路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【政界地獄耳・09.29】:塩谷衆院議長なら安倍派分裂の危機

2023-10-08 07:39:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【政界地獄耳・09.29】:塩谷衆院議長なら安倍派分裂の危機

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・09.29】:塩谷衆院議長なら安倍派分裂の危機 

 ★首相・岸田文雄の今回の組閣で一番注力したことは、外相・林芳正を外した事と官房副長官・木原誠二の辞任を認め幹事長代理兼政調会長特別補佐に就任させたこと。それでいて26日の党役員会では幹事長・茂木敏充に「政調」と党の特別機関「79条機関」の役員人事を「党7役」(幹事長、総務会長、政調会長、選対委員長、国対委員長、組織運動本部長、広報本部長)は兼務させないよう指示。幹事長が実質的に権限を握る79条機関を首相直轄にする意向なのは茂木への不信感だ。

 ★安倍派(清和政策研究会)は派閥のトップを1人に決めるはずが、結果15人の集団指導体制にならざるを得なかった。派内の人事も官房長官・松野博一、経産相・西村康稔、党政調会長・萩生田光一、国対委員長・高木毅、参院幹事長・世耕弘成のいわゆる5人衆すべてを留任させた。派内の若手は最大派閥なのにポストが回って来ず、岸田の人事を批判しているが、1人でも動かせば派内が混乱するのは明白。全員留任は岸田の親心だろう。ここで派閥の後継者を誰にするか、トップが明確に育成しないと大変なことになるという教訓を岸田は得た。林と木原が今後はその任に就く。

自民党安倍派の総会で発言する塩谷立座長(左)。右から2人目は自民党の萩生田光一政調会長=東京都千代田区の同党本部で2023年9月28日午後0時13分、竹内幹撮影

自民党安倍派の総会で発言する塩谷立座長(左)。右から2人目は自民党の萩生田光一政調会長=東京都千代田区の同党本部で2023年9月28日午後0時13分、竹内幹撮影© 毎日新聞 提供

 ★衆院議長・細田博之は夏前から入退院を繰り返している。「当然、後継議長人事は水面下で進んでいる」(官邸筋)。キャリアからすれば党幹事長、財務相や派閥の領袖などを務めた額賀福志郎が順当だが、党ベテランからは「三権の長にふさわしいか」と批判が出ている。ここまでくれば最後は人望がものをいう。額賀の人気のなさを逆手に取り、細田と同じ派閥で当選回数で並ぶ、安倍派座長の塩谷立の名前がどこからともなく聞こえだす。「塩谷は打診あれば飛びつくだろう。そうなれば安倍派は分裂の危機に瀕する」(同派若手議員)。実現しなくとも派内の疑心暗鬼は広がる。国民民主党の元参議院議員で首相補佐官に起用した矢田稚子人事も、周りをざわつかせることの効果存分発揮した。これが岸田人事だ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年09月29日  07:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【深層探訪】:「年内解散」へ首相正念場 在任2年、問われる評価―立民代表も瀬戸際

2023-10-08 00:06:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【深層探訪】:「年内解散」へ首相正念場 在任2年、問われる評価―立民代表も瀬戸際

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【深層探訪】:「年内解散」へ首相正念場 在任2年、問われる評価―立民代表も瀬戸際

 5日を手始めに本格化する衆参2補欠選挙は、年内の衆院解散・総選挙を視野に入れる岸田文雄首相にとって、長期政権の実現に向けた正念場となる。在任2年の評価が問われる中、「全勝」して政局判断のフリーハンドを得たい考えだ。一方、立憲民主党の泉健太代表も党内の求心力を維持できるか、瀬戸際を迎えている。

参院徳島・高知選挙区の補欠選挙で、候補者の第一声を聞く聴衆=5日午前、高知市

参院徳島・高知選挙区の補欠選挙で、候補者の第一声を聞く聴衆=5日午前、高知市

 

 ◇所信でアピール

 「確かな実績、政策の実行力があるのは自公連立政権しかない。それが問われる補選だ」。自民党の茂木敏充幹事長は5日、高知市で参院徳島・高知選挙区補選の公認候補の出陣式に出席。政権への「信任」を最大の争点に掲げ、支持を訴えた。

 首相は当初、物価高騰を踏まえた経済対策の裏付けとなる2023年度補正予算案を臨時国会に提出するかどうか明言せず、冒頭解散の可能性を探っていた節がある。9月末に提出方針を示したが、与野党にはなお年内解散論がくすぶる。

 ただ、解散カードを再三ちらつかせたことで、2補選とも次期衆院選の前哨戦との位置付けが強まっている。自民関係者は「結果次第で首相は解散カードを封じられ、来年秋の党総裁選を前に引きずり下ろされかねない」と指摘する。

 2補選の投開票は22日。これに先立ち、臨時国会が20日に召集される。同日は、辞任の意向を固めた細田博之衆院議長の後任選出が予定され、日程が窮屈になる。通例では、首相の所信表明演説は後日改めて設定されるが、政権幹部は「20日の演説に首相がこだわっている」と明かす。

 投開票の直前に、首相が衆参両院の本会議に登壇し、経済対策の内容をアピール。支持拡大につなげる思惑が透ける。

 ◇「必勝期す」

 もっとも、参院補選は元自民議員の暴行問題が発端。与党にとって逆風からのスタートとなる面は否めない。政府関係者は「有権者にとって、補選は政権に『おきゅうを据える』性格になりやすい」と懸念する。

 10日告示の衆院長崎4区補選も、自民現職の死去に伴う。首相は、2補選とも勝利して議席を維持し、政権運営の主導権を握りたい考え。逆に、一つでも敗れれば、求心力が低下する可能性をはらむ。

 「いずれも必勝を期して臨みたい」。首相は5日、東京都内で記者団から2補選の「勝敗ライン」を問われたが、こう言葉を濁した。

 ◇2敗で「泉降ろし」も

 一方、泉氏は東京都内で記者団に「自民議員の暴力事件による議員辞職(に伴う補選)だ。政治への信頼を取り戻す戦いだ」と強調。立民出身の無所属候補の支援に全力を挙げる考えを示した。

 泉氏は、2021年衆院選の敗北を受け辞任した枝野幸男前代表の後を継いだが、期待された党勢回復は進んでいない。22年参院選は6議席減。今春の衆参5補選も公認候補を擁立した3選挙区で全敗した。

 政党支持率も低迷したまま。「次期衆院選で少しでも議席を増やそうと思うなら、トップを変えないといけない」。党内からは代表交代論が公然と上がる。

 泉氏サイドは、1勝すれば反転攻勢の足掛かりになると期待。同時に「両方とも負けたら、さすがに『代表を変えろ』という話になるかもしれない」(中堅)との見方も出ている。

 9月29日の記者会見。2補選の勝敗ラインに関し、泉氏は「支持率でも大きく与野党に差がある中、候補者を立てるのだって、接戦に持ち込むのだって大変だ」と苦しい胸の内を吐露した。

 元稿:時事通信社 JIJI.com 社説・解説・論説・コラム・連載 【深層探訪】  2023年10月05日  20:29:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【深層探訪】:本格回復へ軌道徐々に 進む価格転嫁、中国景気に懸念も―日銀短観

2023-10-08 00:06:40 | 【財務省・財政健全化・基礎的収支・日本銀行・国債・国と地方の借金、官邸の埋蔵金】

【深層探訪】:本格回復へ軌道徐々に 進む価格転嫁、中国景気に懸念も―日銀短観

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【深層探訪】:本格回復へ軌道徐々に 進む価格転嫁、中国景気に懸念も―日銀短観

 日銀が2日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業を中心に、経済がコロナ禍から徐々に本格回復に向かう軌道が示された。原材料高など物価上昇圧力は続くものの、価格転嫁が進み、企業の収益環境は改善。部品供給不足に悩まされた製造業では、生産正常化の動きも見られる。一方、中国の景気減速など外部環境への懸念は根強く、回復に水を差す可能性も拭えない。

【図解】仕入れ価格DIと販売価格DIの差推移

【図解】仕入れ価格DIと販売価格DIの差推移

 

 ◇底打ちの兆し

 大企業の業況判断指数(DI)の中で、前回(6月)8期ぶりにプラス転換した自動車は、今回さらに10ポイント上昇してプラス15となった。半導体不足による生産制約に苦しんできたが、「供給不足の解消は見えつつある」(ホンダ)と底打ちの兆しが出ている。収益面でも「販売単価が改善し、極めて高いレベル。為替(の円安)の追い風もある」(マツダ)という。

 原材料など仕入れ価格の上昇は根強いが、「利害関係者との協調を図りながら、値上げで対応してきた」(帝人)と、販売価格への転嫁の動きが広がる。仕入れ価格判断DIと販売価格判断DIの差は大企業製造業で16と、前回(18)より縮小。22年3月(34)から縮小が続いており、価格転嫁が進んでいる傾向が見て取れる。

 ただ、販売価格への上乗せが長引けば、個人消費には逆風となって跳ね返る。「(価格転嫁は)一定程度の浸透が図れたが、個人消費の減速を含めて需要減の行方が懸念される」(日本製紙)といった声は少なくない。日本チェーンストア協会は「これから生活者のお財布のひももきつくなる」と指摘し、賃金上昇を上回るペースでの物価高騰が個人消費を冷え込ませるリスクを危惧する。

 ◇楽観できず

 景況感の改善に貢献した宿泊関連では、「インバウンド(訪日客)は回復が顕著」(旅行大手)との声が聞かれ、「国内旅行も最近は2~3カ月先の先行受注が回復してきている」(同)。コロナ禍前にインバウンド消費のけん引役だった中国人観光客も「基調として伸びていくのは間違いない」(日本百貨店協会)とみられている。

 ただ、サービス業では人手不足が深刻化しており、需要を取り逃がす恐れも出ている。雇用人材判断DIは中小企業非製造業でマイナス44と、過去最低水準となった。

 さらに、中国経済の減速を懸念する声も多い。日本工作機械工業会の稲葉善治会長(ファナック会長)は「推進力に乏しく、期待されたゼロコロナ政策解除のメリットが実感されにくい」と指摘。深刻化する不動産不況についても「いまだ回復のめどが立っていない。楽観できない」(日本鉄鋼連盟)と厳しい見通しが目立つ。

 元稿:時事通信社 JIJI.com 社説・解説・論説・コラム・連載 【深層探訪】  2023年10月02日  17:42:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【深層探訪】:処理水への理解に濃淡 中国のIAEA批判は裏目―放出1カ月で各国反応

2023-10-08 00:06:30 | 【東京電力福島第一原発事故・放射能汚染・処理水の海洋放出問題と環境汚染

【深層探訪】:処理水への理解に濃淡 中国のIAEA批判は裏目―放出1カ月で各国反応

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【深層探訪】:処理水への理解に濃淡 中国のIAEA批判は裏目―放出1カ月で各国反応

 ウィーンで開かれている国際原子力機関(IAEA、加盟177カ国)総会は27日、各国代表による一般討論演説が終了した。東京電力福島第1原発からのトリチウムを含む処理水の海洋放出が始まって1カ月余り。3日間の演説で登壇した133カ国のうち、明確に反対を表明したのは中国だけだった。ただ、演説で示された理解や容認は中国のIAEA批判に対する反発の側面もあり、各国の姿勢には濃淡がある。

国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長(右)と面会する高市早苗科学技術担当相=25日、ウィーン

国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長(右)と面会する高市早苗科学技術担当相=25日、ウィーン

 ■政府、ロシアの禁輸同調警戒 日本産水産物、風評拡大を懸念

 ◇権威守る

 演説で処理水放出への反応を示した国の大半は、IAEAによる独立した立場からの監視や日本の取り組みを支持した。ドイツやイタリアなど欧州勢が目立ち、「日本の協力姿勢と透明性を評価する」(ブルガリア)との声もあった。

国際原子力機関(IAEA)総会で演説するニュージーランドの代表=27日、ウィーン

国際原子力機関(IAEA)総会で演説するニュージーランドの代表=27日、ウィーン

 

 「IAEAの権威を守ることは、われわれの利益になる」。欧州のある外交官は7分間の演説で、国益に直接結び付かないようにも見える処理水放出への支持を打ち出した理由について、こう語った。

 中国はIAEAの関与について「独立性に欠ける」「(データが)真実か分からない」などと主張。これが裏目に出て「IAEAの権威に対する挑戦」(日本政府関係者)と受け止められた。核不拡散ににらみを利かせるIAEAの威光が弱まれば、核施設の査察や監視業務に悪影響を及ぼしかねないという危機感が、欧州の放出計画支持の動きにつながった。

 ◇同調広がらず

 一方、中国への同調は広がりを欠いた。シリアは「非常に憂慮すべきこと」と懸念を示したものの反対はせず、これまで中国と歩調を合わせてきたベネズエラやロシアは沈黙。国連総会で批判を展開したソロモン諸島は、IAEA非加盟のため発言機会がなかった。

 同じ太平洋諸国では、ニュージーランドとオーストラリアが明確な支持を表明。ただ、ニュージーランドは、太平洋地域が抱える核実験の傷に触れ「重大な関心事だ」とも訴えた。容認の構えを見せた韓国は「汚染水」という表現も用い、IAEAに監視を緩めないよう注文を付けた。

 ◇「最後の一滴まで」

 IAEAを抱き込む形で理解獲得を進めてきた放出計画は、ひとまず軌道に乗ったと言える。各国代表によるおおむね前向きな言及に、日本の外交官の一人は「勇気づけられた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 放出は数十年に及ぶとされる。IAEAのグロッシ事務局長は「最後の一滴まで」監視を続けると強調。日本政府代表として登壇した高市早苗科学技術担当相も「最後の一滴まで」安全を確保すると口をそろえた。

 日本政府とIAEAは原発の推進で利害が一致しているだけに、そうした両者の近さへの不信感は国内外でくすぶる。中国が発動した日本産水産物の輸入禁止措置には、ロシアも追随する動きがある。国際社会に広がりつつある日本の放出計画への支持が確かなものになるかは、今後の取り組み次第だ。 

 ◇IAEA総会での処理水放出に関する主な発言(発言順)

 【中国】原発事故による核汚染水の放出は前例がない。放射性物質の蓄積がもたらす海洋への影響には大きな不確実性があり、日本から信頼できる説明はない。
 【韓国】汚染水放出計画の安全性を慎重に審査したグロッシ事務局長の指導力に感謝。効果的な監視が続くことを切に期待。
 【ブラジル】(ウクライナ南部)ザポロジエ原発での支援構築や(東京電力)福島第1原発の現場常駐など、非常に困難な状況でのグロッシ事務局長の指導力に敬意。
 【ドイツ】IAEAの専門性と中立性を全面的に信頼。
 【イタリア】IAEAの包括報告書と監視を歓迎。
 【シリア】非常に憂慮すべきだ。解決に向け、地域の全ての国が協力して取り組むよう求める。
 【マレーシア】IAEAの科学的で技術的な判定を大いに評価。
 【ニュージーランド】核(実験)の遺物がトラウマのように残っており、重要な関心事。対話と情報共有への継続的な取り組みを歓迎。
 【オーストラリア】IAEAの独立した科学に基づく助言を全面的に信頼。日本の透明性や国際的な関与を歓迎。
 【エクアドル】安全性を確保するという日本の姿勢を認識。水産業と敏感な生態系を抱えており、更新される情報を注視。(ウィーン時事)

 元稿:時事通信社 JIJI.com 社説・解説・論説・コラム・連載 【深層探訪】  2023年09月28日  17:14:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【深層探訪】:「三頭政治」変化の兆し 岸田首相、茂木氏に不信感―年内の衆院解散に両論

2023-10-08 00:06:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【深層探訪】:「三頭政治」変化の兆し 岸田首相、茂木氏に不信感―年内の衆院解散に両論

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【深層探訪】:「三頭政治」変化の兆し 岸田首相、茂木氏に不信感―年内の衆院解散に両論

 13日の内閣改造・自民党役員人事で、岸田文雄政権の権力構造に変化が見え始めた。「三頭政治」と称された岸田首相と茂木敏充幹事長の関係に不信感が芽生え、幹事長交代論も一時浮上。首相は来年秋の党総裁選での再選に向け、最大派閥・安倍派への傾斜を強めた。今後の政局の焦点は、首相が年内の衆院解散・総選挙に踏み切るかどうか。新たな布陣を国民がどう評価するかや、経済対策の内容や国会対応が判断を占う材料となる。

記者会見する岸田文雄首相=13日午後、首相官邸

記者会見する岸田文雄首相=13日午後、首相官邸

 

 ■自民・茂木幹事長「政権支える」 岸田首相と距離、払拭アピール

 ◇2度の会談

 11日午前11時すぎ、首相公邸に向かう裏門に黒塗りセダン車が入った。後席にいたのは、安倍派有力議員の萩生田光一政調会長だった。

 首相は同日朝、インドから帰国したばかり。人事調整で真っ先に萩生田氏と30分余り協議し、午後には党本部でも再び約40分話し合った。

 今回の人事で注目されたのは茂木氏の処遇だった。茂木氏は宰相への野心を隠さず、官邸側との調整がない「突出」が目立っていた。1月の通常国会の代表質問で「児童手当の所得制限撤廃」を表明、最近も秋の補正予算編成を主張した。首相は周囲に「どうなっているんだ」といらだちを見せた。

自民党の臨時総務会に臨む岸田文雄首相(左)と茂木敏充幹事長=13日、東京・永田町の同党本部

自民党の臨時総務会に臨む岸田文雄首相(左)と茂木敏充幹事長=13日、東京・永田町の同党本部

 

 首相は就任以来、麻生太郎副総裁、茂木氏との連携を重視。定期的に党本部で相談し、政権の重要方針を決めてきた。岸田派が第4派閥にすぎず、政権運営のため第2派閥の麻生派、第3派閥の茂木派の協力が欠かせなかった。それを古代ローマの有力者3人による政治体制になぞらえて「三頭政治」と表現したのは茂木氏だった。

 「続投と交代、どちらがいいのか」。首相は今夏以降、茂木氏の留任の可否を悩んでいた。麻生氏は「仕事ぶりで交代させるべき点がありましたか」と続投を求め、首相は結局受け入れた。

 一方で萩生田氏、松野博一官房長官ら安倍派有力者「5人衆」が全て閣僚・党幹部に留任。最側近だった岸田派の木原誠二氏が週刊文春報道で官房副長官退任を余儀なくされ、官邸中枢の意思決定プロセスも変わるとみられる。政権安定へ最大派閥を引き寄せ、総裁再選への流れを強めたい首相の思惑がにじむ。

 党選対委員長には、茂木派に所属し派内で首相候補に推す声もある小渕優子氏を起用。首相が安倍派に配慮を示したのとは対照的に、茂木氏へのけん制とみる向きも強い。茂木氏は13日の記者会見で総裁選への対応を問われると「政権をしっかり支えていきたい」と語った。だが、2人に生じた疑心暗鬼は簡単には消えそうにない。

 ◇「ドリル」火種に

 女性閣僚を過去最多に並ぶ5人に増員したのは「刷新感」を打ち出すためだった。一方、目玉人事となった小渕氏は、就任初日の記者会見で早速、過去の政治資金問題で「洗礼」を受けた。

自民党役員会を終え、記者会見する自民党新四役の(左から)萩生田光一政調会長、茂木敏充幹事長、小渕優子選対委員長、森山裕総務会長=13日午前、東京・永田町の同党本部

自民党役員会を終え、記者会見する自民党新四役の(左から)萩生田光一政調会長、茂木敏充幹事長、小渕優子選対委員長、森山裕総務会長=13日午前、東京・永田町の同党本部

 

 小渕氏は涙をこらえながら「おわびしたい」と陳謝。しかし、2014年に発覚したこの問題では関係データの入るハードディスクがドリルで破壊されていたことが判明。説明はなお不十分とされ、政権の火種となりそうだ。

 解散時期の見方は自民内で交錯する。党幹部は「なお首相は年内解散を諦めていない」と説明。党関係者は「党内固めを優先した陣容だ。解散は来年秋の総裁選後だろう」と慎重だ。

 政府・与党は臨時国会を10月16日に召集する案を軸に検討する。物価高対策などを盛り込んだ経済対策を策定し、財源の裏付けとなる補正予算を編成する方針。この国会での成立を目指せば年内の政治日程は相当窮屈になる。ただ「経済対策を策定するだけで解散することも可能だ」(経済官庁関係者)との見方もある。

 低迷する内閣支持率の向上も、衆院解散を行う必要条件だ。21年9月、当時の菅義偉首相が総裁選出馬を断念したのも、低支持率の中で解散を模索したことが明らかになり、党内で反発を受けたためだ。岸田首相が「解散カード」をどう駆使するのか。世論や党内情勢も見極めて慎重に判断するとみられる。

 元稿:時事通信社 JIJI.com 社説・解説・論説・コラム・連載 【深層探訪】  2023年09月13日  21:33:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2023年10月06日 今日は?】:日本の台所と呼ばれた東京・築地市場閉場 83年の歴史に幕

2023-10-08 00:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2023年10月06日 今日は?】:日本の台所と呼ばれた東京・築地市場閉場 83年の歴史に幕

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2023年10月06日 今日は?】:日本の台所と呼ばれた東京・築地市場閉場 83年の歴史に幕

 ◆10月6日=今日はどんな日

  日本の台所と呼ばれた東京・築地市場閉場。83年の歴史に幕(2018)

築地市場業務終了日、鐘が響く中で始まった冷凍マグロの競り=東京都中央区の築地市場で2018年10月6日午前6時1分、竹内紀臣撮影

 ◆出来事

  ▼千葉・松戸市に市民の苦情や要望に対応する「すぐやる課」誕生(1969)▼東京・有楽町に西武、阪急の2百貨店が入る「有楽町マリオン」開業(1984)

 ◆誕生日

  ▼西川ヘレン(46年=タレント)▼中沢けい(59年=小説家)▼松田美由紀(61年=女優)▼リュ・シウォン(72年=俳優)▼遠野舞子(73年=タレント)▼菅野結以(87年=モデル)▼元木聖也(93年=俳優)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2023年10月06日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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