郎がネットでジャニーズ事務所の会見から見る日本の構造的弱点を指摘している。「今回の大手芸能事務所の問題は正に日本の構造的問題。我が国の国民性として、自立した価値観を持てないという部分がある。まず従順性や同調性が第一に求められる。和を以て貴しと為す。巨大な権力の前では皆が沈黙し、不正が隠蔽されることが実に多い。これが事態を悪化させ、多くの被害を生む」。

 ★「戦前も『この国はおかしい』と思っても皆が同調し、国が破滅寸前まで行った。戦後、マッカーサーが来ると今度は掌を返したように皆が戦争は間違いだったと騒ぎ、教科書は黒く塗られた。この国特有の巨大な権力への従順性や組織的同調性こそ最大の問題。結局、明治以降、外圧だけがいつもこの国を変えている。常に価値観や倫理観は後回しで、自立的判断ができない。最大問題政治安倍政権以降、森友問題に始まり、おかしなことだらけだが、事件核心至る前に、皆が「まあまあこの辺で」と葬る忖度隠蔽改ざん。今日の政治腐敗日本衰退は、正に日本の従順性同調性が生んだ悲劇。政治まで外圧頼みであってはならない。日本が問われている」(一部抜粋)。

 ★政府の渡航禁止勧告を無視し、日本維新の会に無許可でロシアを訪問し、2日にロシアのルデンコ外務次官と会談した同党国会議員団副代表・鈴木宗男に党は処分を検討しているという。党共同代表・吉村洋文(大阪府知事)は「これは厳しく処分されるべき。党の方針とも大きく異なる。我々はウクライナを支援する、これは国の方針もそうだし、我々党もそういう考え方」。これに対して鈴木は「私自身、誰よりもロシアと向き合ってきた政治家です。私自身の旧知の人間関係でアポイントを取って、この会談を設定している。そこまで私は縛られるものではない」。「ルールを守る大人たちの姿を見せたい」と秩序を求めるとぱちぱちと拍手があったことと重なる。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年10月06日  07:33:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【クローズアップ】:旧統一教会解散請求へ 「民事」根拠、審理も難題 国は証拠集めに1年

2023-10-13 02:03:50 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【クローズアップ】:旧統一教会解散請求へ 「民事」根拠、審理も難題 国は証拠集めに1年

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【クローズアップ】:旧統一教会解散請求へ 「民事」根拠、審理も難題 国は証拠集めに1年

 文部科学省は12日、金銭トラブルが問題化している世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令を東京地裁に請求すると明らかにした。教団を1年近く調べ、宗教法人法が解散要件とする「法令違反」などが裏付けられたとする。だが、その根拠は教団側の不法行為を認めた民事判決を軸とするなど前例のない請求のケースで、裁判所は難しい判断を迫られそうだ。

文化庁が東京地裁に提出する段ボール箱。証拠資料約5000点が入っている=文化庁提供

文化庁が東京地裁に提出する段ボール箱。証拠資料約5000点が入っている=文化庁提供

 「信者による献金の勧誘などが、相手方の自由な意思決定に制限を加えるなど共通する方法で行われており、組織性がある」。盛山正仁文科相は12日午後に開いた臨時の記者会見で旧統一教会に解散命令を請求する理由をこう説明した。、・・

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 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【クローズアップ】 2023年10月13日  02:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【東京・多摩市】:旧統一教会施設、「白紙に」 解散請求方針受け

2023-10-13 02:03:40 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【東京・多摩市】:旧統一教会施設、「白紙に」 解散請求方針受け

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東京・多摩市】:旧統一教会施設、「白紙に」 解散請求方針受け

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する政府の解散命令請求方針を受け、多摩市内での教団による施設建設を懸念する阿部裕行市長は12日、「被害者の声を国が受け止め、広範かつ重大な被害を確認した結果であり、慎重かつ適正に判断したもの」とするコメントを発表した。

 教団は同市永山7の所有地で研修施設建設に…、

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 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 地方のニュース 社会 【話題・旧統一教会を巡る問題】  2023年10月13日  02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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